「とびらプロジェクト」では、美術館をはじめとした文化施設の社会的役割に注目し、さまざまな活動に取り組んできました。この活動から生まれた関心や、私たちが目指す社会の姿について、広く一般の方々と考える機会を設けたいと考え、「とびらプロジェクト オープン・レクチャー」を開催しています。(過去のアーカイブはこちら)
アート・コミュニケータ(とびラー)には、多様な世代、職業背景、さまざまな関心を持った方が関わっています。現在活動中のメンバーにはろう者、難聴者、全盲の方などもおり、常に対話しながら、一緒にできることを模索しつづけています。
今回のオープン・レクチャーでは、とびらプロジェクトと連動する「Museum Start あいうえの」で2年にわたって取り組んできた「みるラボ」に注目します。「みるラボ」では、さまざまな「きこえ」の状況にあるティーン世代の参加者とアート・コミュニケータ(とびラー)が一緒に作品を鑑賞し、手話、口話、筆談、通訳、身体表現などの手段を通して「伝える、共有する」ことへの試行錯誤を重ねてきました。
ろう者、難聴者の生活から生まれた「ろう文化」と、聴者(聞こえる人)の文化は、思いもよらない形で異なり、また共通するところもあります。作品や他者の表現を受け取ったり、自分とは異なる相手に伝えたりするためには、様々な対話のかたちが必要です。異なる生活文化にいる人と協働するとき、どのような工夫や考え方が大切になるでしょうか?
「みるラボ」のプログラムパートナーである南雲麻衣さん(ダンサー / 俳優 / アーティスト)や、手話表現の芸術性に注目してきた森田明さん(学校法人 明晴学園 教頭 / NHK Eテレ「みんなの手話」講師 / NHK Eテレ「手話で楽しむみんなのテレビ」手話演者)、二人のろう者のお話も伺いながら、美術館だからこそ生まれる関わり方、コミュニティとして様々なひとびとがともに取り組めることについて考えていきます。
日時 | 2024年11月17日(日) 13:00~17:00(受付開始12:30) |
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会場 | 東京都美術館 講堂 |
定員 | 220名(事前申込制、先着順) |
参加費 | 無料 |
登壇者 |
森田 明 (学校法人 明晴学園 教頭 / NHK Eテレ「みんなの手話」講師 南雲 麻衣 (ダンサー / 俳優 / アーティスト) 石丸 郁乃 (東京藝術大学 芸術未来研究場 ケア&コミュニケーション領域 特任助手 熊谷 香寿美 (東京都美術館 学芸員 アート・コミュニケーション係長 小牟田 悠介 (東京藝術大学 芸術未来研究場 ケア&コミュニケーション領域 特任助教 |
その他 | 手話通訳、日本語字幕 |
主催 | 東京都美術館×東京藝術大学 とびらプロジェクト |
申込方法 | 申込フォームに必要事項を入力の上お申込みください。 |
森田 明(もりた・あきら)
学校法人 明晴学園 教頭 / NHK Eテレ「みんなの手話」講師
NHK Eテレ「手話で楽しむみんなのテレビ」手話演者
熊本県出身、神奈川県育ち。日本唯一のバイリンガルろう教育を行う私立ろう学校 明晴学園にて学園独自の教科「手話科」でポエム、手話演劇、手話言語の仕組み、プレゼンなどの表現(学習言語)指導を担当。手話ポエム、手話語り話者として数々のろう文学作品を発信している。
2023年放送 NHKドラマ『デフ・ヴォイス ー法廷の手話通訳士』に主人公・尚人の父、荒井敏夫 役でドラマ初出演。
南雲 麻衣(なぐも・まい)
ダンサー / 俳優 / アーティスト
平成元年生まれ。幼少時からモダンダンスを学び、現在は手話を活かしたパフォーマンスや演劇など、身体表現全般に活動を広げる。カンパニーデラシネラ『鑑賞者』出演(2013年)、百瀬文《Social Dance》出演(2019年)など。音声言語と視覚言語を用いた複数言語の「ゆらぎ」をテーマにした《母語の外で旅をする》(2024) 東京都現代美術館で展示。
石丸 郁乃(いしまる・いくの)
東京藝術大学 芸術未来研究場 ケア&コミュニケーション領域 特任助手
Museum Start あいうえの プログラムオフィサー
多摩美術大学美術学部芸術学科卒業。東京都美術館アート・コミュニケーション係での勤務や平塚市美術館での勤務などを経て、2021年よりMuseum Start あいうえの プログラムオフィサーに着任。
熊谷 香寿美(くまがい・かずみ)
東京都美術館 学芸員 アート・コミュニケーション係長
とびらプロジェクト / Museum Start あいうえの /
Creative Ageing ずっとび プロジェクトマネジャー
一橋大学大学院言語社会研究科修士課程修了。民間企業での約10年の勤務を経て、2013年より東京都美術館アート・コミュニケーション事業に従事。2018年には参加体験型の展覧会「BENTOおべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン」、2023年には「うえののそこから「はじまり、はじまり」荒木珠奈 展」を担当。
小牟田 悠介(こむた・ゆうすけ)
東京藝術大学 芸術未来研究場 ケア&コミュニケーション領域 特任助教
とびらプロジェクト / Museum Start あいうえの /
Creative Ageing ずっとび プロジェクトマネジャー
東京藝術大学大学院先端芸術表現科修了。絵画作品を中心に制作活動を行なっている。東京藝術大学大学院先端芸術表現科助手を経て、2021年よりとびらプロジェクトに従事。