2023.11.05
職場や家庭で日々忙しく過ごしている皆さま、
東京都美術館で日常から少し離れて「大人のOFF」を味わってみませんか?
とびラー(アート・コミュニケータ)と一緒に、アート・建築を介して、いつもと違う体験や交流ができる2日間のプログラムです。
1日目は「とびラーお薦めのアート鑑賞」、
2日目は「前川國男設計のモダニズム建築ツアー」をみんなで体験します。
このプログラムを通じて、心が豊かになる時間「大人のOFF」を一緒に楽しみましょう。
~アート・建築を介して、いつもと違う体験や交流を~
◆ 日時|
STEP1 2023年11月26日(日) 10:00~12:15(受付 9:45)
STEP2 2023年12月3日(日) 14:00~16:10(受付 13:45)
※2日間セットでの開催です。両日ともにご参加ください。
◆ 会場|東京都美術館
◆ 集合場所|東京都美術館 交流棟 2階アートスタディルーム
◆ 対象|全ての大人の皆さま(20歳以上)、STEP1・2ともに参加できる方
◆ 定員|15名(要事前申込み・先着順)※定員に達し次第、受付を終了します。
◆ 参加費|無料(ただし、STEP1では、別途「上野アーティストプロジェクト2023 いのちをうつす ―菌類、植物、動物、人間」の展覧会観覧料が必要です)
◆ 参加方法|申込ボタンをクリックして申込フォームにご記入ください。
■ 展覧会情報 ■ (STEP1のプログラムで鑑賞します)
上野アーティストプロジェクト2023
いのちをうつす ―菌類、植物、動物、人間
会場:ギャラリーA/C
当日券 一般 500円 / 65歳以上 300円 / 学生以下無料
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料
※いずれも証明できるものをご提示ください
※同時期開催の特別展「永遠の都ローマ展」のチケット提示にて入場無料となります。
[同時開催]
コレクション展「動物園にて ―東京都コレクションを中心に」
会場:ギャラリーB
入場無料
*広報や記録用に撮影・録音を行います。ご了承ください。
*本フォームでの申込みが完了すると「返信先Eメールアドレス」宛にメールが届きます。必ずご確認ください。受付完了のメールが届かない場合は、下記メールアドレスまたはお電話にてご連絡ください。
*特別に配慮が必要な方は、下記メールアドレスまたはお電話にてお知らせください。
●メール:p-tobira@tobira-project.info(とびらプロジェクト)
●電話:03-3823-6921(東京都美術館代表電話にて「とびらプロジェクト」の担当者をお呼び出しください)
2023.10.23
第6回鑑賞実践講座|「ファシリテーション実践 ふりかえりの仕方(コーチング)について」
日時|2023年10月23日(月)13:00〜17:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム、スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)、ARDAコーチ5名
内容|グループ鑑賞の実践と、ふりかえりの仕方(コーチング)について
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第6回の講座では、Visual Thinking Strategies(VTS)鑑賞のファシリテーションをふりかえって次の実践に生かしていくための「コーチング」の方法を知り、実践しました。
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コーチンングのデモンストレーションをしてくれたのは、ARDA(NPO法人芸術資源開発機構)の5人のコーチのみなさん。第3回から2ヶ月ぶりの登場です。「個人的に最近ハマっていること」を紹介してもらいながら、コーチたちの日常も垣間見つつなごやかなスタートになりました。
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とびラーがクリテイカルな視点を持ち、よい観察とよい振り返りを行いながら、ファシリテーションした鑑賞の場をブラッシュアップしていくことは、とても重要です。
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ですが、「敬意を持って、忌憚なく、建設的に」お互いが振り返りの意見を出し合いながら解決策を見つけていくのは、実は結構難しいこと。その振り返り自体も共同構築的なまなび場としてつくっていく必要があります。
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今回の講座では、そもそも「敬意を持って、忌憚なく、建設的に」行われる振り返りの場とはどんなものか、まずはそのことをグループで話し合いました。
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そのあとは、グループに分かれてVTS鑑賞の実践を行い、ARDAコーチのコーチングデモンストレーションを経て、それぞれのチームがコーチ役を立てて振り返りの場づくりを実践していきました。
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今後も、今日の観察と振り返りの方法をファシリテーションのブラッシュアップに活かしていってもらえたらと思います。
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(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)
2023.10.22
日時|10月22日(日)13:30〜15:30
場所|東京都美術館 講堂
講師|松見幸太郎(NPO法人 キッズドア)
テーマ|「経済格差とこどもたちの文化的状況」
MuseumStartあいうえの ダイバーシティ・プログラム「ミュージアム・トリップ」にて、数年にわたり連携を続けているNPO法人キッズドアの松見幸太郎さんからお話をお聞きしました。(キッズドアとの連携プログラムの様子はこちら。)
プログラムで子どもたちと活動するとびラーが、キッズドアの学習支援等とつながる子どもたちの文化的状況やその社会的背景について知る貴重な機会です。
「体験格差」を生み出す貧困という社会的課題の現在を知ることで、とびラーが、アート・コミュニケータや美術館・文化施設のあらたな役割にも目を向けていく時間になりました。
今後も、MuseumStartあいうえのと様々な機関との連携の中で、とびラーが子どもたちをミュージアムでの体験へとつないでいきます。
(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)
2023.10.14
第4回建築実践講座|「1階革命
――私設公民館「喫茶ランドリー」とまちづくり」
日時|2023年10月14日(日) 14:00~17:00
会場|東京都美術館 講堂
講師|田中元子 / 株式会社グランドレベル代表取締役
田中元子さんより、海外で出会った様々な事例から喫茶ランドリーを開店するまでのいきさつを伺い、
とびラーたちが東京都美術館の中に、パブリックとプライベートの交差点である「マイパブリック」を探しに出かけました。
マイパブリックは多種多様。私はどこで、何をしたいのか。
とびラーそれぞれが見つけてきた東京都美術館の中の「マイパブリック」を発表しました。
とびラーのふりかえりを抜粋します。
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・「マイパブリック」は視座が180℃ひっくり返る破壊力だった。公共をつくるのは自分一人でも始められる。そうか、フリーコーヒーは「私が」街の人に声をかける自由を得るものなのか。
・自分の好きな事をするのは、持続可能にする事だと、改めて気がつきました。「誰かのため」ではなくて「自分がやりたいからやる」。そういうマインドを大切にしたいです。
・「マイパブリック」という観点で考えること、が、だれかの居場所を作れるのかもしれないと思い、自分の思いや考えを大切にしようと思った。
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(とびらプロジェクト コーディネータ 工藤阿貴)
2023.10.10
日時|2023年10月10日(火)10時〜16時
展覧会|永遠の都ローマ展(会期:2023年9月16日(土)~12月10日(日))
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2023年10月10日(火)、東京都美術館で現在開催中の「永遠の都ローマ展」にて「障害のある方のための特別鑑賞会」を開催しました。この鑑賞会は、障害のある方がより安心して鑑賞できるよう、特別展の休室日に事前申込制で開催しています。
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当日はお天気にも恵まれ、たくさんの方が「永遠の都ローマ展」に来場し、ローマをめぐり生み出された壮大な美の歴史に触れていました。
アート・コミュニケータは受付や展示室内など、館内の様々な場所で来場者のサポートをしました。
写真とともに、当日の様子をお伝えします。
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普段は混雑することもある展示室。
この日は、事前申込・定員制のため、障害のある方にも、より安全にゆったりと展覧会をご覧いただくことができます。
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来場者のみなさんは、同行した介助者や当日会場でお迎えしているアート・コミュニケータとのお話も楽しみながら、世界的にもっとも歴史の古い美術館の一つに数えらるカピトリーノ美術館のコレクションのなかから選りすぐりの名品に目を凝らしていました。
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アート・コミュニケータは、お車でお越しの方の入館時のお出迎えや、受付、エレベータやエスカレータの見守りなど、館内の様々な場所でも来館者をサポートしました。
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当日を楽しみに来館していただけるように、事前の参加証を郵送する封筒のデザインにも、とびラー(アート・コミュニケータ)がひと工夫しています。今回の展覧会に合わせて「消しゴムハンコ」でデザインをした封筒のバリエーションを、展示室出口の休憩スペースにて紹介しました。
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次の鑑賞会でもみなさまにお会いできるのを、アート・コミュニケータ一同楽しみにしています。
2023.10.09
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第5回鑑賞実践講座|「ファシリテーション事前準備」
日時|2023年10月9日(月)13:00〜17:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム、スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)
内容|作品に近づく事前準備(グループ作品研究、個人作品研究「ひとりVTS」)
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第5回の講座では、Visual Thinking Strategies鑑賞(VTS)のファシリテーションをするための事前の準備について知り、複数人のグループワークと個人ワークを通じて理解していきました。
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VTS鑑賞では、まずファシリテータ自身が作品を事前によくみて、味わい、作品のテーマや魅力を掴んでおくことが重要です。事前の作品研究では、時間をかけて丁寧に作品をみながら、テーマや魅力を読み解いていきます。
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まずはグループでの作品研究。
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お互いの視点を聞き合い、それぞれの意見を主観的意見と客観的意見に分類し、作品から見つけられる根拠や主観的解釈を補完してマッピングしながら、作品研究シートを作成していきます。
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つぎに、個人での作品研究です。
普段ファシリテータとして事前準備をする際は、担当する鑑賞作品をそれぞれが自分で準備する場面が増えていきます。
そのため、事前にひとりで作品の魅力やテーマに近づけるように練習することも重要になります。
こちらも、時間をかけて作品研究の練習を行いました。
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これまで以上にじっくりと考える作業が続いた第5回鑑賞実践講座。
参加したとびラーやDOOR受講生・藝大生からは、講座後に「頭を使いすぎてグッタリと疲れた」という声も聞かれました。
VTS鑑賞の体験をかけがえのない時間にしていくために、どれだけ事前の準備ができるかが実際の鑑賞の鍵を握ります。ファシリテーションの事前準備、今後もしっかりと身につけていってもらえたらと思います。
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(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)
2023.09.15
東京都美術館にある野外彫刻をご覧になったことがありますか。
美術館の庭を探検し、見つけた彫刻たちについて感じたこと、気づいたことをみんなで自由に話しながら、彫刻の魅力を味わう、楽しいひとときを過ごしましょう。
美術の知識や、彫刻の見かたは知らなくても大丈夫。彫刻ってこんなにおもしろいの?きっと発見がありますよ。
2時間のワークショップの中で、とびラー(アート・コミュニケータ)と一緒に作品を見ていきます。お気軽にご参加ください。
日時|
①2023年9月30日(土)14:00〜16:00 (13:45受付開始)
②2023年10月7日(土)14:00〜16:00 (13:45受付開始)
※①と②は同じ内容です。重複してのお申し込みはできません。
場所|東京都美術館
集合場所|東京都美術館交流棟2階アートスタディルーム
対象|16歳以上の方
定員|15名(先着順・定員に達し次第受付終了)
参加費|無料
参加方法|事前申込制。以下の専用フォームよりお申し込みください。
※特別に配慮が必要な方はお知らせください。
※小雨決行
①2023年9月30日(土)14:00〜16:00 (13:45受付開始)
②2023年10月7日(土)14:00〜16:00 (13:45受付開始)
※本フォームでのお申し込みが完了すると、「返信先Eメールアドレス」宛にメールが届きます。必ずご確認ください。
※お申込み前に「迷惑メール」などの設定を確認し、「@tobikan.jp」からの申込受付メールを受信できるようにしてください。申込完了の自動返信メールが届かない場合は、お申込みされたお名前と電話番号を明記のうえ、p-tobira@tobira-project.info(とびらプロジェクト)宛にメールをお送りください。
※広報や記録用に撮影・録音を行います。ご了承ください。
※定員に達し次第、申し込み受付を終了します。
2023.09.11
第4回鑑賞実践講座|「展示室で学ぶ場づくり 〜スペシャル・マンデーに向けて〜」
日時|2023年9月11日(月)13:00〜16:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム、スタジオ、ギャラリーA・B・C(『うえののそこから「はじまり、はじまり」荒木珠奈 展』 会場)
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)、石丸郁乃(Museum Start あいうえの)
内容|
・「スペシャル・マンデー」の事前〜当日〜事後の流れを学ぶ
・当日の流れを展示室で体験する
・会場を知る
第4回の講座では、とびラーが活動する「Museum Start あいうえの」の学校プログラム「スペシャル・マンデー」に向けて、展示室での鑑賞の場づくりについて考えました。
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まず、「Museum Start あいうえの」のプログラム・オフィサーである石丸郁乃さんから、「スペシャル・マンデー」の概要と、事前授業〜当日の展覧会鑑賞〜事後授業まで行うプログラムの流れについてのレクチャーがありました。
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つぎにARDAの三ツ木さんからは、美術館の展示室で子どもたちの鑑賞をファシリテーションする際のポイントを、実際の鑑賞の様子を映像で見ながら解説してもらいました。
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その後、スペシャル・マンデー当日のプログラムの流れを体験し展示室での場づくりについてより具体的に考えていきました。
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(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)
2023.09.09
日時|9月9日(土)13:30〜16:00
場所|東京都美術館 講堂
講師・テーマ|
・村田陽次(東京都 生活文化スポーツ局 都民生活部 地域活動推進課)
・「やさしい日本語」
・山藤弘子(日本語教師)
・「生活者としての外国人と共に~地域の現場から~」
多文化共生をテーマに、お二人の講師を招いてお話を伺いました。
東京都の村田陽次さんからは、多文化共生を推進する東京都の取り組みについてお話を聞きました。外国にルーツを持つ方々への支援格差の問題や「やさしい日本語」の活用について、また多文化共生をめざす東京都や全国の美術館・博物館や劇場など様々な文化施設の取り組みも紹介されました。
二人目の講師として、日本語教師で、外国人住民と台東区の地域をつなぐ活動をしている山藤弘子さんからお話を聞きました。Museum Start あいうえの のやさしい日本語プログラムでは、山藤さんを通じて台東区の外国ルーツのお子さんとその保護者がプログラムに参加しています。(やさしい日本語プログラム過去の事例はこちら)
外国人住民が、地域を支える生活者として活躍できるよう、住民同士が日常的な関わりを続けていくことの重要性について伺い、とびラーも関心をもって聞いていました。
行政の取り組みと、地元での顔のみえる距離での関わりの両方があることで、多文化共生社会へとつながっていくことをお二人のお話から感じ、アート・コミュニケータが外国人住民との日本人の関わりを美術館を拠点としてつくっていく意義を再確認することができました。
(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)
2023.09.03
2023年春〜夏、とびラボ・荒木珠奈研究会を全4回で行いました。
荒木珠奈研究会とは?
とびラー対象の荒木珠奈展の事前勉強会後、「荒木珠奈展、とっても面白そう、みんなで荒木珠奈さんや作品について研究してみたら絶対楽しい!」と意気投合した3人が研究仲間を募集してスタートしたラボです。初回でラボの目的を「荒木珠奈さんのことや作品について研究することで、展覧会の鑑賞をより楽しめるようになりたい」と共有し、毎回色々な方法で荒木珠奈さんや作品に迫っていきました。
『うえののそこから「はじまり、はじまり」荒木珠奈』 会期:2023年7月22日(土)~10月9日(月・祝) :https://www.tobikan.jp/hajimarihajimari/
研究方法の一つは、ラボ参加者=研究員、が各々で集めた資料を持ち寄り、シェアをすること。絵本やチラシ、過去の展覧会の図録や紹介動画、関連の論文(!)など、たくさん集まりました。研究員それぞれの関心やコメントが多様で、興味深く聞きあい、コメントを交わしながら、みんなで理解を深めていきます。
また、研究員の一人に銅版画を学んでいた方がいてお話をきくことができた回も。凹版画の基礎、技法の解説、版画のエディションまで話が及び、貴重なお話の数々にみんな興味津々でした。ガスマスクをつけて銅板を腐食する方法もあるという話では、他の研究員から驚きの声が!
さらにある回では、荒木さんと縁が深く作品のモチーフにも多く登場するメキシコに焦点をあて、メキシコ留学経験のあるとびラーからお話を聞きました。お話から鮮やかに想像される、メキシコの風土や文化、住んでいる人の人柄…。荒木さんはメキシコをどのように体験し、それがどんな風に作品に反映されているのだろう?ますます興味が深まります。
研究会が3回を終えた頃、荒木珠奈展がスタートしました。ラボでの体験と実際の作品たちへの溢れんばかりの期待を抱えて、研究員それぞれの鑑賞体験とファシリテーターの実践が始まりました。
そして、一か月ほどの期間を空けて再び研究員が集合し、それぞれの荒木珠奈展体験をシェアしました。
気になった作品はあった?から話し出すと、研究員それぞれの話が止まりません。自然と始まるVTS(対話型鑑賞)。荒木さんの作品は見れば見るほど、面白い!とみんなで興奮気味にコメントを交わしました。
ラボを振り返ってみると…。ラボで知ったことや感じたことが、深くみることに繋がった。ファシリテーターへの自信に繋がった。などの声が。それぞれの研究員がラボでの研究と実際の展覧会での鑑賞、ファシリテーターの実践が繋がった感覚を持ち、展覧会を楽しんでいることをシェア出来ました。
ここで一旦、荒木珠奈研究会は解散。ですが、ラボ解散後も展覧会の会期は残っていました。みんなで話したことをファシリテーターに活かそう、研究員同士で盛り上がったこの作品を誰かと見てみよう、そんな、「これから」に繋がる話がたくさん聞かれた最終回でした。
ラボ内で共有された資料は、研究員のみに留まらず、“荒木珠奈展ファシリテーター⇒ケエジン”の皆さんも閲覧できるようになったりと思いがけない展開もありました。この作品、この展覧会が好きだな、気になるな…そんな小さな芽が誰かと共有されたことから始まったラボ。みんなで調べ、みんなで見て、話す。たくさんの人の視点や経験を分け合うことで、それぞれの見方が広がり、作品との出会いが豊かになる。そしてそれがまた別の誰かの豊かな体験にも繋がっていく。そんなことが実感できたラボでした。
執筆:足立恵美子(11期とびラー)
アートや美術館の持つ力と人の持つ力が掛け合わされると、