東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

ブログ

Archive for 2月, 2017

2017.02.25

アート・コミュニケータ(とびラー)が「JOSHIBISION 2016 “アタシの明日”(女子美術大学 大学院・大学・短期大学部 学生選抜作品展)」をご案内します。

さんぽのような気軽な気持ちで展示室をめぐり、みんなで作品を鑑賞しませんか?

作者やとびラーとの交流を楽しみたい方、ご参加をお待ちしています!

 

JOSHIBISION 2016 “アタシの明日” 女子美術大学 大学院・大学・短期大学部 学生選抜作品展

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日時|2017年3月5日(日)①10:00~11:00 ②15:00~16:00

(※プログラム開始10分前に受付)

会場|東京都美術館 公募展示室

受付場所|東京都美術館 ロビー階ミュージアムショップ前

定員|10名(先着順)
参加費|無料
参加方法|当日受付
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前回の様子はコチラをご覧ください。

※広報、記録用に撮影を行います。ご了承ください。

2017.02.18

「Museum Start あいうえの」のファミリー向けプログラム、「あいうえの日和」が2月18日(土)に東京都美術館のアート・スタディルームで開催されました。

午前の回と午後の回の、計2回開催される「あいうえの日和」は、上野公園の9つのミュージアムを楽しく冒険するコツを伝授する90分のプログラ ム。 今年度さいごの「あいうえの日和」では、38組79名のファミリーがプログラムに参加し、冒険の道具「ビビハドトカダブック」を使って、アート・コミュニ ケータ(通称とびラー)と冒険の記録を作成するまでの一連の体験をしました。それでは、当日の活動についてお伝えしていきます。

プログラムの様子はこちら→
(「Museum Start あいうえの」ブログに移動します。)

2017.02.17

週末にご家族でお出かけしようとした時、どこに行きますか?公園、動物園・・・でも美術館は敷居が高いなぁと思われる方もいるかもしれません。この企画は、美術館をパパとこどものお出かけの場所にしてもらおう!子育てをきっかけに大人達にも美術館が身近に楽しめる場所になったらいいな、という思いから始まりました。

 

今回、とびラーでトライアル企画「パパトコ・ミュージアム」を開催しましたので、その様子をお伝えします。今回の企画は、東京都美術館から近い、国立西洋美術館の常設展を親子で鑑賞してもらい、その結果を絵本にまとめるという内容です。とびラーの紹介で、3組のパパとこども達、ママも併せると9人の方々に参加いただきました【こども4人(1才2人、4才、6才)/大人5人】。

 

まずは東京都美術館に集合。とびラーからの挨拶、企画の目的や流れをお話した後、自己紹介タイムです。
そして、国立西洋美術館に行く前の予習として、紙芝居をしました!紙芝居の中では、パパとこどもが国立西洋美術館に行きます。そこで見つけた9つの作品を紹介しながら、とびラーから「絵の中に何を見つけたかな?」「この絵は何に見えるかな?」と問いかけていきます。「桃を見つけた!」「赤い丸は地球?梅干し?」こども達も元気に参加してくれました。紙芝居は、参加者の皆さんにこれから鑑賞する作品を楽しんでもらうきっかけにしていただければと思って作ったものです。

 

 

次に、いよいよ鑑賞です。参加者の方々は、親子3組がそれぞれとびラーと一緒に国立西洋美術館に行き、作品を楽しみました。国立西洋美術館では、紙芝居で紹介された作品を見つけて、駆け寄っていくこどもも。初めて見る作品もたくさんあります。こども達が作品を見てどんな反応をしてくれたでしょうか・・・大人にとって意外な反応もたくさんありました。

 

 

そして鑑賞を終えて、再び東京都美術館に戻ってきました。皆さんそれぞれ一休みしながら感想を話されています。鑑賞後、絵本づくりで使いたい写真を5枚程選んでもらい、メールで送信していただきました。

 

休憩後、パパとこども達で鑑賞を振り返り、絵本づくりを行いました!こども達が作品を見た時の感想も取り入れて、作品や鑑賞時の写真、また一言を書いたアルバム形式の絵本を作成していきます。宗教画を選ぶこどももいます。「この杖がかっこいい!」

 

 

最後に、パパとこどもで作った絵本を、参加者の皆さんの前で発表しました。

 

 

彫刻もありました。困っているのかな、「いい子、いい子」と頭をなでてあげる子も。

 

 

大好きな果物も見つけてくれました。

 

 

皆で行った記念写真も絵本に。

 

 

トライアルを振り返って、参加したパパ達からは、「最初の紙芝居でこども達が作品に興味を持ってくれた」「絵本を親子で話しながら作ることができて良かった」「こどもが作品を見た時の反応が楽しかった」「美術館を親子のお出かけ場所にできるかも」との感想をいただきました。終わった後、参加してくれたこども達が絵本を大切に抱えて、喜んで持って帰ってくれた姿が印象的でした!

今回はトライアルでしたが、参加してくださった方々、本当にありがとうございました!鑑賞の前後に紙芝居と絵本づくりをすることで、パパもこどもも興味を持ってくれたり、鑑賞を親子で楽しむきっかけになったり。企画したとびラーの私達にとっても、パパ達、こども達の思いもよらない作品の見方を教えていただき、また素晴らしい絵本づくりに感動し、楽しい時間となりました。今後も美術館をもっと色々な方々に楽しんでいただけるよう、様々な企画に活かしていければと思います。

 


執筆:松山大美(アート・コミュニケータ(とびラー))
とびらプロジェクトに参加して1年目、多様な方々との出会いに感謝しています!

2017.02.17


平成29年2月4日に開催した「とびらプロジェクト」フォーラムは終了しました。ご来場頂いたみなさま、ありがとうございました。

フォーラム当日の記録映像が出来上がりましたので公開します。是非ご覧ください。

 


 

とびらプロジェクトフォーラム「美術館から社会的課題を考えるーする / される をこえて」
詳細はコチラ

 

1. とびらプロジェクトとは?・・・大谷郁

 

 

2. クロストーク・・・西村佳哲×稲庭彩和子
「一緒に冒険をする、ということ」

 

 

3. パネルディスカッション・・・日比野克彦・西村佳哲・森司・稲庭彩和子・伊藤達矢
「未来をつくらないコミュニケーション、つくるコミュニケーション
― アート・コミュニケータへの期待」

 

 

  • 日比野克彦 東京藝術大学教授 とびらプロジェクト代表教員
  • 西村佳哲 働き方研究家 リビングワールド代表 とびらプロジェクト・アドバイザー
  • 森司 アーツカウンシル東京 事業推進室 事業調整課長 とびらプロジェクト・アドバイザー
  • 稲庭彩和子 東京都美術館学芸員 アート・コミュニケーション担当係長
  • 伊藤達矢 東京藝術大学特任准教授 とびらプロジェクト・マネージャ

2017.02.16


マルカルミュージアムは様々な国籍や文化背景を持つ人たちが美術館に集まって、一緒に作品を鑑賞するプログラムです。今回は「書」をテーマに、大東文化大学書道学科卒業制作展を鑑賞します。みんなで一緒に素材に触れて、お話しながら書を見て、あなたのお気に入りの作品を見つけましょう。書の世界は奥深くも楽しいのです。どうぞお気軽にご参加下さい。

 

Come to the Museum and let’s enjoy communication beyond the word!
The world of Japanese Calligraphy “Sho”  is very deep, and so interesting! Once you enjoy the exhibition of Japanese Calligraphy with other people, you can find a favorite work.
Mul-Cul Museum” is a program aiming to communicate with other people who has “multicultural” background through Art.
Please feel free to join and apply for the program!

 

日時|2017年2月26日(日) 13:00〜15:00(13:00 集合)
会場|東京都美術館「大東文化大学書道学科卒業制作展」、アートスタディルーム
集合|東京都美術館 LB 階(ロビー階)ミュージアムショップ前
対象|18歳以上の母国語が日本語以外の方で、簡単な日本語を話せる方
定員|10名 *先着順。定員に達し次第、受付を終了します。
参加費|無料
参加方法|専用フォームからお申し込みください。


Date|Sunday, February 26, 2017
Time|13:00 – 15:00
Venue|Tokyo Metropolitan Art Museum
Meeting place|Lobby entrance
Eligible applicant|More than 18 years old and able to speak simple Japanese
Participation fee|Free charge

*定員に達し次第申し込み受付を終了いたします。
The application will be closed as soon as the number of participants reaches the limit.

*プログラムは簡単な日本語で行います。
We will use simple Japanese.

*広報・記録用に撮影を行う場合があります。ご了承ください。
We apologize in advance for taking photographs in the aim of record and publicity.

2017.02.14

2月13日(当日消印有効)まで受付をしていた第6期とびラーの募集が終了しました。
たくさんの方からご応募いただき、とびらプロジェクトに対する期待感をより一層強く感じました。

 

これから書類審査に入り、第一次選考結果は平成29年2月24日(金)発送で応募者全員にお知らせします。

 

とびらプロジェクト

2017.02.03

日曜午後は美術館にヨリミチ!

ヨリミチVI

 

一人でみる展覧会もいいけれど、だれかと一緒におしゃべりしながらみると、ぐっと味わい深くなる。ヴェネツィア派の作品があなたと誰かをつないでくれます。展覧会を楽しんだあとは、展示室で話しきれなかったことをおしゃべりするカフェタイムです。美術の詳しい知識はいりません。おひとりでも、お友達同士でも、お気軽にどうぞ。日曜日の美術館へヨリミチしてみませんか。

◼︎過去の回のブログはコチラ

日時|2017年2月12日(日) 15:00〜17:00(14:45 受付開始)
会場|東京都美術館「ティツィアーノとヴェネツィア派展」、アートスタディルーム
集合|東京都美術館 1階 アートラウンジ
対象|18歳以上
定員|10名 *定員に達し次第、申込を終了します。
参加費|「ティツィアーノとヴェネツィア派展」チケット代(各種障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方一名までは無料)
参加方法|用フォームからお申し込みください。
定員に達したため受付を終了いたしました。
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※作品解説のガイドツアーではありません。
※定員に達し次第、申込み受付を終了いたします。
※「ティツィアーノとヴェネツィア派」展のチケットを購入したのちに集合場所へお越しいただきますようお願い致します。
※広報・記録用に録音・撮影を行う場合があります。ご了承ください。

2017.02.01

1月、取材のその日は快晴。

総合工房棟のエレベータから降りる。廊下越しに、ふいに…そこはガラス貼りの明るい空間だった。

 

(…うーん…オープンな空気だなぁ。)

ここは卒業制作の中間発表会や、講評会に使われる場所で、今回のインタビューのためにこの場所に発表時の再現をして下さったのだとか。

 

(あ、街のミニチュアだ…)

空から見た風景の中に、明るいグレイ色のうねうねとしたものが横たわっている…。

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「これは日本橋で、首都高速の…」

と明るい声で説明をはじめてくれたのは、今回の取材に応じて下さった建築科の樽澤眞里子さん。

どことなく、ふんわりとしていて、素敵な笑顔の明るいかただ。

 

そうか、これは空想ではなく、現実の場所なんだ…。

よく考えてみると、建築とはひとつの巨大な作品とも言える。

 

ときと場合によっては、ひとつの街や都市といったスケールが作品になるという、とてつもなく大きなもの…。それは動き、人が中に入って生活を営むこともあり、ドラマあるいは出来事と言っても良いのかも知れない。しかもほとんどの場合、現実に形にする時には自分で作るわけにいかず、その指示を設計図や、時にはスケッチというコミュニケーションツールを駆使して、様々な役どころの人たちに伝えなくてはならない。法律や生産技術、流通、いろいろ考慮することが山ほどある。そして出来上がったのちに、時という時代の中でやがて変化してゆく。

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「建築では、実際には作れないものを模型や計画図で説明してゆきます。講評会では自分のイメージしているものや考えていることを、どう表現するかが問われています。教授や専任教員や助手の方たちが出席している中で質疑に受け応えてゆくので、緊張します。」

 

「言葉は限定的なので難しい。…実は、私はプレゼンテーションはあまり得意ではないんです。(笑)」とおっしゃる樽澤さん。だが、なかなかどうして、よどみなく経験に基づく様々な例を挙げながら、とても明るくオープンに楽しく話してくださった。

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『他の人と交わりながら、形づくられる』

「他人からどのような意見が出てきても、このアイデアのほうがいいんじゃないかと言われても、ひるまない。しかしその言葉を尊重し頭から否定することなく、冷静にとらえ、それから自分の主張を述べるようにする」とのこと。

「なかなか、そうはいかない事もありますけどね…」とおっしゃっていた。

ただ、経験豊富な方から、こうしたほうがいいんじゃないか、と助言をいただいた時は、まずやってみることにしているそうだ。いろいろやってみて初めて気づくこともある。それと同時に、自分の考えや解釈を加えてゆく…とのこと。

 

美術の世界とは、物を作る職人のようなもので、そんなに人と関わらなくてもいいのかと思っていた。けれど、実際に大学で制作をはじめてみて、全然そうではなかった、と樽澤さんは笑いながら言う。人に自分の作品について話しをすると、アドバイスをいただいたり、そうしているうちに次のアイデアが出てきたりする。人との関わりがとても大事だと、4年間の中で感じたそうだ。そしてご本人を見ていると、そのような予期せぬ出会いの出来事自体を楽しんでいらっしゃるように感じた。

このような「対話」の積み重ねの経験の中で、磨かれてゆくものもあるのかもしれない。

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『内側から外を見ること』

建築特有のインサイドな視点。自分がもしそこに居たとしたら、周りがいったいどのように見えるのか、という見方。逞しく想像力をはたらかせる。

模型の中で自分を小さくしてゆき、そっとそこに置いてみる…。

そこにいると光はどこから射してくるのか。音はどんなふうに聞こえてくるのか。風は、どのように…。_MG_5790 _MG_5835 _MG_5754

『傾斜・屋根・人の視点・内と外との曖昧』

インタビューに伺う前に、樽澤さんの建築計画を見せていただいていた。そのときに気づいたのだが、「傾斜と人との関係」「屋根とその下の空間と人との関係」「互い違いの傾斜を持つスラブと人間の視点」「室内に入ってくる光、内と外が曖昧な場所もある」・・・など、樽澤さん独自の考え方が、描かれたスケッチにははっきりと表れている。

今回の卒業制作の計画を考える基盤に、この考え方が活きている。卓抜したアングルを探す目。

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「首都高速道路」はただの「壁」といったモノではなく、人と人とをつなぐ関係性の「綱」のようになっている。

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『神輿のようなものが見える…』

例えば、日本橋地区で古くからおこなわれている祭りの賑わいや、人々に担がれる神輿など、日本橋の上と下で人々の視線が行き交う造りになっている。橋の上から下へと臨む劇場空間、道の先がだんだん高くなってゆくスロープ歩道、カフェのようなロビー空間…。有機的に空間がつながってゆく。

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もともとこの首都高速道路のカタチには特別な事情があるとのこと。日本橋の川は徳川幕府によって恣意的に「への字」に曲げて作られたもので、首都高速はその日本橋川に沿って建てられたという、歴史的な意味合いをカタチにしたともいえるそうだ。

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躯体コンクリートの床の上には、カーペットが敷かれて、ソファといったもので構成された空間に…と樽澤さんは大胆な発想で計画している。人と人を繋ぐ、居場所のような、人間スケールの空間を創り出す方法を考えているのかも知れない。

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『原風景』

建築への入り口はさまざまで、芸術大学や美術系大学の建築専攻と、工学系大学と建築分野では、どこが違うのだろうか。そんな漠然とした問いを、樽澤さんに問いかけてみた。

 

子供のころは幼稚園も小学校も家からは遠く離れていて、近所の子と遊ぶというよりは、自分の家とその周りはすべて庭であり、そこでいろいろな想像をしながら、遊ぶのが常だったという。小さい時から、自分の家を自分で設計して作るのが夢で、その過程に今はあるとのこと。これは樽澤さんの原風景であり原初体験とも言えるのでは…。

 

そして、美術系の建築と工学系のそれとの違いは、たぶん最終形はあまり変わらないかも知れないが、最初にイメージするものが違うのではないか、とおっしゃっていた。

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「考えるときにまず『風景』というものをかんがえます。人はそこにいてどういう状況になるのか…。スケッチブックに図やダイヤグラムのようなもの、人のいる風景を描き、そこからサイズやスケールを考えたりし、スケッチや模型を何度も繰り返しながら進めてゆきます。」という。

これは、完成形としての精緻な模型ではなく、考えたり、確認したりするための実験ということだろう。理想あるいは考えていることと現実との落差もここでわかるのだろう。ああ膨大な作業だ…。

 

「水彩でスケッチを描くこともありますが、リアルにならないので、理想形でしかないような状態になりやすいんです。」

別の機会に樽澤さんの水彩画を拝見したことがあるが、何をやりたいのかが建築のスケッチとしてシンプルにはっきりとわかる。目指している方向や「風景」がすっきりわかる。図面や模型は情報量が多すぎて、時には言いたいことが伝わりにくく隠れてしまうことが多いと思う。

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…いろいろなお話を伺っているうちに、樽澤さんの考えている建築への考え方や風景周辺に対する理想のことなどが、何となく少しわかってきたような気がする。

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そして、樽澤さんは、ご自分の卒業制作についてこのような言葉を書いている。

 

『…都市の間を縫うように創られた空中の道路

既存のインフラの躯体の中に人間スケールの空間を見つけ出し

減築または増幅させた中でプログラムを挿入する。

首都高速の自在な曲線に着目

首都高速が『壁』のように地域を分断するものから『居場所』のように

人と人とを繋ぐものへと変化させるため、空間を創造したい。

かつての記憶をつぶすことなく再構築しつつもその気配を大切に

そして新しい機能を潜入させていく。

普段見慣れた風景に中に潜む要素を取り上げ、その中の一つである高速道路を

舞台に日常の豊かな風景を周囲から引き込み

新しい価値として再発見させる。…』(一部抜粋)

 

 

『これからのこと』

卒業した後、この春から藝大の大学院で東洋建築の分野に身を置くことになっていて、そこで日本庭園の研究をする予定だそうだ。なるほどそう言えば、樽澤さんの以前の計画案で、東京愛宕山の地区設計の計画があり、その中で、廻遊式庭園の見え隠れする景観の計画のことに触れていて、その場合の植栽と建物が見事に「不等辺三角形」の配置となっていて庭園風景を造ることに言及されていた。まさにこのことと繋がっているように感じた。

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樽澤さんの大学院での研究、そしてそこでの経験からの気付きについて、ぜひまたお話を伺いたいと思う。

 

樽澤さんのような建築の方の活躍の場がますます拡がり、新たなものを造るだけではなく、いまある資源や価値を掘り起こし、再発見する。そしてこの地球という星を考え計画することで、世界にさまざまな夢を繰り広げてゆくのだろう。そのような夢を見ているのは私だけではないと思う。近い将来そんな日がやってくることを期待している。_MG_5888

 

インタビュー・執筆:園田俊二(アート・コミュニケータ「とびラー」)

撮影:峰岸優香(とびらプロジェクト アシスタント)

園田さん写真

園田 俊二(そのだ しゅんじ)

空間計画・建築や場作りに関して、調査から企画・製作・フィードバック・教育など一貫してモノを作るために必要なことをやっていました。これをベースに現在は新たなワークの実験を開始するために… 創造性のトビラを開く…を合言葉に準備中。

 

 

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