東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

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【あいうえの連携】ミュージアム・トリップ:NPO法人キッズドア(中高生コース)

2016.08.09

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2016年8月9日(火)に実施された、Museum Start あいうえのの「ミュージアム・トリップ」。NPO法人キッズドアと連携して実施したインクルーシブ・プログラムで、中高生13名と、とびラー13名がマンツーマンで活動しました。

プログラムの様子はこちら→
(「Museum Start あいうえの」ブログに移動します。)

第2回鑑賞実践講座「実践する場(フィールド)について」

2016.07.25

7月25日(月)、鑑賞実践講座の2回目が行なわれました。テーマは「実践する場(フィールド)について」。これからさまざまな鑑賞者と関わっていくとびラーたち。美術館のなかで、作品と人に向き合う心構えを作ります。

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初めに美術館で行なう「対話」の意味について、前回のおさらいも含めて、稲庭さんからの導入。
なぜ美術館で「対話」を行なうのでしょう?作家たちの「何かを伝えたい」というエネルギーを持つものが、アート作品や文化財であり、これらは対話を促進するものだと考えられています。

では、この美術館というフィールドで、人々はどのように社会に関わっていけるのでしょうか?ここでは学芸員の熊谷さんより、「とびらプロジェクト」と「MuseumStartあいうえの」のつながりについて紹介して頂きました。東京都美術館のミッションにも現れているように、「来館者である市民が 主体的に作品鑑賞をすること」が目指す所です。
参照:「MuseumStartあいうえのって?
また、これからに続く活動として「スペシャル・マンデー・コース」の映像を視聴しました。

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ポイントとなるのは『ホンモノによる学び』、『自分の中の「センスオブワンダー」』、『共同的学びと自己肯定観』。
「ホンモノ」を誰かと一緒に見ることで、自分と相手の考え方、双方を大切にする気持ちを育みます。

今日の体験ツールはアートカード。学校では、子どもたちが美術館に来る前の学習で使用しています。
実際に体験したのは「なっとくゲーム」と「ものがたりゲーム」。
前者は2つの作品の間に共通点を探して説明するゲーム。後者はいくつかの作品を組み合わせて、ストーリーをつくるゲームです。一つのイメージを様々な言葉で言い換えることが、ものの見方を柔らかくしていきます。これは鑑賞をサポートするファシリテーョンにとっても重要なこと。

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「絵を見る視点は一つではない」———当たり前のことかもしれませんが、一枚の絵を見ても、出てくる言葉は十人十色。考えていることが違ったら、見えるものも違ってきます。人に伝わる話し方を意識することも大切です。

講座の後半はとびラーによる座談会。とびラー4人と稲庭さんによるトークセッションです。

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テーマは「鑑賞者のハートに火をつけるには?」。
鑑賞講座を3年連続で受講し、様々なプログラムに活かしているとびラーと…
昨年はアクセス講座を受講しており、今年初めて鑑賞講座を受講するとびラー。
それぞれの立場から、「鑑賞」に対して思っていることや、疑問に感じていることを話します。

これまで美術館のなかで実際に出会った人達との体験談から、「一緒に見ていた人が変わった瞬間」「自分のハートに火がついた瞬間」をたくさんお話してくださいました。

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終盤の質疑応答コーナーでも、VTSの捉え方や鑑賞者との関わり方など、たくさんのやり取りが交わされました。
最後まで熱いトークが繰り広げられ、今日の講座は終了です。
今日のアートカードで体験したことや、とびラーによるリアルな経験談は、きっと聞き手の心に火種を残したことでしょう。
鑑賞の夏はまだまだこれからが本番!誰かとまなざしを共有する楽しみが、どんどん深まるといいですね。

(とびらプロジェクト アシスタント 峰岸優香)

【あいうえの連携】うえの!ふしぎ発見:絵本部

2016.07.24

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2016年7月24日(日)に実施された、Museum Start あいうえのの「うえの!ふしぎ発見:絵本部」。上野公園の文化施設が連携して実施するプログラムで、参加者33名と、とびラー13名が共に活動しました。

プログラムの様子はこちら→
(「Museum Start あいうえの」ブログに移動します。)

第1回鑑賞実践講座「ガイダンス:作品・モノを介して生む活動の目指すところ」

2016.07.18

よく晴れた海の日、鑑賞実践講座の一回目は東京藝術大学・特任助手 鈴木智香子さんのあいさつから始まりました。

今年度のキーワードは「学び合い」を大切にして、鑑賞によって生まれる場を丁寧につくることです。

この講座で目指す「まなざしを共有する」とは、誰かと一緒に作品を見ること。
目標は「対話が生まれる場をつくるプロセスを学ぶ。作品やモノを介して人をつなぐ場をデザインする」。
実際に作品の前で、人と作品が出会う体験を想像しながら、
スペシャル・マンデー・コースとの関わりや、課題なども含めて、一年間の流れを確認します。

次に、稲庭さんから鑑賞実践講座のねらいについてのお話し。

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居心地よい場づくりのポイントとして「人への関心・安心感・共感・聞く能力」をあげていました。
何かをしやすい環境のためには、「リラックスして、集中している状態」をつくるのが望ましいのだとか。

これからの鑑賞活動のなかで心に留めておきたいのは、
「関わりを築くことではなく、現にある関わりに気づくこと。
関わりが損なわれることを警戒することではなく、関わりを実感すること。」
新しい発見も大切ですが、今ここにいる人たちが、既にあるモノを通して
自分の周りの世界との関わりに気づいていくことが、対話によって可能なのです。

その後は三つの映像を視聴します。
一つ目は東京都美術館「メトロポリタン美術館展」に、慶応幼稚舎の子どもたちが訪れたときの様子。
美術館では、会場全体を巡る→ひとりで見る→とびラーや友だちとみんなで見るという活動をします。
学校に帰ってから、ひとりひとりがオーディオガイドの原稿をつくり、
後日、完成したガイドを聞きながらもういちど展覧会場をめぐります。
実際にできたガイドは個性的な言葉に彩られていました。

二つ目は「ティーンズ学芸員」。
東京都美術館、東京国立博物館、国立西洋美術館の三館をめぐり、
中学生や高校生が、自分の気づきや感動を言葉にしていく試みです。
こちらもオーディオガイドのツール作成を通して、自分の考えを伝えるプログラム。

まずは二つの映像を踏まえて三人組でシェア。
見た感想や、その場で起こっていたこと、プログラムの構造、もし自分が参加していたらどうする?などなど。
質問コーナーでは、運営から人間関係まで、これから活かせそうなところを注意深く観察した疑問が出てきました。

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そして、三つ目の映像は「鎌倉の立てる像」。鎌倉の中学生が松本俊介の作品「立てる像」と出会うプログラムです。
とびラーにはアートカードが手元に配られました。
同じ作品のイメージを共有しながら、子どもたちが紡ぐ言葉や活動を見ていきます。
その後に、作品を見ながら感想をシェア。
中学生が語っていたこと、話の広がり方に着目したコメントが多く出てきました。

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鑑賞とは、自分を開示することでもあります。
美術史の知識を知ることよりも前に、自分の経験を参照しながら、感じたことを言葉にしていくなかで、語る機会は自然と現れてきます。
後半では、まず年間課題とグループワークについておさらい。

最後に行ったのは「Show&Tell」のワーク。自分の持ち物を、記憶とともに相手に伝えるワークです。
テーマは「だれかに見せたいと思う、自分の大切なもの」。
なんてことないものでも、その人にとっては大切なものであり、自分の言葉で、思い出や大切に思っている理由を語ります。

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これから続けて顔を合わせるメンバーについて、モノを介しての対話をすることで短時間の間でもその人の人となりが伝わった、という声がとびラーより多く聞かれました。

・初めてお話をする方も多かったのですが、物を通して語られる思いはその人の人柄をとてもよく表してくれました。
・「もの」を通して自己紹介するだけで、その人の人となりがとてもよくわかりました。それは「もの」にその人がその人たらしめるための思い出や感じたことが詰め込まれているからです。
・持参した「もの」を介して、思い出を話したり聞いたりすることで、相手の感性を感じたり、自分の普段は改めてしないような話をするときの不思議な気持ちを感じたりしました。共通のルールやテーマ、ツールがあることで、初めて話す相手への興味関心や、コミュニケーションが生まれることを感じました。
ーーーとびラーのふりかえりアンケートより

これにて初回の講座は終了!
これから、いろいろなとびラーの経験値を通して《場を形成する》という視点を軸に、学びと実践を繰り返しながら自分たちで鑑賞の場をつくっていかれればと思います。

第六回基礎講座:「この指とまれ/そこにいる人が全て式/解散設定」

2016.06.25

四月にとびラーとしての活動が始まり、はや三ヶ月。基礎講座もいよいよ最終回。
本日の講師は西村佳哲さんです。_MG_7278

今日の講座は、3人で集まって「美術館とはどんな場所か」話すことからスタート。
これまでの基礎講座で聞いたこと・話したこと・考えたことを振り返ります。
年齢、性別、職業、考え方、話し方…様々なことが違う100人の人たちと出会って気付いたこと。
第4回目基礎講座「きく力」、第5回目基礎講座「グッドミーティング」を通して、対話することへの意識が変化していった方も多いようです。

 

最初に、西村さんからとある事例紹介。
最初は個々人のやってみたいことや、「こうなったらいいな」「こうだったら楽しいな」というアイデアから生まれた小さな会社。仕事が順調にすすみ、会社の規模が大きくなって、時間が経つと働く人の生活環境には違いが生まれてきます。暮らし方や働き方の変化を受け、会社の在り方を考える局面で、何を大切にするか?高い成果の追求だけが、一人ひとりにとって、本当に健やかな環境をつくっているか?今日のテーマ「その場にいる人がすべて方式」を考える、大切な視点です。

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次は、その場にいる3人でどんなプロジェクトができそうか、実際に考えてみます。
テーマや目標、成果はひとまず、置いておいて。
3人で計画をたてる前に、「仕事に向かうための3つの要素」について、まずは自分と向き合います。
一つ目は「やりたい」こと。絶対に今やりたいこと、死ぬまでにトライしてみたいこと、ちょっと気になっていること。
二つ目は「できる」こと。やりたいことはあるかもしれないけれど、力を発揮できることとは違います。自分にできること、もっている能力や資源は何か。
三つ目は「やるべき」こと。頼まれてもいないのに、使命感・責任感を感じていること。自分の気持ちが強く向いていること。
それぞれノートに書き出してみます。
三つの力が重なる場所で、その人のエネルギーは一番発揮されるのだとか。

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その後、15分の話し合いのなかで実現できるアイデアを考えてみるワーク。
美術館の中でも、外でも構いません。自分が本当にやりたいことは?実現できることは何か?他の人のアイデアと組み合わせるどうなるか?組み立てるプロセスを体験してみます。

「その場にいる人がすべて方式」を料理に例えるなら「今夜の晩ご飯を、既に冷蔵庫にあるもので何かつくる」こと。最初からフレンチや懐石料理を目指して材料をそろえるのではなく、今の自分たちがつくれる、おいしいものを考えよう、という姿勢です。大切なのは、楽しんでトライできる技術とセンス。「ご飯のおいしさ」をどこに見出すかも重要ですね。

東京のように様々な人がいる場所は、目的にあわせたベストチームを作りやすい状況です。
しかし、住んでいる人が少ない地方や、小さな集団では、「グッドアイデア」だけではうまくいかないことがあります。何かをする時に、一番大きな要素は「人」。どんなによい方法でも、実際にいる人のことを考えなければうまくいきません。

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「新しいアイデアとは、すでにあるものの、新しい組み合わせである」と西村さん。
既存の要素たちを、どう新しく組み合わせていくか。そのためには、既にあるものを見逃さないこと、その人のことを「きく」力が大切です。結果を急がず、プロセスを丁寧に共有していくことがよいチームを作っていくそう。
誰かの言葉を「きく」こととは、話の内容を聞くことだけではなく、その人に現れる様々なことをよく見て、感じとることでもあります。言葉から表現したいことを察し合い、互いに気付き合う関係が、それぞれのユニークさを引き出すポイントです。

また、「本人が自分をどうみているか」という視点が他人にも投影され、他者への態度をつくります。誰かと向き合うことは、単なるスキルではではありません。相手の状況が見えてくれば、自ずと関与の在り方に気付けるはず。

以上のお話をふまえて、「3人組からはじめる」「この指とまれ」「解散式を楽しむ」のポイントを示して頂きました。

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午後のワークでは、さっそくこれらの方法を実践してみます。
実は毎年おなじみとなっている。スパゲッティ・キャンティレバーのワークショップ。(去年の様子はこちら

_MG_730330分のなかでパスタ・糸・テープを駆使し、3人1組で横にのばす構造体をつくるワークです。

_MG_7307 まずはアイデアを書き出してみたり、

_MG_7309 _MG_7312 素材を触りながら考えたり、

_MG_7316 _MG_7319 とにかくやってみたり。

_MG_7322 _MG_7324 今回の最長記録は88cm!

_MG_7332 見た目が美しい構造のチームもありました。

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そして、大切なのは「ふりかえり」。単なる反省会ではなく、ワークショップのなかでどんなコミュニケーションが起きたか、それによってどんな効果があったか、分析していきます。「やり方が違うから、結果も違う。」作業しやすい環境は、どこから生まれてくるのでしょう?

_MG_7338失敗は成功の母・・・とも言いますが、チャレンジする時のキーワードは「早めに失敗する」こと。小さなトライ&エラーを繰り返しながら、どんどん作り直していくことが洗練された結果につながっていきます。
「重要な2割に8割の成果が含まれる」。重要な資源である「時間」をどう有効活用するか?

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これまでとは違う世の中で、美術館はどう変わっていくのか、どう使えるのか。とびラーとしてどんな活動を生み出していけるのか。

今後の活動のヒントがたくさん散りばめられていて、これから何度も思い出したいポイントが溢れる最終回となりました。

とびラーの活動はいよいよここからが本番!「楽しむ」センスを大切に、新しいチャレンジがたくさんできたらいいですね。

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(とびらプロジェクト アシスタント・峰岸優香)

建築ワークショップ「Photo-Archi たてもの×あるく×フォト」~大学生とともに~

2016.06.04

【美術館探訪の愉しさ】
私は、アート・コミュニケータ(通称:とびラー)になってから美術館の建物自体にみどころがいっぱいあることを知りました。東京都美術館(以下、トビカン)は、日本のモダニズム建築の巨匠・前川國男氏の設計です。壁、階段、照明、家具などあちこちにこだわりがあって、散策しながら一つひとつ見つけていくと、これまでは何とはなしに眺めていたトビカンをめぐる景色が、ぐっと生き生きとみえるようになりました。
トビカンに展覧会をみに来てくださる皆さんにも、トビカン探訪の愉しさを味わってもらえたら、という思いから、とびラーたちでトビカン散策をテーマとしたワークショップを企画しました。トビカン周りや館内を小グループで写真を撮りながら歩き、撮った写真を共有しながらティータイムを過ごすというものです。
先日、第一回目を多摩大学の2~3年生の学生さん22名の参加で開催しました。その様子を写真でレポートします。

▼22名の学生さんと周りのとびラー。
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▼散策出発前、グループそれぞれにフォトカードが渡されます。散策ですることは二つ。一つは、この写真と同じ景色を見つけて同じアングルで写真を撮ってくること。簡単に見つかるものから難題まで取り混ぜてあり、どれか一つでも見つけられればOK!もう一つは「いいな」、「おもしろいな」、「好きだな」と感じた景色を自由に何枚でも写真に撮ってくること。このフォトカードはとびラーのてづくりです。準備の段階で実際に写真を撮り歩き、選んでカードに仕立てました。
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▼グループごとに散策へ。学生さん4~5名にとびラーが1名の編成です。この日はとてもよい天気だったこともあり、多くのグループが館内だけでなく建物の外にも出かけました。
図3▼トビカン正門入ってすぐの『my sky hole』を鑑賞するグループ。後ろで何やら楽し気なポーズを取るとびラーのKさん。
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▼写真はグループに一台貸し出したiPadで撮ってもらいましたが、私物のスマートフォンでも写真を撮る学生さんが多かったです。散策と撮影を愉しんでくれている様子が伝わってきました。
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▼散策から戻った後、自由に撮ってきた写真の中から「これは!」という一枚をグループで選びました。
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▼各グループ、選んだ一枚を投影して「どうしてこの一枚を選んだか」の理由とともに紹介。他のグループに共有します。三角の形をした階段(愛称:おむすび階段)が人気でした。
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▼「グループで選んだ一枚」以外にも「これはどこでしょう?」とクイズ形式で紹介してくれた石ころの写真。散策してあちこちよくみて歩いたからこそ気づくところにあります。
図9

▼今回は、学生さんからとびラーに向けた質問タイムを設けました。とびラーが企画づくりで大事にしていることや、とびラーの活動そのものへのパッションについての質問が出ました。
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▼質問に答えるとびラー。
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▼ワークショップの締めくくりに、学生さんたちにこのワークショップに参加してみた立場から、よかったと感じた点、こうしたらもっとよくなるという点を付箋に書いてもらいました。次回の開催に向けて活かしていきたいです。
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最後に・・・
私は、トビカン探訪の愉しさを知ってから、トビカンに限らず美術館の中を前よりもずっと自由に歩き回っています。
美術館に展覧会をみにいくと、よく「順路」という矢印が示してあります。以前の私は、美術館では、まず入口から入り、順路の表示に従って展覧会の作品をみて、出口を出たらミュージアムショップにちょっと寄って「さて、みるものみたし用事は済んだから帰るか」、という、今から思えばちょっとそわそわしたままで落ち着かない感じで帰っていました。でも美術館という建物自体をみる体験をきっかけにして、親しみやゆったりと時間を過ごせる居心地のよさを感じられるようになった気がします。

トビカンで展覧会をみた後に、よかったらちょっとトビカン探訪してみませんか。
↓トビカンみどころマップ
http://www.tobikan.jp/media/pdf/h25/architecture_midokoroMaekawa.pdf

執筆:中野未知子 アート・コミュニケータ(とびラー)

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【とびラボ】若冲らうんじ開催しました!

2016.05.15

5月15日。5月晴れの爽やかな日曜日にとびラー主催、1日限りの「若冲らうんじ」をオープンしました!連日大人気の若冲展。展覧会を観に来られた方に“ゆっくり“楽しく”過ごして、改めてじっくりと若冲の作品と向き合ってもらいたい。そんな思いを込めて様々な角度から若冲の作品が「体感できる」と、とびラーが企画したプログラムを6つご用意しました。

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目印はとびラーが作ったカラフルなビジュアル。

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とびラー作成のチラシ。

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ロビー階でチラシを配ってアピール。興味もってくれたかな?

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入口ではコンシェルジュがお出迎えしています。

それでは、各プログラムをご紹介しましょう~!

プログラム①「若冲のスゴ技を知って、羽を描いてみよう!若冲缶バッジ」

若冲の「筋目描き」「枡目描き」「裏彩色」3つの技法を実際に体験しながら若冲の絵を写します。可愛い缶バッジになるだけではなく、技法や絵の繊細さに触れ改めて若冲の凄さに感服です。

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大人から子供まで、みんな真剣!!

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世界に1つだけの若冲缶バッジができました!

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若冲のスゴ技にビックリ!

プログラム②「ことばで見よう!おしゃべり若冲鑑賞会」

図録をみながら展覧会でどんな所が気になったか、作品に対してどんな事を思ったか等、とびラーを交えて自由におしゃべり。また他の人の話に耳を傾けることによって、同じ感想や思いもよらない発見がありました。若冲への想いが弾けます。

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赤ちゃんも参加かな?

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若冲への言葉が溢れています。

プログラム③「見てビックリ!若冲チョコとチョコっとチョコレートアート体験」

とびラーが作った芸術的なチョコレートアートの鑑賞も楽しみながら、自分でも体験して

若冲作品をチョコレートに変身させます。自分だけではなく、プレゼントをしたり一緒に楽しむことが出来るチョコレートアート。帰ってからも楽しめるレシピ付きで、チョコレートの甘い香にもほっこり癒されます。

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とびラー作成のチョコレートアート。これがチョコレート?!と皆ビックリ。

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実際にチョコレートで体験してみます。

プログラム④「みて!よんで!とって!若冲かるた」

若冲の作品を絵札に参加者が読み句を自由につくってオリジナルの若冲かるたを作成。読み句を作ったら、みんなでかるた遊び。自分では気づかなかった発見に大盛り上がり!

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さぁ~よく見て。どの作品か分かるかな?

プログラム⑤「全部押したい!若冲の消しゴムはんこ」

これまた、とびラーが作った若冲のオリジナルスタンプが登場!自分のお気に入りの場所に押してみたり、消しゴムハンコを使ってオリジナルの若冲作品を作ってみたり。ハンコに彫られたものが、どの作品なのかも気になります。

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沢山あるので、どれにしようか迷っちゃう。

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キレイに押せました。

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なんと、目の前で消しゴムハンコの実演も!

プログラム⑥「若冲の不思議な動物たち~紙粘土で作るJAKUZOO~」

若冲の作品に出てくる不思議な動物たち。もし動物たちが立体で飛び出てきたら??そんな想像をしながら若冲の動物たちを粘土で作ってみました。

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作品をよく見て、想像して・・

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若冲がみていた像もこんなだったかな?

その他に「虫眼鏡付きだよ!ゆっくり図録コーナー」では、とびラーと図録と虫眼鏡が。虫眼鏡を使って細かいところまで見てみたり、展覧会で気になった作品について話したり、リラックス空間となりました。

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また、会場内ではリアルタイムマガジンを発行。現場の雰囲気をそのままに若冲らうんじの“イマ”をリアルタイムにお届け。

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とびラー編集長が随時更新!!

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今回は155名の方にご参加いただきました。ありがとうございます。

ご参加いただいた皆さまにとって若冲の新しい発見や楽しさに繋がったら、とても嬉しいと思います。とびラーの私たちも楽しいだけではなく、いろいろな方との出会いや会話の中に驚きや感動がありました。これからも、より作品や美術館が好きになっていただけるような出会いを探していけたらと思います。また、お会いしましょう〜!


執筆:アート・コミュニケータ(とびラー) 並木 百合

アートがコミュニケーションになる楽しさを感じている、とびラー2年目。

” 一語一笑 ”人との出会いに笑顔を忘れずに、これからもアートの楽しさを届けます。

第三回基礎講座:「作品を鑑賞するとは?」

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今回は「作品を鑑賞すること」について考える講座です。午前中にアートスタディールームで3つの映像を見て話し合い考え、午後には実際に東京都美術館の展示室で、対話による鑑賞を体験しました。

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講師をつとめるのは、東京都美術館 学芸員 アート・コミュニケーション担当係長の稲庭彩和子さん。

最初に見た映像はアメリカはメトロポリタン美術館の館長であるトーマス・キャンベルのTEDでのプレゼン映像:「美術館の展示室で物語をつむぐ」。美術館の展示室という場所で作品を鑑賞したときに起こる体験について、キュレーターとしての哲学とともに、語られています。

映像を見終わったあと、気になったキーワードについて、まずはとびラー同士3名で感想や気になった点をシェアし、さらに全体で何人かの意見を発表していきながらプレゼンを振り返りました。

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トーマス館長が語っている「美術館の作品のまえで居心地が悪いと感じている来館者」に対して、アート・コミュニケータ「とびラー」としてどんなことができるのか、考えた方も多かったのではないでしょうか。

また、トーマス館長が導入で語っている大学の授業で先生から言われた言葉「自分の眼で見る」という話を聞いて、自分の眼で見ることが自分はできているか?と自分の体験をふりかえった方もいると思います。
作品が目の前にあるのに、説明のキャプションを読んでみた気持ちになってしまったり、予備知識で学んだ専門知識を確認して満足したり、作品のイメージを見て、つい昨日の夕ご飯を思い出して目の前の絵から離れてしまったり、実際に作品そのものを「よく自分の眼で見る」ということは意外に難しいのです。それは美術史の学生にとってもとても良い教えだったとトーマス館長は振り返っています。
他にもミュージアムで「本物」に出会う意味や、ミュージアムだからこそできる、異文化への提示の仕方、その影響力など、ほんの16分の映像の中にたくさんのヒントが散りばめられていました。

稲庭さんはこのトーマス館長のメッセージを通して、「私たちにとって美術館での鑑賞体験とは何か?」ということを意識的に考え続ける必要がある、ことを示唆されていました。そして、絵の鑑賞の仲介役になるときには、常に「絵に戻るファシリテーションをすることがコツ、という次の映像へのヒントも出していました。

では、いよいよ作品を前にして、どのようなことをこの「ファシリテーター」は行っているのか?

対話による鑑賞を使った手法:Visual Thinking Strategies(以下:VTS)について映像を通して学びます。イザベラ・ガードナー・スチュワート美術館で行われている取り組みを紹介した映像です:「Thinking Through Arts
この映像では、子供達(作品を鑑賞することに慣れていない初心者)が対話を通して作品を見ていくときに、どのような反応するのか、またファシリテーターがどのような働きをしているのか見ていきます。

映像を見た後、まずは先ほどとはまた別の3人組になって感じたこと、疑問に思ったことなどをシェアします。

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みんなの疑問・質問をあげてもらい、順番に答えていきます。

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「鑑賞をして、こどもたちが作品に対して自由な意見を言っているのに対し、おとなはいわゆる『正解』を伝えないのか?」

VTSでは、「絵を鑑賞すること」だけが目的ではありません。絵の鑑賞を通して、主体的な学びのステップを踏んでいくことを目的としています。稲庭さんは、その内容を3つのポイントにして伝えていました:
● ホンモノの作品を前にして考える、よく見る
● 考えたことを言語化する
● 言語化したことをみんなの前で提示する
実際に行われているのはこの3つ。これが、どのようにしてこどもたちの「学び」につながるのでしょうか?

次に出た意見は「こどもの意見が自由に言い合えるには、おとなが鍵だと思った」。

そう、まさにファシリテーターがしているのは、みんなが話しやすい環境の場づくり。
こどもたちは、「思ったことを言ってもいいんだ」という安心感を持って考えたことを言葉にし、それを聞き合い、互いの違いを認め合う環境をファシリテーターが作っているのです。そして、子供達の発言を別の言葉で言い直して確認したり、いくつかの発言をつなげて伝え直したり、みんなの発言を編集しながら、中立的なファシリテーションを心がけることで、だんだん見えていることへの理解が深まっていくのです。

午前中の最後には、実際にとびらプロジェクトが取り組んでいる学校連携事業:スペシャル・マンデー・コースの映像を紹介して終わりになりました。

午後は、午前中で学んだことをふまえて実際に展示室に行って「対話による作品鑑賞」を体験しました。

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3・4期生とびラーのみなさんが小さな旗を持ってご案内します。

この日に見た展覧会は、「ベスト・セレクション展」。各公募団体より推薦された作家方の作品が展示されており、いろいろな公募団体の展示を一同に見ることができます。

まずは各グループ8〜9人ずつになって作品の前で対話型鑑賞。

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一人がファシリテーターとなり、鑑賞者が気づいたこと・感じたことを言葉にしてもらいながら、交通整理をしていきます。

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その後、さらに3〜4人の小グループに分かれ、展示室内をお散歩しながらグループ鑑賞を続けます。おしゃべりをしながらの作品鑑賞です。

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たっぷり1時間ほど作品鑑賞を味わったあと、ふりかえり。どんな体験となったでしょうか?

5期生のみなさんは、さっそく「ファシリテーター」という存在について気になった様子。どんな風な準備をされているのか?どうしたら私もあんな風になれるの?という質問もありました。

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稲庭さんはファシリテーターの準備について、このようなアドバイスを伝えていました:

ファシリテーターが行なっていた言葉の「いいかえ」や全体の対話の文脈をつなげる「リンク」をさせる作業は、通訳のお仕事と似ています。
発言者が本当に言いたいことは何か、それをその場にいるみんなで共有するにはどんな風に伝えたら良いか、を考えています。まさに、作品と鑑賞者との仲介役となっているわけです。
そのためには、たしかにたくさんの訓練や準備が必要です。作品の中にも、物語のように「あらすじ」があると考えたら、ファシリテーターはその
作品のあらすじやストーリーをつかんでいることが大事。
事前準備の段階で言葉出しの作業をしたり、言葉同士をつなげる分析の作業をしたりしていると、発言者からその言葉が出てきても慌てずに対処ができるわけです。

さらに、「準備はどれくらいの時間をかけるの?」という質問に対して・・・

準備は人それぞれではありますが、たくさんの作品を「見る」ことに慣れることによって、準備が早くなっていきます。視界に入ってくる情報はみんな同じように目にしていると思いがちですが、実は経験値がそれぞれ異なります。ヴィジュアルの(視覚的な)経験値を鍛えることで、視覚的な情報をどんどんキャッチできるようになっていきます。

午前中でインプットされた学びが、午後の実体験を通じてたしかに学びにつながっているのだということが伝わる時間となりました。

「ファシリテーター」のやり方や鑑賞の場づくりについて詳しく学ぶことができるのは、「鑑賞実践講座」にて。本日案内してくださった3・4期のとびラーも、1〜2年前にそれぞれ始めたばかりでした。これからぜひご一緒に、「鑑賞体験とは?」「作品を鑑賞することとは?」ということを考えつづけながら、”とびラー流ファシリテーション”を身につけていって欲しいと思います!

次回からは基礎講座もいよいよ折り返し。「とびらプロジェクト」について考える機会として、ぐぐっと迫ります。

 

(東京藝術大学 美術学部特任助手 鈴木智香子)

第二回基礎講座:「社会装置としてのミュージアムの役割とは何か、そこでのとびラーの役割とは何か」

2016.04.30

第二回基礎講座のテーマは「社会装置としてのミュージアムの役割とは何か、そこでのとびラーの役割とは何か」でした。今回の講座は、「Museum Start あいうえの」のミュージアム・スタート・パックを持って上野公園のミュージアムをめぐる午前の部と、文化施設の役割とは何か、アート・コミュニケータの役割と実践とは何かを、講師のトーク・セッションを通じて考える午後の部で構成されました。講師は東京藝術大学教授の日比野克彦さん、アーツカウンシル東京の森司さん、そして、東京都美術館の稲庭彩和子さんです。

 

講座がはじまるとまず稲庭さんから、「Museum Startあいうえの」のティーンズ学芸員(→活動の様子はこちら)の様子が動画で紹介されました。アート・コミュニケータや学芸員との対話を通じて作品を鑑賞し、感じたこと、考えたことを文字と声に起こして、オーディオガイドで発信するプログラムです。ティーンズの動画から、自分の目で見て考えるとは一体どんなことなのかを学んだら、さっそく東京国立博物館、国立西洋美術館のそれぞれに向かう2つのグループに分かれて、自分のお気に入りの作品を探す冒険へと出発です。

 

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こちらのグループは、国立西洋美術館へと向かいました。

 

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9つの文化施設が点在する上野公園には、日本を代表する素晴らしい文化施設やコレクションが集積しています。そんな上野公園のミュージアムにブックを持って出かけてみるとどんな体験ができるのでしょうか。

 

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お気に入りの一点をえらんでじっくりと鑑賞し、心に浮かんだこと、考えたことをブックに書き込みます。自分の声に耳を傾けながら、これまでとは違った視点から作品を見つめるためのレッスンです。こうした体験は、上野公園やそこで大切にされているモノに慣れ親しみ、アート・コミュニケータとして充分に活用して行くために必要な経験を高めるプロセスとなります。

 

じっくりミュージアムを体験する午前のプログラムでウォームアップしたあとで、午後からは基礎講座の教室(都美のアートスタディルーム)に場を移し、文化施設の社会的役割とは何か、アート・コミュニケータとしての役割とは何かについて、講師の日比野さん、森さん、稲庭さんによるトーク・セッションを通じた講座が行なわれました。

 

まずは、稲庭さんから新たに入ったとびラーへ、「対話の場」としての可能性という視点から、ミュージアムとアート・コミュニケータとはなにか、共有したい問いが提起されます。

 

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ミュージアムという場での対話とはどのようなものなのか。

 

ここでは対話は、自己と他者がそれぞれ異なる存在であることを知るためのプロセスや体験であること、そして対話という活動を通じてミュージアム体験が深まるという考え方が共有されていきます。さらにそこから、対話から発展的に生まれるケアという概念―深く対象に心を向けることへと視野を拡張して考え、「対話の場」としてのミュージアムの可能性をより深く捉えていきます。

 

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知り合って間もないとびラー同士も、稲庭さんから提供されたアイディアにいて一緒に考えるうちに、徐々に打ち解けてきた様子です。

 

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全体で少しずつまなざしの共有がはじまったところで、講師の日比野さんと森さんから、美術館とはどんなところで、とびラーはどんな役割を担うのか、具体的な事例を通じてイメージが具体化されていきました。

 

ここでは、日比野さんの体験から事例やアイディアがいくつも提供されました。はじめに、先月中旬に発生し、相次ぐ揺れで大きな被害を及ぼした熊本地震における熊本城の復興を願う動きについて、都市のアイデンティティとシビック・プライドという観点からお話がありました。震災により、まちに住む一人一人の当事者としての意識、そして文化財に対する愛着や誇りを再認識させられる事例にふれることで、とびラーたちは文化的なモノがつないでゆく人の気持ちと、つなぐ役割りを担うとびラーという存在について思い思いに考えを進めます。

 

さらに、日比野さん、森さんが携わって来た、「TURNフェス」そして「明後日朝顔」の活動から、美術館のフレーム、アートのできることについて考えていきます。両プロジェクトは、人々が関わり合い、人と人の関係性の中から創造されてくるカタチを芸術の根本と捉え、社会の中における芸術の機能性・多様性を試み、様々な「個」の出会いと表現を生み出すアートプロジェクトです。

 

「TURNフェス」の詳細は、こちら

「明後日朝顔」の詳細は、こちら

 

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実際に美術館のフレームを取りはらうような事例を見ることで、ワークショップにおけるプロセスそのものも作品として定義されるようになってきていること、その延長線上に、展示が毎日変化するような「キュッパのびじゅつかん―みつめて、あつめて、しらべて、ならべて」展のようなものが生まれていることなど、現代社会と美術館のいまに切り込んだ興味深い見方が提供されました。なかでも、「明後日朝顔プロジェクト」が、金沢21世紀美術館にコレクションされたというお話は、コトをコレクションする斬新さとアートの承認機関としての役割を担う美術館の存在といった、これからのアートと美術館の可能性を捉えた示唆に富む話だったのではないでしょうか。

 

このふたつのプロジェクトをながめるなかで、日比野さんと森さんは、人と人・人とアート・アートと社会のコミュニケーションを促すコミュニケータの役割を問います。多彩な人材・文化資源を活用しながらデザインされていく美術館と社会、アートと社会とのつながりを見据えた文化的なプロジェクトは、人のつながりによってつむぎだされていく。こうした一つ一つのアイディアが、日比野さんと森さんが実際に手がけたプロジェクトとともに紹介されることで、時折笑いもおこる和やかな雰囲気のなか、「社会装置としてのミュージアムの役割」という第二回基礎講座のテーマを考える豊かな時間を提供してくれました。

 

ここからは、第二回基礎講座を終えての番外編。

今年度で16年目を迎える「障害のある方のための特別鑑賞」についての説明が、東京都美術館の大橋菜都子さんによって行なわれました。特別鑑賞会は、特別展の休室日を利用し、障害のある方もゆっくり鑑賞できることを目的としてはじまったプログラムです。大橋さんから特別鑑賞会の成り立ちや活動内容、とびラーがどのように鑑賞者をサポートするのか、写真等を用いた紹介をつうじて、とびラーは活動の目的とイメージの理解を進めていきました。

 

講座が終わったあとは、早速オープンとびラボが開催されました。5期のとびラーとともに5年目を迎えた「とびらプロジェクト」が、いよいよ始まります!

(Museum Start あいうえの プログラム・オフィサー 渡邊祐子)

【アート・コミュニケータ東京】「藝大ガイドツアー 〜春らんまん編」開催しました!

2016.04.30

4月30日(土)、「藝大ガイドツアー〜春らんまん編」を開催しました。
校内の建築、植栽、彫刻を1時間程かけてじっくりご案内。ガイドは3年の任期を満了したとびラーたちが立ち上げた「アート・コミュニケータ東京」のメンバーと、とびラーが務めました。

 

■受付
当日は、美しい新緑に木漏れ日が射す、春うららかな気持ちの良いお天気。ツアー開始15分前の受付時間になると、メンバーの呼び掛けに合わせて、お客さまがぞくぞくとお集りくださり、午前の部、午後の部で計57名の事前にお申し込み頂いた、全てのお客さまにご参加頂きました。

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メンバーのオリジナル製作によるカードを持ってお出迎え〜受付。出発までの間は大切なアイスブレイクタイム。お客さまの期待に応えねばとワクワク、ドキドキする瞬間です。

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■ツアースタート
小さなお子さんから大人までの幅広いお客様が集まった今回のツアー。和やかな雰囲気の中で、まずはガイドの自己紹介からスタート。

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藝大の生い立ちについて、江戸時代には寛永寺の境内だった頃からのランドスケープの変遷を交えて判りやすく説明し、参加者も興味津々の様子。

 

■陳列館
我らが東京都美術館の前身の東京府美術館と同じ岡田信一郎の設計ときたら、ガイドに熱も入ります。

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スクラッチタイルに触れ、象徴的なギリシャ・ローマ風の天窓を外から室内から見上げます。

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ロダンの出世作『青銅時代』がナゼここに?二重橋の飾電燈がナゼここに?を話すと、参加者からへぇ〜との声が。

 

■正木記念館

まずは等身大の正木直彦像がお出迎え。功績、人柄はもちろんですが、木製でも銅製でもなく、実は陶器製のこの像に参加者のみなさんは興味津々。

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そして今回、特別にツアー参加者のみ室内へ。

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二階に広がる和室の展示空間に映える、高村光雲の透かし彫りの欄間を紹介すると、見上げる大人たちに混じって小学生の女の子が、鳥や木の実と細部に描かれているモチーフを発見してくれました。

 

■美術学校旧本館玄関、鬼瓦
陳列館と正木記念館の間では、移築による文化保存の好例としても取り上げられる美術学校旧本館の玄関が参加者を迎えます。

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正木直彦学長はもちろん、平山郁夫学長もきっと通ったんでしょうね。と感慨深げに柱を撫でる方も。

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そして、ひとつひとつ顔の異なる鬼瓦を見上げ、建物の細部に凝らされた意匠にも注目して頂きました。

 

■屋外彫刻、植生など
屋外彫刻を見ながら、お隣りの上野動物園から聞こえる音に耳をそばだてながら、木々・植物を見ながら、香りを嗅ぎながら、道路越しに赤レンガ1号館を見ながら、各ガイドによるオリジナルな趣向を凝らしたアイデアで藝大構内に息づく魅力を紹介しつつ、参加者のみなさんとの会話を楽しみました。

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■岡倉天心/六角堂
平櫛田中作の岡倉天心像を見ながら、早熟の天才「岡倉天心」は勿論のこと、縁起の良い108歳の長寿を全うした「平櫛田中」の逸話に耳を傾ける参加者のみなさん。子ども達に「六角形」で思いつくもの何?と聞くと、蜂の巣、ダイヤモンドといっぱい答えてくれました。

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■絵画棟大石膏室
ツアーのハイライト!撮影不可で写真が無いのが残念ですが、参加者からは「こんな素敵な場所があるんですね!」との声が。パチパチパチと拍手を頂き、ツアーお開きとなりました!

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執筆:小林雅人(アート・コミュニケータ東京)

 

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