東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

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第2回鑑賞実践講座「実践する場(フィールド)について」

7月25日(月)、鑑賞実践講座の2回目が行なわれました。テーマは「実践する場(フィールド)について」。これからさまざまな鑑賞者と関わっていくとびラーたち。美術館のなかで、作品と人に向き合う心構えを作ります。

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初めに美術館で行なう「対話」の意味について、前回のおさらいも含めて、稲庭さんからの導入。
なぜ美術館で「対話」を行なうのでしょう?作家たちの「何かを伝えたい」というエネルギーを持つものが、アート作品や文化財であり、これらは対話を促進するものだと考えられています。

では、この美術館というフィールドで、人々はどのように社会に関わっていけるのでしょうか?

ここでは学芸員の熊谷さんより、「とびらプロジェクト」と「MuseumStartあいうえの」のつながりについて紹介して頂きました。東京都美術館のミッションにも現れているように、「来館者である市民が 主体的に作品鑑賞をすること」が目指す所です。
参照:「MuseumStartあいうえのって?
また、これからに続く活動として「スペシャル・マンデー・コース」の映像を視聴しました。

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ポイントとなるのは『ホンモノによる学び』、『自分の中の「センスオブワンダー」』、『共同的学びと自己肯定観』。
「ホンモノ」を誰かと一緒に見ることで、自分と相手の考え方、双方を大切にする気持ちを育みます。

今日の体験ツールはアートカード。学校では、子どもたちが美術館に来る前の学習で使用しています。
実際に体験したのは「なっとくゲーム」と「ものがたりゲーム」。
前者は2つの作品の間に共通点を探して説明するゲーム。後者はいくつかの作品を組み合わせて、ストーリーをつくるゲームです。一つのイメージを様々な言葉で言い換えることが、ものの見方を柔らかくしていきます。これは鑑賞をサポートするファシリテーョンにとっても重要なこと。

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「絵を見る視点は一つではない」———当たり前のことかもしれませんが、一枚の絵を見ても、出てくる言葉は十人十色。考えていることが違ったら、見えるものも違ってきます。人に伝わる話し方を意識することも大切です。

講座の後半はとびラーによる座談会。とびラー4人と稲庭さんによるトークセッションです。

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テーマは「鑑賞者のハートに火をつけるには?」。
鑑賞講座を3年連続で受講し、様々なプログラムに活かしているとびラーと…
昨年はアクセス講座を受講しており、今年初めて鑑賞講座を受講するとびラー。
それぞれの立場から、「鑑賞」に対して思っていることや、疑問に感じていることを話します。

これまで美術館のなかで実際に出会った人達との体験談から、「一緒に見ていた人が変わった瞬間」「自分のハートに火がついた瞬間」をたくさんお話してくださいました。

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終盤の質疑応答コーナーでも、VTSの捉え方や鑑賞者との関わり方など、たくさんのやり取りが交わされました。
最後まで熱いトークが繰り広げられ、今日の講座は終了です。
今日のアートカードで体験したことや、とびラーによるリアルな経験談は、きっと聞き手の心に火種を残したことでしょう。
鑑賞の夏はまだまだこれからが本番!誰かとまなざしを共有する楽しみが、どんどん深まるといいですね。

(とびらプロジェクト アシスタント 峰岸優香)

2016.07.25

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