【第6回基礎講座 この指とまれ/そこに居合わせる人が全て式/解散設定】
日時|2025年6月21日(土)10時~15時
場所|東京藝術大学 美術学部 中央棟2階 第3講義室
講師|西村佳哲
内容|とびラーは、自分たちの関心を寄せ合い、アイデアを共有し、プロセスを大事にしながら活動をつくります。この回では、小さく始めるプロジェクトのつくり方や、そこに集まった人みんなの力を活かした活動について学びます。また、活動のはじめ方だけではなく、終わり方のデザインについても理解を深めます。
基礎講座最終回は「とびらプロジェクトの活動の進め方」がテーマです。
特に、とびラーはこの後「とびラボ」というとびラー同士が自発的に開催するミーティングのことで、新しいプロジェクトの検討と発信が行われる場をつくっていきます。
そんな「とびラボ」の「はじめ方/すすめ方/おわり方」や「あり方」について考えました。
講義は西村さんと、とびらプロジェクト マネジャーの小牟田さんのクロストーク形式で進みました。
「この指とまれ式」
新しい活動のアイデアをひらめいたとびラーは掲示板で一緒に活動するとびラーを募集します。3人以上集まったら「とびラボ」のスタートです。
このはじまり方を「この指とまれ式」と呼んでいます。
西村さんや小牟田さんから
・適正人数(グループサイズ)を考えること
・指を立てた人、集まった人同士の想いや視点をよく確かめ合うこと
・成功を目的化しない、プロセスを大事にすること
の3つのポイントが伝えられました。
「人数が多いと感じたり、やりたいことが違っていたりしたら別のラボに分かれてもいい」というお話に「へえー」とうなずくとびラーもいました。
今回の基礎講座も講義の合間にペアで考えたことや疑問点について話し合う時間が多くあります。早速、「この指とまれ式」について活発に話し合いました。
「そこに居合わせる人が全て式」
「とびラボ」では集まった人同士の想いや視点を確かめ合ったあと、いまここで「やりたい・できる・やるべき」アイデアを生み出し育てていきます。
一般的な活動がやるべき事や問題点からアイデアが生まれ、必要な事を考えていくのに対して、「とびラボ」はそこにいる人からアイデアが生まれます。
西村さんの「今夜冷蔵庫にあるもので、なにか美味しいものをつくる」という例えに納得したとびラーも多かったのではないでしょうか。
また、「とびラボ」をすすめる上での新たな試みとして、ミーティングの最後に内容と過程についてふりかえる時間を設けることが西村さんから提案されました。
内容のふりかえりでは、決まったこと、重要なこと、まだ検討が要ることについてを、過程のふりかえりでは、ミーティングの進め方、進み方についてを話し合います。
実際に、今回の講座のここまでの過程をふりかえってみると、
「ペアで話し合う時間があることで疑問が共有できる、けど忙しい」
「1人じゃなくて2人のクロストーク形式だからわかりやすい」
など進め方について色々な意見が出ました。
14期にはきこえない・きこえにくいとびラーがいます。聞こえやコミュニケーションの方法はそれぞれ違うため、ミーティングの進め方も一様ではありません。全員がやりやすい方法をその場にいる全員でその都度考えることが大切であるという認識を共有しました。
「解散」
活動の目的を達成して成果をとびラー自身がふりかえることができたら、その「とびラボ」は解散します。
普段の生活で「終わらせること」を意識する機会はあまりないかもしれません。
「反省会にならないように」という小牟田さんの言葉を受け、「創造的な解散」とはどういうことか考えました。
とびラボ実践編
まず、西村さんから「アイデアとは、既にあるもののあたらしい組み合わせである」というお話があり、アイデアを紐解いてみるワークに移りました。
既存のアイデアは何が組み合わさったものなのか?
たとえば歌番組のように、それぞれ思いついた身の回りのアイデアを紐解き、自分の発見を楽しそうにシェアする様子が印象的でした。
続いて、とびらプロジェクト コーディネータの越川さんから過去の「とびラボ」の事例を聞きました。
アイデアが生まれ活動へとつながっていく過程を具体的にイメージすることができたのではないでしょうか。
全6回にわたる基礎講座、お疲れ様でした!
基礎講座を終えられた今、どのようなお気持ちでしょうか?
「よし、どんどん活動していくぞ!」という方もいれば、
「まだ全然わかんない、果たしてやっていけるのか、、、」という方もいらっしゃると思います。(こちらの方が多いかも?)
東京都美術館のミッションのもと、とびラー・都美スタッフ・藝大スタッフが一体となってとびらプロジェクトの活動をつくっていきましょう!
(とびらプロジェクト アシスタント 三原凜子)
2025.07.05