東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

活動紹介

【開催報告】7月の「とびラーによる建築ツアー」

2026.07.19

日時  |2026年7月19日(日)

場所  |東京都美術館

参加者(事前申込)51名、とびラー26名

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日差しが強くなり、夏らしい天気の中で2026年度 2回目の「とびラーによる建築ツアー」が実施されました。

 

今回は新たに4人のガイドがデビューし、参加者のみなさんと一緒に100周年を迎えた東京都美術館を巡りました。

暑さ対策として館内を中心に巡るコースにしたり、事前に日陰になる場所を確認したりと、参加者のみなさんが安心して参加できるよう工夫しながらツアーを行いました。

 

 

この建築ツアーは、決まったコースはなく、それぞれのとびラーが考えたオリジナルのツアーです。

ぜひ、とびラーと一緒に館内を歩きながら、自分だけのお気に入りの場所や新しい発見を見つけていただけたら嬉しいです。

……
次回の開催は9月19日(土)を予定しています。
みなさんのご参加を心より楽しみにしています。
*「とびラーによる建築ツアー」は、原則として、奇数月(5月、7月、9月、11月、1月、3月)の第3土曜日に開催しています。
詳細、お申し込みはこちらから。
(とびらプロジェクトコーディネータ 大東美穂)

2026建築実践講座②|建築ツアーをやってみよう

2026.07.05


第2回建築実践講座|「建築ツアーをやってみよう」

日時|2026年7月5日(日) 10:00〜17:00
会場|東京都美術館 ASR・スタジオ


第2回建築実践講座では、東京都美術館で行っている「とびラーによる建築ツアー」をテーマに講座を行いました。

午前はレクチャーと建築ツアーの体験、午後は自分自身の視点で建物を見つめ、15分間で「建築おすすめポイント」を紹介するワークに取り組みました。

建築ツアーと聞くと、建築家や専門家が建物の特徴を解説するものを思い浮かべるかもしれません。しかし、「とびラーによる建築ツアー」が大切にしているのは、建築の知識を伝えることだけではありません。

 

 

レクチャーでは、東京都美術館で建築ツアーが始まった背景や、その考え方について学びました。リニューアル前の東京都美術館で行われた「お休み都美館建築講座」というイベントでは、建築の専門家だけでなく、学芸員や職員、館長など、美術館で働くさまざまな人がガイドを務め、ツアーを実施したこともありました。

毎日この建物で過ごしているからこそ気づくことや、自分が好きな場所、誰かに紹介したくなる景色。それぞれの視点が集まることで、一つの建物がより豊かに見えてくる。そんな考え方が、現在の建築ツアーにも受け継がれています。

 

レクチャーのあとは、実際に建築ツアーを体験しました。

ガイドの案内に耳を傾けながら館内を歩いていると、「こんなところに光が入るんだ」「この場所は何度も通っていたのに気づかなかった」と、自然ととびラー同士の会話が生まれます。

同じ建物を歩いていても、目が留まる場所は人それぞれ。誰かが紹介してくれた場所で立ち止まり、一緒に眺めてみると、自分一人では気づかなかった魅力が見えてきます。建築を「見る」だけでなく、誰かと一緒に見ることで、新しい発見が生まれる時間となりました。

 

午後は、いよいよ実践です。

はじめに講師から、お気に入りの場所とその場所に惹かれる理由を紹介しました。そして、とびラーのみなさんにも「好き」という気持ちを大切にしながら、紹介したい場所を見つけてほしいと伝え、ワークの進め方や資料について確認をしました。

 

とびラーは一人で館内を歩き、自分が「誰かに紹介したい」と思う場所を探しました。立ち止まって建物を眺めたり、資料を調べたりしながら、その場所の魅力を自分なりに整理していきます。

 

その後は3人組に分かれ、「建築おすすめポイント紹介」を行いました。

それぞれがおすすめの場所を紹介すると、「そこは見ていなかった」「どうしてそこが気になったの?」と、新しい問いや感想が返ってきます。
当たり前だと思っていた見方が、誰かにとっては新鮮だったり、自分にはなかった視点を教えてもらったり。紹介し合う時間を通して、一つの建物が何通りもの見え方を持っていることを実感しました。

 

 

とびラーからは、「みんなの発見を聞くことで、自分が見ていた世界が変わったように感じた」「お気に入りの場所を紹介し合うことで、その場所への愛着が湧いた」「知識を伝えることに意識が向きがちだったが、対話を大切にしたいと思った」といった感想が寄せられました。

 

建築を見ることは、建物を知ることだけではありません。

立ち止まってよく見て、自分の感じたことを言葉にしてみること。そして、誰かの視点に耳を傾けること。その繰り返しのなかで、建物の見え方だけでなく、人との関わり方も少しずつ広がっていきます。

建築を入口に、人と人とがつながる時間となりました。

(とびらプロジェクトコーディネータ 大東美穂)

2026建築実践講座①|都美の建築と歴史と楽しみ方

2026.06.27


第1回建築実践講座|「都美の建築の楽しみ⽅

日時|2026年6月27日(土) 14:00〜16:00
会場|東京都美術館 講堂
講師|河野佑美(東京都美術館 学芸員)、Museum Start あいうえのスタッフ


今年度の建築実践講座がスタートしました。

当日は台風の接近により、予定していた1日の講座を、午後のみの短縮プログラムに変更して実施。それでも多くのとびラーが東京都美術館に集まり、建築実践講座の第一歩を踏み出しました。

 

はじめに、担当スタッフより年間ガイダンスが行われました。

今年度のテーマは、「東京都美術館の建築の歴史や背景を理解し、自分の感覚を手がかりに建築を味わう力を身につけ、美術館というパブリックな建築を介して人々をつなぐ場をデザインすること」。

全7回の講座では、東京都美術館の建築や設計者・前川國男について学ぶだけでなく、建築ツアーや来館者に向けたプログラムの実践、子どもと建築を楽しむ場づくりなど、多様な活動へとつながっていきます。また、年間課題として「誰かと東京都美術館を巡ること」「建築をテーマにしたプログラムづくり」も紹介され、1年間を通して実践的に学ぶことへの期待が高まりました。

 

続いて、河野さんによるレクチャー「建築をたのしむ、とは?」が行われました。

 

河野さんは、「誰かがおすすめする場所だから良いのではなく、自分自身がなぜ好きなのかを考えることが、建築を楽しむ第一歩」と語りました。また、建築は目で見るだけでなく、光や音、匂い、手触り、空気の流れなど、五感を使って味わうことのできる存在であることを紹介してくださいました。

紹介された雑誌には、東京都美術館で働くスタッフそれぞれのお気に入りの場所の写真と、その場所を好きな理由が掲載されており、「静かな時間が流れている」「鳥の声が聞こえる」「光の入り方が美しい」など、一人ひとり異なる視点から建物の魅力が語られていました。

河野さんのお話や、雑誌で紹介されていたさまざまな視点に触れながら、専門的な知識だけではなく、自分自身の感覚を大切にすることが、建築を楽しむ入り口であることを学ぶ時間となりました。

 

後半は、グループに分かれて館内を巡りました。

Museum Start あいうえのスタッフと館内を歩きながら、それぞれが気になった場所で立ち止まり、素材や光、空間の広がり、音の響きなどを五感で感じ取っていきました。

普段何気なく通り過ぎている場所にも、新たな発見がたくさんあり、「こんな角度から見たことはなかった」「雨の日だからこそ見える景色がある」といった声も聞かれました。

 

 

また、東京都美術館の歴史についても河野さんから紹介がありました。

1926年に開館した旧東京府美術館から、1975年に前川國男設計による現在の東京都美術館へ建て替えられるまでの経緯や、新館建設にあたって東京都から与えられた条件、公園の景観との調和、展示環境への配慮など、多くの工夫が現在の建物に込められていることを学びました。

建物は単なる展示の器ではなく、人が集い、作品と出会い、時間を過ごす「場」として設計されていることを改めて実感する時間となりました。

 

 

本来予定していた「お気に入りの場所を紹介し合うワーク」は台風の影響で実施できませんでしたが、この活動は今後1年間の講座や建築ツアーの中でも続いていきます。

自分自身の「好き」を見つけ、その理由を言葉にし、誰かと共有すること。

今年度の建築実践講座は、建築を知識として学ぶだけではなく、自分自身の感覚を大切にしながら東京都美術館という建築を味わい、その魅力を多くの人と分かち合う一年の始まりとなりました。

 

(とびらプロジェクトコーディネータ 大東美穂)

基礎講座⑥|この指とまれ/そこに居合わせる人が全て式/解散設定

2026.06.20

 


 

【第6回基礎講座 この指とまれ/そこに居合わせる人が全て式/解散設定】
日時|2026年6月20日(土)10時~15時
場所|東京都美術館 交流棟2階 アートスタディルーム
講師|西村佳哲(プランニング・ディレクター リビングワールド代表)
小牟田悠介(東京藝術大学 芸術未来研究場 ケア&コミュニケーション領域 特任准教授)
越川さくら(東京藝術大学 芸術未来研究場 ケア&コミュニケーション領域 特任助手 とびらプロジェクトコーディネータ)
大東美穂(東京藝術大学 芸術未来研究場 ケア&コミュニケーション領域 特任助手 とびらプロジェクトコーディネータ)
内容|とびラーは、自分たちの関心を寄せ合い、アイデアを共有し、プロセスを大事にしながら活動をつくります。この回では、小さく始めるプロジェクトのつくり方や、そこに集まった人みんなの力を活かした活動について学びます。また、活動のはじめ方だけではなく、終わり方のデザインについても理解を深めます。

 


 

全6回にわたる基礎講座も、いよいよ最終回です。

これまでの講座では、聞く力やグッドミーティング、ミュージアムとウェルビーイングなど、とびラーとして活動していくための土台となる考え方を一つひとつ積み重ねてきました。
最終回のテーマは、とびラーによる自主的なミーティング活動である「とびラボ」について。
あらかじめ何をやるか決まっていない活動を、どうやって立ち上げ、進め、終えていくのか。
講師の西村さんと、とびらプロジェクト マネジャーの小牟田さんによるクロストーク形式で進みました。

 

とびラボは、「この指とまれ式」「そこに居合わせる人が全て式」「解散設定」という、3つのステップで進んでいきます。
小さなプロジェクトを多様な人がともに育てていくために大切にしたい進め方について、その中に込められた意図を紐解いていきました。

 

ステップ1:この指とまれ式

新しい活動のアイデアや関心をみんなとシェアしたいと思った人が掲示板で一緒に活動するとびラーを募集します。140人のとびラーに呼びかけて、そこに他のとびラーが答え、3人組になったら「とびラボ」のスタートです。このはじまり方を「この指とまれ式」と呼んでいます。

そのため、指をあげた人と、その指に止まる人がいて、はじめて活動がスタートします。
もし参加できないときも、「興味はありますが、その日には参加できません!」とその気持ちをそのまま伝えることで、「見守ってもらえている」とお互いに感じることができます。そのような関係性を作っていくことが、お互いにとってのエールにもなるという話には、とびラーからも納得の声が上がりました。

また、とびラボにおいては、プロセスや途中経過そのものを大切にすること、活動の情報をできるだけ広く公開していく姿勢についても語られました。

 

 

ステップ2:そこに居合わせる人が全て式

ここで紹介されたのが「今夜、冷蔵庫にあるもので何か美味しいものをつくる」という例えです。シェフのカレーは、美味しい素材を全国各地から集めてつくる。一方、お家のカレーは、いま冷蔵庫にあるものでつくるという意味です。

組織として目的のために人を選び、チームを作る会社とは違い、とびラボはむしろ遊びに近いもの。
目的を達成するために計画していくという発想を少し手放し、ここにいる人たちで何ができるかを考えていくことが大切なのだと話されました。

とびラーからは、「これまで仕事のような頭になっていたけれど、『遊び』だと思えばいいのだと気づいて楽しみになった」という声も聞こえました。

 

ステップ3:解散設定

解散をして、活動を振り返る時間を持つことで次の創造性が生まれるという考え方が紹介されました。
また、とびラボには「いつ入ってもいい、いつ出てもいい」という自由さを担保してほしいというメッセージも。少し違うなと感じたら、別のラボを始めてもいいし、一度とまった指を離してもいい。
それは活動に風通しを持たせるための大切な姿勢です。

 

これまでのとびラボの実例として、とびらプロジェクトのコーディネータの大東さんと越川さんより、2つのとびラボの紹介もありました。

とびラボの話し合いの中で、とびラー同士が「自分はこう理解したけれど合っていますか」と言葉を確認していくことや、議論が混沌としてきたときこそ元々の想いに立ち戻り、自分にできることは何かを一人ひとりが考える大切さが語られました。
フラットに関わるということは、全員が同じことをできるようになることではなく、それぞれに合った関わり方があってよいという気づきが生まれた、印象的な場面でした。

 

フラットに関わるためには、まず自分自身と向き合う時間が必要です。 今回は、「好きなこと、いつかしてみたいこと、飽きないこと」をワークシートに書き出す時間が設けられました。

 

午後は、3人組に分かれ、自分のことを言語化したワークシートを共有し、全6回の基礎講座を終えた15期が「とびらプロジェクトで何ができるか・何を考えたいか」を話し合う時間となりました。

言葉にするのが難しいという声が聞こえつつ、好きなことや得意なことを共有し合う中で、それぞれの視点の違いが議論を活発にしていきます。

「寝ころがって絵を見てみたい」、「手を動かすことが好きなメンバーで物ができる過程を共有しながら居場所をつくりたい」、「展示を見た後の気持ちをみんなで形にしたい」、「動物と一緒に何かできないかな」──3人寄れば文殊の知恵というように、それぞれの「やりたいこと・できること・やるべきこと」の共通点を探りながら、アイデアが膨らんでいきました。

 

実際に東京都美術館の中で企画を実施する際には、コーディネータと相談しながら進めていきます。その様子を1つのチームに代表で前に出てきてもらって、公開で行ってみる時間もありました。

 

とびラボを進めていく上で、コーディネータとどう相談し、話が進んでいくのかをみんなで観察します。
そして体験したとびラーのふりかえりや、スタッフがどう話を聞いていたかのふりかえりを、それぞれきくことで、とびラボのプロセスを確認しました。
プロセスを大事にする上で大切なのは、「内容」のふりかえりと、話し合いの「プロセス」のふりかえり、この2つを分けて話すという「ふりかえり」のコツが話されました。

 

講座の終わりには、とびらプロジェクト マネジャーの小牟田さんから、これからとびラーとして活動していく15期へ、メッセージが贈られました。
今最も新鮮な感覚を持っているのは15期のみなさんであり、気後れすることなく、ぜひ積極的に活動していってほしいということ。
そして、目的を達成することだけに捉われず、そのプロセスそのものを楽しんでほしいという思いを込めて「真剣に遊んでほしい」という言葉で、全6回の基礎講座は締めくくられました。

 

「とびラボ」活動を、どうやって始め、育て、終えていくのか。
今回の基礎講座では、その答えを一つに定めるのではなく、「ここにいる人たちで何ができるか」を考え続けること自体が、とびラボのあり方なのだと感じさせられる回となりました。
基礎講座を終えた15期のとびラーたちが、これからどんなこの指とまれをしていくのか。これからの活動にも注目です。

(とびらプロジェクト アシスタント 久保田夢加)

 

基礎講座⑤|ミュージアムとウェルビーイング

2026.06.06

 

 


 

【第5回基礎講座 ミュージアムとウェルビーイング】
日時|2026年6月6日(土)10時〜15時
場所|東京都美術館アートスタディルーム
講師|中原淳行(東京都美術館学芸員 学芸担当課長)
   小牟田悠介(東京藝術大学 芸術未来研究場 ケア&コミュニケーション領域 特任准教授)
   熊谷香寿美(東京都美術館 学芸員 アート・コミュニケーション係長)
内容|ミュージアムとウェルビーイングについて考えます。また、とびラーの活動拠点である東京都美術館のミッションとその背景について学芸員から話を聞きます。
・ウェルビーイングとは何か?
・ミュージアムってどんなところ?
・東京都美術館のミッションができるまでの背景とは?

 


ミュージアムとウェルビーイング

午前中は、熊谷さんから「ミュージアムとウェルビーイング」というテーマでお話がありました。

 

昨今よく耳にする「ウェルビーイング」とはなんでしょうか?

 

世界保健機関(WHO)は健康を単に「病気ではない」ことではなく、「肉体的にも、精神的にも、社会的にもすべてが満たされた状態にあること」と定義しています。肉体や精神が良好な状態であることはもちろん、社会的に良好な状態であることも重要といえます。

 

ウェルビーイングは個人の中だけでなく、他者やコミュニティとの関係性の中で達成されるもので、何に対してウェルビーイングを感じるかは文化や人によってそれぞれ異なります。

 

自分の目標を達成してウェルビーイングを感じることもあれば、他者を助けることでウェルビーイングを感じることもあるでしょう。

 

そんななか、とびらプロジェクトでは「わたしだけでもなく、あなただけでもなく、わたしも、あなたも、わたしたちがミュージアムでウェルビーイングを育む」ことを大切にしたいと熊谷さんからお話がありました。

 

 

では、ミュージアムではどのようなウェルビーイングが育まれるのでしょうか?

また、ウェルビーイングを育むためにアート・コミュニケータはどのような関わりができるのでしょうか?

 

これらの問いについて考えるために、3つの事例が紹介されました。

1つ目は「Museum Start あいうえの」のプログラム「みるラボ:つながりをつなげる」(2025年8月〜9月実施)です。

 

みるラボ:つながりをつなげる

 

「みるラボ:つながりをつなげる」は、ろう者、難聴者、聴者が美術館で専門家と出会い、一緒に作品を鑑賞し、思考し、実践する4日間のアート・コミュニケーションプログラムです。

 

ろう者、難聴者、聴者を含む参加者たちが、背景の異なる人たちと一緒に美術館を楽しむためのアイデアを自分たちで考え、最終日にプログラムとして実践してみる過程が映像で紹介されました。

 

映像視聴後のシェアタイムでは、

「色々なきこえの人がいるから『できない』じゃなくて、『じゃあ、どうしよう?』って考えることが大事なんだなって思いました」

「私もこういうプログラムに関わってみたい」

などの意見が出ていました。

 

参加者であるティーンズたちが、アイデアを考え、展覧会にきた人たちを巻き込んで実現させていく様子に勇気づけられた人も多かったのではないでしょうか。

 

2つ目の事例は、「Creative Ageing ずっとび」のプログラム「美術館で絵を楽しもう!ずっとび鑑賞会」(2023年10月実施)です。

 

美術館で絵を楽しもう!ずっとび鑑賞会

 

「美術館で絵を楽しもう!ずっとび鑑賞会」は認知症が気になる65歳以上の方を対象としたプログラムです。

 

とびラーと参加者が貸切の展示室をゆっくり巡ったり、作品鑑賞をしながら対話を楽しむ様子が映像で紹介されました。

 

映像をみる前に、熊谷さんから「とびラーがどのような関わりをしているのか注目してみてください」と呼びかけがありました。

 

映像視聴中、医療スタッフや参加者の方々の言葉にうんうんとうなずいたり、微笑みながらみているとびラーも多く、映像をみているこちらにも幸せが広がっているようでした。

 

映像視聴後のシェアタイムでは、

「参加者の人たちがすごく話しやすそうだった」

「安心感がある」

などの意見が多くでていました。

 

とびラーの関わりによって参加者の気持ちがほぐれ、話がはずむ様子が印象に残った人が多かったようです。

 

3つ目の事例は、東京都美術館の「障害のある方のための特別鑑賞会」です。

障害のある方のための特別鑑賞会

「障害のある方のための特別鑑賞会」は障害のある方がより安心して鑑賞できるように、特別展の休室日に開催する鑑賞会です。

 

とびラーは受付や展示室などさまざまな場所で来館者のサポートを行っています。

アート・コミュニケータとしてとびラーは、「ただその場にいるだけではなく、そこにいる人と関わっていくことが大事」というお話が熊谷さんからありました。

 

午前中最後のシェアタイムでは、ここまでの内容を振り返って印象に残ったことを共有しました。

 

人によってウェルビーイングはさまざまであることに気がついた人、それぞれの事例が印象に残った人、基礎講座第2回で学んだ「きく力」の重要性に改めて気がついた人など、一人ひとりが自分なりに内容を受け止めている様子が印象的でした。

 

近年、ミュージアムの役割は世界的に大きく変化してきています。

作品の収集・保存・展示・調査研究にとどまらず、包摂的で多様性と持続可能性を育む場であることが求められています。また、コミュニティの参加も期待されています。

こうした流れの中で、とびらプロジェクトでもとびラーのみなさんと一緒に、ウェルビーイングが育まれるミュージアムについて考え、実現していきたいと思います。

 

東京都美術館のきのう・今日・あした

午後は、ミッションの策定に携わった学芸員の中原淳行さんから、言葉に込めた想いや、ミッション策定の裏にあったミュージアム体験について、また東京都美術館100周年記念の企画展についてもお話を伺いました。

きき役はとびらプロジェクト プロジェクトマネジャーの小牟田さんです。

東京都美術館は2012年のリニューアルオープンに合わせて新たなミッションを掲げ、そのミッションに基づいて様々な事業を展開してきました。

 

東京都美術館の使命(ミッション)
東京都美術館は、展覧会を鑑賞する、子供たちが訪れる、芸術家の卵が初めて出品する、障害のある方がなんのためらいもなく来館できる、すべての人に開かれた「アートへの入口」となることを目指します。
新しい価値観に触れ、自己を見つめ、世界との絆が深まる「創造と共生の場=アート・コミュニティ」を築き、「生きる糧としてのアート」と出会う場とします。そして、人びとの「心のゆたかさの拠り所」となることを目指して活動していきます。

 

東京都美術館のミッション(使命)について深く考えたことがある人は少なかったかもしれません。

 

ミッションにある「新しい価値観に触れ、自己を見つめ、世界との絆が深まる『創造と共生の場=アート・コミュニティ』」とはどういった場なのでしょうか。

このミッションを実現するためには、どういった取り組みが考えられるのでしょうか。

 

中原さんの丁寧で想いのこもったお話に全員が惹き込まれていくようでした。

 

お話を聞いた後は、3人組に分かれて感想のシェアタイム。

 

「言葉にならない想いを汲みとれるのがとびラーなのかな」

「コミュニケーションは受け取ってくれる人がいないと成り立たない」

「鑑賞って作者から鑑賞者への一方通行な体験じゃなくて、鑑賞者からもはたらきかけているんだ」

「ミッションの解釈がどんどん広がっていった」

 

中原さんの原体験となるようなミュージアム体験をきいて、自分の忘れられないミュージアム体験を語る人もいました。

 

東京都美術館のミッションはとびラーとして活動する上で大きな支えになるのではないでしょうか。

 

最後に、小牟田さんからは「ミッションをもとにどういう場をつくっていきたいのかをとびラーの皆さんと一緒に考えていきたい」

中原さんからは「ゆっくりと焦らず皆さんのペースで」と呼びかけがありました。

 

今回の講座は、「とびラーとしてこれからどういう場をつくっていきたいか」を考え、共有する時間となりました。これからも皆さんと考え続けていきたいと思います。

 

基礎講座も残すところあと1回。

次回の講座では、「この指とまれ/そこにいる人が全て式/解散設定」に込められた意味について、考えていきます。

 

(とびらプロジェクト アシスタント 三原凜子)

基礎講座④|会議が変われば社会が変わる

2026.05.23

 


 

日時|2026年5月23日(土)10時~15時
場所|東京都美術館 交流棟2階 アートスタディルーム
講師|青木将幸
内容|とびラーの自主的な活動には、直接コミュニケーションをとるミーティングの場のあり方がとても重要です。ひとりひとりが主体的に関わるミーティングの場をつくるために、ミーティングの理想的なスタイルや具体的な手法を、レクチャーやワークショップを通して学んでいきます。

 


 

とびらプロジェクトには、とびラー同士が自発的に開催するミーティング「とびラボ」があります。世代も職業も異なる人たちが集まり、アイデアを持ち寄りながら対話を重ねるとびらプロジェクトにとって、ミーティングは活動の土台ともいえる存在です。

 

とはいえ、「会議が好き」という人はそう多くないかもしれません。資料が配られ、スライドが映し出される。「何か意見はありますか?」と聞かれても、なかなか発言しづらく、気が付けば一部の人だけで話が進んでいる――そんな経験は、多くの人に覚えがあるのではないでしょうか。

 

今回の基礎講座では、「グッドミーティング(良い会議)」をテーマに、ファシリテーターの青木将幸さんを講師に迎えました。家族会議から国際会議まで、年間100本以上の会議進行を手がける青木さんから、会議をより豊かなものにするヒントを学びました。

 

 

青木さんがまず取り組んだのは、場をほぐすことでした。

最初に紹介されたのは、会議前の「1分間のお祈り」です。直前まで仕事や家事をしていた人が、気持ちを会議へ切り替えるための時間。実際に会場でも1分間静かに目を閉じると、鳥のさえずりが聞こえるほどの静けさに包まれ、その後の場の空気がふっと柔らかくなったのが印象的でした。

 

 

 

続いて行われたのは、「親指ゲージ」によるコンディションチェック。親指を上に向ければ元気、横なら普通、下なら少し不調というシンプルな方法です。

「仕事が忙しくて疲れています」
「今日の講座が楽しみで少し寝不足です」

高い人もいれば、低い人もいる。それを表明できること自体が、すでにグッドミーティングの土台になっています。

 

さらに、グループごとにひとり一つづつ、ストレッチを紹介し合う体験もしました。

「心の緊張と体の緊張はつながっています」

青木さんの言葉どおり、体を動かすことで場の雰囲気もほぐれていきました。

 

その後のテーマは、「会議をよくするものを持ち寄る」。

参加者は事前に「これがあるとグッドミーティングになると思うもの」を持参していました。飴やクッキー、かるた、あやとり、カリンバ(アフリカ発祥の楽器)、ぬいぐるみなど、個性豊かなアイテムが並びます。

そこで紹介されたのが、青木さんが大切にしている言葉です。

「Anyone can contribute(ここにいる誰もが貢献できる)」

アートに詳しい人もそうでない人も、大人も子どもも、それぞれの経験や視点を持っています。誰もがこの場にいてよく、何かを持ち寄ることができる。その安心感こそが、グッドミーティングの出発点なのだと語られました。

 

 

後半では、「グッドミーティングポスター」づくりにも挑戦しました。まずは一人ひとりが「良い会議」と「悪い会議」のイメージを書き出し、その後グループで共有します。

「みんなが発言できる」「目的がわかる」「話しやすい雰囲気がある」などさまざまな意見が飛び交います。

 

 

そのような意見をもとに、各グループがより良いの会議像の合意点を探り、個性あふれるポスターが並びました。

 

 

講座の最後は、参加者自身がテーマを持ち寄って話し合う実践ミーティングです。

「若者の成長意欲は本当に下がっているのか?」
「障害のある人と“一緒に”アートを楽しむには?」
「子どもにAIを使わせていいのか?」など

それぞれのテーブルでは、今日学んだ手法を取り入れながら活発な対話が行われました。

 

第4回目の今回は、ミーティングの楽しさや意義を再発見したり、理論が分かっても実践することの難しさを感じたりと、会議の奥深さを知る機会にもなりました。

基礎講座もいよいよ後半戦。今後の「とびラボ」でも、今回学んだグッドミーティングの実践がさまざまな場で生まれていくことでしょう。

 

(とびらプロジェクト アシスタント 久保田夢加)

【開催報告】5月の「とびラーによる建築ツアー」

2026.05.17

日時|2026年5月16日(土)
場所|東京都美術館

参加者(事前申込)|33名、とびラー20名

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爽やかな初夏の陽気の中、2026年度 第1回目の「とびラーによる建築ツアー」が実施されました。

新緑が美しいこの季節、心地よい風とやわらかな陽光に包まれながら、参加者の皆さんは館内のさまざまな場所を巡り、ツアーを楽しまれている様子が印象的でした。

 

今回は、ガイドとして初めて参加するとびラーも加わり、それぞれの視点や個性を生かしたツアーが行われました。

この建築ツアーは、決まったコースはなく、それぞれのとびラーが考えたオリジナルのツアーです。

ガイドごとに、違ったツアーを体験することができます。
ツアーを体験して、東京都美術館の魅力や新たな発見をしていただけたら嬉しいです。
……
次回の開催は7月19日(日)を予定しています。
みなさんのご参加を心より楽しみにしています。
*「とびラーによる建築ツアー」は、原則として、奇数月(5月、7月、9月、11月、1月、3月)の第3土曜日に開催しています。
詳細、お申し込みはこちらから。
(とびらプロジェクトコーディネータ 大東美穂)

基礎講座③|作品を鑑賞するとは

2026.05.09


 

日時|2026年5月9日(土)10時~15時
場所|東京都美術館 交流棟2階 アートスタディルーム
講師|熊谷香寿美(東京都美術館 学芸員 アート・コミュニケーション係 係長)
内容|美術館で作品を鑑賞するということを、あらためてとらえ直します。とびらプロジェクトの活動の基礎になる、アートを「みる」とはどういうことか、ほかの人と「みる」ことで何が生まれるのかを、実感とともに学ぶことを目指します。

 


 

作品をみることや、作品を介したコミュニケーションは、全とびラー共通の活動の基盤です。

第3回基礎講座はその「作品を鑑賞する」ということについて考えました。

 

東京都美術館のアート・コミュニケータになってから1ヶ月が経ったとびラーたち。多様な属性、バックグラウンドをもつみなさんも、初対面の緊張がほぐれ、朝から和気あいあいと交流を深めていました。和やかな空気のなかで講座がスタートします。

 

美術館での鑑賞体験は、自分のなかの枠組みを広げ、思考を深める契機です。

また鑑賞は作品との間で、その人なりの意味・価値を生み出す場となります。学校の図工や美術の時間が好きではなかった人も、美術館では誰もが創造的になることができるのです。

 

講師からレクチャーを受けた15期とびラーたち。次に、館内で開催中の「第92回東光展」会場に出向き、鑑賞を深める実践を体験しました。まずは一人で会場のたくさんの作品の中からひとつの作品を選び、「自分がその作品のどこを気に入ったのか」を考えながらゆっくり鑑賞します。

 

 

続いて、3人グループで各々の気づきを共有します。

 

「誰もいない廊下、放課後の学校の静けさを感じる」

「面談の前かも?」

「そう聞くと印象ががらっと変わるね」

 

 

畑の土を描いた作品を見ていたとびラーたちは、「地面を描いているけど、くもり空の色が写っているな」と話していました。

 

「話しながらだと、ずっと見ていられるね」

「みんなでみると面白い」

 

それぞれが選んだ作品を3人で話しながらみたあとは、もう一度自分が選んだ作品をじっくりと鑑賞しました。手元のシートに気づきを書き留めながら、自身と作品との対話を重ねていました。

 

 

ランチタイムで一息ついたあとは、グループで松本竣介の《立てる像》(神奈川県立近代美術館蔵)の作品図版をみながら、「じっくりみて、発見したこと、感じたこと」、「人物はどんな表情をしている?」、「人物の左手/右手はどうなっている?」など、テーマごとに意見を交換しました。

 

最後に、その《立てる像》を題材に中学生を対象として行われたワークショップの記録映像が紹介されました。ワークショップでは、中学生たちが《立てる像》について意見を交わし、実際に自分たちでポートレート撮影を行うことで、作品や自己について理解を深めていました。とびラーたちは、この事例を通して、重層的な背景をもつ美術作品を媒介に、自分たちの内面や感覚を表現することの可能性について、考えを深めました。

 

 

<講座参加後のとびラーの振り返りより>

 最後の中学生の映像をみながら、学びの本質をみたような気がした。 アートを介することで、普段自分では気付けない自分に気付いたり、他者と関わることができたり、思いを自由に表現できたりしている子供達をみて、自然と涙が出てきた。 ああ、私のやりたいことはこれなんだと改めて熱い思いが込み上げて来た。

 

 

 

ものとの対話、人との対話を行き来することで、作品との関係、人とのかかわりは車の両輪のように豊かになっていきます。

鑑賞の実践をこれからも繰り返していくとびラーたちが、ここ上野でどのような活動を展開するのか、目の当たりにするのが今から楽しみです。

 

 

(とびらプロジェクト アシスタント 平林壮太)

基礎講座②|「きく力」をみにつける

2026.05.02


日時|2026年4月25日(土)10時〜15時

場所|東京都美術館アートスタディールーム

講師|西村佳哲

内容|コミュニケーションの基本は、話している相手に本当に関心を持って「きく」ことから始まります。この回では、話を「きく力」について考えます。

・「きく」ことは「相手が“自分を表現できる”時間を一緒につくる」こと

・そのためには?


この春からとびらプロジェクトに加わったとびラー15期に向けて、第2回基礎講座が開催されました。

 

西村佳哲さんによる「きく力」の講座は、とびらプロジェクト発足時から基礎講座に編成されており、とびラーのコミュニケーションの基礎として、ここでの学びを大切にしています。

とびらプロジェクトは、美術館という場所や機能を生かして、市民同士が新しい活動をつくっていくための、拠点となる存在です。とびラー同士はもちろん、美術館来館者も含め、違う年齢、違う社会的役割を担ってきた人々が、一緒に活動をしていきます。

様々な背景を持つ人々が、どうやったらみんなでうまく対話をすることができるのでしょうか。

 

 

今回の講座では、3人組のグループワークを中心に、「きく」とは何かを考えていきました。ワークを通して「きく力の7ポイント」を、とびラー各々が発見していきました。

 

 

グループワークでは「話し手、きき手、観察者」のそれぞれに役割分担をして、きき手が話し手に与える影響について、実践を通して考えていきました。ワークを積み重ねながら、少しずつ手順をふんで、対話の違いをそれぞれが体感していきます。

グループをつくったら、まずは自己紹介をします。15期のみなさんは笑顔が多く、コミュニケーションに花が咲いてました。

 

 

話し手ときき手は、それぞれ西村さんの指示にしたがって対話を行っていきました。観察者はグループでの対話を客観的に観察しながら、会話を分析していきます。対話の時間が終了したら、それぞれメモをしたり、グループで感想をシェアする時間がありました。

 

「話し手の軸を尊重したきき方ってなんだろう」

「話している内容ではなく、相手に関心を持ちながらきくためには、どうする?」

 

適宜、西村さんからの問いが差し込まれながら、3人組での対話を繰り返し行っていきました。ワークを重ねる中で、ただ相手の話を「聞く」だけではなく、「きき手」として感じたことを、表情や身振り手振りなどのあらゆる手段で「話し手」へ表現をしていくとびラーの姿が印象的でした。

 

またこのように、実践を通じて分析をし、グループで意見をシェアして考えていくというサイクルは、とびらプロジェクトでこれから15期とびラーが行っていく活動のウォーミングアップのようでした。

ワークの途中には「きく力の7ポイント」を考えるためのヒントとして、「言葉」にまつわるいくつかのトピックが紹介されました。

とびラーがこれから活動を行っていくなかで、言葉は重要な表現媒体となります。言語はコミュニケーションツールとして優れた性格をもつ反面、特有な取扱いの困難さがあることを、西村さんの経験をもとにお話ししていただきました。言葉は単語ひとつとってみても、そこに張りついている経験や意味は人によって異なったり、伝えたい事柄と同時に言葉ならざる「気持ち」が含まれていたりと、実は非常に抽象的で認識の齟齬が生まれやすいものです。そうした「ズレ」を意識して言葉を扱うことによって、「きく人」の姿勢はきっと変化するはずです。

とびラーたちも自身の経験と照らし合わせながらうなずきつつ、熱心にメモを取りながら、聞いていました。

 

 

人にとって話すとはどのような行為なのでしょうか。少なくとも「個人で完結するような単純な動作」とは違った側面が、レクチャーから伺えました。西村さんは「人が話す」ということについて、「話しながら垂直方向に起立していく」「植物みたいに育っていく」イメージを提示していました。

「話す人がいる」ということは、そこに「きく人」がいるということです。良い「きき手」がいることによって、話す人は、考えていることを言葉にしながら整理して、より思考を深めていくことができるのでしょう。

 

「きく人」がいて、より豊かなコミュニケーションが育まれてこそ、とびらプロジェクトという大樹にたくさんの新芽が芽吹きます。これからも「きく」ことを大切にしながら、とびラー、スタッフともに、素敵なプロジェクトをつくっていきたいと思います。

 

(とびらプロジェクト アシスタント 廣木花ノ子)

基礎講座①|とびラー全員集合!オリエンテーション

2026.04.16


 

【第1回基礎講座 オリエンテーション】
日時|2026年4月11日(土)10時〜15時
場所|東京都美術館 講堂

 


東京都美術館100周年の今年、とびらプロジェクトの15年目がスタートしました!

15期とびラー47名が、東京都美術館の講堂に集まり、とびらプロジェクトのスタッフ紹介や活動する上で必要な情報のガイダンスをした後、活動2・3年目のとびラーの案内で、活動の拠点である東京都美術館を巡るツアーを行いました。

最初は、緊張していた15期のメンバーも、次第に笑顔になり、グループで会話を楽しんでいる様子が各所で見られました。


午後は、13期・14期・15期のとびラー全員が集まり、今年度のキックオフが行われました。

2年目・3年目を迎えたとびラー達もそれぞれの活動を振り返ってたり、今年はどんな一年にしようかなと楽しそうに話している姿が見られ、今年も始まったなと実感する時間になりました。

これから、活動を共にする約140名のとびラー中には、見えない・見えにくい人、聞こえない・聞こえにくい人がいます。全員が集まったこの機会に、お互いのコミュニケーションについて考え、お互いに知り合う時間を作りました。

多様な背景や年齢のとびラーが協働するとびらプロジェクトにおいて、今年度は「マイクロアグレッション」について考えていきたい思っています。

マイクロアグレッションとは、人種、ジェンダー、性的指向、障害など、特定の属性に対して無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)に基づき、日常的に発せられる差別的な言動や態度のことを指します。悪意がない場合でも、受け手にとってはストレスや疎外感の蓄積につながることが課題とされています。

あらゆる人が主体的に参加できる場を、全員で作っていくことを改めて確認しました。

その後、とびラー同士が知り合う時間として、「自己紹介+どうしてここに?」をテーマに3人組でのシェアタイムを行いました。
とびラーを志望したきっかけや今日のファッション、美術館との関わり方など、お互いの言葉に耳を傾けながら語り合いました。

今年度のとびラーたちから、どのようなアート・コミュニケーションが生まれるのでしょうか。
13期・14期・15期のみなさん、1年間どうぞよろしくお願いします。

 

(とびらプロジェクトコーディネータ 大東美穂)

 

 

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