東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

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松隈洋の建築ツアー:建築ツアー実践講座

建築ツアー4回目はいよいよお客様をご案内する実践の場。しかし、とびラー候補生(以下:とびコー)はまだ修行中の身なのでサポートにまわります。ツアーの案内をするのは松隈洋先生(京都工芸繊維大学教授・建築史家)です。2年前に実施された「おやすみ都美館建築ツアー」でもツアーの案内人をされた東京都美術館(以下:都美)の建築(前川國男設計)を知り尽くすベテラン案内人。リニューアルオープン後第一回目となる今回の建築ツアーには24名の方にご参加頂きました。早速ツアースタート、地下1階のロビー階から中庭へ移動します。改修前と改修後にどのような変化があったのかなど、詳しく教えて頂きながら歩いて行きます。

続いて地上1階の正門付近へと移動します。この場所からは都美の外観を一望することができます。都美の改修工事でもっとも難しかったことの一つは、一見レンガづくりに見える都美外壁の再現だったそうです。実はこれ、レンガではなくタイルなのです。「打ち込みタイル工法」という技法を用いており、これも前川國男建築の特徴の一つでもあります。

 

どの辺りが大変だったのか、松隈先生が解説を行おうとされたとき、実際に改修を担当された方がツアーのお客さまの中にいらっしゃいました。松隈先生のサプライズにより、直接お話を伺うことができました。
都美が建設された1970年代初頭はオイルショックで、大量の打ち込みタイルを作ろうにも、タイルを焼く窯が燃料不足になり易く、火力が安定しなかったため、タイルの色が謀らずしもまちまちになってしまったそうです。結果的にそれが外壁の風合いを醸し出すことになりました。しかし、今の窯でタイルを焼くと、素晴らしく精度の高い奇麗に整ったタイルが出来てしまうそうです。それでは改修前に都美が持っていた雰囲気を再現することはできません。
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そこで、色合いの調査やタイルの焼き方に工夫を重ねて、ようやく完成させたのが、今の都美のタイルだそうです。改修前のタイルが残っている棟もありますが、ほとんど見分けがつかない程そっくりです。

 

改修前と改修後では大きく違うところもあります。都美はバリアフリー化を積極的に進め、改修前にはなかったエレベーターとエスカレーターが設置されました。

 

館内には大正時代に都美創設に大きく貢献した九州の炭鉱王佐藤慶太郎を記念するラウンジが設けられています。

 

このあと、企画展示室で開催中の「生きるための家展」を鑑賞しながら、新しくなった展示室を見学しました。

 

続いて北口へ。一番下のLB階にはミュージアムショップ、一つ上が地上1階で佐藤慶太郎記念アートラウンジ、その上2階がレストランを臨めます。この2階レストラン部分も今回の改修工事で新たに増設された部分です。

 

実践講座の最後は松隈先生の建築ツアーを全員で振り返りながら、勉強会を開きました。建築ツアー実践講座担当講師(学芸員)の河野さんの適切なフォローのもと、とびコーのみなさんのレベルもどんどん上がっています。頼もしい限りです。
(とびらプロジェクトマネージャ 伊藤達矢)

2012.08.25

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