東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

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基礎講座 第5回|「地域の文化資源を発見する、そこでのとびラーの役割とは何か」

6月初旬、快晴の土曜日、とびらプロジェクトの6期生を対象に基礎講座の第5回目が開催されました。
今回は普段の活動拠点である東京都美術館から、上野公園の様々なところに出向いてリサーチし、各所で発見した魅力をもとにプログラムを組み立てる、二部構成のワークです。

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◉本日の流れ
10:30-11:00 くじびきでグループわけ、活動についての説明
11:00-12:30 グループワーク①グループごとに上野公園内の各場所をリサーチ
12:30-14:00 グループワーク②上野公園の魅力を活かしたプログラムをつくる
14:00-15:25 成果のプレゼンテーションと講評
15:25-15:30 まとめ
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講座が始まる前に、くじ引きで行き先ごとのグループに分かれ、着席します。

行き先は上野公園内のスポットから9つ。
★東京国立博物館
★恩賜上野動物園
★お寺
★国立西洋美術館
★国立国会図書館国際こども図書館
★東京藝術大学
★桜並木、噴水
★国立科学博物館
★東京都美術館+周辺

ミュージアムや文化施設、その間にある場所が今回のお出かけ先となります。

 

続いて課題の発表です。

今日のテーマ:《新企画プレゼン大会!ー上野公園内の指定された場所をリサーチし、各所の魅力を活かしたプログラムをつくろうー》

課題:「美術館、博物館、お寺、桜並木など、上野公園には人を惹きつける様々な要素があります。場所・もの・人の動きをよく見てきてください。各自がリサーチしてきた内容を組み合わせて、とびラーの視点ならではのプログラムを提案してください。」

 

フィールドワークに行く前に、上野の地域性や、この後のリサーチで大切にしてほしい点をレクチャー。今回の講師は森司さんです。

ミュージアムにくわえて、大学や寺社など様々な場所をもつ上野公園。

これまでにも上野公園では、文化施設を中心に様々なイベントが行われてきました。しかし、まだまだ発展できる余地はたくさんあります。

 

今日のリサーチで特に心がけるのは、流行や常識にとらわれず、「フレッシュな目で様々な場所を横断してみる」こと。その場所で発見したこと、心惹かれること、気になったこと・・・まずは個人の感性を最大限に活かし、その場所を面白さや魅力をキャッチする。そして、それを誰かに伝えたり、共有したりするためのプログラム作りを考えていきます。

たとえば休日に美術館の展覧会を見に来るとして、その体験は決して展示室の内部に止まるものではありません。家を出てから美術館にくるまでの道中や、ご飯やお茶をする場所、寄り道したくなったところ、天気や季節なども含めて、その日のことは記憶に残るものです。これらのアンテナを意識的にはりめぐらせておくことが、体験を包括的に作る目を養うことにもつながります。

 

リサーチのヒントとなるのは、「MuseumStartあいうえの」で活用している「ビビハドトカダブック」。9つのミュージアムを中心に、その楽しみ方が書かれています。

 

こちらは国立西洋美術館。建物の前庭では、たくさんの屋外彫刻を楽しむことができます。

展示室の外、建物やその周辺にも注目してフィールドワークをすすめていきます。

こちらは国立科学博物館のチーム。

噴水の周りも、様々な人で賑わっています。

こちらは桜並木の下を歩いていたグループ。

何かを発見?視線の先には騎馬像がありました。いつも通る道でも、視点を変えて見たり、誰かと歩いて見ると、新しい発見があるようです。

紫陽花が咲き始める季節、新緑豊かな公園内を隅々まで歩き回ります。上野には何度も来ているけれど、巡ったのは初めて訪れる場所ばかりだった!なんて人も。

一通りリサーチが終わったら戻って昼食。午後はグループを組み換え、いよいよプログラム作りのワークに突入です。

9つのうち、3つの異なるグループにいた人で、新しいグループを作ります。

まずはそれぞれの場所で見てきたこと、発見したことを共有し、「どんな体験を来る人に味わってもらいたいか」を話し合っていきます。各テーブルで楽しく熱い議論が交わされていました。

今日のフレッシュな体験から、オリジナリティある企画を検討していきます。

最後に、できあがった企画を全員にむけてプレゼンテーション。内容をA3のシートにまとめ、全グループが発表します。

たとえば、「においと音に注目して木陰をあるくツアー」や「当初の目的地とは違う場所の魅力を発見しちゃうツアー」といった、公園を横断的に巡るプラン。上野を新しいビジネスの社交場にする計画や、噴水の周りをパレードする、携帯やスマホのかわりに桜の枝を持ち歩く・・・といったアイデアもありました。

各グループには、森司さんと日比野克彦さんによる講評があります。

楽しそうな思いつきから、すぐに実現できそうなプランまで、バリエーションに富むアイデアが披露されました。

何かを企画する際に、自分たちの周りにあるものや、その面白さを知っていることは一番の強みになります。今回の講座を通して、上野公園という場所の特徴を肌で感じ、新鮮な目でその活用法を考えることができたのではないでしょうか。

今日の着眼点が、これからの活動でどう実践されていくのか楽しみです。

 

(とびらプロジェクト アシスタント 峰岸優香)

2017.06.10

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