東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

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Archive for 2月, 2018

2018.02.26

アート・コミュニケータ(とびラー)が「JOSHIBISION 2017 “アタシの明日”(女子美術大学   大学院・大学・短期大学部学生選抜作品展)」をご案内します。

さんぽのような気軽な気持ちで展示室をめぐり、みんなで作品を鑑賞しませんか? 作家やとびラーとの交流を楽しみたい方、ご参加をお待ちしています!

 

日時|2018年3月4日(日)①11:00~12:00 ②15:30~16:30

参加方法|各回開始10分前に、下記受付場所にて先着順で参加者の受付を行います。

受付場所|東京都美術館 ロビー階ミュージアムショップ前

定員|各回10名程度

対象|どなたでも

会場|東京都美術館 公募棟 第1・2展示室

JOSHIBISION 2017 “アタシの明日”

(女子美術大学 大学院・大学・短期大学部学生選抜作品展)

参加費|無料

※作品の解説は行いません。

※広報、記録用に撮影を行います。ご了承ください。

2018.02.18

今年度のアクセス実践講座は、2月18日が最終回となりました。3つのラウンドにわけて、一年間を振りかえります。講座や関連する実践の場で考えたこと気づいたこと、その場や直後の振りかえりだけでなく、講座の目的やご自身の目的に立ち返って、学びや実践の意味を再度丁寧に振りかえっていくための時間となりました。

 

第1ラウンド:講座に関する振りかえり

講座の目的を確認し、講座がどのような構造になっていたのか、各回の内容をおさらいしながら、振りかえります。

 

事前課題としていた、振りかえりシートにもぎっしりと記入があります。

 

グループディスカッションでは、事前課題の中にあった「今年度の講座で印象に残ったキーワード、内容」について3人組で共有しました。

 

第2ラウンド:講座に関係する実践の振りかえり

とびラボからは、「アート筆談deコミュニケーション」、キッズデーで実施された「とびとびスペシャル ボストン美術館」に関わったとびラーから発表を行ってもらいました。

 

発表では、私たちは「どんな社会的課題に気づいたのか」、「どんな人が美術館に行くのが難しいのか」、「なぜその実践を行なったのか/参加したのか」、「実践から得られた可能性と課題」といったトピックについても、取り上げられました。

 

講座の目的とも重なる取り組みである、Museum Start あいうえの「ミュージアム・トリップ」、「あいうえのアンバサダー」(「子どもをミュージアムに連れて行きたいけれど、なかなか機会がない」という方を対象に、とびラーがミュージアム・デビューを応援するプログラム)についても、実践に取り組んだスタッフととびラーから発表がありました。

 

第3ラウンド:今年度の講座・実践をうけ、これからトライしたいこと

第1、2ラウンドをうけ、今年度の講座・実践をうけて、これから自分がトライしたいことを考えてもらいました。まずは、個人で考える時間を取り、その後は、マグネットテーブルという手法を使って、「似たことを書いている人」、「一緒になると化学反応を起こせそうな人」、「自分の書いたものを捨ててもいいと思える案の人」を見つけて、5〜6人のチームを組んでもらいます。

 

チームができたところから、(1)自分のアイディアとチームの人のアイディア、どこが似ていると思ったのか、(2)なぜ化学反応が起こせそうなアイディアなのか?どんなことが実現できそうなのか?、(3)なぜ自分のアイディアを捨てても良いと思ったのか?、といったテーマでグループディスカッションを進めてもらいました。

 

グループディスカッションの後は、全体での共有を行いました。「アクセス」といっても、イメージする「対象」や「課題」、アプローチする「手法」にもバリエーションがあります。

今年度のアクセス実践講座は終了しましたが、実践に向けたスタートでもあります。「美術館に行くことが難しい人が、来館し、利用するために、どのような支援が必要なのか」、マグネットテーブルで話し合ったとびラーのアイディアが実を結び、届けたい方たちのもとに届くことを願っています。

 

(東京藝術大学美術学部 特任研究員 菅井薫)

2018.02.03

平成30年2月3日に開催した「とびらプロジェクト」フォーラムは終了しました。ご来場頂いたみなさま、ありがとうございました。

フォーラム当日の記録映像が出来上がりましたので公開します。是非ご覧ください。

 

第7期とびラー 応募受付は、2月13日(火)消印有効です。

 


とびらプロジェクトフォーラム「アート・コミュニケータ奮闘記ーうまくいったり、いかなかったり」
詳細はこちら

 

1. とびらプロジェクトとは?…大谷郁

 

2. アート・コミュニケータが語る自分のはたらき

…(語り手)工藤阿貴・亀山麻里/山木薫・山﨑奈々/太田代輔・小田澤直人・近藤乃梨子/
小野寺伸二・小松一世
…(聞き手)西村佳哲・稲庭彩和子

 

3. パネルディスカッション「うまくいったり、いかなかったり」を支える人のつながりとは?

…日比野克彦・西村佳哲・森司・稲庭彩和子・伊藤達矢

 

4. オープン・スペースカフェ

 

 

 

 

写真撮影:中島佑輔

2018.02.03

2018年2月3日土曜日、東京藝術大学卒業・修了作品展において、「なりきりアーティスト」を開催しました。
「なりきりアーティスト」とは、藝大生が制作した作品をワークショップ参加者が作ったと想定して、参加者の皆さんに作者になりきってコンセプトや作品タイトルなどを語ってもらうワークショップです。例年につづき今回で3回目の開催となり、6名の様々な”なりきりアーティスト”さんに参加していただきました。

 

開催日である2月3日は節分の日、明日は立春という天気の良い春めく日でした。そして第66回目にあたる東京藝術大学卒業・修了作品展の最終日。東京都美術館や大学構内は学生の集大成である作品を観に来る人々で大賑わい、そしてエネルギー溢れる作品たちを感動した面持ちで鑑賞していました。
そんな中、応募してくださった皆さんを大学美術館前にて待つとびラー。

 

ポカポカ暖かくて、これから楽しいワークショップが始まるワクワク感が増します。さて、今年の「なりきりアーティスト」はちょっとした「仕掛け」をご用意しました。受付にてグループ分けされた参加者の方々に、なりきっていただくための小道具をお配りしています。ベレー帽やアーティスト風メガネなど、お好きなアイテムを選んで身に付けていただきました。みなさん、喜んで身につけるあたりにさすがのやる気を感じます。「なりきろう!」と応募されてきただけあって、楽しもうという姿勢が圧巻です。

みなさん集合されたところで、これからのワークショップの流れを説明。

今回は、1グループ3名の参加者に対して、3名のとびラーが付き添います。
2つのグループに分かれて、それぞれ1つの作品を鑑賞します。その後、鑑賞した作品の作者に一人一人がなりきって語り、お互いの発表を聞きあいます。

 

はじめに2グループに分かれて自己紹介とアイスブレイクです。
もうこのあたりから、参加者の皆さんのわくわくした面持ちが伺えます。
グループごとに大学美術館の地下へ降りていきます。

まずはグループごとに、自分が作者に「なりきる」作品を鑑賞します。鑑賞のポイントは以下の3点に絞って考えます。

1. どうしてこの作品を作ったの?

2. みんなに見て欲しいポイントは?

3. もしあなたがタイトルをつけるとしたら?

上の3点が書かれた「ヒントシート」にメモをしながら鑑賞していきます。

 

こちらは「おさるチーム」の様子。


立体の作品を前から後ろからじっくり観察しています。

 

こちらは「ぶどうチーム」。
大きな絵画の前でじっくりと作品を鑑賞しています。

 

ゆっくりと鑑賞し終えたら「なりきり」発表です。まずは絵画作品の「ぶどうチーム」から。発表をしてもらう方には「なりきりマイク」と「なりきりタスキ」をかけていただきました。

みなさん堂々と自分が描いたのかのように作品について語ってくれました。

お話ししてくださったのは、こんなこと。

・ぶどうがワインになる直前の輝きを表し、「これからの豊穣」と「果物のこれから」を考えて描いたと想像した。
・自分を病床から復活させてくれた「種無しぶどう」を描きたかったが、不作のため用意できず、「種ありのぶどう」を描いた。
・ワイナリーを経営しながら、素材のぶどうについて勉学しながら描いた作品である。

どれもこれも、とてもユニークな「なりきり」発想に、会場には笑いが絶えません。

 

他の参加者からの質疑応答はインタビュー形式で行います。活発に質問が飛び交い、その質問にも作者になりきって答えていただきました。

 

そこへ、その様子を見ていた本物の作者が登場!みなさんの想像の豊かさに驚き、頷き、真剣に見入っていらっしゃいました。そしてとても楽しかった様子です。
まずはみなさんのなりきりに関しての感想、そして”本当の”コンセプトや絵に対する想い、また、絵を描いている時に考えていることなどを語っていただき、その後みなさんからの質問にも丁寧に答えていただきました。

 

 

次に全員で「おさるチーム」の作品の場所へ移動します。こちらは立体の作品です。


複数体の猿をモチーフに作られたこちらの作品では、キャラクター同士の関係性を想像する人も多かった様子。みなさんがつけた作品のタイトルにも注目が集まりました。

・祖父との思い出が作品になった「あの日のリアル」
・思い出のある動物園が壊され、新しい建造物が立つことに異議を唱える作品「建設反対」

・人間関係のストレスから退職した人が、そのエネルギーをものづくりへと変換した作品「どこ見てんだよ」

どの方も堂々とアーティストに「なりきって」、独自の視点と発想で、見て感じたことを語っていました。

 

こちらの作品でも、最後に本物の作者が登場。発表中は横の方で、自分の作品がどう語られるのか、興味津々で見守っていらっしゃいました。
こちらもみなさんの「なりきり」の感想から始まり、作品が語るストーリーや、制作過程での秘話、技法についてなど詳しくお話ししていただきました。

本物の作者のお話に、みなさん真剣に聞き入り、質問をしたりと、自分自身が作者に「なりきる」からこそ深く考えたやりとりが続きます。

 

最後に会場の外にて、グループごとにワークショップの感想を共有し、本物の作者の方々へ応援のメッセージを書いていただきました。

これにて「なりきりアーティスト」は終了。終始和やかに楽しく、和気藹々とした雰囲気でした。

今回参加してくれた藝大生の作家のお二人からのメッセージの一部抜粋をご紹介します。

 

「参加なさっていたみなさんがおっしゃっていた言葉のどれもが、
私自身が作品について考えている一側面でもあったので、
ひとりひとりの発表内容から、大変多くのことを学ばせていただきました。」

 

「普段の展示では聞けないような違う視点からの感想を聞くこともできて、
新しい発見もありつつとても勉強になりました。
参加者の方々も楽しく感想を述べてくださっているようで良かったです。」

 

じっくり作品と向き合った参加者みなさんの視点によって、作者の方も、また私たちとびラーも、いろいろな解釈に驚き、納得し、楽しめたことは言うまでもありません。とても素晴らしい「なりきりアーティスト」さん達でした。また、そんな参加者の言葉を真摯に受け止めていただいた藝大生のお二人にも感謝いたします。

 

美術作品を観るときに、「もし自分だったら、なぜこの作品を作るのだろう?もし自分が作ったとしたら、どこを一番観て欲しいのか」などと考えながら観ることは、その作品を深く鑑賞することに繋がるのではないかと思っています。また作者にとっても、卒業・修了制作にあたる作品で鑑賞者にそのように観てもらい、どんな風に感じてもらえるのかを知ることは希少な体験で、これからの作品制作や美術とともに歩んでいく過程のなかでプラスになることもあるのではないかな、と考えています。

そんなことを思いつつ、その日、その時初めて出会った方々と、作品を通して感じる心の違いを尊び楽しめたらいいなと思っています。とびラーにとっても、みなさんの素晴らしい感性に触れて寄り添わせていただけることは貴重な体験で、新たな価値の創造に繋がっていると思えるのです。

 

あなたもぜひ「なりきりアーティスト」の体験をしてみませんか?

そして、またいつか「なりきりアーティスト」でお会いしましょう。

 

ごきげんよう。

 


執筆:アート・コミュニケータ(とびラー)上田紗智子

アートとコミュニケーションが大好きで、そこを繋げることに興味を抱きとびラーに。あっという間の2年が過ぎ、最後の3年目。人とコミュニケーションしながら鑑賞する、その深さを追求していきたい。そして世界に笑いを!

2018.02.02


2018年1月31日(水)、北区立稲田小学校の6年生19名が、Museum Start あいうえのの学校プログラムに参加し、「東京藝術大学卒業修了作品展」を鑑賞しました。
プログラムの様子はこちら→
(「Museum Start あいうえの」ブログに移動します。)

2018.02.02

藝大生の卒業・修了作品を展示する「東京藝術大学 卒業・修了作品展(通称:藝大卒展)」が2018年1/28(日)〜2/3(土)の期間で開催されました。それに合わせて、とびラーの「藝大さんぽ」というプログラムを会期中に4回開催しました。卒展をとびラーと一緒に「さんぽ」するこちらのプログラムは今年で5回目の開催です。藝大生の方々にもたくさんのご協力をいただき、今年は4日間で約42名の来場者の方にご参加いただきました。

 

ということで!これから今年の「さんぽ」の模様をお伝えしていきたいと思います!

今年の藝大卒展は、休日に会期が始まり、平日の開場期間が長いスケジュール。初日は日曜効果も加わって、会場は大いに混みあっていました。とびラーとしても、案内する作品のほとんどは卒展の初日が初対面。「さんぽ」の開催初日が一番の混雑を迎える日、というドキドキの展開から、少しずつツアーのアップデートを重ねていく四日間でした。

 

それではさんぽの様子を紹介しましょう!

まずは東京都美術館にて受付。参加者の方に藝大会場と都美会場のどちらをまわりたいか要望をうかがって、いくつかのコースに分かれて出発しました。

始めに自己紹介など、ちょっぴりおしゃべりをしながら、参加メンバーが揃うのを待ちます。

 

メンバーが揃ったらいざ会場へ。各コースは約一時間程度で、とびラーが選んだ3つの作品を中心にまわります。作品をまわりながら、とびラーと話したり、じっくり作品を見たり、藝大生と話したり、なかなか話せなかったり(笑)。

 

なにせ学生にとっては慌ただしい卒展の期間中!とびラーの計画通りに行かないこともしばしば。そんな時は、もともとのコースにはなかった作品を見たり、たまたまそばにいた藝大生に話を聞いたり、そんな行き当たりばったりの作品と人との出会いから「さんぽ」を楽しみました。

そして最後に、参加者の方から「さんぽ」のなかで話した藝大生に宛てて、メッセージを書いていただきました。いただいたメッセージは「さんぽ」の後、作品を制作したそれぞれの藝大生までお届けしました。喜んでいただけたそうですよ!

さて、ここで「さんぽ」はいったん終了ですが、とびラーはふり返りへ向かいます。各日ともそれぞれのコースの様子を共有して話し合いました。「あの場所は参加者の方が作品に触れそうになりやすくて危なかったよ!」というような情報共有から、「どうしたら今日のさんぽはもっとよくなったんだろう…」といった相談まで、毎回のふり返りでとびラーも徐々にパワーアップしていったように思います。

 

実はわたし、今回が「さんぽ」の初体験でした。とびラーは今回の「藝大卒展さんぽ」や、秋の「藝祭さんぽ」など、作品鑑賞と藝大生との交流を楽しむ「さんぽ」を1年のなかでいくつか開催しています。

わたしは3日間、サポート役として「さんぽ」を支えましたが、ナビゲートするとびラーによってさんぽの内容も雰囲気も様々でびっくり!お話しする学生との事前のアポ取りをはじめ、道順や時間配分まで入念なコースを計画するところもあれば、集まった参加者の方の様子を見て、その場で観る作品を決めるコースもあって。

「各々のとびラーの性格やポリシーが出るんだなあ。」というのが、色んなコースをみたわたしの実感です。「藝大生インタビュー」で制作段階を取材したとびラーの「作者の想いを伝えたい」という気持ちがほとばしる瞬間を目の当たりにしました。また、卒展を参加者の方にどう体験していただこうか、と考えるとびラーの熱い想いに胸をうたれました。

とはいえどんなに準備をしていても、参加者の方に合わせて「さんぽ」は変わっていきます。参加者にとってはどんなとびラーに出会うか、もちろん私たちとびラーもどんな参加者の方と出会えるか、それに作品と藝大生まで加わって、本当に一期一会。参加者の方の質問によって、私では引き出せなかったような話を藝大生から聞くことができたり、予想を裏切る楽しさがありました。

「さんぽ」を終えた後、ある参加者の方が会場に残って卒展をまわっているのを発見。そっと様子をうかがえば、なんと藝大生を新たに捕まえて質問攻めに!なんだか頼もしくすら思えました。その他にも「美術館の歩き方を教わりました!」という声や、「美術作品との関わり方を見つけられた」という感想も。

ひとつの作品をじっくり見て、考えて、作者と話す体験が、参加者の方にとってなにかの扉を開くきっかけになったようでとても嬉しかったです。言葉にすると簡単なようですが、意外となかなか無い体験ですもんね。これがわたし達アート・コミュニケータの醍醐味なのかしら、なんて。

さて卒展最終日、まだまだ観てない作品ありすぎ!と足早に観てまわっていたところ、同じく足早なとびラーに遭遇。卒展期間中、何日も上野にいるのに全作品をまわりきれない我々です(笑)。

私も今年こそはまわりきってやると意気込んでいたのに、作者の方と話すことが出来たひとつひとつの作品に愛着が湧いてしまって、観るペースをぜんぜん速められませんでした。だけれども、あぁこの作品はあの人が作ったんだよな、ここで参加者の方とこんな話をしたな、とこんなに愛着を感じた展覧会は初めてで、とても心が温まりました。

「藝大生と来場者を繋げるような何かが出来ないか」という想いから始まったこのプログラム。たくさんの繋がりを生んでくれたのではないかと思います。


 

執筆:宮本ひとみ(アート・コミュニケータ「とびラー」)

ひよっことびラー気分でいたら、もう二年目。本郷で美にまつわる哲学を考えたり、上野でアートとのわくわくする関わり方を探したり。

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