プロジェクトの概要

とびらプロジェクトってなに?

「とびらプロジェクト」とは、東京都美術館と東京藝術大学が連携して行なっているアートを介してコミュニティを育む事業です。毎年広く一般からアート・コミュニケータ(愛称:とびラー)を募集しています。
とびラーは、学芸員や大学の教員、そして第一線で活躍中の専門家を中心としたプロジェクトチームと共に美術館を拠点に活動しています。人と作品、人と人、人と場所をつなぎ、美術館に集まる多種多様な人びととのコミュニケーションを大切にし、そこから生まれる新しい価値を社会に届けていきます。

例えばこんな活動をしています アート・コミュニケーションに関わる新しいプロジェクトの提案と実施、こどもたちとの対話を通した鑑賞プログラムの実施、美術館体験や鑑賞体験を深めるワークショップのデザインやサポート、建築家・前川國男が設計した東京都美術館の建築物としての魅力を紹介する「建築ツアー」のプランニングとガイド、卒業修了作品展でのイベントの企画 藝大のアトリエを見学、障害のある方々がゆっくりと楽しめる特別鑑賞会の運営サポート、他のミュージアムと連携したプログラムの実施、小・中学校と連携した鑑賞授業の実践

東京都美術館のミッション

東京都美術館は「アートへの入口」となることを目指します。展覧会を鑑賞する、子供たちが訪れる、芸術家の卵が初めて出品する、障害のある人も何のためらいもなく来館できる美術館となります。訪れた人が、新しい価値観に触れ、自己を見つめ、世界との絆が深まる「創造と共生の場=アート・コミュニティ」を築き、「生きる糧としてのアート」に出会える場とします。これらを実現することで、東京都美術館が人びとの「心のゆたかさの拠り所」となるようにします。

東京藝術大学からのメッセージ

アートを介したコミュニティづくりは、作品を創造する人、そしてそれを享受する人を含め、人びとのクリエイティブな力が活きる社会をつくることにつながります。東京藝術大学は、芸術の基本である「もの」としての作品に加えて、「こと」としての芸術に取組み、市民が芸術に親しむ機会の創出に努め、芸術をもって社会に貢献します。

さらに広がる活動の舞台

「とびらプロジェクト」は「Museum Start あいうえの」と連動することで、さらに活動の舞台が広がりました。「Museum Start あいうえの」とは、東京都美術館と東京藝術大学が推進役となり、上野公園に集まる9つの文化施設が連携して行なうラーニング・デザイン・プロジェクトです。こどもたちの”ミュージアム・デビュー” を応援し、こどもと大人がフラットに学び合える環境を創造することを目的としています。とびラーは各種プログラムのファシリテートやサポートを担当します。

Museum Start あいうえの 検索「あいうえの」

主催: 東京都、東京都美術館・東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)、東京藝術大学
共催: 上野の森美術館、恩賜上野動物園、国立科学博物館、国立国会図書館国際子ども図書館、国立西洋美術館、東京国立博物館、東京文化会館(五十音順)

例えば、ここで活かされます!

放課後のミュージアム

放課後の時間を使いこどもたちととびラーが一緒に計画を練ったり、何かを作ったり、上野公園に集まるバラエティに富んだ文化施設に出かけていく活動をしています。
上野公園全体がとびラーとこどもたちの冒険の舞台です。

学ぶコト 実践するコト

とびラーは「基礎講座」と「実践講座」を通して、東京都美術館のミッションと東京藝術大学からのメッセージを共有し、とびラーとしての役割の理解を深めていきます。そして、3年目のとびラーは任期終了後の活動について考え実践する「3年目ゼミ」を開くことができます。学ぶコトと現場で実践するコトのサイクルがあることで、美術館を拠点とした活動がさらに充実したものになっていきます。

はじめは「基礎講座」(4月~6月:全6回24時間)

基礎講座」は、新しいコミュニティづくりの基本を学ぶ講座です。1年目のとびラーは全員必ず参加します。美術館での活動とはどのようなものか?対話やクリエイティブなコミュニケーションが起こる場づくりとは? など、とびラーの活動を支える基礎的な物事の考え方を参加形式で学んでいきます。

次に「実践講座」( 6月中旬より)

「実践講座」では、「鑑賞実践講座」「アクセス実践講座」「建築実践講座」といった、美術館で起こる実践的な場面を想定して設けられた3 つのコースの中から1つ以上を選択し受講できます。各講座は専門の外部講師や学芸員、大学の教員が担当し、実践の現場で気付いた疑問なども振り返りながら進められていきます。

program1 鑑賞実践講座(モノと人を考える)

対話を通して作品を楽しみ、鑑賞を深める活動について学びます。鑑賞者が自由な発想で、主体的に鑑賞できる機会をつくるにはどうしたらよいかについて考えます。

例えば、ここで活かされます!

スペシャル・マンデー・コース」

展覧会の休室日を利用して、クラス単位で美術館に訪れるこどもたちの鑑賞の
伴走役として活動します。

program2 アクセス実践講座( ヒトと人を考える)

障害のある無しに関わらず、人びとが美術館にアクセスし易い環境について考えます。障害のある人も何のためらいもなく来館できる美術館を目指して、さまざまな対応や状況への理解を深めます。

例えば、ここで活かされます!

のびのびゆったりワークショップ

障害のある子もない子も一緒に学び合えるワークショップです。
とびラーはこどもたちのパートナーとしてマンツーマンで活動します。


例えば、ここで活かされます!

障害のある方のための特別鑑賞会

障害のある方のための、休室日を利用した特別鑑賞会です。
とびラーは会場の運営や鑑賞のサポートを行なっています。

program3 建築実践講座(ハコと人を考える)

東京都美術館の歴史的なエピソード、マメ知識を織り交ぜながら、美術館の空間を楽しむための基礎知識を学びます。また、東京都美術館以外の建築物の見学会なども行い、より広い視野で建築の魅力を探ります。

例えば、ここで活かされます!

建築ツアー

とびラーは東京都美術館の建築物としての魅力を伝えるツアー・ガイドとして活動します。
コースは全てとびラーのオリジナルです。

about_icon3 仕上げは「3年目ゼミ」

「3年目ゼミ」は、任期3年目とびラーが対象です。とびらプロジェクトを離れた後、どの様に活動していくのかについて考え、実践します。例えば、ゲスト講師を招いた勉強会の開催や、ワークショップの実践など、各自が自分たちのレベルアップに必要な講座を自らデザインし、取り組むことができます。「アート・コミュニケータ」としての総仕上げの場です。

つどうコト はぐくむコト

「とびラボ」を開こう!

「この指とまれ式」と「そこにいる人が全て式」から新しい活動が生まれます。
「とびラボ」とは、とびラー同士が自発的に開催するミーティングであり、新しいプロジェクトの検討と発信が行なわれる場です。様々なバックグラウンドを持ったとびラーによる「この指とまれ式」と「そこにいる人が全て式」でオリジナルの活動が生まれ、アートを介したコミュニケーションの可能性が大きく広がっています。また、「とびラボ」はとびラー同士のゆるやかなコミュニケーションの場でもあり、対話から生まれる充実した時間が、美術館に新しい価値を注ぎ込んでいます。

1st STEP 「とびラボ」を開くときは“この指とまれ式”

とびラーは、新しい活動のアイディアがひらめいたら「この指とまれ!」で他のとびラーを集めてチームをつくります。はじまるときには3人以上からスタートします。

2st STEP 活動するときは“そこにいる人が全て式”

集まったとびラーたちが自由に「とびラボ」を開きます。そこにいるとびラー全員でできることを考えることで、はじめのアイディアに他のとびラーのアイディアが重なって、新しいアイディアが生まれ、学芸員や大学教員らと相談しながら、とびラーオリジナルの活動が実施されていきます。

3st STEP 解散! また結成

活動の目的を達成して、成果をとびラー自身でしっかりふりかえることができたら、その「とびラボ」は解散します。そして、また新しいアイディアが生まれた時には「この指とまれ!」でもう一度仲間を募ります。チームの結成と解散をくり返すことで、常にフレッシュな対話の構造をつくります。

例えばこんな活動が生まれました!

1. 紙芝居プロジェクト

開催中の展覧会を題材とした紙芝居を上演。ストーリーも絵も全てとびラーオリジナル。マメ知識前座コーナーも好評です。


2. トビカンみどころマップ

東京都美術館は巨匠・前川國男の設計です。その東京都美術館の見所をとびラーが調査・編集し、マップを制作。館内で配布しています。


3. とびらボードでGO!!

お絵描きができる磁気式のボードを使い、こどもたちが展示室の中の作品をモチーフに絵を描きます。最後はぬりえもできるポストカードにしてプレゼント。


4. と・も・に -視覚障害者編-

視覚障害者とのワークショップを計画したり、他館で行なわれている障害者向けのプログラムなども見学しています。


5. 思わずにっこりプロジェクト

「障害のある方のための特別鑑賞会」にて、とびラーから展覧会の作品をモチーフにした手作りの栞を来館者にプレゼント。鑑賞の思い出を持ち帰って頂きました。


6. とびの人々

美術館で働いている人々にインタビューをするプロジェクト。レストランやショップの店長、学芸員のお仕事を記事にして、ブログへ掲載します。


7. ヨリミチビジュツカン

来館者と対話を通した作品の鑑賞を行ないます。美術館ではじめて出会った人たちと、作品を介した豊かなコミュニケーションを試みるプロジェクトです。


8. ライぶらり

開催中の展覧会の関連書籍を紹介する情報誌。とびラーおすすめの書籍は美術情報室(交流棟1階)の特設コーナーで閲覧できます。

その他にも、たくさんのプロジェクトがうまれました。