開扉したとびラーの声

講座もミーティングも、極論、開催プログラムもこたえがないところで、各々が思うことを述べて形になっていくので、最初はモヤモヤしましたが、徐々に居心地が良くなっていきました。100%正解（ゴール）があるトップダウンの世界で育ってきたので、そうでない世界での自分のあり方や消化の仕方がわからず、最初はモヤモヤしていたと思います。内容についてモヤモヤすることもありましたが、だからもっと知りたい、他の人と話したいとも思いました。
とびラボは、自分から立ち上げもせず、一貫して参加できたものもないのですが、本番参加、ミーティング参加、掲示板で参加等、いつきてもどんな形で参加しても受け入れられる環境はありがたかったです。それを許容していることにも意味があって、他の場にも応用できる場づくりと関わった方全員の人柄は、自分を見直すきっかけになり、学びが多かったです。開扉後も学んだことを活かして、都美以外の場で応用していきたいです。

とびラーになって、世の中には、こんなに色々な人がいて、沢山学ぶべきことがあると知り、狭い世界で生きて来たことを実感しました。多くの素敵な方々との出会いと学びの場に恵まれて、この３年間活動できて本当に幸せだったと今改めて感謝しています。
そのような多くの出会いと学びの中でも、「建築」との出会いと学びが大変有意義でした。建築実践講座での貴重な学び、特に前川國男との出会いはかけがえのない宝物です。そのチャーミングな人柄と建築に対する姿勢にすっかり魅了され、建築ツアーガイドをこころざし、前川建築の魅力を多くの人に紹介したいという気持ちで活動してまいりました。これからも、前川建築について多くの方々に知ってもらえる機会があればと考えています。そのために、「前川愛」を胸に抱きつつ、建築の勉強を続けていきたいと思っています。

決して熱心なとびラーではなかったのですが、3年間の思い出は強烈です。
例えば「とびラボ」。ごりごりのビジネス畑の経験しかなかった自分には、この指とまれで集まったラボの、どこに行きつくのかわからない、ふんわりとした進め方にとまどい…いえいえ、正直イラッとしたこともありましたが、当初想像もできなかった素晴らしい形でまとまってくると、「こんな進め方ができるのか！」と驚きの学びに変わりました。
他にも、屋外彫刻作品の掃除お手伝いのつもりが「触感鑑賞」の初体験になったり、日本聾話学校の生徒さんとの鑑賞でキャプションの重要性を思い知らされたり…、刺激のある体験を沢山させてもらいました。
何より、とびラー仲間たちの多彩、多才ぶりが際立っていて、この出会いが一生の宝物です。自分が何かをやってみたいと思った時に、応援してくれる人が必ずいてくれるという安心感。これからも色々な形でご一緒できると確信しています♪

この「とびらプロジェクト」に参加して一番良かったこと、それはこの3年間でとびラーという素敵な仲間に出合えた事です。
とびラーの仲間たちは皆さんとても優秀で、一緒に過ごしていて刺激になり、勉強になる事ばかりでした。
そして現役とびラーだけでなく、開扉した先輩とびラーとも「とびラー」と言う共通言語で仲良くなれるのもこの「とびらプロジェクト」の特徴の一つかもしれないです。
また3年間を通して「Museum Start あいうえの」に参加することによって、沢山の子供たちに美術館や作品鑑賞を楽しんでもらえるためにはどうしたら良いかを考えてきました。
親でもなく先生でもない第三の大人・・・として、子供たちに安心して美術館を楽しんでもらえるような場づくりを心がけてきましたが、今後も引き続き子供たちと一緒に美術館やアートを楽しむことができる活動をしていきたいと思っています。

私の都美やとびラーとの出会いは、高校生の時にMuseum Startあいうえのに参加したことでした。高校生なので現地集合だったのですが、たまたま人身事故で電車が止まってしまい遅刻してしまったにも関わらず、とびラーの方々は丁寧に一から説明してくださりとても好感を持ちました。そのあと募集のパンフレットを見て私もやってみたいと思い、とびラーになりました。
とびラーになって感じたことは、参加側の楽しみを作るためにとても長い時間とたくさんの労力がかかっていること、そして参加者以上に主催をしているとびラーたちがたのしんでいることでした。初めはMuseum Startあいうえのを中心にやっていこうと思っていましたが、アートスタディールームでちょっとやってみない？と誘われた「とびらボードでGO！」にどハマりし、そればかりをやって過ごしました。毎日色々な企画のお知らせが届き、毎日どこでどんな出会いがあるかわからない本当に毎日ワクワクが止まらないとても楽しい三年間でした。

開扉とびラー（アート・コミュニケータ）との出会いがきっかけで飛びこんだ、とびらプロジェクトの３年間。もう夢中で走りつづけました。
「Museum Startあいうえの」では、子供たちのミュージアム・デビューに寄り添いながら、その豊かな想像力や好奇心にハッとさせられます。一緒に作品を見て、考えて、ことばにする瞬間を共有する、アートを介したコミュニケーションの魅力に引き込まれました。
「トビカン・ヤカン・カイカンツアー」では、参加者との対話を重視したガイドから生まれる、和やかな雰囲気づくりと場の一体感を心がけました。
「とびラボ」で得た数々の経験からは、視野を広げるものの見方と柔軟な発想力を学びました。１人ではできないことも、仲間がいるから助けてくれるしがんばれます。試行錯誤を重ねながら実施に至るプロセスこそ、とびラー活動の醍醐味ですね。
これからも、人との出会いと対話を大切に、自分らしく、そして「しなやか」でありつづけたいです。

何気なく開いた東京都美術館のホームページに「とびラー募集」の記事があり、締め切り間近でよく分からぬまま何だか面白そうと軽い気持ちで応募しました。美術館で「名作と言われる作品」を一人あるいは友人と静かに鑑賞するというのが私の楽しみ方。それが、とびラーの鑑賞実践講座で作品鑑賞しながら自分の感じたことを話すなんて驚きでした。対話型鑑賞の楽しさに目覚めてしまいました。
とびラボはいろいろ単発でも参加しましたが、初めから立ち上げ、ゴールまで走りぬける瞬間もいいものです。一体感が生まれましたね。久しぶりのラボ「とびらボードでGO！」を2020年1月に実施できたことは良かったです。チケット入口のスタッフの方も「待っていましたよ」と声をかけていただきました。とびラボはとびラーのものではなく皆さんに支えられているのだと実感しました。また、建築について全く見識のない私が建築ガイドデビューできたのも皆さんのお蔭です。沢山の出会いに感謝！

とびらプロジェクトに関わってから、都美だけでなく美術館、博物館やギャラリーにも足を運ぶようになりました。街中の彫刻にも足を止めるように。
これまでの自分の生活の近くにも、こんなに素敵な空間や建築、作品があったんだなーと気付くようになりました。
週末の上野が楽しみになり、新しい企画展が来るたびにワクワクしていました。
お酒を飲んでいるときに自然とアートの話をするようになりました。
作品を観て、自分が感じたことが対話というフィルターを通すと更なる発見を生むこと、感じたことを言葉にすることの難しさ、言葉にできたときの嬉しさ、共感できたときのなんとも言えない感じも学びました。
いろんなとびラボにちょくちょく参加させていただき、アートが好きになりました。ついでに人もお酒も。あまりの居心地の良さに眠ってしまったこともありましたが、人生の彩りを豊かにしてくれました。
私と関わっていただいた全ての人のおかげだと思っています、感謝。

「興味ある？深めたい？これでいい？」とびラーの活動でも、日常同様この問いかけを意識して向き合いました。とびラーやスタッフ、プログラム参加者と一緒に時には周りの人の問いを収穫して食べてみて、やっぱり自分の問いに向き合ったかと思うと左隣の人の問いと一緒に深めていたり・・・サクッと言葉にできない、少々面倒臭いけど手元に置いておきたい掘り出し物に出会う感じです。
美術館の館内にとどまらず上野公園を舞台にしたプログラムに参加し、とびラー同士では正解を求めない迷宮自主企画とどれも忘れ難く、その中のひとつを挙げると、問いに寄り添い、子供達の向き合う姿を目撃した「キュッパ部」。子供たちが手に取った物としっかり向き合い、ひとりひとりのまなざしが形となって参加者同士で次の問いを導く姿に釘付けになっていると、1人の子がこっそり紙には書けなかった意味を教えてくれました。ちょっとくすぐったい嬉しさ（内緒と言われているので秘密）。
とびラーって、誰もがひとりひとりの”ここ掘ってみたいな！”が生まれるプロジェクト。とびらの外でも、様々な背景の方と”掘ってみたいな！”が生まれるきっかけづくりをはじめました！

大学では美術史や博物館学を学んでいましたが、実際に美術館をフィールドとして、多様な世代のとびラーや鑑賞者と活動できたことで、さらに深い学びに繋がりました。「特別鑑賞会」では、美術館をさらにアクセスしやすい場所にするために、とびラーのアイデアから消しゴムはんこを押した招待状やiPadを使った鑑賞ツールが生まれました。「スペシャル・マンデー」では子供たちと共に、自分の目で美術の魅力を発見し、言葉を紡ぐことで、かけがえのない鑑賞体験ができました。アートは、人と人との出会いからさらに魅力が広がり、美術館はコミュニケーションの場として多くの可能性を秘めた空間です。高校生の時に参加した「ティーンズ学芸員」から４年間、都美で様々な活動をさせていただき、将来の目標を見つけることができました。これからも多彩な文化とコミュニケーションが生まれる地域づくりを目指していきたいと思います。

とびラーには、美術館デビューする子供と一緒に作品を見て、子供と一緒に新しい発見をする喜びがありました。また、大人向けの展覧会を楽しむプログラムを作り上げ、参加者に喜んでいただいたときの感激もありました。
でも、それらの活動と同じくらい楽しい活動がありました。それは東京藝術大学の学生とつながる活動です。学生へのインタビューでは、作家としての道を踏み出そうとしている学生が、如何に制作に取り組んでいるかを間近で知ることができます。また、藝祭や卒業・修了作品展のなかを一般の鑑賞者と共に見てまわる「藝祭さんぽ」「卒展さんぽ」では、参加者と作者が会話をしてお互いの距離を縮めていくのを見ることができます。
とびラーとして、藝大の学生が作品を生み出す場、学生が作家になる場、学生と一般鑑賞者とが触れ合う場にいあわせることで、アートの楽しみは大きく広がりました。

おっかなびっくりとびらを開けて中に入ってみると、いくつものとびらがあった。DOORなんてものも登場した。こんなにたくさんとびらがあることを知ることができたのは、ここに入ったからこそだ。でもこのとびら、自動では開いてくれない。自分でやってみるしかないのだ。そのとき反対側から同じようにそのとびらを開けようとしている人がいるかも知れない。すんなり開いたとびらの向こう側から、もう一つのとびらが開いてきて出会い頭にぶつかってしまうなんてこともある。一度開けたとびらをすぐに閉めてしまいたいときだってあるだろう。
とびらはどうしてそこにあるのか。そことはどこなのか。とびらの向こうにはどんな景色が広がり、光に満ちているのか、闇なのか。誰がいるのか、いないのか。
どうであれ僕らは、目の前のとびらを開け続ける。もしかすると他の人にはこのとびらが見えていないのではないかなどと不安になりながらも、ノブがあれば手をかけてしまう人間になってしまったのだ。そんな確信だけはある。

とびラーになって嬉しかったことは、アート作品が人の心を動かす瞬間に立ち会えたこと、そして、誰かとともに対話をしながら鑑賞する面白さを知ったことです。プログラムの参加者の発見や感動が言葉になって発せられる時の、ワクワクする場の雰囲気が好きでした。VTS の準備や実践を重ねるうちに多角的に作品を見るようになり、言葉による心のキャッチボールが楽しくなりました。ファシリテーションをした作品や誰かと鑑賞した作品は、特別なものになっています。
個性豊かなとびラーから受けた刺激も、大きなものでした。とびラボでは、心を合わせてアートな何かを生み出していくことを楽しみ、つながる喜びを感じました。「伊庭靖子展でワークショップ」の原動力も、とびラーの熱い思いとチームワークでした。とびラー縁に感謝し、ずっと大切にしたいです。
人とアート作品との出会いがもたらす心豊かな時間は、宝物です。これからも、美術館で宝探しを楽しんでいきたいです。

たまたま手に取った「とびラー募集」チラシとの偶然の出会い。
そこから始まった自身のメタ物語を綴った3年間。それは、終わりの無い旅へと続きます。
作品と人、人と人、人とコト、場と人、こうした様々な「あいだ」に生まれる「わかろうとすること」への面白さ。
それは、私たちが持っているのに気づいていない第7感覚？！を味わいました。
とびらプロジェクトはこうした世界を経験する社会実験の様でした。
「世界は多様性である」で片付けてしまっては、関係性はそこで終わってしまいます。
ここでは、「私にはそう見えないけど、あなたの言葉をもっと聴きたい」という姿勢から出るコミュニケーションが、確かにありました。
素敵な人生のハプニング、それがとびらプロジェクトとの出会いでした。心からのありがとうを贈ります。
また偶然の出会いを通じて、今新たな世界で旅の続きを綴っています。きっと、また何処かで偶然に出会えることを信じて！

とびラーとしての３年間で私の世界が変化した。
絵を観る事・物を作る事も日常にあった。非日常の体験として本物が観られる美術館は楽しく出掛ける所だった。
今美術館は観るだけでなく積極的に関わって楽しむ所へと変化した。そして、それ以上に人の個人の気持ちを大切にする様になった。
とびラーの活動時に「アートを観て感じた事は人それぞれで全てが正しい」この言葉を聞いて私は嬉しく思い、子供たちに伝えて行った。自由な発想で自由に楽しむ、アートは身近な物で心に栄養を与えてくれる物。正解が無い世界でお互いの違いを楽しむ。
そんなコミュニケーション、私は気付いていなかった。

アート・コミュニケーションに出会ったのは大学を留年したタイミング。思えば、あの頃の私は刺々しく、プリント１枚で要約できる講義のために、なんで半日も都美でワークショップをしないといけないの？とモヤモヤしたりしていました（笑）。なのに、なんだか続けてしまう魅力がとびラーにはあって、大学生活と並行して細々と続けていました。
そんなある時、ふっと気付いたこと。
地道な作業や小さくて丁寧なプログラムのひとつひとつを続けることでやっと、世界は変わっていくのかも、ということ。インスタントの調味料じゃなくて、手間暇かけて出汁から作るスープみたいに、とびらプロジェクトは優しくて味わい深い。だからこんなにも多くの人を惹きつけるのかしら、なんて。
私は今、とびラーにならなければ選べなかったような進路を歩もうとしています。とびラーになって出会えたたくさんの人と価値観が背中を押してくれました。

上野駅から都美へ向かう道すがら、周りの人を見て「どこに何しに行くのかな」なんて思ったのが懐かしいです。
出来そうにない事でも、スタッフや皆さんのパワーと魔法にかけられてずっしりと楽しい体験をさせていただきました。
とびラーの ♪面白がることに一生懸命♪ は素敵な宝物。
これからも、一人とびラーを楽しんでいきます！