東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

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【藝祭2018】「とびラーによる御輿制作インタビュー⑬」いよいよ明日は…本番!編

2018.09.06

みなさんこんにちは!いつも私たちとびラーによる、「御輿制作インタビュー」をお読みいただきありがとうございます!

東京藝術大学の「藝祭(http://geisai.geidai.ac.jp/2018/index.html)」は、いよいよ明日から幕開けです。

八月の初めから制作が始まり、藝大生たちが作り上げた一夏の結晶が、いよいよ上野公園でお披露目となります!

今回は藝祭直前スペシャルということで、各チームに「ここぞ!」という見所や、印象的なエピソードをお聞きしてきました。

ぜひ明日からの藝祭では、本物を目に焼き付けてくださいね!


★『日本画・工芸・邦楽・楽理』チーム★

1.完成間近の御輿を前にして今の感想は?

まずは間に合ってよかった!と安心しています。

工芸の細部への質感のこだわりと、日本画の色や模様へのこだわりで、予想以上に迫力のある仕上がりになっています。

烏天狗と龍が対峙するリアルな様子は見ものです。

 

2.御輿作りに取り組んで来たチームメンバーの様子はどうでしたか?

この一週間、時間が無くなっていく中で、みんなが担当する部分を自発的に決めて進めてくれました。

みんなが自発的に進めてくれることを頼もしく思う一方で、隊長としてまとめきれているのだろうか・・・という悩みもあったのですが、みんなが優しくてここまでくることができました。

 

3.当日のパフォーマンスの見所は?

楽理・邦楽の人たちが作曲した、テンポが異なる3曲を是非お聴きください。

御輿の仕掛けや、踊りもお楽しみに。

山本隊長(日本画)が肩に、中川隊長(工芸)が背中に乗りますよ!


 

★『油画・建築・声楽・指揮・打楽器・オルガン・チェンバロ・リコーダー』チーム★

1.完成間近の御輿を前にして今の感想は?

作ってみるとすごく圧を感じます。色も、元気な色彩になりました。

足の裏にも注目です。法被と同じレタリングで、左足は建築、右足は油画となっています。

  1. 御輿作りに取り組んで来たチームメンバーの様子はどうでしたか?

上野で御輿を作る意味にこだわり、コンセプト、形づくりを、最初のマケット制作の段階からとことん話し合いました。それが今回の御輿のキーになりました。

・上野にやってきた最初の3頭の象が再生する物語。

・象は神様の使い。

・御輿作りに参加した8科にちなんで、象の背中には八角形の社を乗せました。

 

3.当日のパフォーマンスの見所は?

御輿を中心に、360度から楽しめます。

平和な今を未来に伝えていく、というメッセージを伝えるパフォーマンスになっています。流す曲は、神聖な曲にはじまり、ポップな曲に変わっていき、踊り手もたくさん参加します。声楽の歌も聴きどころです。お楽しみに!


 

★『デザイン・芸術学・作曲・弦楽』チーム★

Q1.発砲スチロールのかたまりだったところから現在の状態の御輿を見た今、どんな気持ちですか?

できた『それ』を見て衝撃を受けました。

ただ、色の具合がイメージしていたものと違うので、残りの時間でもう少し修正していきたいです。

 

Q2.御輿づくりに取り組んできた中で、心に残ったエピソードを教えてください。あと、チームメンバーに対して一言どうぞ。

『それ』の周囲に、ホルマリン漬けの怪しい物体が浮かぶ容器を配置するのですが、その容器が完成した時が一番心に残っています。

怪しげな物体が浮かぶ様子をどう表現するか等悩みつつの作業だったのですが、出来上がった容器の中に仕込んだLEDライトをつけた瞬間、イメージしていた雰囲気が見事に表現できていて感動しました。

積極的に動いてくれるメンバーは限られていたように思うけど、いつもみんな何かしら関わってくれてありがたいなと思っています。

最後までついてきてくれてありがとう。

御輿づくりを担当するメンバーそれぞれにつくりこみたい部位があり、そのこだわりが最終的には全て反映される形となりました。

言い換えると、それぞれのパーツがメンバー一人一人のこだわりでできています。御輿を見ていただく時は、そういう視点でも見てもらえたら嬉しいです。

 

Q3.当日のパフォーマンスではここを見てほしい!というポイントを一言。

博士の助手たち、そしてモンスターたちのダンスを見てほしいです。

また、博士が『それ』にチューブを差し込む場面がハイライトなので、そこも見逃さないようにしてください。

パフォーマンスとは違いますが、この御輿は暗くなってくるとライトアップもする予定です。

歴代の御輿でライトアップというものはないと思うので、夕方までいらっしゃるようでしたら、ぜひ『デザイン・芸学・作曲・弦楽』チームの御輿にもお立ち寄りください。

 

 


★『彫刻・先端・管楽器・音環・ピアノ』チーム★

Q1.発砲スチロールのかたまりだったところから現在の状態の御輿を見た今、御輿についてどういう感想を持っていますか?

制作中は『間に合わないのでは・・・』という不安が常につきまとっていましたが、今こうして御輿を見ていると、本当にちゃんとできあがるんだということを実感しています。

造形がすばらしいと改めて思いました。彫刻が頑張ってくれたおかげです。

先端が担当した色塗りも納得のいくものになったと思っています。

ちなみに、前日の台風は御輿づくりが始まって一番の強さだったので、作業中は身の危険を感じるほどのものでした。

けど、御輿とメンバーどちらにも被害がなかったことを今朝確認し、安堵しました。

 

Q2.御輿づくりに取り組んできた中で、心に残ったエピソードを教えてください。あと、チームメンバーに対して一言どうぞ。

 

みんな、お疲れ様です。

夏休み前くらいまでは御輿やマケットづくりに積極的な人が少なく心配していましたが、夏休み以降はみんな活発に意見を言いはじめ、まとまらない時もあるくらいでした。それを乗り越え、今があります。

彫刻と先端、それから音楽学部のみんなと組めてよかったです。

 

Q3.当日のパフォーマンスではここを見てほしい!というポイントを一言。

御輿の造形と色彩表現、そしてパフォーマンスでの魅せ方に流れる音楽・・・9月7日のパフォーマンスには藝大に関する全てがつまっています。これが藝大!ぜひ見てくださいね。

それから、私たちの御輿については、台座にも注目してほしいです。

風化した、砂漠を感じさせる質感を表現したくてジオラマ専用の砂を使おうと思っていたのですが、高かったので断念したんです。

代替案を考えている時に、冗談で砂浜から調達しようという話があがったのですが、彫刻のメンバーの一人が湘南に住んでいるということでその話が現実のものになりました。

そのメンバーとお父さんに砂浜で砂を集めてもらい、他のメンバー1人と共に現場まで運んできてくれました。

進め方については、木工用ボンドを塗った台座に砂をそこにまぶし、その上から茶系の色を数種類、スポンジで叩きつけるように重ねていきました。

発泡スチロールとは思えない、石のような質感、見た目になり満足しています。

 

あとは、ハピコレ(法被コレクション)5連覇を目指し、そちらの練習も頑張ってきました。なので9月9日のハピコレもぜひ見てください!

 

***

【おまけエピソード】

御輿隊長の二人と話していたら、何やら見知らぬ男性がこちらに近づいてきました・・・・!

あれ?この人は。

なんと!伊藤隊長のバイト先の店長とのことでした。

それまでのクールな印象から一変、「来ないで!って言ってたのに親が来たみたいな感じで恥ずかしい!」とうろたえる伊藤隊長を尻目に、店長にもインタビュー決行です。

右に写っているのが店長さん。「藝大生っぽく見えるよう首にタオルを巻いてきました!(笑)」とのこと。

「メンバーもお店によく来てくれます。御輿づくりについて、弱音も含め話をいろいろと聞いていましたが、制作現場に来るのも、御輿を見るのも今日が始めて。こんなすごいものをつくっているのかと驚きました。

伊藤さんには、一生に一度しかないことだからバイトを休んででも御輿づくりに専念しろと言っています。」

 

・・・が、隊長曰く、「『バイトを休んででも御輿づくりに専念しろ』なんて言われてませんよ!」とのこと。

先日も、シフトに入っていないけれど人手不足だったから応援に駆け付けたそう。伊藤さんの責任感の強さ、優しさを感じることができました。

アルバイトも制作も、悔いのないようにがんばってくださいね!

 


一夏かけてお届けしてきた記事はいかがでしたか?

これを読んでくださった皆様が、藝大生の夏に親しみを持ってくださったら嬉しい限りです!

それぞれの御輿の完成形が楽しみですね。

それでは、明日からの藝祭でお会いしましょう!

(今日の取材とびラーメンバーで一枚!この夏取材に参加したとびラーのみなさんも、暑いなかお疲れ様でした。)


取材・執筆:とびラボ「御輿インタビュー」のメンバー

撮影・編集:峰岸優香(とびらプロジェクト アシスタント)


★藝大生やとびラーが活躍する「藝祭2018」を一緒に楽しみませんか?

公式サイト→(http://geisai.geidai.ac.jp/2018/index.html)

開催期間:9/7(金)8(土)9(日)9:00〜20:00  / 東京藝術大学上野校地にて

【藝祭2018】「とびラーによる御輿制作インタビュー⑫」アヌビス神の胸筋!編

2018.09.06

こんにちは!とびらプロジェクトの峰岸です。

藝祭も間近に迫り、各チームの御輿制作もいよいよ大詰めを迎えています。

『彫刻・先端・管楽器・音環・ピアノ』チームがテーマにしているのは「アヌビス神」。完成間近の様子を覗いてきました!

次第に秋の風が感じられるようになってきました。

まだ白地ではあるものの、すごい存在感です。どんな色になっていくのでしょう?

アヌビス神の胸筋、腹筋・・・まだ途中といえど、迫力があります。

 

こちらでは、何やら黙々と一人で作り込んでいる青年の姿が・・・。

 

近くに行って見ると、何やら仕込み中の様子。

これはもしや・・・

 

光ったー!

本番はどんな演出になるのでしょうか?

 

出来たての法被を纏って現れたのは、音楽環境創造科の加藤さん。普段は千住キャンパスで活動しているそうですが、藝祭のために上野にきているそう。濃い色の法被がかっこいいですね。

「法被コレクション」で行うパフォーマンスに向けて、エジプトの旋法について研究しているのだとか。ピアノや管楽を学ぶ学生とともに、踊りやすい曲作りに励んでいるそうです。

加藤さんは隊長に立候補したわけではないものの、いつのまにか皆を引っ張るポジションになっていたのだとか!元気で明るい人柄が伝わってきます。隊長になってから、他の学科の学生とのコミュニケーションが活発になったと感じているそう。過去には関係が悪化したチームもあった様に聞いているが、仲良く有終の美を飾りたい!とお話ししていました。

 

「当日はおそろいのピアスをつけてくるのでお楽しみに!」とのことです。


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【藝祭2018】「とびラーによる御輿制作インタビュー⑪」『それ』ができるまで編

2018.09.06

こんにちは、とびラーの松原です。今日は『デザイン・芸術学・作曲・弦楽』チームの御輿の制作現場をレポートします。来週末には待望の出番を迎える『それ』。進捗状況は如何に!

 

↑BGMが流れる現場で余裕すら感じさせる隊長の神出さん(デザイン科)ですが、ほぼ毎日終電で帰宅とか。後方には完成間近の御輿本体とマケット(御輿のミニチュア版模型)が見えます。前回は台風で青天井だったテントも修復されてます。

 

制作中の『それ』への思い入れや、アピールポイントは2回に渡って詳細にレポートされていますので、今回は汗や葛藤、涙?がにじむ、今までの制作工程と道具(武器)についてレポートします。

お聞きした山口副隊長(デザイン科)の話では、制作工程はこんな感じです。

 

  1. テント作り。(完成に2日間、修復に毎日→今年は2度の台風に遭遇)
  2. 御輿の土台、担ぎ棒作り。(今回は昨年の土台を活用)
  3. 心棒作り。(木造で構築→構造図は彫刻の先生にチェックしてもらったとか)
  4. 発泡スチロールブロックの取り付け。(心棒の周りにボンド等で張り付ける)
  5. 荒どり。(電熱線、鋸、カッター等の「武器」を使用し外観を作って行く)
  6. 金櫛、おろし金、鉄やすり等で荒削りする。(今日の段階)

 

今後、紙やすり等で、隊長こだわりの筋肉(特に脇腹筋!)を滑らかに削り強調する。その後色付けに入り、怪しげなパーツを取り付けて完成していくようです。

 

↑目の前で、電熱線を使ったカットが行われていました。2人が電熱線の両端を巻きつけた木棒を持ち、もう1人が横で変圧器を操作しています。かなり高温になり危険なので、慎重な操作、信頼関係が必要なようです。ワイルドだ!

 

↑御輿制作で使われていた道具たちです。切る、削る、貼る、掃除する、といった作業に不可欠で大切な工具(道具?)には、先輩から引き継いだチーム独自の年代物の武器(!)もあるようです。(写真は他チームの道具も含まれてます)

 

隊長、副隊長へのインタビュー後、建物内に置いてある怪しげなパーツのそばで休んでいた戸澤さん(デザイン科)に話を聞いてみました。

「隊長は穏やかな人だけど、御輿への情熱を誰よりも持っています!ちなみに、このチームは幹部4名を中心に編成されていて、御輿づくりに携わる人や『それ』ができるに至るストーリーを作る人がいるかと思えば、全体をマネージメントする人がいたりと、様々な作業が進んでいます。幹部以外のメンバーも含めて、だんだんとバランスのとれたチームになって来た感じがします。私は全体を俯瞰しながら、人手が必要なところを手伝ったり、御輿づくりの記録を取ったりしています。自分の性に合っていると思うし、そうやって関わっていけるのが楽しい部分もあります。」と素晴しいコメントをいただきました。

 

↑『それ』の周辺に取り付けられるパーツのパーツです。怪しい!

 

最後になりますが、台風直下の前回はテント修復等に大わらわで、どこか災害現場のレポートをするような緊迫感を感じました。今回はBGMが流れるほっこりした雰囲気の中、メンバー皆さんの顔つきや表情から、和やかで一体感あるチームになって来たな、という印象を受けました。『災い転じて福となす』かな?

怪しげなパーツが装備された『それ』とMADなパフォーマンスが見どころの本番をお楽しみに。


 

執筆:松原誠一(アート・コミュニケータ「とびラー」)

コメント:制作現場を訪れる度に、学生達の変化を感じます。メンバー間の意見の相違、衝突などを乗り越えて同じ課題や目標に向かって行く学生達の一体感と成長が素晴しいです。制作現場はまるで、それぞれの個性的な楽器が主張しながらハーモニーを奏でているライブ会場のようです。

 

 


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【藝祭2018】「とびラーによる御輿制作インタビュー⑩」白蛇の鱗編

2018.09.06

こんにちは。とびラーの大澤です。

9月に入り、仕事や学校等が本格的に再開した方も多いのではないでしょうか。

未だにジメジメとした湿気が残り、台風の影響等にも心配を募らせるばかりですが、夜間になると「あっ……秋の気配を感じるぞ。いい虫の音だなぁ…!」と一人感じる瞬間が徐々に増えてきたような気がします。

今回は、8月の最終週(8/29)に実施した藝祭御輿インタビューの模様を皆さんにお届けしたいと思います。

お邪魔したのは、『日本画・工芸・邦楽・楽理』チームによる烏天狗の御輿制作現場です。

早速、御輿制作現場へと急ぐ我らとびラー。

この日は暑すぎず、且つ強風・雨もないという天気で、まさにインタビュー日和でした。

 

 

後ろに見えるのが御輿本体の制作場所。手前のブルーシートテントではパーツの調整等が行われています。

 

左奥が「烏天狗」の頭部、手前にあるのが「白龍」の頭部です。かなりリアルでドキッとさせられます!

「烏天狗」の方は、なんとなく山伏とカラスとおじいちゃんを足して3で割ったような顔立ちをしているように私は感じました。眺めていると、変な安心感を覚えるような…。

 

とある藝大生3人は「白龍」の出来具合を確認しつつ、「ハクじゃん!(笑)」と談笑。確かに、ジブリ映画『千と千尋の神隠し』に登場するイケメン少年の素顔に酷似しています…!

 

周囲に散らばる発泡スチロール(一部の学生は“はっぽう”と略して呼んでいました)の破片によってが現場感がを増していました。

みんな身体や頭に“はっぽう”の粉がついてもそんなことお構いなし! はらってもはらっても無限にくっついてしまう“はっぽう”に気を取られているほど、彼ら彼女らに時間・心理的余裕はありません…。(汗)

「白龍」頭部を正面から見た様子。牙と舌があります!

角は後付けするのでしょうか…?

 

MAD SCIENTISTがテーマの御輿(『デザイン・芸学・作曲・弦楽』チーム制作)や三頭の象を表した御輿(『油画・建築・声楽・指揮・打楽器・オルガン・古楽』チーム制作)など、他の御輿に比べるとサイズ的にはさほど大きくはない御輿ですが、進捗を伺うと、かなり急ぎ目で進める必要がある…とのことでした。

 

藝祭当日まで、本格的にカウントダウンが始まっている今。どのチームも心身共にフル回転で制作に取り組んでいるようです。

 

テント入り口手前にある90ℓのごみ袋。ポカリらしきドリンクのペットボトルでパンパンに…。涙ぐましい&微笑ましいほどの努力を察しました。

 

メインでお話を伺ったのは、『日本画・工芸・邦楽・楽理』チームの隊長さんです。

こちらは隊長の中川さん(工芸)。

茶色から明るい赤へ、ヘアカラーチェンジ! 見ている我々も、ますます藝祭当日に向けての雰囲気が増したように感じられました。

結構お疲れの様子で、それもそのはず……毎日朝9時から夜の8時まで作業に取りかかっているとのこと。

他の3チームに比べ進み具合がやや遅れており、「隊長としては心配事が多いのではないか」と質問すると、「人員が足りていないわけではないものの、全体的な工程の進度は現状の3倍ほどスピードアップしたい」と仰っていました。

これからの予定は、「各パーツの粗削り・ディテール仕上げ」→「合体」→「彩色」となっているため、絵の具の購入も含め急ピッチでの準備が行われるようです。

 

御輿制作と並行するかたちでパフォーマンスのリハーサルも順次行われているそうで、噴水広場での練習のことも教えてくださいました。

パフォーマンス用の音源については、隊長の中川さんから「とてもかっこよかった!」との感想が。レコーディングには30人程度が参加したそうで、御輿本体は美術学部、音源は音楽学部といった大まかな役割分担が機能しているなぁと感心しました。

 

また、当日はオリジナルグッズの販売も行うため、Tシャツやトートバッグの用意も着々と進んでいるそうです。

 

隊長以外のチームメンバーの体調や意識の変化については、意外と大丈夫な様子で、逆に日を追うごとに士気の高まりがみられるとお聞きしたので、こちらとしても一安心しました。

 

「御輿制作や一連の祭が終わった暁には…」という質問に対しては、「ビール飲みたい!」との答えが即答で返ってきました。(笑)

 

続いてこちらはもう一人の隊長の山本さん(日本画)。

インタビュー中に友人からの差し入れをもらって、にっこり!

 

写真ではわかりませんが、山本さんも中川さんと同様、髪の毛先を金色っぽくブリーチしたとお話ししていました。「今から染めるんですね~」という発言に「いや、これはベースなんでここからさらに何かします」と中川さん。藝祭当日にどんなヘアカラーになっているのかが楽しみです…!

 

本番である当日への意気込みは、楽しみと不安が半々とのこと。そりゃあそうですよね、とこちらも納得。すべてがうまくいくかどうかはその時次第である以外にも、御輿やパフォーマンスの全貌を藝祭当日にリアルタイムで把握できるのは観客に他ならず、演じ手である制作メンバーは来場者とは少し異なった視点から藝祭を楽しむことになるのではないでしょうか?

この発泡スチロール2個分が、基準となる発泡スチロールのサイズだそうです。かなり大きい状態から、細分化・粗削りしていくことで、単なる白くて軽い物体が重厚な御輿の一部へと変化していきます。全部で合計すると、24個ほどの発泡スチロールの塊を御輿1基の制作に使用しているそうです。

テント内部に入らせていただき、「白龍」の鱗を観察することができました。全体像がイメージできるような段階にまで至った経緯を間近で見守ってきたからこそ感じられる感動がありました!

 

作業には飲み物と虫よけが必須! インタビュー中も、周りでは蚊がブンブンと羽音をたてていました。

 

以上で、今回のインタビュー記事は終わりです。

これで皆さんも、9/7藝祭当日に竹の台広場にて行われる「開口一番」や9/9に袴腰広場で開催される「法被コレクション(通称:ハピコレ)」などがますます楽しみになってきたのではないでしょうか??

来場した方は、法被投票なるものに参加できるそうです! その結果をもとに、今年度の法被表彰が行われるということで、こちらも気になりますよね…。

 

東京藝術大学構内にお邪魔し、実際に現場の雰囲気を感じたり、学生にインタビューを行ったりしたことを通して、私自身は藝祭が如何に学生一人一人の想い・ドラマの集合体であるかを体感することができたと思います。

 

インタビューは藝祭直前である次回が最終回となります。

どうぞご期待ください!


 

 

執筆:大澤桃乃(アート・コミュニケータ「とびラー」)

藝祭2018公式グッズのピンバッジとTシャツ、手に入れたいなぁ…。

 

 

 

 


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【藝祭2018】「とびラーによる御輿制作インタビュー⑨」完成までのカウントダウン編

2018.09.06

とびラー鈴木重保が、2018藝祭に登場する『油画・建築・声楽・指揮・打楽器・オルガン・チェンバロ・リコーダー』チームの御輿の制作現場をレポートします。

8月29日、音校(※音楽校地)の門を入って、烏天狗の住処のわきを通り過ぎると、

「パオーン」

いやいや、「パオーン」「パウォーン」「プウォォーン」と3回、野生の巨大生物の咆哮を聞いたような気が・・・・。

いやいや、そんなはずはない、それはテントの中で完成を待つ、御輿の巨大三頭象。前足を大きくあげ、3つの頭に高くあげた鼻がつけられた象は、その存在感を誇示している。

先週は、インドラ神の災いか台風の大風で大変だったテントも、今日はしっかりとその三頭象を包み込んでいるが、リアルさを増した象はそのテントの隙間から飛び出してきそう。

そんななか、今日は涼しげな表情の隊長・伊勢さん(建築専攻)。

 

ーもうどのくらいできているんですか?

「造形部分は60-70%くらいできています。」

「象の後ろにつく屋城の部分は、いまテントの外で組み立て中です。」

たしかに、テントの外では木材を模した棒状の白い部材を組み立てていて、足の踏み場もない。

いつも、なんでも受け止めてくれそうな隊長・林さん(油画専攻)。

「彩色は金曜か、土曜にスタートできれば良いけど・・・。」

そう、色を塗るのは油画の得意技。

今はマジックで描かれている目も、ちゃんと描かれたら、象らしさがぐんとアップしそう。

 

ーだいぶ疲れもたまってきてません?

「ちょっと前のほうが疲れていました。今は1日経てば、昨日のことは忘れます。」と伊勢さん。

「寝れば大丈夫です。」と林さん。

うーん元気だね。でもよく聞くと、朝の9時から夜の10時まで制作をしているみたい。伊勢さんからは、家との往復の時間が勿体無いので、近くのおばあちゃんの家に泊まっているという話もでてきました。

 

ーパフォーマンスの準備も進んでますか?

「このまえ、インド風の曲調の音楽ができたので、そのレコーディングに立ち会ったけど、総勢30名くらいの声楽の人たちの歌声がインド風の演奏に重なってきたところで、ぞくぞくっときました。」

「開口一番のパフォーマンスで披露するダンスの練習もはじめています。」

 

さすが、音校のメンバーもチームの一員というのは心強い。インド風の曲調に声楽の合唱が合わさるってどんな音楽なんだろう。ボリウッド風? いやいや多分違う。どんなものができるか楽しみ。ぜひパフォーマンス「開口一番」は見に行かなくっちゃ。

 

ー今回の御輿づくりで、建築と油画がいっしょになってよかったことは?

「建築と油画はまったくの別世界。普通に学生生活を送っていても交流する機会はあまりない。でもこうしていっしょに御輿をつくっていたら、お互いのことがわかるようになった。」

 

そうなんだね。確かに普段付き合いがなくても、一つのことを一緒にやれば相手のことも分かってくる。それは良かった。

あんまり邪魔をしちゃいけないから、今日はこのくらいにして、また来週来ます。その時はもう色が塗られているはず。

最後の頑張りに期待してます。がんばってね。


執筆:鈴木重保(アート・コミュニケータ「とびラー」)

藝祭Webサイトには、御輿パフォーマンスの時間割ももう発表されていました。そんななか藝祭ワクワク感に感染してしまった、大人とびラーです。

 

 


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【藝祭2018】「とびラーによる御輿制作インタビュー⑧」細部まで、お見逃しなく!編

2018.09.06

こんにちは!とびラーの藤田です。

『彫刻・先端・管楽器・音環・ピアノ』チームの御輿制作現場についてレポートします。

 

発泡スチロールを積み上げた印象が強かった前回から、アヌビス神はどれくらい姿を現し始めたのか。また、今回はアヌビス神をつくるにあたってのこだわりについてもお話を聞かせていただきました。

 

台風一過で晴天!とはいえ強い風が吹き荒れる校内。現場を訪れると、テントの幕をおろして制作が進められていました。

 

隊長の伊藤さん(左・彫刻)と西山さん(右・先端)。今日もいろいろと聞かせてください!

 

インタビューをしている横で、彫り出した大きな腕にパイプを通して腕をグルグル回転させ始めた二人が。楽しそうな表情でパイプを操っているけど、そういう遊び?

 

ある程度腕を回転させたらテントの中へ移動。あ、アヌビス神の右腕なのね!

パイプの部分はコブラをあしらった杖が取り付けられるそう。ということで、遊びではなくれっきとした作業だったのでした。失礼しました。

前回から一気に進んで、アヌビス神の顔や上半身も出来上がりつつあります。

「彫刻の子たちのおかげ。」と西山隊長(先端)。

「左右対称のようなポーズなので、遠くから像を見て歪みがないかをチェックしつつ作業を進めています。」と伊藤隊長(彫刻)。

 

作業の進み具合に感心しながらアヌビス神を見つめていると、作業のため像によじ登ったメンバーがアヌビス神の頭部におもむろに包丁を刺す、という衝撃的な瞬間を目にすることに。

前回のインタビューでも御輿本体に刺さった包丁を各現場で見たけど、それはまだどこのパーツなのかわからない時の話。頭部だとわかる今回は衝撃の度合いが違います。

アヌビス神、包丁刺されても無表情だけど痛くないのかしら・・・と思わず思ってしまいました。

アヌビス神が鎮座する台座について、伊藤隊長が説明してくれました。

「このレリーフは『彫刻・先端・管楽器・音環・ピアノ』を表しています。左から、彫刻刀を持っているので『彫刻』、Macを持っているので『先端』。右の二つはピアノを弾いているから『ピアノ』、トロンボーンを持っているから『管楽器』です。」

なるほど!各科の特徴を端的に表しているし、ピアノを弾いたりMacを手にする姿がかわいくもあります。

何より、チームに属する学科を御輿にさりげなく表現しようという考えが素敵です。

御輿には各学科のメンバーがいろいろな形で関わっているんだと、改めて教えてもらった気がしました。

けど、あれ?真ん中の1体は他4体と違うような・・・というか、これって千手観音じゃないですか?

「音環は千住キャンパスにあるので、千手観音にしました。」

そうきたか!台座の制作は先端が担当しているとのこと。彼らの頭の柔らかさに脱帽しました。

アヌビス神の装飾品となるパーツを別の場所でつくっているとのことなので、西山隊長に案内してもらいました。

台座や装飾品制作は先端が担当しているとのこと。案内いただいた現場でも、メンバーが黙々と作業を進めていました。

「リアルさを出すために、アヌビス神が身に着ける装飾品のパーツも全て発泡スチロールから切り出しています。小さなパーツだけで、多分数千個はつくることになると思います。」

え?!じゃあこの床に散らばった小さな丸い粒や長方形の発泡スチロールは全て・・・

「はい、全て装飾品のパーツです。長方形のパーツについては、全て面取りをします。」

何てこと!御輿が完成した暁には、装飾品もちゃんと見ます。

こちらは装飾品のイメージ図。いろいろな形のパーツで構成されていることがわかります。

これを全てつくり出すのか・・・。限られた時間の中でも、一つ一つ手で作るからこそリアルさを追及するその姿勢に、御輿にかける情熱、もっと言うなら藝大生のプライドを垣間見た気がしました。

みんな、藝大に入学してまだ数ヶ月しか経ってないんだよね?

「これがアヌビス神のイメージ図になります。先端の子が描いてくれました。」

西山隊長が持ってきてくれた紙をのぞくと、そこには威厳漂うアヌビス神が。

「着色も先端が中心になって進める予定で、来週からその作業に入れたらいいなと思っています。装飾品や杖に塗る金色は経年変化を感じさせるようなくすんだ金色にしたりと、古代遺跡らしさを出すために色にもこだわりたいです。」

 

 

制作現場では黙々と作業が進められ、両隊長も冷静に対応してくれるので、『彫刻・先端・管楽器・音環・ピアノ』チームは淡白さを少し感じさるような、落ち着きのあるチームかと思っていました。

が、その奥底には御輿づくりに対する熱意、妥協をゆるさない姿勢が存在することが今回のインタビューでわかり、制作に真摯に取り組むチームという印象に変わりました。

次回インタビューではよりリアルなアヌビス神に出会えるのか?!


執筆:藤田まり(アート・コミュニケータ「とびラー」)


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【藝祭2018】「とびラーによる御輿制作インタビュー⑦」カミーデ博士の助手編

2018.09.06

みなさまこんにちは。とびラーの上田です。

 

大きい台風がいくつも日本を訪れておりますが、みなさまご無事でお過ごしでしょうか。

激しい天候に攻撃され続ける夏は、もうこりごり。穏やかな日々を過ごしたいなぁと思うのですが、本音を言うと夏は大好き。そんなとびラー上田が、『デザイン・芸術学・作曲・弦楽』チームの御輿レポートをお届けします。

 

取材当日は前日通り過ぎた台風の影響がまだ残っており、ものすごい強風が吹き荒れていました。特に、この『デザイン・芸術学・作曲・弦楽』チームのテントのある場所は一番風当たりが強く、取材中もテントの幕がバタバタとものすごい音をたてていました。この風で制作は大丈夫かしら?とちょっと心配に。

 

テントのそばへ行くと、「あれ?」テント前に白い服を着た銅像が・・・。

「なんだろう?」と、疑問に思ったところにガスマスク?をつけた神出隊長が登場。インパクト大!

 

 

そして次に気がついたのは・・・・!!

「天井がない!」「はい、天井落ちました。笑」

昨晩の台風の強風で、天井が落ちてしまったそうです。

 

青空が見えてますね。笑。

 

そんな現場でも、全然めげていない神出隊長(デザイン科)にお話を伺いました。「研究室は壊れましたが、実験は順調です。」とおっしゃる隊長。形が少し狂っているのを発見したので、そこを調整し直し顔を作り出したところだそうです。見るとだいぶ形ができています。発泡スチロールに青や緑の線が引いてあるので、「この線はなんですか?」と訊くと、彫っていくときの凹凸の目安だと教えてくれました。青い部分を凹ませ、緑の部分が出っ張る部分になるそうです。ほおお、なるほど。

 

「制作過程では何が1番大事ですか?」との問いには、「体調管理です!」

なるほど、この連日の暑さですものね。誰か1人欠けても制作は大変になりますから、体調管理は大切ですね。さすが隊長です。隊長だけに体調管理??あれ?ホントは管理隊長だったの???

 

 

それはさておき、今制作中の『それ』になった経緯などを聞いてみました。

教授からは「風神雷神や動物など今までに何度も御輿のモチーフになったものはやめたら?」というアドバイスを受けて、今までにないめちゃくちゃな案をいくつか出したそうです。『それ』に決まるまでは『サーカス』や『自撮りするJK(女子高生)』『アステカの遺跡』等の案が出ましたが、1番『エモい』モチーフで、かつ光るものをつくりたいという希望があったので、『それ』に決まったそうです。そして『それ』の名前はまだ内緒だそうです。マケットも進んでいました。わー、怖い感じ!でも惹かれる。

 

 

『それ』の正体が何なのか、なぜ生まれたのかはTwitterで追ってくださいね、とのこと。

Twitterの画像がとても凝っていて、ドラマ仕立てで『それ』が出来上がっていく様はとても興味深くて面白いです。

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さて、ここで先ほど、あれ?と思った白い服を着た銅像について聞いてみました。

「なぜ、銅像が白い服を着てるのですか?」

「ああ、あれは、助手です。安井先生を助手にスカウトしました!」

さすが、神出隊長です。目の前の安井曽太郎先生の銅像さえも助手にしてしまう!!マッドな研究に参加させてもらって安井先生もさぞかし楽しい思いをしてらっしゃると思います。

 

ここで、神出隊長・山口副隊長と安井助手の記念撮影、パチリ。

チームワークばっちりですね!

 

「何か心温まるエピソードなんてありますか?」の問いには

「う〜〜〜ん。」とちょっと悩んでから、「スイカの差し入れがありました。先輩が持ってきてくれたんですが、スイカを手渡された後ポケットから塩を出して『ハイッ』って。」

先輩がおもむろに塩を「ハイッ」って出してきたことに感激したようです。そしてそのスイカを食べた後、種を蒔いたそうです。そして来年そのスイカを収穫して後輩に差し入れするという計画だそうで・・・(笑)。大きなスイカがなるといいですね〜。

 

今後の御輿制作の予定は、この2、3日で荒削りを終え細かいところの制作へ移ります。9月に入ったら着色に入りたいということでした。神出隊長は自分にかなりのプレッシャーをかけて制作に臨んでいるそうですので、このまま順調にいくといいですね。応援しています。

最後に、取材中に悲惨な屋根の近くで『それ』の上に乗っていた今村さんをパチリ。

屋根がなくても頑張ってくださいねー!

 

 

そして帰り際に発見!これは、もしや・・・・!!

 

To be continued…

 


執筆:上田さち子(アート・コミュニケータ「とびラー」)

藝祭の御輿インタビューも3年目になりました。来年はもうインタビューに来られないと思うとちょっと寂しい。でも御輿は追い続けようと心に誓うのであーる。『世界に笑いと幸せを』をモットーにアートとコミュニケーションの場をいつまでも追求します。

 

 


★藝大生やとびラーが活躍する「藝祭2018」を一緒に楽しみませんか?

公式サイト→(http://geisai.geidai.ac.jp/2018/index.html)

開催期間:9/7(金)8(土)9(日)9:00〜20:00  / 東京藝術大学上野校地にて

【藝祭2018】「とびラーによる御輿制作インタビュー⑥」鳥天狗が羽ばたく日は…編

2018.09.03

こんにちは。とびラーの鈴木康裕です。お盆休みも明け、8月20日から再開した御輿づくり。『日本画・工芸・邦楽・楽理』チームの「烏天狗」御輿の第2回取材を8月24日に行いました。緩んだと思っていた暑さがぶり返し、折しも19・20号のダブル台風の影響でときおり強風に見舞われながらのインタビューでした。

蝉時雨が響く音校(※音楽校地)敷地内を進み、記憶に新しい巨大テントの前に立つと、風を避けるように出入口が閉ざされていました。声をかけると、テントの中からおなじみの仲良し二人組が出てきてくれました。人よんで「隊長シスターズ」といったところでしょうか?

 

山本さん(日本画)と中川さん(工芸)です。ねじり鉢巻きを解き、発泡スチロールの細片を払ってインタビューに応じてくれましたが、手には大根おろし器を曲げて作った「ヤスリ」が・・まさに作業も佳境に入っているようです。

 

(ヤスリは包丁などとともに先輩から受け継がれている由緒正しき(?)アイテムです。)

 

前日の大雨でテント上部に大量に水がたまり、雨漏りもあったとか。発泡スチロールは濡れると水を吸って重くなって乾きにくく、電熱線を使って切断したり削ったりすることが難しいため、なかなか思うように進まないそうです。進捗状況を聞くと「だいぶ遅れています。今は本体部分の大きなカタチを出しているところで、来週からディテールに入りたいです!」とのことでしたが、天幕をあげ中の様子を見せていただきました。以前よりもカラスの嘴や全体の造形がハッキリしてきています。天狗と絡む「龍」の頭部のつくり込みも進み、お盆休みに入る前の取材からの進捗ぶりがわかります。

(「龍」が上を向いている様子。どんな表情になるのでしょう。)

 

10人でシフトを組んで作業しているとのことですが、テント内を見上げると天狗サマの右肩あたり・・・なんと、さりげなくスマホが刺してあって、そこから音楽が響いています。「テンションアップしています!」一昨日は筝曲を流したとか。40度を超えることもある暑いテントの中での作業。ついついだらけたり、イライラしてぶつかり合ってしまったりすることもあるそうです。そんな過酷な条件下の雰囲気づくりや、日本の伝統的なモチーフのイメージづくりにむけた隊長の心配りが感じられました。この御輿は今年制作される4基の中で、唯一和風のものになるそうです。

 

(何でも発泡スチロールに刺しちゃいます。スマホが音源です。)

 

テントの外に目を向けると、6本の幟の上部に載せる「目」の造形を絶賛制作中。その近くにいたのは楽理科の2人。制作現場で片づけや掃除などでサポートするほか、パレードでは「天狗の手下」として踊るので、別の場所でその稽古もしているそうです。10人の手下が舞い踊るなか、烏天狗が白煙を上げて羽ばたく姿が見られそうです。その時に流れる音楽はもちろん邦楽がベース。邦楽・楽理が連携して新曲を作曲し、既にスタジオ録音が完了しているとか。「御輿づくりまでは全く知らなかった美校の友人がたくさんできました!」と、とてもうれしそうに語ってくれました。

(楽理のお二人。「サンバパレードも是非見てください!」)

 

藝祭まであと2週間をきりました。遅れていると危機感を募らせつつも、ディテールの造形に入ってゆくこれからが工芸・日本画の腕の見せどころ。「細かいところは任せて!」という頼もしい言葉も聞けました。総力を結集した高い完成度が期待できそうです。御輿ばかりでなく、幟や法被、音源やパレードの練習など、いろいろな準備が同時進行しています。これからの二週間でどんな盛り上がりがみられるでしょうか。ワクワクしますね!


執筆:鈴木康裕(アート・コミュニケータ「とびラー」)

アートの真髄は作品を介した作家と鑑賞者とのコミュニケーションだと思います。自分が楽しみながら、少しでもそのお手伝いをしたくてとびラーになりました。藝祭はまさにそんな双方向のコミュニケーションが生まれる場です。ぜひ足を運んでみてください!


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【藝祭2018】「とびラーによる御輿制作インタビュー⑤」 鎮魂と再生の象編

2018.08.30

こんにちはとびラーの大川です。

取材の日は、前夜からの台風が通り過ぎたもののキャンパス内は風で大荒れ。テントや御輿は大丈夫なのでしょうか?

 

『油画・建築・声楽・指揮・打楽器・オルガン・チェンバロ・リコーダー』の学科がチームになって制作している御輿テントを訪ねました。

 

入り口では隊長のお二人、油画専攻の林さん・建築専攻の伊勢さんが出迎えて下さいました。台風の影響で少しテントが傷んだものの、作業は着々と進んでいる模様。テント内には前回の戸邊さんのレポートよりさらに姿を現しつつある象が。前脚を高く上げて立ち上がる姿からはやがて現れる雄姿が感じられます。

「かわいそうな象」がモチーフになっている御輿ですが、隊長たちのお話では反戦の意よりも、死んでいった象がよみがえる「魂の再生」という想いが込められているそうです。

今回はテントの片隅でひとり熱心に細い筆を走らせている油画専攻の小坂初穂(こさかはつほ)さんに着目。

造形担当者からマケットを引き継ぎ、彩色作業をされています。ペルシャ絨毯などを参考にしながら描いているという背中の紋様はとても繊細で美しく、思わず見入ってしまいます。

ベースとなる象の肌の色は、よりリアルな表現になるよう色味に注意し、

さらに迫力も追求するために油画の技法を駆使して色を重ねていっているそう。

アクリル絵具でなく油絵の具を使い下地から段々に色を重ねていく事で、色合いの様子が変化するとのことです。一見白い肌の様ですが、その下地には写真の様に鮮やかな色が隠されていました。下地がポイントってメイクと同じですね。

また、仕上げにオイルを使ってテカリを出すことで、光が様々な方向から乱反射し「下からじわっと」深みが出てくるそうです。色を重ねつつ試行錯誤を繰り返しています、とお話しされているその姿をとても凛々しく感じました。

 

 

そして、これから更に象の背中に建造物が取り付けられていきます。構造設計もなされ、象の背中には3人が乗っても大丈夫だそうです。制作途中の象の大きさから想像すると、心拍数が上がりそうな高さです。

隊長お二人の専攻は油画と建築。別の所属なんですよね。油画に所属する学生は一学年で55名、一人一人がとても豊かな個性をもっているそう!一方で建築の人数は15人。こちらも一人一人があじわい深い個性をもちながら、どこかで調和をとろうとする性格があるのだとか。

 

最初こそ、御輿のデザインや進め方の方向性で折り合いをつけるのが大変だったけど、「雨降って地固まる」で今は「やるしかない!」と建築科の伊勢さんが一言。悲喜こもごもいろんなドラマがあるようですが、御輿と共にチームも盛り上がっていくようです。

そうそう、あの大人なスイカのデザート、お味はいかがでしたか?粋な差し入れでしたね!

 

これから艶やかに変化を遂げる御輿と各チーム、そしてサンバ部隊。

一緒に楽しみましょう。ぜひ、上野へ!

 


 

執筆:大川よしえ(アート・コミュニケータ「とびラー」)

いろんな方たちとの出会いが面白いとびラーの活動。

あっという間の3年目。今はそんな経験を、届きにくい小さなところにもお伝えできるといいなと考えています。

 

 

 


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【藝祭2018】「とびラーによる御輿制作インタビュー④」マッドサイエンティストの非日常を探る…!編

2018.08.19

とびラーの大澤です。

毎日暑い日が続いていますが、“平成最後の夏”……みなさま如何お過ごしでしょうか?

うだるような暑さに年代を問わず多くの人が辟易しているのが現状のようにも思えますが、そんな中でも東京藝術大学の上野キャンパスには、学生による他とは一種異なった闘志エネルギーが充満しているようです…。

 

↑東京藝術大学美術学部(通称:美校)敷地内には,既に今年のテーマ“ほてり”のメインビジュアル看板が設置されていました。藝祭の公式Webサイトや公式Twitterによれば、「乱反射による異様な熱に浮かれ、衝動的な夢錯覚に陥る…」ようなイメージがもとになっているそうです。瞳や電磁波のような曲線が印象的でかっこいい…!

 

例年は計8基の御輿を制作していたそうですが、今年度からは4基となるそうです。実際に現場を回ってみると、4科合同制作に対して学生たちからネガティブな意見が出ることは全くなく、逆にパフォーマンス時間が長くなる等の利点を指摘する学生も複数いたため、我々にとっては予想外でした。

 

 

さて,このレポートで取り上げるのは『デザイン・芸術学・作曲・弦楽』チームによる“MAD SCIENTIST”がテーマの御輿です。

チームの隊長・副隊長を務めるのは、デザイン科の神出さん(写真右)と山口さん。そして、デザインを考案したのは同じくデザイン科の杉山さん(写真左)です。今回は写真のお二人をメインにインタビューを行いました。

神出さんは立候補して隊長となられましたが、複数の中から選出されたというわけではなかったそうです。最初隊長に名乗りをあげていた他の人たちが立候補を取り止めていってしまった結果、彼以外にやりたい学生がいなくなってしまったという不思議な経緯があるとお聞きしました。

 

神出さんが統率する当チームは、大きく分けて「法被隊」「御輿隊」「店舗隊」の3つで構成されています。

店舗とは、いわゆる屋台の出店を手掛ける部隊で今年はかき氷を販売するそうです。味やトッピング等含め全て学生のオリジナルなので、「ぜひ多くの来場者に食べに来てもらいたい!」とのこと。Twitterの宣伝画像を見てみると、確かに食欲をそそられるフレーバーがデザインセンス抜群の広告風に紹介されていました。今すぐ食べたい…!!という欲望を藝祭当日まで抑えていられるかどうか……笑

 

当初はマッドサイエンティストのイメージとかき氷とを掛け合わせたアイデアもあったそうですが、予算の関係でマッドなかき氷を制作するのは断念し、見た目の可愛さと美味しさを兼ね揃えたフレーバー数種類に決定したそうです。でも、やっぱり毒々しいかき氷もそれなりに面白い出来ばえになったのかも…と想像を膨らませてしまいます。

 

さて、ここで再び御輿の話に戻ります。

御輿を制作するテントは、どのチームも学生が一から組み立てたものです。傍から見れば、業者にやってもらったのだろうと素通りしてしまうかもしれませんが、藝大生は何でも自らの手で作り出してしまうのだなぁ…と改めて魅力的に感じました。

御輿自体は7月の終わりから制作を始め、8/10時点では2週間ほどが経過したとのことでした。

 

↑道具箱の中には色々な物が入り混じっています。まさに,工事現場さながら!

 

台風の影響等を聞いてみると、それほど被害は受けなかったものの、テント上部から若干の雨漏りがあったそうです。御輿そのものは発泡スチロールを削り取って形にしていくのですが、水に濡れると電熱線が入りにくくなることから、やはり気配りは必要だと感じました。

 

従来の御輿はモチーフやイメージが単体で独立していたものが多かったのですが、こちらのグループは御輿制作までの過程にストーリー性を取り入れている点が見どころだそうです!

ストーリーの主人公は、その名もケン・エスポジート・カミーデ博士。あれ、そう言えば隊長の名前って………!笑

 

それはさておき、彼こそがマッドサイエンティストと称される人物。『マッドサイエンティストの日常(@MS_Ken_e_k)』というTwitterアカウントも随時更新されており、自身の研究所を拠点に怪しげな実験を繰り返す博士と助手たちの活動を垣間見ることができます!

『デザイン・芸術学・作曲・弦楽』チームの御輿情報アカウント(@omikoshi2018)と並行した情報発信が行われているだけでなく、ツイート内の写真や動画は小道具にもこだわって制作されたものなのでクオリティーが素晴らしく、初見の人でも思わずストーリー展開に引き込まれてしまいそうになるのでは?!

↑これがマケットと呼ばれる御輿のミニチュア版模型。御輿全体のバランス等を確認するために活用されていました。まだ完成はしていないそうですが、この時点でも既にクオリティーの高さに驚かされるほどです…。

 

マケットを見ておおよそ想像がつく通り、御輿本体のモチーフは博士が生み出したモンスターとなっています。鮮やかなグリーンと紫の組み合わせは、視覚的にも刺激があって効果抜群だと感じました。モンスター誕生の詳しい経緯に関しては、藝祭当日に明かされるかも…!とのことでした。

 

また、博士が力を入れている実験が仮に成功した暁には、モンスターを光らせることが可能かもしれないとの情報もゲットしました! 当日の出来ばえや御輿全体の完成図を目にするのが待ち遠しい!

↑お話を伺う様子。広報媒体(Twitter)の具体的な活用法について、デザイン案を担当した杉山さんが説明してくださいました。

 

Twitterに載せられている画像の中には、博士がガスマスクを被っていたり、実験室らしき部屋の中で白衣姿に試験管を片手に持つ助手たちの姿が頻繁に登場します。

もちろん小道具類は学生自らが用意した品々で、ガスマスクに関しては隊長の神出さんが自費で購入した物だそうです。元々、ガスマスクに憧れていたとも仰っていましたが、フォルムのかっこよさに何となくでも共感できる方は多いのではないでしょうか?

 

諸々のお話を聞いていて、連想したのが『フランケンシュタイン』のストーリーです。自らが生み出したモノが有する脅威的な力に対する科学者の素直な脅え、親であり創造主でもある人間の期待を裏切るかたちで成長を続け、怪物と化した一種の生命……  しかも、『フランケンシュタイン』作者・Mary Shelleyの人生においては周囲の人々の死が大きな意味合いを持っているという点も、マッドサイエンティストの発端とつながります。(博士の身の上に関する詳しい説明はここでは省きますが、興味深い内容なのでぜひTwitterを見てみてください! あ~‼となるはずです。)

 

ちらっとフランケンシュタインの話題を出してみると、お二人は「確かに似ているかも…」「そうですね!」と反応してくださいました。

↑御輿の一部に落書きのようなものがあったので尋ねてみると、これらも作品の一部として残されると教えてくれました。研究所の仲間から博士に向けた寄せ書きのようなものなのでしょうか…?

 

演出力の高い『デザイン・芸術学・作曲・弦楽』チームですが、Twitter更新のための写真撮影等は御輿制作の合間を利用して行っているそうです。多忙なスケジュールの中で、学生同士が協力しながら一つの物事に取り組む姿は誰の目にも魅力的に映るはずです。

 

8基から4基へと規模が縮小となり、各チーム員数が多くなった点について聞いてみると、パレード時間が去年までよりも長く確保できることはアピールを行ういい機会だとも捉えられるので、ある意味良かったという答えが返ってきました。一方、資金面に関しては従来と変わらないそうなので、うまく融通を利かせる工夫も必要かもしれませんね…。

 

同じチームの作曲科の学生たちには、パフォーマンス時のダンス音源制作をお願いしているそうで、当日の演出がどういったものになるのかドキドキです。

 

最後に、デザインの原案を制作した杉山さんに、隊長・神出さんの魅力についても聞いてみました。

仕事をふるのが上手、作品制作にかける思い、御輿への愛がとてもある、チーム員一人一人への配慮がある…等々、沢山出てきました! やはり人望があるからこそ、仲間の協力が得られるだけでなく、和気あいあいとした現場の雰囲気を創出できるのだとこちら側も気づかされました。

 

↑黄緑のTシャツを着ている方が副隊長の山口さん(デザイン科)です。

 

↑各御輿制作テント内にはありがたそうなお札が設置されており、知る人ぞ知る恒例の存在となっています。

 

以上、今回は隊長と御輿デザイン原案を担当したお二人にインタビューを行いました。

外部の人間ながら、想像以上に活気のある現場にお邪魔することができ、本当に楽しいひと時を過ごすことができました! 次回以降は、また別の学生のお話も聞けるかもしれませんので,この記事に目を通していただいた方も再度、随時更新されていく御輿レポートをチェックしていただければと思います。

 

私自身も様々な学生との出会いを大切にしつつ、日々着々と準備が進む御輿の全貌を覗き見る楽しさをより多くの方にお伝えできるようにすることを目標に、ひとまずここで筆を置かせていただきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

To be continued…👾


 

執筆:大澤桃乃(アート・コミュニケータ「とびラー」)

とびラーの活動を始めてから、芸術に対する関心は高まる一方。

平成最後の夏は、まさに“ほてる”くらいアートに浸る…そんな時間を過ごしたい!

インタビューを通して得体の知れないマッドな(?)藝大生の素性を暴いていく過程がこれから先どうなるのか楽しみです。

 


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