東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

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Archive for 6月 11th, 2017

2017.06.11

ワークショップ「イロイロとび缶バッジ『ブリューゲルの版画を体験しよう!~なぞって彩る不思議な世界~』」を実施しました。
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ブリューゲルが版画で描いた不思議な世界。彼の筆跡をなぞってたどっていろどって…。あなただけの世界をバッジにして持ち帰りましょう!

日時 2017年6月11日(日)11:00~15:30
会場 東京都美術館 交流棟2Fアートスタディルーム

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「バベルの塔展」の展示室と離れた場所で実施しているため、まずは展示室を見終えたみなさんに、とびラーがワークショップの実施をご案内します。

そして、とびラーと一緒にアートスタディルームへ向かいます。
道すがら、先ほど見てきた展示作品へのホットなご感想をたくさん伺うことができました。
「都美にはよく来るけど、アートスタディルームに入るのは初めて!」と楽しみにしてくださる方も。

アートスタディルームに着いたら、まずは缶バッジにする作品を選びます。


ここでブリューゲルの版画8点を改めて見ていただき、「切り取って缶バッジにして持ち帰りたい!」と思うモチーフを選びます。
缶バッジサイズの円形の台紙をあててみながら、どの作品にしようか楽しそうに悩む方がたくさんいらっしゃいました。
「こんなおもしろいキャラクターがいたなんて気づかなかった!」と改めて発見が生まれる場面でもありました。

バッジにする作品を選んだら、とびラーから作品がコピーされた紙を受け取ります。
「あれ?これ違う絵なんじゃない?」と声をあげる方も。

 

そうです。これは、ただのコピーではありません。
本物の作品と左右が反転しています。
今、私たちが見ているブリューゲルの版画作品と、彼が実際に描いた原画は左右が逆になっています。

 

この左右反転したコピーにトレーシングペーパーを重ねて、気に入った部分をなぞって描いて、自分の想像する色を塗って、最後にトレーシングペーパーを裏返して作品と同じ向きにして缶バッジにする、というのが今回のワークショップです。

なぞり描きをする工程で、ブリューゲルの版画の緻密さに改めて触れ、線の細かな違いなどに気がつき、教えてくださる方もいらっしゃいました。
小さいお子さんからご年配の方まで、皆さんこの工程では、特に集中して「シーン」となって取り組んでいました。

 

なぞり描きを終えたら、次は彩色です。
自分の想像で、白黒の版画の世界に色をつけていきます。
ここでは、皆さんご一緒に来られた方と、たくさんの色鉛筆を前に、楽しそうにお話をしながら彩色をされていました。
同じモチーフでも、それぞれの選ぶ色で、全く違った雰囲気の作品に仕上がります。

さて、色塗りを終えたら、ついに缶バッジにします。

 

とびラーが、トレーシングペーパーを円形にカットし、それを反転させて缶バッジに仕上げます。
描き終えてここまで来た方のお顔は、なんだか達成感に満ちています。

そして、ついに出来上がり。
世界にひとつのオリジナルの缶バッジです。

よろしければご感想を・・・とお声かけしたところ、こんなにたくさん集まりました!

バッジ作りで火がついた創作熱が、この感想記入の場にも表れているようでした。

私たちとびラーにとっての嬉しい言葉もたくさんありました。

でも、どんな言葉よりも嬉しかったのは、できあがった缶バッジをお互いに見せ合ったり、服やかばんにさっそくつけたりする時の皆さんの笑顔でした。
展示室から離れたアートスタディルームでの実施でしたが、小さいお子さんからご年配の方まで、225名もの方が足を運んで参加してくださいました。
今回のワークショップが、「オリジナルの缶バッジを作って持ち帰れる」だけでなく、参加された方それぞれにとって、何か新しい気づきを得られるきっかけになっていたらいいなと思います。
参加してくださった皆さん、ありがとうございました。


執筆者:服部美香(とびラー・アートコミュニケータ)

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