東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

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2021.11.30

2021年度の秋のシーズンの学校プログラム「うえのウェルカム」では、台東区図画工作研究会との連携授業の受入をしました。
10月から11月までの期間、合計4校が来館し、建築と彫刻をテーマに鑑賞プログラムを行います。各校では「新しい見方を獲得すること」を目的として、「マイ・フォーカス」をキーワードに授業内容を組み立てました。授業は全部で3回、美術館でのプログラムは全体の授業の中の2回目に位置します。

美術館でのプログラムの活動のポイントは、大きく分けて2つあります。

プログラムの様子はこちら→
(「Museum Start あいうえの」ブログに移動します。)

2021.11.21

2021年11月21日、東京都美術館で開催中の特別展「ゴッホ展 ── 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」(会期:2021年9月18日~12月12日)にて、『アートを対話で楽しもう!』を開催しました。

 


 

『アートを対話で楽しもう!』の開催経緯は、2021年春に特定非営利活動法人三鷹ネットワーク大学推進機構*¹が募集した三鷹ネットワーク大学「民学産公」協働研究事業*²に応募したことにはじまり、採択された後にとびらプロジェクトにおいて「これからゼミ」*³を立ち上げ、とびらプロジェクトの協力を得る形でスタートしました。

 

*1三鷹ネットワーク大学は、三鷹市及びその近隣都市にある20の教育・研究機関を正会員とし、約60の企業や団体等を賛助会員として、平成17年より活動を継続している。「民学産公」の協働により、教育・学習機能、研究・開発機能、窓口・ネットワーク機能を広く地域に提供し、以って市民の生活・知識・経験・交流に資することを目的としている。

 

*2「民学産公」の連携による知的資源を活用した新しい技術やシステムの開発による地域 に根ざした産業の支援・創出に寄与することを目的としている。

 

*3 これからゼミとは、3年の任期満了を前にしたとびラーが、任期満了後にアート・コミュニケータとしてどのように活動を展開していくかを考え、その準備を進めるためのゼミ。とびらプロジェクトでは、社会の中で、人と人、人と場所、人と作品をつなぎ、新しい価値を創出することのできる個人やグループの巣立ちを応援している。

 


 

 

■アート・コミュニケーションを三鷹でも

 

とびらプロジェクトでの2年間の活動を通じて、様々な世代の様々なバックボーンをもつとびラーとたくさんの出会いがあり、共に学び、実践するなかで、アートを介してコミュニティを育むソーシャルデザインを私自身が住む東京都三鷹市でもできないか、様々な世代が交流するきっかけとしてアート・コミュニケーションをまちづくりに活かしたい、そんな思いにいたりました。

そんな中で、その第一歩としてアート・コミュニケーションを三鷹市民に体験してもらえる場をつくりたいと企画したワークショップが『アートを対話で楽しもう!』です。

 

告知ビジュアルは、10期とびラーの牟田真弓さんがデザインを担当してくれました。

 

 

10月12日に三鷹ネットワーク大学公式ホームページを中心に参加者を募集し、応募〆切の10月31日までに、参加者15名の募集に対し、91件の応募がありました。

今回のワークショップの主旨のひとつである多世代の交流を実現するために、世代ごとに抽選を行い、20代30代から5名、40代50代から5名、60代以上から5名の計15名に参加していただくことになりました。

 

 

■ワークショップ開催に向けて

新型コロナウィルス感染症の流行拡大こそピークアウトしていたものの、コロナ禍での開催には変わりなく、東京都美術館の「博物館における新型コロナウィルス感染拡大予防ガイドライン(公益財団法人日本博物館協会)」を遵守しながら、参加者15名を5名ずつの3つのグループに分け、それぞれのグループにアート・コミュニケータが3名ずつの形で少人数、小グループでの活動にしました。

 

事前準備の段階から、アート・コミュニケータも3つのグループに分かれて、それぞれのグループでどのように参加者と寄り添うか、どのような場をつくるか、考えながら準備をすすめてもらい、作品研究なども各グループで進めていきました。

 

ワークショップの主な流れは、下記のとおりです。

 

  1. アートカードを使ったアイスブレイク
  2. アートポスターを使った各グループでの対話を通したアート鑑賞
  3. 特別展「ゴッホ展――響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」を展示室にて各自鑑賞
  4. アートスタディルームにて、各グループでのふりかえり

 

コロナ禍での開催に伴い、美術館展示室内での対話は難しい状況でしたが、アート・コミュニケーションの体感、体験の場として、概ね目的を達成できるプログラムを実施できました。

 


 

■ワークショップ『アートを対話で楽しもう!』の様子

 

アートカードを使った自己紹介からはじまりました。

 

次に作品のポスターを鑑賞します。
対話を通したアート鑑賞は色々な角度からよく見ることからはじめます。

 

作品の解説や情報にとらわれず、自分で見たものを言葉にし、

 

お互いの意見をよくきくことも大切にした鑑賞を行いました。

 

その後、参加者はそれぞれに特別展「ゴッホ展 ── 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」の会場へ。

それぞれじっくりと作品と向き合った時間を経て、展示室で本物の作品を鑑賞する。

そんな体験で参加者の皆さんはどんな気持ちになったでしょうか。

 

展示室での鑑賞を終えると、展示室で見たこと、感じたこと思い思いに言葉にしていきます。

 

図録やアートカードで作品を共有しながら、対話を進めました。

 

参加者それぞれがじっくりと作品に向き合いました。

 


 

■参加者の声をきく

 

今回のワークショップを通じて、参加者の声を実際にきくことができたのは、私自身にとっても、一緒に活動したアート・コミュニケータにとっても大きな収穫でした。

自分たちの実践が参加者にどのような影響を与えるかも大切でしたが、それ以上にコロナ禍でなかなか直接リアルにリアクションを感じることが少ない中で、参加者の笑顔や目を輝かせて対話をしてくれている様子がかけがえのない財産になりました。

美術館を拠点に人と作品をつなぐ、人と場所をつなぐ、人と人をつなぐ―コロナ禍でいろいろなことをあきらめなければならない時代でも、美術館に来て本物の作品に出会って欲しい、作品を通してコミュニケーションをしたい、そんな自分たちの「ゆるやかな社会実験」が参加者に届いたと実感できる瞬間でもありました。

 

 

 

〈参加者の声〉※アンケートより抜粋

  • 自分ひとりで見ていると気づかないことをいろんな方の目を通して新しい気づきがもたらされ、それをもって展示をみたことが自分にとって宝物になった。
  • 視点、経験が異なるので、見方に幅ができた。そして、いただいた視点をもって実物をみることで、自分だけでは得られないパワーを絵から受けられた。疑問も持てたので深く絵をみることができた。
  • 普段美術館に行くときは、一つの絵について時間をかけて話しあう機会がないので、すごく貴重な体験ができた。自分が思ってもいなかった意見があり、あらためてアートには正解はないのだと思った。
  • 様々な年代の方と対等な関係で、共通のテーマで自由に話をする機会が貴重だった。
  • 人見知りなので最初はどうしようかと思ったが、誰かの話に応える形で少しずつ打ち解けられた気がする。

 

紹介しきれませんが、参加者の多くにアートを介してコミュニティを育むソーシャルデザインの魅力を感じていただけたと思います。

 

 

■アート・コミュニケーションの可能性

 

参加者のなかには美術館に普段はほとんど行かない方もいましたが、ワークショップを通して、自分の気づいたこと、感じたこと、本物の作品から受け取ったものを熱狂的に言葉にしていく姿や、参加者が、時間が経つにつれて、どんどん前のめりになっていく様子はとても印象に残りました。

VUCA*⁴と呼ばれる、先行きが不透明で将来の予測が困難な状態が続く時代でも、アートを介してコミュニティを育むソーシャルデザインが、様々な世代の交流を促し、孤独や孤立の「社会的処方」*⁵となるような、誰かにとっての居場所になるような活動になると信じています。

 

*4 VUCAは「Volatility(ボラティリティ:変動性)」「Uncertainty(アンサートゥンティ:不確実性)」「Complexity(コムプレクシティ:複雑性)」「Ambiguity(アムビギュイティ:曖昧性)」の頭文字を並べたもの。VUCAに込められた4つの単語が示す通り、VUCAとは変動性が高く、不確実で複雑、さらに曖昧さを含んだ社会情勢を示す。

 

*5  社会的処方とは薬を処方することで、患者さんの問題を解決するのではなく『地域とのつながり』を処方することで、問題を解決するというもの。(『社会的処方 孤立という病を地域のつながりで治す方法』,西智弘編著,2020年,学芸出版社より引用)

 

そんな活動をまちづくりに活かしていけることができたら、今より少し豊かなまちにできるのではないかと改めて実感することができました。

これからも人と作品、人と人、人と場所を続けていけたらと思いますし、とびらプロジェクトに集う年齢もバックボーンも様々な人たちの交流から、たくさんの活動が生まれ、社会に届けていけることを願ってやみません。

また、このブログをご覧になっていただいた方のおひとりでも、とびらプロジェクトに興味をもち、とびラーとして活動してみたい、そんなふうに思っていただけたら何よりです。

 

 

最後になりましたが、開催にあたって様々なご協力をいただいたとびらプロジェクト関係者各位、三鷹ネットワーク大学関係者各位、一緒に活動を支えてくれたとびらプロジェクトアート・コミュニケータ各位、そして何よりご参加いただいた参加者各位、ご応募いただいた応募者各位に心より御礼申し上げます。

 

 

【参加アート・コミュニケータ】

卯野右子、柴田光規、和田奈々子、大石麗奈、尾駒京子、鹿子木孝子、梨本麻由美、平本正史、堀内裕子、松本知珠、照沼晃子、牟田真弓、野口真弓、中嶋厚樹

 


執筆:中嶋厚樹

とびらプロジェクトでの三年間でたくさんの素敵な出会いがあり、本当に様々な経験と挑戦をさせていただきました。人生変わったかもしれないと感じるくらいかけがえのない宝物のような時間でした。

 

2021.11.16

2021年度の秋のシーズンの学校プログラム「うえのウェルカム」では、台東区図画工作研究会との連携授業の受入をしました。
10月から11月までの期間、合計4校が来館し、建築と彫刻をテーマに鑑賞プログラムを行います。各校では「新しい見方を獲得すること」を目的として、「マイ・フォーカス」をキーワードに授業内容を組み立てました。授業は全部で3回、美術館でのプログラムは全体の授業の中の2回目に位置します。

美術館でのプログラムの活動のポイントは、大きく分けて2つあります。

プログラムの様子はこちら→
(「Museum Start あいうえの」ブログに移動します。)

2021.11.15

第6回鑑賞実践講座|「コーチング/VTSファシリテーションの実践とふりかえり」

日時|11月15日(日)13:00〜17:00
会場|オンライン
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA))
・鑑賞者の「美的発達段階」について
・10月のスペシャル・マンデーでの実践のふりかえり
・グループ鑑賞の実践
・ふりかえり(コーチング)の仕方について

―――――――――――――――――――――

 

第6回となる今回は、ファシリテーションの様子をふりかえり、改善ポイントなどを確認する「ふりかえり(コーチング)」について学ぶことを中心にオンラインで講座を行いました。

 

まず初めに、10月に行ったスペシャル・マンデーでの様子を三ツ木さんとともにふりかえりフィードバックを行いました。

 

また、Visual Thinking Strategiesの前提となる、鑑賞者の「美的発達段階」について、その考え方や、それぞれの段階の特性を生かした豊かな鑑賞について考えました。

 

 

後半は、グループワークでグループ鑑賞とふりかえり(コーチング)の実践を行いました。
それぞれのグループで「鑑賞者」「観察者」「ファシリテータ」に分かれて鑑賞と場の観察をした後、グループ内でそれぞれの役割から鑑賞の場づくりをふりかえり、気づきを共有しました。

 

今後も、一つ一つの実践を自分たちの力でふりかえり、より良い鑑賞に繋げていければと思います。

 

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)

2021.11.13

第5回建築実践講座|「ワークショップメイキング・1」
・ワークショップとは?構造と仕組みを考える

日時|2021年11月7日(土) 13:00~16:00
会場|オンライン
講師|稲庭彩和子(東京都美術館学芸員 アート・コミュニケーション係長)

 

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第6回建築実践講座|「ワークショップメイキング・2」
・美術館建築を活用したコミュニケーションを生む活動を考える

日時|2021年11月13日(土) 10:00~15:00
会場|東京藝術大学 中央棟 第三講義室

 

―――――――――――――――――――――

建築実践講座の第5回、6回では、「ワークショップメイキング」をテーマに、2週間連続での講座となりました。「講義:オンラインレクチャー」と「グループワーク」をセットに、とびらプロジェクトでの ”ワークショップ” とその目的について考え実践する機会となりました。

ーオンラインレクチャーはアクセス実践講座との合同講座として行われた。

 

 

■ オンラインレクチャー「ミュージアムとワークショップ」

 

11月7日のオンラインレクチャーでは、とびらプロジェクト プロジェクトマネジャーの稲庭彩和子さん(東京都美術館学芸員)より、「ワークショップの構造と仕組みを考える」をテーマに、ミュージアムとワークショップという枠組みからお話しいただきました。

 

社会教育施設であるミュージアムの役割とその変遷を辿りながら、ミュージアムでワークショップを実践する意味と目的への理解を深めます。さらに、とびラーがプレイヤーとして参加した、ワークショップの事例(*)を紐解きながら、活動の構造や対象者との関係性づくりについてなど、ワークショップメイキングの具体的な思考過程を知ることを通して、ミュージアムでのワークショップの仕組みを捉えていきました。

 

(*)Museum Start あいうえの ダイバーシティプログラム「美術館でポーズ!」

 

 


 

■ グループワーク「美術館を活用したコミュニケーションを生む活動を考える」

 

 

11月13日のワークショップメイキングの実践として、“美術館を活用したコミュニケーションを生む活動を考える” グループワークを行ないました。

 

 

この日の活動は、くじでランダムの4人組に分かれ「お互いを知り合う」時間から始まりました。とびラーとしての「自分の強み」を付箋に書いて差し出し合い、そこにいるメンバーで何ができるのか “素材” を並べてグループの土台を作ります。

具体的なワークショップメイキングでは、シニア世代を対象に建築をテーマとしたワークショップを考えました。

 

超高齢化社会の中、私たちができることはなんだろうか。

美術館は「展示を見にいく」場所だと思っている方は非常に多い。そういった方が、美術館の建築をテーマとしたワークショップに参加することで、美術館の「展覧会」以外の関わり方を知ることができる。主体的な美術館との関わりにより社会との新たな繋がりが生まれたり、建築を知ることで新しい視点に気づき、普段の光景が変わって見えたりするかもしれない。

 

美術館を舞台に、身近なコミュニティの枠を超えたつながり・出会いが生まれることで、誰もが生き生きと暮らせる、アートコミュニティを創造する、その一助となるようなワークショップを考えます。

 

最後は、グループで考えたアイディアを発表共有しました。

 

・春夏秋冬とび彩 散歩
・1975都美タイムトラベル
・なりきりアーキテクト …

 

美術館を散策しお気に入りの風景を見つけ、四季の姿を想像することを通して、美術館が居場所となる。美術館の歴史を辿りながら、自分史を重ね対話をすることで、自分と美術館のつながりを発見する。建築家になりきりそこに込められた想いを想像し、自分の言葉として語る。

 

…などなど、ワークショプの切り口はさまざま!
どれも、美術館への新しい視点に気づき、楽しみながら主体的に美術館と関われるアイデアでした。

 

前回のレクチャーで共有された美術館の役割、ミュージアムでワークショップをする意味を踏まえて、参加者を具体的に想像し、これまでの経験や価値観を問い直しするために、何が必要なのかを考え・具体的なプランにすることができのではないでしょうか。

ここまでの学びとワークを活かして、建築を介したコミュニケーションづくりの実践につなげたいと思っています。

 

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 山﨑日希)

2021.11.10

2021年6月、8月、11月に、東京都美術館(以下、都美)にて「都美の野外彫刻を味わう」というワークショップを開催しました。

 

2020年から続いた新型コロナウイルスの影響で、美術館が休館したり、展示室内での対話が難しい状況が続いていました。

そうした中でもできるアートを介したコミュニケーションの場として、私たちが注目したのが都美の収蔵作品であり、常設展示されている「野外彫刻」でした。野外彫刻は全部で10点あり、そのうちの6点が正門から広がる空間(エスプラナード)に展示されています。
感染症予防対策の点でも、屋外だったら、ソーシャルディスタンスに気を付けながら参加者と安全に対話できるかもしれません。しかも観覧料が不要です。

このように考えて、3月にエスプラナードの野外彫刻を鑑賞するラボを立ち上げました。

 


 

いつも通り過ぎていた野外彫刻

 

東京都美術館にある野外彫刻といえば、真っ先に思い浮かべるのが、ランドマークにもなっている大きな銀色の球体《my sky hole 85-2 光と影》。

しかしそれ以外の作品は、あまり気に留めることもなく、素通りしていました。

そこでまずはラボのメンバー自身が作品に親しむため、作品研究からスタート。作品について調べていくうちに、どんどん愛着がわいていきました。

 

 

 

右上から時計回りに
堀内正和 《三本の直方体 B》(1978) ステンレス
五十嵐晴夫 《メビウスの立方体》(1978) 花崗岩

鈴木久雄 《P 3824 M君までの距離》(1977) 花崗岩

保田春彦 《堰の見える遠景》(1975) 花崗岩、ステンレス

堀内正和 《三つの立方体 A》(1978) ステンレス

井上武吉 《my sky hole 85-2 光と影》(1985) ステンレス、鉄

 

 

立体作品での対話型鑑賞に挑戦

 

とびらプロジェクトの活動のベースに、初年度にとびラーとしての基本的なコミュニケーションの在り方を学ぶ「基礎講座」と、実践的な活動の場を想定した「実践講座」があります。実践講座の中には「鑑賞実践講座」があり、対話を通した作品鑑賞のファシリテーションを学びます。

このラボに参加したとびラーの多くは鑑賞実践講座を受講していましたが、立体作品の対話型鑑賞のファシリテーションの経験がほとんどありませんでした。

野外彫刻で対話型鑑賞の場を作るために、とびらプロジェクトのスタッフと一緒にファシリテーションのコーチングを2回ほど行い、少しずつ立体作品の鑑賞に慣れていきました。

 

ファシリテーションの練習をしながら動線も確認。参加者を迎えて狭いエスプラナードの中で6点の作品をうまく鑑賞していくために、3チームで2作品ずつ回ることにし、それぞれのチームの動線がバッティングしないようにコースを検討しました。

参加者には「今日呼んでほしいお名前」を書いていただき、ネームフォルダに貼ってお渡しすることにしました。他に消毒用のアルコールも用意。

 


 

梅雨の晴れ間に実施した第1回目

 

5月開催を目指して準備を進めてきたものの、緊急事態宣言及び都における緊急事態措置等に基づき、新型コロナウイルス感染症拡大を防止する観点から、4月25日から5月31日まで東京都美術館が臨時休館。

6月13日に開催を目指すも、季節は梅雨。前日のお天気判断により、残念ながら中止となってしまいました。次のチャンスは6月30日。なんとかお天気も持ちそうだということで、無事に開催の運びとなりました。

 

日時:6月30日 10:00~11:00
参加者:募集により9名

 

《my sky hole 85-2 光と影》を鑑賞中。お互いの言葉に耳を傾け合います。

 

《メビウスの立方体》を鑑賞中。参加者が何かを見つけたようです!

 

《三本の直方体》を鑑賞中。参加者は作品の周りをまわりながらお気に入りの鑑賞のポジションを探しています。

 

各グループでは、参加者とともにいろいろな角度から野外彫刻をじっくりと鑑賞。対話も盛り上がっていました。

久しぶりのリアルでの交流に、とびラーたちも対話型鑑賞の楽しさを再認識!

アンケートのコメントも、「もっと見たかった」、「こんなにじっくりと野外彫刻を見たのは初めて」、「その場でご一緒した方たちとの意見交換が楽しかった」「見る場所により印象がガラッと変わった」など、好評でした。

 

 


 

第2回目は盛夏バージョン!

 

続く2回目は、真夏に実施しました。

午前、午後、夕方とエスプラナードの気温を測り、最も気温が低かった夕方に行うことに決定。2グループで1作品だけ鑑賞する、ショートバージョンに変更しました。

 

日時:8月20日 16:30~17:00
参加者:募集により7名

受付設営中。

 

《メビウスの立方体》の前で参加者と楽しそうに対話していたら、他の来館者も集まってきました。

 

《堰の見える遠景》を離れて見たり、覗き込んで見たり。ちょうどオリンピックの開催時期で、《my sky hole 85-2》の後ろに手荷物検査のテントが設置されていました。

 

暑さが心配でしたが、30分のプログラムが無事に終了しました。
アンケートには「今まで通り過ぎていた野外彫刻に興味が持てた」、「みんなで見る楽しさを知った」、「ほかの作品も見てみたい」など、嬉しいコメントをいただきました。

 

対話型鑑賞の面白さは、誰かの一言で作品の見方がガラッと変わることにあると思います。

参加者の言葉を拾い、集めて、みんなで作品に迫っていく。
ファシリテータの難しさとやりがいも同時に感じました。

 

 

 


 

第3回目は秋バージョン!
エスプラナード周辺の樹々も美しく紅葉する秋。空間と共に鑑賞を楽しむ「野外彫刻を味わう」ラボには最適な季節!3グループで2作品を鑑賞する、通常のバージョンで実施しました。
この秋バージョンより主な運営が8期より9、10期に受け渡されました。新たに参加してくれたメンバーと力を合わせ、試行錯誤を重ね開催を迎えました。

 

日時:11月10日 11:00~12:00
参加者:募集により10名

プログラム開始前まで、入念に進行を確認します。

 

プログラム前にエスプラナードを散策。参加者と笑顔でコミュニケーションをはかります。

 

《P 3824 M君までの距離》を観察中。作品から離れることで新たな見方がうまれます。その声掛けもファシリテーターの大切な役目です。

 

いろな角度から観察中。《三つの立方体A》は観察位置によって見え方が大きく変化する作品です。

 

《P 3824 M君までの距離》のポーズで記念撮影。

 

新たに参加したメンバーにとっても「鑑賞実践講座」で学んだことを磨き、実践できる貴重な機会となりました。参加した皆さんにも楽しんでいただけたようです!

コロナ禍の中、コミュニケーションをしながらの作品鑑賞が楽しめるプログラム「野外彫刻を味わう」ラボ。次年度も気持ちの良い季節にエスプラナードで「対話型鑑賞」を楽しみたいです。

 


 

 

執筆:有留もと子(とびラー8期)

雪の日の夕暮れ、ライトアップされたエスプラナードにたたずむ野外彫刻たちの姿が目に焼き付いています。

 

 

 

執筆:遊佐みさお(とびラー9期)

野外彫刻にはまったく興味がなかったのに、今では彼らが愛おしくて、しかたないです(笑)みなさんにもっとその魅力をお伝えしたい!

2021.11.10

 

 

 

ある日郵便で届いた謎の封筒。そこにはゴッホの「色」にまつわる数々の指令が……!?

ゴッホの「色」を切り口にした指令に取り組みながら、楽しく作品の魅力を味わう

アート・コミュニケータとびラーによるオンライン開催のワークショップです。

 

参加者には事前にキットをお送りし、当日はそのキットを使って指令を解いていきます。

 

絵が描けなくても、美術の知識がなくても大丈夫! ゴッホ展を見た人も、まだ見ていない人も、参加をお待ちしています。

 

 

とびらプロジェクト【ゴッホの色をめぐるⅩの指令】オンライン開催

 


 

日時|20211128日(日)14:0016:00
受付時間|13:45受付開始

会場|オンライン(Zoomを使用します。)
対象|18歳以上
定員|20名(先着順・定員に達し次第受付終了。)

参加費|無料
参加方法|事前申込制[11月20日(土)〆切]

※以下の申込ボタン(Googleフォーム)よりお申し込みください。

*複数人で参加される場合は一組ずつお申し込みください。

*申込フォームで以下の情報をご入力いただきます。

(主催者から当日の『指令書キット』を郵送するために必要です。)

・お名前、郵便番号、住所

・お電話番号(メールや郵送が不達の場合にお電話で連絡いたします。)

 


<定員に達したため、申し込みを〆切ました。>

 

 


※参加無料。参加には事前申込みが必要です。

※プログラムの参加は無料ですが、プログラム参加・視聴に係るインターネットの接続費用はご自身の負担となります。

※広報や記録用に撮影を行います。ご了承ください。

メールアドレス:p-tobira@tobira-project.info

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とびらプロジェクト【ゴッホの色をめぐるⅩの指令】

 ※Zoom URLは申込受付後に別途メールでお知らせいたします。

 

【当日の流れ】

1)メインルームでzoom操作の説明

2)メインルームで指令を実施

3)ブレイクアウトルームに分かれて指令を実施

4)再びメインルームに戻り指令を実施、解散

 


【参加条件】

本プログラムはウェブ会議システム「Zoom」を用いて実施しますので、参加者ご本人が以下の操作を行える方とします。

①カメラ・マイク付きのパソコンで安定した通信環境のインターネット接続ができること(お手持ちのパソコンにカメラやマイクがついていない場合にはウェブカメラなどのご用意をお願いします。)

②プログラムではアート・コミュニケータと顔を合わせ対話するため、パソコンのカメラをオンの設定にし、ご本人の顔がみえるようにできること。

③パソコンでEメールの送受信ができること。

 

【参加方法】

①上記の申し込みフォームでご参加のお申込み(先着順)

②とびらプロジェクトからプログラムで使用する『指令書キット』をお送りします。

*郵便で11月22日頃に発送予定です。

③プログラム当日、メールまたは送付する『指令書キット』に記載のZoomのURLにアクセス。

④接続を開始して、プログラムがスタート。

 

【参加にあたってのお願い】

*スマートフォンやタブレットの画面では作品やお互いの顔が見づらく鑑賞が難しいため、パソコンをご利用ください。

*複数名での参加を希望の場合、それぞれ1人ずつの申込みいただき、別々のパソコンをご用意いただけますと幸いです。プログラム中グループに分かれます。同じグループで参加したい場合は、その旨申し込みフォームにご記入ください。

*参加者の環境やその時の回線状況によりやむを得ず「Zoom」の接続が中断される可能性があります。あらかじめご理解のうえお申込みください。

*当日のプログラムは記録のために録画いたします。記録はそのまま外部に提供することはございませんが、とびらプロジェクトの活動を伝える媒体に一部を掲載する可能性がございます。ご了承の上、ご参加ください。

 

お問い合わせ

※キャンセル、変更のご連絡は以下までお願いします。

 

とびらプロジェクト「ゴッホの色をめぐるの指令」担当

メールアドレス:p-tobira@tobira-project.info

電話:03-3823-6921東京都美術館代表)

 

2021.11.10

 

今日はどんな気分?

 

「学校がしんどいな」とか

「いつもみんなで行動するのも疲れちゃう」という時、

「どこかゆっくり過ごせる場所ないかな」と思ったら、

 

おいでよ、ぷらっと美術館に。

 

美術館はいつもとは少し違う時間を楽しめる場所。

アート・コミュニケータ(美術館のたのしみ方を知っている大人)とふたりでゆっくり「美術館さんぽ」をしませんか?

たとえば開催中の展覧会『ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント』や『Everyday Life展』を見たり。

たとえば建物を探検したり。

 

美術館の中で自分のお気に入りを発見できたら、新たな居場所のひとつにできるかも。

自分だけの過ごし方を見つけに、まずはぷらっと来てみませんか。

 

 

とびらプロジェクト【おいでよ・ぷらっと・びじゅつかん】

 


 

日時|2021年11月28日(日)10:00〜13:00


受付時間|10:00〜11:00のご都合のよいお時間にお越しください。
(プログラムの所要時間は約2時間を予定しています。)

会場|東京都美術館
集合|東京都美術館 交流棟2階 アートスタディールーム

対象|「学校がしんどい」と感じている小学3年生〜中学生
定員|対象のこども8名とその保護者(先着順・定員に達し次第受付終了)

参加費|無料
参加方法|事前申込制

申込締切|11月23日(火)。但し、先着順で定員に達し次第受付終了いたします。

※以下の申込ボタン(Googleフォーム)よりお申し込みください。

 


 


※広報や記録用に撮影・録音を行います。ご了承ください。

※申し込みのキャンセルは、以下までお願いします。

メールアドレス:p-tobira@tobira-project.info

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『おいでよ・ぷらっと・びじゅつかん』は、こどもが自分のペースや関心に合わせて過ごせるよう、アート・コミュニケータ(愛称とびラー)と1対1のペアになり美術館を体験するオーダーメイドのプログラムです。

 

学校がしんどいと感じているこどもたちにとって、美術館を気軽に行くことができる居場所のひとつにしてもらいたい、という私たちとびラーの想いをかたちにする一歩としてこのプログラムを企画しました。

 

家でも学校でもない美術館という場所で、親でも先生でもない大人と共に、そこにある時空を超えて大切にされている本物の作品や空間そのものの魅力を味わいながら、それぞれのペースで過ごします。

 

「美術館さんぽ」では、展示室で作品に出会ったり、美術館の建物を観察したりしながら、美術館の中を自由に散策・探検します。その中で発見したものや感じたことを、言葉や写真でとびラーと伝え合うことで、美術館という場所を知っていきます。

 

美術館の楽しみ方を良く知るとびラーが一人一人に寄り添うので、例えば、学校などでの集団での活動が苦手なこどもも安心して参加できます。


 

活動の間、保護者の方は、アートスタディルームでお待ちいただくことが可能です。また、ご希望の方には、館内を簡単にご案内する大人向けの「美術館さんぽ」にご参加頂くことも可能です。当日ご希望をお知らせください。なお、保護者の方が展覧会をご覧になる場合には、チケットの事前予約・購入が必要な場合がございます。(※こどもの入場分のご予約は不要です。)

◯「ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント
一般 2,000円 / 大学生・専門学校生 1,300円 / 65歳以上 1,200円
日時指定予約制です。ご覧になる場合には、必ず事前のご予約、ご購入をお願いします。詳しくは展覧会公式サイトへ。
◯「上野アーティストプロジェクト2021―Everyday Life:私はうまれなおしている」展当日券 | 一般 500円 / 65歳以上 300円事前予約なしでご覧いただけます。ただし、混雑時に入場制限を行う場合がございますのでご了承ください。特別展「ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」のチケット(半券可)提示にて入場無料となります。
◯「東京都コレクションでたどる〈上野〉の記録と記憶」展無料※事前予約なしでご覧いただけます。ただし、混雑時に入場制限を行う場合がございますのでご了承ください。

 

<ご参加にあたってのお願い>

会場となる東京都美術館では、美術館を利用するすべての方の安全と安心のため、新型コロナウイルス感染症拡大防止に関する取り組みを行います。
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○来館者全員を対象に、非接触型温度計による体温測定を実施します。37.5℃以上の発熱が確認された方、及び風邪症状(咳、咽頭痛)がある方、明らかに体調不良と思われる方については、入館をお断りさせていただきます。

○過去2週間以内に感染が拡大している国・地域への訪問歴のある方は来館をお控えください。

○ご来館の際には、マスクの着用をお願いします。

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東京都美術館における新型コロナウイルス感染症予防対策についてはこちらをご覧ください。

 

2021.11.08

 

東京都美術館の人気プログラム「建築ツアー」を平日朝のゆったりとした時間に楽しんでみませんか?

お仕事前に、展覧会を見る前に、気軽にたのしめる30分間のコンパクト版ツアー「トビカン・モーニング・ツアー」です。東京都美術館の建築やなりたち、野外彫刻などの「みどころ」をとびラーがご案内します。どなたでもご参加いただけます。

(事前申込が必要です)

 

日時|2021年12月7日(火)10:15 – 10:45(10:00受付開始)
会場|東京都美術館
集合|東京都美術館 交流棟2階 アートスタディールーム
対象|どなたでも
定員|9名(先着順・定員に達し次第受付終了)
参加費|無料
参加方法|事前申込制。以下の専用フォームよりお申し込みください。

 

 


※広報や記録用に撮影・録音を行います。ご了承ください。
※定員に達し次第、申し込み受付を終了します。

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<ご参加にあたってのお願い>

会場となる東京都美術館では、美術館を利用するすべての方の安全と安心のため、新型コロナウイルス感染症拡大防止に関する取り組みを行います。
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○来館者全員を対象に、非接触型温度計による体温測定を実施します。37.5℃以上の発熱が確認された方、及び風邪症状(咳、咽頭痛)がある方、明らかに体調不良と思われる方については、入館をお断りさせていただきます。

○過去2週間以内に感染が拡大している国・地域への訪問歴のある方は来館をお控えください。

○ご来館の際には、マスクの着用をお願いします。

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東京都美術館における新型コロナウイルス感染症予防対策についてはこちらをご覧ください。

 

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