2019.02.19
アート・コミュニケータ(とびラー)が「JOSHIBISION 2018 ーアタシの明日ー 女子美術大学 大学院・大学・短期大学部 学生選抜作品展」をご案内します。
さんぽのような気軽な気持ちで展示室をめぐり、みんなで作品を鑑賞しませんか? 作家やとびラーとの交流を楽しみたい方、ご参加をお待ちしています!
※作品の解説は行いません。
※広報、記録用に撮影を行います。ご了承ください。
2017.06.17
「こどもと美術館に行きたいけど、一緒に楽しめるか不安だな」あるいは、「美術館って敷居が高そうだから、家族のお出かけ先としてちょっとね」と思っているパパの皆さま。この企画は、子育てをきっかけに大人達にも美術館を楽しんでもらいたい、美術館をパパとコ(こども)のお出かけ先にしてほしい、というとびラーの思いから始まったのが、「パパトコはじめてミュージアム」というプログラムです。
6月17日、よく晴れた土曜日の午前中に開催しました。今回は、東京都美術館で開催中の「ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル『バベルの塔』展」を鑑賞し、作品を見た感想やイメージからパパとこどもで一緒に絵本をつくり、その発表をしました。4組のパパとこどもが参加しました。
最初は、とびラーから企画の目的と流れの説明です。説明を聞くパパ達の真剣な表情に、とびラーの気も引き締まります。
次に、参加者の方々ととびラーがそれぞれ簡単に自己紹介をしました。「パパとこどもだけで外に遊びに行くことがあまりない」「初めてこどもと美術館に来た」というコメントがありました。
自己紹介も終わり、さぁ展示室へ!・・・とはならないのが、このプログラムの特徴です。まずは、ここで楽しい予習。展示されている作品から、とびラーが事前に選んだ10点の作品を紙芝居で紹介しながら、こども達に問いかけます。「この中の誰が好き?」「この人は何を持っているのかな?」自己紹介の時は恥ずかしがっていたこども達でしたが、とびラーからの問いかけに応えるように、次第にそれぞれの考えを言ってくれるようになりました。やり取りを聞いていたパパや、とびラーが「よく見ている!」と感心したり、「そんな風に見えるの!」と驚く場面も沢山ありました。
表と裏の両面に絵が描かれている作品もあります。本物の作品と同じ様に、紙芝居の両面に絵を貼って紹介してみました。裏面の絵を見られるのはこども達だけ!「何があるかな?」の問いかけに、こども達が「お茶をいれるもの」「カーテン」と答えてくれますが、パパ達には絵が見えないので何が何やら。どんな絵かは、展示室でこども達に教えてもらうことにしました。
紙芝居が終わったら、とくに「本物を見たい」と思った作品を数枚選んでもらいます。以上で予習完了!親子4組それぞれにとびラーがつき、展示室へ移動します。
見えにくいところではパパがこどもを抱っこしたり、作品をみるこどものちょっと後ろでパパは鑑賞したりと、沢山の人がいる中でも思い思いに時間を過ごしてくださっていました。
作品を見た後は、「バベルの塔」展のマスコットキャラクター「タラ夫」にご挨拶。
休憩後、絵本づくりスタートです。パパとこども達で鑑賞を振り返り、選んだ作品にお話や感想をつけて、アルバム形式の絵本をつくっていきます。パパやとびラーにお話や感想を伝える子、お絵かきをする子、作品を台紙に貼ってお手伝いする子、とそれぞれのペースで絵本が出来上がっていきました。
さぁ、最後はみんなの前で絵本の内容を発表する時間です。この頃になると、こども達も場の雰囲気に慣れたのかとびラーと遊んだりしていたのですが、みんなの前で発表となるとパパの後ろでモジモジ。けれど、一緒につくった絵本を紹介するように、ずっとパパと一緒にみんなの前にいてくれましたよ。
参加いただいたパパ達からは、「紙芝居でみた作品は展示室でもしっかりみていたので、紙芝居で予習をして本物を鑑賞するという流れはいいと思った。」「2人だけで美術館に来ても集中力が続かないが、とびラーにも一緒についてきてもらえるので安心だった。」「鑑賞した作品で絵本をつくるのはいいアイデア。夏休みで旅行等出かけた時に、同じように絵本をつくりたいと思った。」との感想をいただきました。皆さん、貴重な休日に「パパトコはじめてミュージアム」に参加してくださり、本当にありがとうございました!
私達とびラーもパパとこども達に教えてもらったことが沢山あり、楽しくも学びの多い、充実した時間を過ごさせていただきました。今回得た気づきを活かし、次回はよりブラッシュアップさせた形で開催できたらと思います。また、色々なお話に出会えたらいいな!
執筆:藤田まり(アート・コミュニケータ「とびラー」)
とびらプロジェクトに参加して一年目の、新米とびラーです。今後も、アートを介して多くの方と素敵な時間を過ごしていきたいです。よろしくお願いします。
2017.04.15
4月15日、本年度第1回目の基礎講座(オリエンテーション)を行いました。
第6期とびラー50人を新たに迎え、総勢132人で本年度の活動がスタートです。
まずはスタッフ紹介から。「とびらプロジェクト」、そして連動する「Museum Start あいうえの」に関わる全スタッフ陣です。
今年で6年目となり、2年目に始動した「Museum Start あいうえの」など、活動の拡がりとともにスタッフの数も少しずつ増えていきました。常勤、アシスタントを含めたこの運営チームが東京都美術館(以下:都美)内のプロジェクト拠点に常駐し、とびラーと一緒に活動しています。
ここからが今回の講座の本題です。年間のはじまりにあたり、プロジェクトについて改めてゼロからみていきます。
まずは「とびらプロジェクト」「Muserum Start あいうえの」のコンセプトムービーを視聴し、次に年間の流れを確認します。春の時点で決まっている講座やプログラム、そしてとびラーのアイディアで動き出していくもの。1年を通したの自身の動き方の予測をたてていきます。
更に、それぞれのプロジェクトのウェブサイトを見ながら、とびラーとしての活用の仕方を学びます。
あいうえののウェブサイトを紹介したのは、スタッフ(プログラムオフィサー)の渡辺さんです。あいうえののコンセプトをより深く知ることももちろんですが、プログラムの参加者である子供たちや家族がどうウェブサイトを活用をしていくのか、また、とびラーの関わり方がどのように紹介されているか、今後あいうえのにも関わっていく上で大切になるポイントを伝えます。
ウェブサイト紹介のあとは、都美、藝大それぞれの歴史や特徴をききます。
都美のお話はアート・コミュニケーション係 学芸員の河野さんから。設立からとびらプロジェクトがリニューアルした2012年までの経緯や、前川国男が設計した建物の建築的な歴史も交えたお話でした。
そして藝大はプロジェクトマネージャの伊藤さんから。歴史はもちろんのこと、なかなか知る機会の無い学部・学科の特徴についてもお話いただきました。
冒頭に視聴したとびらプロジェクトのコンセプトムービーの中には「とびラーは美術館のサポーターではなくプレイヤーとして活動していく」というキーワードが出てきます。とびらプロジェクトでは様々なプログラムや学びの機会が用意されていますが、とびラーはそこに受動的に参加するのではなく、能動的に関わっていくプレイヤーとして活動していきます。とびラーとスタッフ同士、あるいは美術館にやってくる方々や参加者の子供たちと一緒に体験をつくり、一緒に学び合う関係を育み、新しいアイディアもこういった関係性の中から生まれていきます。
都美と東京藝術大学(以下:藝大)との連携ではじまったプロジェクトが、「Muserum Start あいうえの」の上野公園中にある9つのミュージアムとの連携により、とびラーの活動フィールド、そして出会う文化財、人々も広がりをみせている。オリエンテーションの前半部分ではその全体像を把握しました。
オリエンテーションの後半は、新とびラーと2,3年目のとびラーに分かれてガイダンスを行いました。
これから新とびラーのみなさんは6月まで隔週で開催される基礎講座に参加し、徐々にとびラボなどの自主的なの活動などに合流していきます。夏には実践講座やあいうえののプログラムもスタートし、それぞれの関心を中心に動いていくことになります。
今回はとびらプロジェクトに関わる全メンバーの初めての顔合わせということで、夜は懇親会を行いました。
懇親会後の集合写真です。
新とびラーのみなさん、そして4,5期のみなさんも、本年度一年よろしくお願いします!
(東京藝術大学美術学部特任助手 大谷郁)
2017.01.08
本日お話を聞かせていただく、美術学部絵画科日本画専攻4年の石山諒(いしやまりょう)さんです。
■ アトリエ
日本画のアトリエは採光がよい大きな窓と真っ白な壁、掃除の行き届いた綺麗な床の部屋で、5人の学生の方々がそれぞれ畳2畳分はありそうな大きな絵を制作していました。
天井が高く、コンクリート作りの部屋は、夏は暑く、冬は寒そうで製作者には厳しい環境ではないかと思いましたが、膠の安定のために室温や湿度がある程度一定に保たれていて快適だそうです。
制作中の絵画すべてが床に置いてあり、絵画の上に木製の足場を渡し、その上に座って描いている方もいます。その理由は日本画独特の技法にあると石山さんが教えて下さいました。
——–床に置いて描くのはなぜですか?
「日本画は『岩絵具』という鉱物を砕いて作られた粒子状の絵の具を使います。その粉末を『膠(にかわ)』と混ぜ、描きます。そのため、油絵のように絵を立てかけて描くことができないのです。特に今回のように大きな作品の場合は真ん中付近は絵がかきづらいため、足場に乗りながら制作をします。」
■ 卒業制作作品について
深い重みのある緑が印象的な河原の景色、そのなかに数名の男性が描かれています。これからどうなるのだろうと次々と好奇心が湧いてきました。作品についてお話を伺いました。
「今回、卒業制作には自分と身近な人たちを描きたいと考えていました。」
——–描くために大切なことはなんでしょう?
「日本画はスケッチがとても大切です。今回も、何度も河原に行きました。」
貴重なスケッチも見せて下さいました。小さな部分は拡大図として描かれ、観察した時のメモも書いてあります。植物図鑑のような細かいスケッチです。
藝大に入学するまでの石山さんについて伺いました。
■ 日本画専攻を目指したワケ
——–子どもの頃から絵を描くことが好きでしたか?
「落書き程度ですが、幼い頃から絵を描くのは好きでした。近くの絵画教室にも楽しみに通っていましたが、絵を描くことよりも友達と遊ぶことの方が好きな普通の子供でした。ほかの友達に比べて絵をかくことが得意などといった、絵に関して特別なことはなかったように思います。」
——–芸術系という進路はいつ頃決めましたか?
「高校2年生の時に美大受験を決め、夏から美術予備校に通い始めました。その頃はデッサンが本当にヘタクソでした。」
——–東京藝大受験で日本画専攻を選んだ理由を教えて下さい。
「予備校でデッサンの練習を続けていくうちに、より描写する技術について学びたいと考え、物の描写に力を入れている日本画科を目指すのが一番だと思ったんです。藝大入学後はどの人もみんな絵が自分より上手で圧倒されました。下手な人が1人もいないので見ていて楽しかったです。」
——–藝大の4年間で一番印象深いことは何ですか?
「深く印象に残っているのは古美術研究旅行です。奈良の寺社仏閣をめぐり、普段は目にすることができない貴重な作品をたくさん見ることができ、素晴らしい体験でした。」
次に、日本画ならではの制作の特徴についてお話を伺いました。
■ 日本画の制作の特徴
・準備と下書き
① 和紙は水張りや裏打ちなどをして描けるように準備をします。
② スケッチ…まずは描きたいものをよく見てスケッチします。日本画は大きな修正をしにくいのでよく考えて丁寧にスケッチをします。
③ 転写…スケッチしたものをトレーシングペーパーで写し取り、捻紙で和紙に写します。
④ 骨描き(こつがき)…転写したものを墨で線描きすることを言います。
このように絵の具を使うまでに少なくとも3回下書きをすることになります。
・絵の具と膠(にかわ)
次に岩絵の具と膠(にかわ)です。
アトリエでは、1人ひとつずつ道具箱を持っています。これは石山さんの道具箱です。引き出しにはいくつもの岩絵具が入っていました。鉱物を砕いて粒子状になったものは小さなビニールパックに入っています。号数は粒子の大きさを示し、細かくなるほど仕上がりが白っぽくなります。天然の岩絵具はどれもとても高価なので、手ごろな新岩絵具というものもよく使うそうです。
これらの岩絵具は膠(にかわ)という接着剤と混ぜて和紙に着彩していきます。
・盛り上げ技法
よく見ると、作品の白い部分だけ盛り上がっていることに気付きました。これは「盛り上げ技法」という特別な技法で描かれたものです。貝殻を砕いて作った「胡粉(ごふん)」という白色の岩絵具を使います。
確かに和紙から数ミリは高く盛り上がっており、ロウ石のようにすべすべしています。
■ 普段の生活について
現4年生の日本画専攻は25人中男子10名、女子15名。雰囲気も良いようで日本画用の和紙の裏打ちや作品の搬出などもお互い協力してやることも多いと聞きました。石山さんのアトリエも、制作の合間には5人でおしゃべりを楽しむなど仲間の笑顔も印象的な和気藹々とした雰囲気でした。
——–今まで描いた作品はどうなさっていますか?
「作品は全て大切に保存しています。普段は木枠を付けません。日本画の性質上、丸めて保存する事が出来ないのでそのまま置いてあります。」
執筆:東悦子(アート・コミュニケータ「とびラー」)
2016.12.30
2016.12.17
アート×ヨガを愉しむプログラムを東京藝術大学で初開催しました!
透明感溢れる冬晴れの一日に実施されたミュージアムヨガは、高い天井から自然光が燦々と降り注ぐ東京藝術大学陳列館での朝ヨガからスタートしました。そして、キャンパス内の大学美術館で「東京藝術大学大学院美術研究科 博士審査展」を鑑賞し、最後は美術館に併設された緑の眩しいカフェテリアを貸切り全員そろってランチタイム。最初から最後までとても充実した愉しくハッピーな時間を過ごすことができました。
集合写真を初めどのスナップにも参加者、スタッフ、とびラー、皆さまの大きな笑顔が写っていて、このイベントを活気溢れる場にしてくださったすべての方に感謝の気持ちで一杯になりました。
作品鑑賞の醍醐味は、作品を通じて自身との対話を深めることで得られる”気づき“そして”学び“ですが、ヨガも同じで、アーサナ(ポーズ)を介して自身との対話を深めることで体感する“気づき”と”学び“がピースフルマインドの源です。
この2つの親和性に気づいたときに、アート×ヨガは必然だぁー!と、一気にミュージアムヨガの構想が湧き上がりました。ヨガでカラダとココロを解きほぐし、頭だけで考える領域を抜け出して自由にアートを愉しんでみたい。美術館が懐の深い”繋がり“の場になればもっといい、みんなで一緒に食べて笑ってそして自分の言葉で喋れる空間を創りたい!たくさんの想いやアイデアを嬉々として仲間であるとびラーと語り合う中で誕生したのがミュージアムヨガ。東京都美術館×東京藝術大学による「とびらプロジェクト」という母体があり、そこに集うとびラーという多種多様な”つながり“の担い手がいて、初めて実現することのできた企画です。ご参加くださった皆さまと共に“アートを介したコミュニティ”を育む活動の種をまた一つ新たに撒くことが出来たと実感した場でした。この芽吹いたばかりのミュージアムヨガの輪が大きく育つ過程の場に、今後とも皆さまが集ってくださることを切に願いつつ、17日ご参加いただいたみなさまがた方に心より御礼申し上げます、どうもありがとうございました!
執筆:山田佳子、半谷玲代(アート・コミュニケータ「とびラー」)
2016.11.30
【定員に達したため申込受付を終了いたしました。】
東京藝術大学の構内にある赤煉瓦造りのレトロモダンな陳列館でヨガをしてみませんか。呼吸を中心に心身を気持ちよく解きほぐす時間です。初心者の方でも安心してご参加いただけます。ヨガの後は、校内にあるにある大学美術館で展覧会を鑑賞。リラックスした状態で作品と向き合い、そこで起こる“気付き”や“発見”を存分に愉しんでみましょう。最後は、皆で揃ってランチをとりながらそれぞれが味わった作品鑑賞の感想を共有します。ヨガと作品鑑賞で満たされたカラダとココロに優しい、東京都美術館内のレストラン「IVORY」特製ランチボックスをお楽しみください!
展覧会は「東京藝術大学大学院美術研究科 博士審査展」を鑑賞します。
*広報や記録用に撮影を行います。ご了承ください。
*運動のできる服装でお越しください。
*体調管理についてはご自身の責任と判断の上でお申し込みください。
IVORY特製ランチボックス
今回のプログラムでご提供するランチボックスは、東京都美術館のレストラン「IVORY」のオリジナルです。
<メニュー>
・彩り野菜とキヌアのサラダ
・自家製有機野菜のピクルス
・ターメリックを利かせた真ダコのカレー風
・南瓜とほうれん草の豆乳キッシュ
・IVORY特製ローストビーフサンド (フラックスシードパン)
・スモークサーモンのサンド (きなこのパン)
2016.11.10
2016.11.06