東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

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【実施報告】2018藝祭散歩ー今だけのこの時間を分かち合うー

2018.09.20

毎年行われる東京藝術大学の学生の祭典「藝祭(http://geisai.geidai.ac.jp/2018/)」が、2018年は「ほてり」をテーマに9月7日から9日に開催されました。アートを介したコミュニケーションを目指す私たちとびラーは、藝祭に来たお客さまと、作品展示を見て回る散歩ツアーを企画しました。今年は、昨年までの「藝祭さんぽ」から、ちょっと気分を変えて「藝祭散歩」というタイトルに。とびラー10名での実施となりました。

初日7日は、まずはとびラーの私たちが展示作品を味わい、理解するために使うことにし、「藝祭散歩」本番は9月8日にしました。スタート時間は、午後1時、散歩時間は50分の設定です。
とびラーが下見をして設定した「藝祭散歩コース」は、それぞれ特徴のある4コースになりました。

 

Aチームは、総合工房棟のデザインと染織の作品を、アーティストと交流しつつじっくり廻る「ゆったりコース」。
Bチームは、中央棟のパフォーマンスと、彫刻棟の彫刻、大学会館のメディ ア映像を見て廻る「ひらめきコース」。
Cチームは、学内のわかりにくい所にあるけれど光っている展示を廻る「いろいろはじっこコース」。
Dチームは、「御輿レポート(http://tobira-project.info/category/藝祭神輿レポート/)」を制作したとびラーと4基の御輿を見に行く「御輿コース」。

当日は、美術学部校舎正門付近で、12時40分から「藝祭散歩」のビラを配り、参加者を募りました。参加希望者には、「展示散歩」か「御輿散歩」か、のご希望を伺い、各チームに割り振り、参加証がわりのとびラー特製手作り「藝祭散歩うちわ」を持っていただきました。
今回「散歩」に参加していただいたお客さまは22人。午後1時に予定通り散歩開始です。

参加者の中には、とびラー企画の、昨年の「藝祭さんぽ」や今年1月の「卒展さんぽ」(卒業・修了作品展散歩)のリピーターの方が複数名いらっしゃいました。
「昨年参加してみて、藝大生の話が聴けたことがとても嬉しかったし、たくさんある作品の中からとびラーのみなさんが選んでくれたものを見て、とても面白かったから、また参加しました。」とのお言葉をいただき、ご案内するとびラーたちも出発前からテンションが上がります。

素晴らしい作品、その作品を創ったアーティスト、アートを愛する鑑賞者、それを繋ぐ私たちとびラー。
「藝祭」という限られた期間に現れる空間で、1時間弱の限られた時間に、どんな出会いの場を作れるか。
アート・コミュニケータである私たちとびラーも、実はワクワクと同時にドキドキしています。今回の参加者のみなさまにも「参加して良かったな」と思っていただけるような「散歩」にしたいと願いつつ、出発しました。

各チームの散歩の様子を各チームのファシリテーターよりご報告いたします。


<チームA「アーティストに会おう・ゆったりコース」>
(とびラー:原田・鈴木(優)・西原)

チームAはとびラー3名、参加者6名でした。そのうちの1名は、なんと昨年の「藝祭さんぽ」で、チームAのファシリテーシーターのとびラーとご一緒にコースを廻られたリピーター。また、昨年の藝祭だけでなく、2月の「卒展(修了展)さんぽ」のリピーターの方もいらっしゃいました。ご縁を感じます。
チームAは、総合工房棟の展示を3箇所廻ります。

最初に向かったのは、デザイン科修士課程の梶谷文雄さんの作品です。
タイトルは「プルースト」。

5センチ四方の小さな箱が十数個並んでいて、その前に文を書くための細長い冊子とボールペンが置かれています。小箱の上蓋の四隅には丸い穴が空いています。それを見た来場者は、「えっ?この作品はどういうものですか?」と少し戸惑っていました。
作品「プルースト」は、香りを嗅いで、その香りにまつわる記憶を自分の言葉にして書き残していくという、参加型の展示でした。
フランスの文豪、マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』の中で、主人公がある香りを嗅いだことでそれにまつわる記憶が呼び覚まされるという体験をすることから、こうした心理現象を「プルースト効果」と呼ぶようになったそうです。
香りと無意識的記憶、つまり、嗅覚と脳の関係を体験する作品であることを知った参加者のみなさんは、それぞれが小箱を手に取り、蘇った記憶を書きはじ始めます。


「祖父の家の畳の匂いだ。」「昔のお祖父さんのお家の記憶が蘇ったのですね。その時のお祖父さんの笑顔まで思い出されたりしますか。」「そうですね。」参加者ととびラーのやりとりです。「同じ香りでも蘇る記憶はそれぞれ違いますね。」「他の人が書き留めたことも自由に読めるようになっているので読んで見てください。」梶谷さんが勧めます。
下見の時に、梶谷さんは、「同じ香りを嗅いでもそれぞれの受け止め方や記憶があることを知り、それぞれの大切にしているものが異なっていることが分かったり、その異なっていることがまたいいのだと気づけたりしたらいいと思う。」とおっしゃっていました。

香りを嗅ぐという体験が作品世界に入り込みやすかったのか、みなさんの心が柔らかくなっていく感じでした。参加者の方から質問が投げかけられるようになります。
「小箱には、番号とかABCとか記されていませんが、なぜですか。」  「最初、それも考えましたが、やはりそういう番号などをつけない、ただの同じ形の箱のほうがいいと考えました。」
何のラベリングもされてない箱の方が、香り自体の存在感を際立たせるのかもしれません。同じ箱が違う何かを生み出します。

梶谷さんの大切にされていることを下見の時に伺いました。
「作ったり考えたりして、それが形になっていく(この展示では言葉になっていく)ことが、自己肯定につながる。そういう行為を通して自分自身の存在について知っていくことができるのではないか。」
1月に開催された卒展では、「愛のかたち」というタイトルで、いろいろな色や形のピースを鑑賞者が組み合わせて「自分の愛の形」を表現するという参加型の作品を展示された梶谷さん。
「心の中にあるものを、遊ぶという行為を通して形にしていく」というコンセプトが、今回は、香りという、目に見えないモチーフで記憶を呼び覚ますという作品になっていました。こうした1人のアーティストの活動を継続して見ていけるのも、とびラーの楽しみです。この先はどんな展開になるのでしょう。
美大受験を目指すお子さんのいらっしゃる参加者の方から、「どうして藝大を目指そうとしたのですか。」という問いも出て、高校時代からのご自身の思いや経験を率直にお話しいただけて、みなさん感動されていました。藝大生のアーティストという存在と参加者との距離がグッと近くなったように感じた瞬間でした。

 

次に向かったのは、デザイン科4年の岡田夏輝さんの作品。
岡田さんは、サンバ部の元部長で、今年もパレードなどで太鼓を叩いて大活躍されている方です。
作品は「machinery」と「Moto Dress」
バイクのエンジン部分のデザインと女性用の革のライダースジャケットの作品です。

技術がどんどん進み、バイクも性能重視で機械部分がスマートになる中で、岡田さんにはバイクのデザインへのこだわりがあるそうです。
「速さや機能を重視して流線型の滑らかなものが増えてきているけれど、やはりバイクの持つ、メカのゴッツイ感じを表現したいのです。逞しくて強そうなイメージのエンジン部分のデザインを今制作していますが、最終的には卒業制作としてバイク全体を作って行きたいです。」来年の卒展では、岡田さんがそのバイクに乗って走る姿を映像に撮り、バイクの展示と合わせてその映像が見られる予定だそうです。
厳ついバイクとは対照的な優しい笑顔と温かい口調に、みなさんも和やかな雰囲気になっていました。

ライダースジャケットは、バイクに乗る女性が着る美しいジャケットがあまりないので制作したそうです。女性らしさを出すために、柔らかい革を帯状に切ったものを鎧のように幾重にも繋ぎ、バイクに乗った時に風に吹かれてたなびく姿を考えたデザインになっています。後でわかったのですが、参加者の中には、かつてライダーだった女性もいらして、「昔バイクに乗っていたのでとても興味深かったです。昔にあんなジャケットがあったら着てみたかったです。バイクの完成も楽しみですね。」という感想をいただきました。

最後には、美術研究科博士課程工芸研究領域(染織)の大小田万侑子さんを訪ねました。
作品は、藍型染「やまとのはじまりのうた」です。

『古事記』がテーマで、神様の始まりから神武天皇までのお話から12話を選んで、鳥の羽根の中に散りばめた大作です。
作品の前に立った瞬間に「わぁ〜」というため息が漏れ、言葉も発しないまましばらく作品に見入っている参加者のみなさんでした。
「どのように染めているのですか」という問いが出たので、大小田さんから、藍であらかじめ染めておいた布に、彫り上げた型紙を載せ、脱色効果のある糊を置いて色を抜いていく「抜染」という手法について説明いただきました。

「孔雀のような鳥の中にお話を描きたいと思ったのはなぜですか。」
「鳥の羽根の模様を見ていて、植物の成長と似ているなあと感じたからです。」
孔雀の羽根がどんどん上に重なって伸びやかに描かれていく作品は、確かに成長していく植物のようにも見えます。一つ一つの羽根の中には、細密で繊細な美しい線で彫られた神様たち、シダや薔薇などの植物、魚や貝殻などたくさんの生命が宿っています。

「見ているだけで幸せな気持ちになりますね。」
そのような感想を抱くのは、描かれている生命のそれぞれが、明るく生き生きとしていて、エネルギーに満ちているからでしょう。鑑賞している参加者のみなさんの表情もキラキラ輝いています。
「この神様はどんな神様ですか」雨の岩戸、猿田彦、やまたのオロチ、海幸山幸、キクリ姫、コノハナサクヤ姫…。参加者の皆さんは興味深そうに説明を聴きながら頷き『古事記』の世界に想いを馳せているようでした。
幼い頃からお母様に絵本の読み聞かせをしてもらっていたという大小田さんは、『古事記』のお話を言葉の響きから自由な発想で作品に表現していくのだそうです。お話そのものの忠実さを追求するのではなく、モチーフとして自分の作品世界に登場させたいものを選び、想像を膨らませつつ美しい姿を生み出して描いているようです。

 

大小田さんとは、とびラーが昨年秋に藝大生インタビュー(http://tobira-project.info/blog/2017_okoda.html)で取材させていただいて以来の繋がりです。「細かい下書きをほとんどしないで、デザインカッター1本で、このように繊細な表現を彫っていくのですよね。」ととびラーが話すと、参加者のみなさんは驚嘆されていました。
「いろいろなお話や生き物が描かれていて本当に面白いですね!」「見ているといろいろな発見がありますね!」と参加者からの言葉が次々と発せられます。

 

デザインカッターを握る指先に、まるでアートの神様が宿ったかのように、美しく生き生きと彫られた線。線だけの表現で、生きとし生けるものの生命の輝きを描くことを追求しているとのことでした。
参加者の感想には、こんなものがありました。「私も染めが大好きで、作家になりたいと思っていました。あの作品を1ヶ月で彫り上げるとは…すごいです。是非とも大作家になってください!」
最後にサプライズとして、ファシリテーターのとびラーが「実は、私たちとびラー3人が、今、スカーフのように身につけているこの藍染の手ぬぐいは、大小田さんの作品ですよ!」と上野公園のアート・マーケットで手に入れた藍染の手ぬぐいを紹介しました。

参加者のみなさんには、出会った作品や作者への感想をカードに記していただきます。このチームは、「リブ居間(Living roomまたは居間)」という藝大生作曲のBGMが流れ、建築科が設計した椅子のある、アートな空間(休憩室)で書いていただきました。その中に「まあ、なんと素敵な作品!ではとどまらず、見惚れながら奥の深さに感動しました。」という感想もありました。
とびラーに対しても、嬉しいお言葉を頂戴しました。「3つの作品がそれぞれ全く違った趣で面白かったです。セレクトが良かったですね!」「また卒展修了展でもこのような散歩は企画されるのでしょうか。1人で見て廻るよりも面白いので、また参加したいです。」
とびラーとしても素敵な出会いに感謝しています!

 

<チームB「ひらめきコース」>

(とびラー:東濃・市川・府川)

チームBに参加いただいたのは、ご近所に住んでいるけど初めて藝大の構内に入られたご夫婦、美術館めぐりが好きなご夫婦、藝大と仕事のつながりがある男性の5名です。

 

最初に、中央棟2階の人気パフォーマンス「おく」にご案内しました。人だかりの中、プレイヤー2人の緊張感溢れるバトルを見学。参加者の方から早速「人間関係を感じた。」という言葉が発せられます。
その後、裏口を抜けて、出展数、作品の質がともに充実している彫刻棟へ。まず、皆さんにお気に入りの作品を見つけていただき、その作品の前で感想を述べていただきました。

 

白い大理石で等身大の少年(少女?)の胸像を制作する作家、堀内万希子さんに出会いました。頭の上にハムスターを載せています。堀内さんにお聞きすると「小さな動物と友達になれる優しさ、純粋さを表現したかった」と説明してくださいました。「大理石の彫刻、とてもあたたかく感じました。」そんなお話をしながらの鑑賞となりました。
超迫力満点!の御輿を見ながら美術学部の正門を出て、音楽学部のキャンパスに移動しました。こちらにも烏天狗と白龍が向き合う御輿があります。移動中にも大作をみることができ、参加者はちょっと得した気持ちになったようです。
最後は、大学会館2階にある映像の展示です。ご年配のご夫婦が「散歩が終わったら音楽学部に行きたい。」と言われていたこと、だれかに教えてもらわなければ行かない「穴場」で涼しいこと、などが最終目的地にした理由です。
みなさんに感想のカードを書いていただいて一旦解散。

 

そして「もっと見たい」という参加者の方のために用意した、中央棟1階「終わるべき芸術のための一音展」へ向かいました。
人のあらゆる表現、音までも、強力なラップで包み込む作品。作家の陣川樹さんから強い衝動が伝わってきます。陣川さんがつくった表現を包むための機能と展示するための機能が一体化した装置は、両手を広げていて、そこから大量のラップが発射、噴出され、ドラム一式が天井近くまで絡め取られたように伸びていっています。このドラム一式は、ライブのたびに包を解いて会場に行き、またここに戻ってきて陣川さんに巻かれます。表現を束の間だけ閉じ込め、そして開放が繰り返されることで、躍動しているように思えました。

 

最後に「どんな表現でも包めますか?」の質問に「もちろん」。「では、この団扇は?」「では、手から団扇まで包みましょう」と言って包んでもらったのがこの写真です。

参加者の男性からは「とびラーっていいですね。私もなれますか?」などのお話があり、楽しく会話して、今度こそ本当に解散しました。

 

 

<チームC「いろいろはじっこコース」>

(とびラー:鈴木(重)・鈴木(康))

チームCは、とびラー2名、参加者6名です。参加者は、「藝祭」の経験がある方、初めての方、藝大生の親御さんなど、「藝祭」との距離は様々ですが、みなさん学生が制作した作品に興味があるご様子。

最初に、絵画棟の奥まった階段を登った2階の廊下に展示されている「はんが・がろう・ろうか」の版画作品に向かいます。そこには作家の田沼可奈子さんと、宮下咲さんがいらして、それぞれ作品についてお話をしてくださいました。田沼さんの作品は、2人のキャラクターが恋に落ち、向かい合って見つめ合う立体作品です。

田沼さんのアイデアとして、現代の版画は、版で紙に擦るだけでなく、写すことに意味を見出すというお話を聞きました。参加者のみなさんは、瞳にお互いが映し出される姿がすばらしいと、話し合っています。宮下さんの作品は、エッチングで擦られたルーズリーフに、さまざまなノートへの、落書きのようなものをモノタイプした作品。「私は直接描く作品は作らないんです」と宮下さん。「ここにあるのは何?」と参加者間でも話が弾みます。みなさんの雰囲気もだいぶ打ち解けてきました。

 

次に行ったのは、同じ絵画棟の8階の端の部屋「アルコル」の展示。
ここでは小山昌訓さんに作品についてお話していただきました。そこには、科学の研究者のメモのような紙が何枚も無造作に貼ってあります。よく見ると文字が読めない、「何語?」なんと小山さんが作った文字。何やら強い生物を作りたいという架空の研究のようです。小山さんの危ない世界に、参加者は、「これは何?」と興味津々。後で参加者からいただいたコメントには、「小山さんの世界をゆっくり味わいたい。」とありました。

 

時間が押してきたので、ちょっと急いで、こちらも大学会館2階の「Film and New Media」の展示室へ。

ここでは、遠藤紘也さんと、金井啓太さんにお話を伺いました。遠藤さんは、音と映像の時間をずらしディスプレイに映し出す映像作品。金井さんは、自らの身体をつかって蚊を採集する様子を、ビデオ、写真、標本状のパネルで示す作品。参加者のみなさんは、発想のおもしろさに感心し、作家さんへの質問も続きました。
ここで散歩は解散となりましたが、参加者と作家、参加者同士、そして参加者ととびラーの会話が盛り上がり、参加者のみなさんは満足そうなご様子でした。

 

 

<チームD「御輿コース」>

(とびラー:藤田・木村)

昨年の「藝祭さんぽ」御輿コースに参加してくださった方が、今年も来てくださいました。各御輿の前にいる学生にストーリーや作り方について聞きながら、御輿を隅々まで味わうコースです。

見事に仕上がっている4基の御輿を順にめぐります。
・デザイン・芸術学・作曲・弦楽器チーム

・工芸・日本画・楽理・邦楽チーム

・建築・油画・声楽・指揮・打楽器・オルガン・古楽チーム

・彫刻・先端芸術表現・管楽器・ピアノ・音楽環境創造チーム

藝祭御輿を見るのは今回が初めて、という方も数名いたのですが、発泡スチロールで作られていることや、制作期間は1ヶ月あるかないかだということを、学生から聞き、とても驚いていました。

最初は、とびラーが学生に話しかけて御輿について聞き、参加者はそれを聞くというスタイルでした。しかし、2基目の途中からは「聞きたい!」という気持ちが強くなったのか、自分から話をしにいく方があらわれるように。それ以降は各々好きなタイミングで話をしに行っては、また御輿を見に行き…といつのまにか自由なペースで鑑賞やコミュニケーションを楽しめるようになっていました。おそらく、御輿に対する驚きや学生に対する緊張などがなくなっていったからかと思いますが、自分流の楽しみ方を見つけていただけているのなら嬉しいなと思い、見守っていました。

パフォーマンス(御輿パレードや開口一番)が前日にあったことを知り、観なかったことを悔しがる方もいて、「来年は初日午前から来ます!」とおっしゃっていて、御輿ファンが増えたことが嬉しかったです。
散歩終了後、「やっぱり御輿は学生達の話を聞かなくちゃね!」と笑顔で帰っていかれました。

 

参加者のみなさんからの感想カードを渡しに行ったら、どのチームの学生も驚き喜んでくれました。まさかメッセージまでもらえるとは思っていなかったようです。LINEグループで共有させてもらいます!というチームが多く、すぐにチームに共有してもらえたようで、嬉しく思いました。
「藝祭散歩」は、学生、参加者、とびラーに何かしらの出会いや発見があり、お互いにとっての刺激にもなって、意義深い企画だなぁ…と改めてその良さを感じました。

 


以上、各コースの様子でした。

 

楽しい時間はあっという間に過ぎ、「藝祭散歩」も終了、解散となりました。
「また次も、散歩に参加します。」とおっしゃってくださった方も多かったようです。参加者のみなさまの笑顔が印象に残っています。
アーティストと話をすることによって、その作品が近いものに感じられたり、感動が深くなっていったりする、そんな参加者の心の動きも肌で感じました。

 

散歩の終了時に書いていただいた感想カードをアーティストの方々にお届けしたところ、「みなさんに見ていただいて作品についてお話しできて本当に嬉しかったです。」「これから卒業制作(修了制作)に取りかかるので、それも是非見にきてください。」というお言葉をいただきました。
私たちとびラーが心を込めてアーティストとその作品の魅力をお伝えしようとすることを、このように楽しみにしてくださる参加者のみなさまとアーティストの方々がいらっしゃることが分かり、改めて「藝祭散歩」実施をして良かったなあと感じています。
「散歩」活動を通して、アーティストとの繋がりが出来て、その活躍を応援し続けていくのは、とても楽しいことです。アーティストと参加者ととびラーとが、アートを前にして何かを発見し、アートの魅力やお互いの感じ方に素晴らしい刺激を受け合うのが、「散歩」の醍醐味ではないでしょうか。

「アートを通して今だけのこの時間を分かち合う」、そんな出会いの場をこれからも大切にしていきたいです。
素敵な時間を共に過ごしてくださったみなさまに心より感謝いたします。
ありがとうございました。

 


執筆 原田清美<チームA報告&まとめ>・東濃誠<チームB報告>
鈴木重保<チームC報告>・藤田まり<チームD報告>
写真 峰岸優香(とびらプロジェクト アシスタント)
鈴木優子・西原香・原田清美
編集 峰岸優香(とびらプロジェクト アシスタント)、

原田清美(アート・コミュニケータ「とびラー」)
とびラー2年目です。とびラーの一員として活動し、アートを通していろいろな人々と繋がり、いろいろな感じ方や考え方を知ったり、ワクワクする発見をしたり、感動を共有したりして、世界が広がっていくのをとても嬉しく思っています。

【9/30開催!参加者募集中!】あなたのフジタをフレーミング ー お気に入りの藤田嗣治作品にオリジナルフレームをつくろう

2018.09.18

藤田嗣治は画家であり、「手しごと」の人でもあったことをご存知ですか?
彼は身の回りの物を自ら手作りし、日々の生活を彩っていました。木製のハンガーや衝立、小物入れなど。額縁を自分で作ることもありました。
このワークショップでは、まず藤田お手製の額縁がついた実際の作品を鑑賞します。
作品や額縁のモチーフなどについておしゃべりしながら、鑑賞を深めましょう。
鑑賞のあとは、身近な画材を使って、藤田作品のポストカードに合うあなただけのオリジナルフレームを作ります。
 

日時|2018年9月30日(日)9:45 – 12:30(9:35 受付開始)
会場|東京都美術館 交流棟2階 アートスタディルーム、「没後50年 藤田嗣治展」展示室
受付場所|東京都美術館 交流棟2階 アートスタディルーム
対象|18歳以上
定員|12名(先着順・定員に達し次第受付終了)
参加費|120円(ポストカード代金)※別途「没後50年 藤田嗣治展」観覧料が必要です。
申込方法|以下の専用フォームからお一人ずつお申し込みください。

 
 


 
※参加には事前申し込みが必要です。
※定員に達し次第、申し込みの受付を終了いたします。
※「没後50年藤田嗣治展」の展覧会チケットが必要です。事前にご準備ください。
※ポストカード代金120円をお釣りのない様、ご準備ください。
※本プログラムでは展示室での滞在時間が限られています。(35分程度)
※広報や記録用に撮影を行います。ご了承ください。

【開催報告】ヨリミチビジュツカンでBon Voyage!『プーシキン美術館展―旅するフランス風景画』

2018.07.06

2018年7月6日、『プーシキン美術館展ー旅するフランス風景画』にて、ヨリミチビジュツカンを開催しました。事前申込制で、11人の方にご参加いただきました。

 

ヨリミチビジュツカンは、2013年にはじめて開催され、仕事や学校帰りに、気軽にふらっと、美術館に寄り道してほしいという思いから、金曜夜に不定期に開催されてきました。とびラーと来館者が対話をしながら展示室をめぐり、人と人、人と作品が出逢う素敵なプログラムです。今回は、約1年ぶりの開催です。

 

プーシキン美術館展は、65点の風景画が展示され、美しい風景をめぐる『旅』がテーマです。ヨリミチビジュツカンでも、『旅』をテーマに3つのグループで展示室をめぐりました。

 

3つのグループ名は、こちらです。

1.藤田観光

2.ツール・ド・ヤス

3.クラブKHM

ご一緒するとびラーメンバーの名前をつけて、旅行会社のような名前にしました。

 

まず最初に、各グループごとに旅をともにする仲間と出逢います。自己紹介を兼ねて「最近行った、または印象に残っている旅先」について紹介し合いました。

自己紹介が終わったら、さぁ、いよいよ、旅の始まりです。

Bon Voyage、良い旅を。行ってらっしゃいませ。

ツアーの構成は、3部構成になっていて、序盤はグループで作品をみる時間、中盤は1人で作品をみる時間、終盤はカフェタイムです。

 

まず、序盤のグループで作品をみる時間です。

3つのグループで違う作品をみました。それぞれのグループでどんな旅になったのでしょうか。

 

藤田観光 コンスタン・トロワイヨン《牧草地の牛》(1850年代)を鑑賞中です。

「牛たちが平和そう。」

「柵が描かれているけれど、満たされているように見えるので絶対に逃げなそう。」

という発言がある一方で、

「空の一部分が曇っているから、平和な時間も長くは続かなそう。」という気づきも。

 

こちらは、ツール・ド・ヤス。 モーリス・ド・ヴラマンク《小川》(1912年)を鑑賞中です。

「手前の木々は、何か暗くて、不気味で、人の気配が感じられない。」

「遠景には、明るい色彩で家が描かれていて、救われる。」

「風が吹いているみたい。ざわざわとした音が聞こえるよう。」

など、いくつもの作品の見方が積み重なっていました。

写真には鑑賞している作品が写っていませんが、どんな作品をみているか、想像してみてくださいね。

 

クラブKHM  アンドレ・ドラン《港に並ぶヨット》(1905年頃)を鑑賞中です。

「描かれている人たちが何をしているのか気になる。」

「網かな。」「何か干しているのかな。」「赤と青で表現されているのは魚かな。」

時には旅のアイテム、アートカードでも確認しながら、一緒に想像を巡らせています。

 

ここでは、一作品ずつのご紹介ですが、各グループで違う作品を3作品ずつみました。

 

旅の中盤は、1人で作品をみる時間です。

「あなたにとっての旅の風景画」をテーマに1作品を選んできてもらいます。

選んだ作品番号やタイトルだけではなく、感じたことをメモしてくれている方もいました。

また1作品だけではなく、たくさん選んできてくれた方もいました。

 

そして、旅もいよいよ終盤。旅の仲間と再会して、カフェへと向かいます。

旅の道中も各々がみてきた景色に話がつきません。

お茶とお菓子で旅の疲れを癒しながら、カフェタイムの始まりです。

図録で作品を確認しながら、1人1人が選んできた「あなたにとっての旅の風景画」について話しました。

「自分も英雄となってこの絵の中に入りたい。」

「この絵の中で、お弁当を広げて、ピックニックがしたい。」

「自分が実際に行った旅を思い出した。」

等々、「あなたにとっての旅の風景画」を選んだ理由は様々です。

全体での共有の時間では、グループでみた作品の話題にもなり、他のグループがみた作品も気になるというコメントも。

最後は、1人1人が選んできた「あなたにとっての旅の風景画」をグループだけではなく、全体で紹介し合って終わりました。

 

「モネの時代の作品はよくみてきたけれど、それより昔の作品は、教科書でもあまり見たことがなくて、新鮮だった。」と、作品との新しい出逢いについてや、

「『あなたにとっての旅の風景画』をテーマに、作品を見る時間が新鮮だった。好きな作品をみがちだけれど、テーマがあるとそれに合うようなものを探す。好き嫌いとは、また違う軸で見るというのが新鮮だった。」

等、ヨリミチビジュツカンのプログラムについての感想もいただきました。

旅のお土産、ラベンダーの良い香りで、余韻にひたるなか、旅は終わります。

皆様のおかげで、私たちもたくさんの発見と出逢いがあり、とても楽しい旅ができました。

ご参加いただいた方々、参加はできなかったけれど、応援してくれた方々、誠にありがとうございました。皆様の次の寄り道を心よりお待ちしております。


執筆:有泉由佳子(アート・コミュニケータ「とびラー」)

とびラーから海外とびラーへ。もうすぐベトナム!Hẹn gặp lại nhé!!

執筆協力:北田郭時、藤田まり、鈴木康裕、木村仁美、大谷聡子

 

【開催報告】「マインドマップで味わうアート」をプーシキン美術館展で開催しました!

2018.06.17

2018年6月17日 日曜日の午後、事前に申し込みいただいた参加者の方々をお迎えして「マインドマップで味わうアート」を開催しました。

 

ビジネスや教育の現場で定着しつつある、マインドマップの手法を活用しながら作品の鑑賞を楽しみ、発見して、誰かと語り合おうという、「対話を通した作品鑑賞xビジネスツール」の新しい体験の試みです。

 

作品と向き合う中で生まれた自分の考えや気づきを、マインドマップを使って整理してみることで、鑑賞で感じたことを少し時間が経っても思い出すことができます。それをさらに言語化して家族や友達に伝えることができれば、鑑賞の体験がより深まるのでは?という期待感をもって準備を重ねていきました。

プログラムは、参加者の皆さんに、都美のアートスタディルームに集まっていただき、マインドマップを描いて自己紹介をすることからスタート!
進行役のとびラーが、自分の自己紹介をしつつ、マインドマップの描き方の基本をお伝えします。

マインドマップを描くのは初めて!という方もいらっしゃいましたが、思い思いのマップには、その方をあらわすキーワードが散りばめられていて、既に、コミュニケーションを後押しているように感じました。

マインドマップが初めての方にも参考になるよう事前に用意した、とびラーの自己紹介マップ

▲マインドマップが初めての方にも参考になるよう事前に用意した、とびラーの自己紹介マップ

 

次に「プーシキン美術館展」を鑑賞するための基本情報を、マインドマップを描きながらキーワードやイラストを交えて説明しました。

プーシキン美術館とは?フランス風景画とは?

そして皆さんそれぞれが展覧会で発見したり、感じてみたいこと(マイテーマ)は?

その後、展覧会の各章のテーマとキーワードに紐づけて、15枚の作品がどの章に属するのかを推理して選んでいただくというゲームをしました。

ここでも、作品のどこからそう判断されたのかや、自分はどの作品が気になる、など、自然に参加者の皆さんの間で会話が始まっています。

 

ゲームの後は、今日じっくりと鑑賞したい1作品を選びます。

次に、今回の参加者の皆さんも楽しみにされていた対話を通した鑑賞を体験していただきます。

今日取り上げた作品は、プーシキン美術館展に出品されているクロード・モネの《草上の昼食》(1866年)です。

「仲がよさそうなグループだけど、右端に一人、輪に入れない男の人がいる。」

「飲み物はワインだけだろうか?」

 

少人数のグループだったので、皆さん、自由に発言をされていました。

今回の参加者の皆さんは対話を通した鑑賞への関心が高い方も多く、

その説明にも興味をもっていただいたようです。

 

その後、いよいよ、展示室へと移動します。

 

まずは2つのグループに分かれて、案内役のとびラーと3フロアから成る展示室を一巡。その間にも、先ほどゲームをした作品を見つけると、参加者の皆さんの足が止まり、大変熱心な様子が伝わります。とびラーが見つけた各章の面白い見所などについても会話が弾みます。

 

それぞれのグループごとに、時間をとって1作品を鑑賞します。

1グループはルイジ・ロワール《パリ環状鉄道の煙(パリ郊外)》(1885年)、もう片方のグループはピエール・ボナール《夏、ダンス》(1912年)。どちらも見ごたえのある大作です。

その後は、マインドマップを作成するための個人での鑑賞の時間です。

それぞれがもっと見たいと思った作品のもとに向かい、発見や気づきをメモしてきます。

 

その後、アートスタディルームに戻り、本日の鑑賞をもとにマインドマップを作成します。

約30分、カラーペンを使って思い思いにまとめていきます。

最後に、描き上げたマインドマップを見せながら、今日の鑑賞体験を一人ずつ発表していただきました。

「絵の緑が非常に美しくて印象深かった。」

「私は、展覧会を見て“道“をいう言葉が浮かびました。」

「展覧会を通していろんな“旅”があることが分かった。」

その他にも、キュレーションに関心があるというご意見や、とびラーがこの企画実施にたどり着くまでの過程の“旅”に参加できてよかった、という励ましのメッセージまでいただき、大変感動しました。

 

プログラムはこれで終了。

 

実施後のとびラーのふりかえりでは、今回の参加者のみなさんの様子を思い返しながら、時間配分や、描いたマインドマップの共有方法についてを話し合い、マインドマップというツールと対話を通した鑑賞の融合について考える時間を持ちました。

参加者の皆さんが回答してくださったアンケートでは、

「マイテーマを持つことは面白い」

「想像を超えて楽しかったです!マインドマップが思考の整理、記憶の定着、意識の向け方に役立ちそう。」

「会場で少し説明が欲しかった。」

「対話型鑑賞を会場でもう1点できるとよかった。」など、

具体的によかったところや改善の余地がある点があきらかになりました。

今後のプログラムづくりにぜひ活かしていきたいと思います!


執筆:中元千亜樹(アート・コミュニケータ「とびラー」)
大人も子供も作品について語り始める時のキラキラした表情をみるのが、とても好きです。
お気に入りの美術館はTate Modern(英国)Kiasma(フィンランド)。

【開催報告】iPad@プーシキン美術館展“障害のある方のための特別鑑賞会” 開催しました。

2018.05.28

2018年5月28日、「プーシキン美術館展ー旅するフランス風景画」障害のある方のための特別鑑賞会で、「iPad@プーシキン美術館展」を開催しました。

iPadを使ったプログラムはこれまでの「障害のある方のための特別鑑賞会」でも、「視覚に障害のある方も車椅子の方も、作品を見ることを楽しんでもらいたい」という思いで、とびラボとして企画、実施されてきました。

作品の画像データを取り込んだ東京都美術館のiPadを持ったアート・コミュニケーター(以下とびラー)がそれぞれの階の展示室内に2名程度滞在し、iPadの画面上で画像を拡大したり、手元で見せることで、より鑑賞を楽しんでいただけるようにする鑑賞サポートプログラムです。

「この絵のこの色が良く見たかったの」と具体的に見たいものをとびラーにお伝えしてくださる方や、「杖をついていると絵の近くまで寄りづらいから、こうして見せてもらえるのはありがたい」との言葉や、「これは何が描かれてるの?」とiPadで拡大した画像と本物の絵を見比べながら、それぞれ思っていたものとの違いを楽しんだり、絵について話しているうちに、美術館へ来ることへの思いを話してくださったり。さまざまなコミュニケーションがうまれる場となりました。

今回、このプログラムに参加したとびラーは25名。「喜んでもらえたのが嬉しかった」「お話し出来たのが楽しかった」と、とびラー自身も楽しんでいました。

絵画を鑑賞することは個人的な経験になりがちですが、iPadという道具を介して、作品×人のコミュニケーションがたくさん生まれる機会となったことは、とびラーにとっても発見でした。

障害がある、ないに関わらず、「心のゆたかさの拠り所」を目指す東京都美術館で、このような場があることが改めて素敵に感じました。

次回の障害のある方のための特別鑑賞会では、どんな出会いがあり、どんなコミュニケーションが生まれるのか、ワクワクしています。 


執筆:今村 昭浩(アート・コミュニケータ「とびラー」)

アート×福祉×地域を探求すべく、とびラーとなって、早3年目。アートを通じて、人がつながる機会があちこちで生まれることを目指して、奮闘中です!

【当日参加OK!】「藝大卒展さんぽ」【参加無料】

2018.01.19

 

アート・コミュニケータ(とびラー)が、東京藝術大学卒業・修了作品展をご案内します!
学生生活の集大成である作品があふれる藝大キャンパスや東京都美術館をとびラーと「おさんぽ気分」で巡ってみませんか?
みんなで作品をみて感想を共有してみたり、藝大生とお話して作品のコンセプトや思いに触れてみたり。新しい発見や出会いを一緒に探しに行きましょう!
藝大生やとびラーと交流を楽しみたい方、ご参加をお待ちしています。

昨年度の「藝大卒展さんぽ」の様子はコチラをご覧ください。

 

第66回 東京藝術大学 卒業・修了作品展 特設ウェブサイト

日時|
①2018年1月28日(日)14:00〜15:00
②2018年1月29日(月)14:00〜15:00
③2018年1月31日(水)14:00〜15:00
④2018年2月1日(木)14:00〜15:00

会場|東京都美術館・東京藝術大学「第66回 東京藝術大学 卒業・修了作品展」会場
参加費|無料
対象|どなたでも
定員|各日定員5名程度(先着順・定員に達し次第受付終了)
(※1月28日(日)のみ10〜15名程度)

★参加方法|当日のプログラム開始10分前より、下記集合場所にて受付を行います。
★集合場所|東京都美術館 LB階(ロビー階) 総合案内横 藝大卒展インフォメーション

※広報や記録用に撮影・録音を行います。ご了承ください。
※受付は先着順にて対応し、定員に達し次第締め切ります。
※作品の解説は行いません。

 

【開催報告】「ゴッホの毛糸玉 ~ゴッホの色選びを毛糸でやってみよう~ 」

2018.01.07

10月から1月にかけて東京都美術館で開催された「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」。この展覧会を題材に、「いろいろとび缶バッジ:ゴッホの毛糸玉~ゴッホの色選びを毛糸でやってみよう~」を実施しました。

 

日時  平成30年1月7日(日) 11時~15時
場所  東京都美術館 交流棟2Fアートスタディルーム

 

このプログラムは、ゴッホが毛糸玉で配色研究をしていたことから着想し、同展のメインとなる作品5点に使われている色の毛糸を用意しました。参加者はその毛糸を再構成して缶バッジを作ります。ゴッホの配色研究を追体験することで、鑑賞を深めようというプログラムです。

 

 

当日は、冬晴れの日曜日。そして会期末ということもあり、展示室は朝から大賑わい。その熱気とともにワークショップも大盛況でした。参加者は大人160名、子ども50名。合わせて210名の皆さんが楽しまれました。これから当日の様子をご報告します。

 

★ワークショップへのご案内

「ゴッホ展」の展示室と離れた場所で、このワークショップを実施しているため、展示室出口と美術館のエントランス付近で、とびラーが案内をします。ワークショップのちらしを配ったり簡単な説明をしたりと、会場に足を運んでくださった皆さんとの会話がスタートします。

 

毛糸の写真の看板に足を止めてくださったり、とびラーが付けている毛糸のスタッフバッジに目をとめてくださったりして、興味を持たれた方もとても多かったです。会場であるアートスタディルームに向かう際も、とびラーと一緒に展覧会のことやワークショップのことを話題に、会話が弾みました。

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【開催報告】「とびからポストん!Tokyo⇄Boston」

2017.10.06

7月から10月にかけて開催された「ボストン美術館の至宝展 – 東西の名品、珠玉のコレクション」にて、「とびからポストん!Tokyo⇄Boston」を実施しました。

このワークショップは、普段はあまり美術館に足を運ばない大学生を対象に、展覧会を通したとびラーとの鑑賞体験や、ボストンに住む学生との交流を通じて、より作品鑑賞を多様に楽しんでもらうことを目的とした企画です。ボストンに留学経験のある大学生とびラーを中心に企画し、実施に至りました。
参加した4名の大学生からは、「美術の知識がなくても楽しめた」「ひとつの作品をじっくり鑑賞したり、いろんな見方をすることができた」などのうれしい声を頂きました。
ここでは開催した当日の様子を報告します。

 

10月6日(金)、小雨が降っており、すこし肌寒い日でした。金曜日の夜間開館の時間を利用し、展覧会をゆったりと楽しめる夕方に会場へと向かいます。まずはロビーで、とびラーが参加する大学生をお出迎えします。

到着した学生はASR(アートスタディールーム、とびラーの活動拠点)に移動し、到着を心待ちにしていたとびラーたちと「はじめまして」のご挨拶。今回はとびラーの知人から参加者を募り、異なる大学から4名の学生に参加して頂きました。全員が集合したところでいよいよ開始。

とびラーの挨拶から始まり、「とびからポストん!」の目的や今日の流れの説明。そして今回の展覧会出展作品が所蔵されている「ボストン美術館」の紹介動画を見ます。

日本の美術館と比べると、建物の大きさも、展示室の広さも、天井の高さも全く異なります。ボストン美術館の広大さを感じて、学生もとびラーも驚きをかくせません。作品たちは、ここから遥々東京にやってきてくれたのですね。

 

今回はAとBの2グループに分かれて活動します。各グループの構成は大学生2名ととびラー3名。まずはグループごとに軽く自己紹介をし、オリジナルの「ポストんカードゲーム」で交流を深めます。

 

各グループの机には、トークテーマカードと「ボストン美術館の至宝展」出品作品が印刷されたアートカードがあります。トークテーマカードには簡単なお題が書いてあり、それに合う作品を、アートカードのなかから自分なりに選んで発表し合うというゲームです。

「友達に似ている作品は?」という問いに対して涅槃図を選び、「古着が好きな友達なので、こういう細かい刺繍のほどこされたロングスカートを着ていそう。」と語ってくれる人も。カードゲームを通して、少しづつお互いのことを知ることができました。
ゲームで盛り上がりつつも、そろそろ展示室へ移動する準備に取り掛かります。学生は机上にある6枚のアートカードの中から、展示室でじっくり見たい作品をひとつ選びます。学生それぞれが、版画や絵画作品から1点を選んだところで、いよいよグループごとに展示室へ移動。
まずはグループ全員で、事前にとびラーが選んでいたおすすめの作品をひとつ鑑賞します。

 

Aグループは日本美術の中から水墨画を、Bグループはフランス美術の中から油画の作品を鑑賞。各自で作品を好きな位置からじっくりと見て、どのように見えたかを共有し合います。参加学生たちは、色使いや輪郭のぼやけ方について技法を考察したり、作品に描かれている人の目線の先には何があるのか、どんな気持ちなのかなど、絵の中のストーリーを想像したり、様々なところに着目して鑑賞していました。次に、学生ととびラーで2人組になり、先ほどASRで選んだ作品をじっくりと鑑賞します。「近くで見ると何が描かれているか分かりにくい作品は、5mくらい離れて見るとよくわかる」という発見があったり、「この絵は自分をどのような気持ちにさせてくれるのか」をとびラーと語り合ったり、学生ひとりひとりが自分のペースで作品と向き合います。

 

ASRに戻り、ひと休み。お茶とお菓子を味わいながら、展示室でのそれぞれの体験を共有します。
そしていよいよ、ボストンの学生との交流にうつります。まずはボストンの学生が送ってくれたメッセージビデオを鑑賞。ボストン美術館にある作品の中から、お気に入りの1点を選び、ポストカードを使いながら紹介してくれています。

映像の後には、ボストンの学生から実際に届いたポストカードが登場。映像の中で紹介していた作品の裏に、自己紹介やその作品を好きな理由について書いてもらっています。思いのこもったポストカードを、参加学生たちも真剣に読みます。

さて次は、私たちがボストンの学生に向けてポストカードを届ける番です!先ほど鑑賞した作品から好きな作品を1つ選び、そのポストカードにメッセージを書きます。
どのように言葉にしようか悩みつつ、作品への思いを英語で綴りました。

そしてボストンの学生と同様、ポストカードを持ってビデオメッセージを撮影。緊張しつつも、自分がこの作品をどのように見たのか、作品についてどう思ったのかなどを、素直に言葉にしてくれていました。

参加学生が書いたポストカードと撮影したビデオメッセージは、後日ボストンの学生たちに宛てて送られました。とびラー企画としては初の、海外交流を交えたワークショップでした。参加学生が今後も自分な発想で、作品鑑賞を楽しんでもらえると嬉しいです。また展覧会で日本に来ている作品たちがボストン美術館に戻ったとき、ボストンの学生たちが私たちからのメッセージを思い出しながら、その作品を鑑賞してくれることを願います。参加してくれた学生のみなさん、そしてご協力頂いたボストンの学生のみなさん、ありがとうございました!

 

執筆:宮﨑有里(アート・コミュニケータ「とびラー」)
駅伝の強い大学に通う運動不足の学生、通称ゆりえる。好きな画家はルネ・マグリット。アートプロジェクト等を勉強中です!

【開催報告】ボストン美術館展で世界の作品を集めよう!トレジャーコレクティング

2017.09.24

「ボストン美術館の至宝展」の会期中である2017年9月24日(日)、「ボストン美術館展で世界の作品を集めよう!トレジャーコレクティング」を午前の部と午後の部、2回実施しました。

 

 

このプログラムは、とびラーによるオリジナルゲームをしながら世界中の作品を集め、美術館開館を目指すという内容です。世界中の作品をコレクションしているボストン美術館の百科事典的な魅力、参加者同士の好きな作品を共有することによって、人それぞれの視点の違いに気づいて頂くことを目的としました。ゲームを行うことによって、身近になった作品を、改めて展示室で見る面白さに気づくだけではなく、作品についてはもちろんのこと、美術館やコレクションへの興味を深めて頂きたいという思いから、企画しました。

ゲームは、「ボストン美術館の至宝展」に展示されている作品を使ったとびラーによるオリジナルゲームです。参加者が2チームにわかれ、アートカードを使って好きな作品について話をした後、オリジナルゲームで世界の作品を集めて自分たちだけの美術館の設立を目指します。

 

総合司会のとびラーから、本日の説明が行われます。

 

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【開催報告】「藝祭さんぽ2017」開催しました!

2017.09.09

東京藝術大学にて開催された「藝祭2017」。その中日にあたる9月9日(土)、とびラーによる「藝祭さんぽ」を開催しました。

 

とびラーと来場者で藝祭を巡り、作品や作者に親しむ「藝祭さんぽ」。さんぽのような気軽な感覚で、ゆったり楽しく会場をめぐり、人や作品との出逢いを楽しむ1時間です。

今年はテーマ別に6つのコースをご用意し、各チームのとびラーがおすすめの場所をツアー形式でめぐります。それぞれ異なった視点から藝祭の魅力に触れる、バラエティに富んださんぽとなりました!

6コースのタイトルはこちら。

A.はじっこすみっこ先端ツアー
B.食べ歩き!食い倒れ?ツアー
C.ゆったり、まったり、のんびりツアー
D.藝祭わっしょいツアー
E.とびラー特選☆おすすめツアー
F.ふれる感じる思考ツアー

ここから各チームの様子を、少しずつ紹介します。

 

◉A.はじっこすみっこ先端ツアー

とびラーに加えて、先端芸術表現科の在学生・ロウ ジェリンさんがナビゲーターとして登場。 

「先端ツアー」と称して、さまざまな表現方法の作品をみていきます。途中でロウさんの作品や活動を紹介する時間もありました。

 

◉B.食べ歩き!食い倒れ?ツアー

藝祭は展示や公演だけでなく、模擬店もとってもハイクオリティ!

まるで吉祥寺にあるカフェのようなおしゃれな屋台、

アイルランドのビールと音楽の生演奏が楽しめる即席アイリッシュパブ、

ゲルの中で前衛的な音楽パフォーマンスが行われるライブハウス・・・

今年も個性豊かな模擬店がたくさん立ち並びました。

このコースではその魅力と裏側に迫ります。

参加者のみなさんは好きなものを選んで買うだけでなく、

メニューの考案や屋台のデザインといった開店に至るまでの準備、

模擬店メンバーの普段の学生生活についてなど、

藝大生たちのお話に興味深く聞き入っていました。

 

◉C.ゆったり、まったり、のんびりツアー

一つひとつの作品をじっくり見つめるコースです。

彫刻作品を色々な角度から味わい、制作した藝大生にそのお話をうかがいました。

◉D.藝祭わっしょいツアー

藝祭名物となっている、各科の一年生が制作する「神輿」。

その迫力に圧倒されながら、完成にいたる秘話や苦労話を制作チームから聞き、その魅力を存分に味わうコースです。

◉E.とびラー特選☆おすすめツアー

まず金工棟の展示「うるしっ子」へ。ひとりずつ好きな作品を選び、感じたことを話し合ってみます。さらに、制作した藝大生とのお話しを通して、一気に作品を身近に感じられるようになりました。

彫刻と工芸の2人展「ここのね」では、彼らの作品に共通する優しさを感じとった人も多かったようです。また、独創的なパフォーマンス「おく」に観客として立会い、その作品に込められた思いの深さに触れました。

◉F.ふれる感じる思考ツアー

国際芸術創造研究科(GA)にてキュレーションを学ぶ学生がナビゲートに加わるコースです。総合工房棟の素材置き場(!)を見るところからスタート。

学生たちの普段の課題の様子や、今回の藝祭で展示している作品についてなど、様々な切り口からお話しを聞いてみます。こちらでは建築科と声楽科の学生が一緒に展示していました。音楽の学生が美術校地で作品展示をするのはめったにない事例だとか!

 

藝祭は、普段は取手や横浜で制作している学生たちと、上野で会える貴重な機会でもあります。身近な素材や題材をテーマにした作品から、インタラクティブに関われる映像作品など、バリエーションに富んだ濃い時間を駆け抜けました!

 

どのコースも、「さんぽ」の終わりには、出会った藝大生たちへのメッセージを書いてもらいます。

参加者のみなさんによってつづられた、あたたかいメッセージは、とびラーを介して藝大生のもとに届きます。

 

今回のさんぽに参加していただいた方からは、「一見何をあらわしているのか、全くわからないと感じた作品でも、作者と話してみると、自分も同じような体験をしていたり、『その気持ちわかるなぁ』と共感できることもありました!」というコメントを頂きました。同じ時間、同じ空間を共有できるからこそ、作品をきっかけに知り合えるのは素敵なことですね。今回の「藝祭さんぽ」でも、そんな些細だけれど、豊かな体験がみなさんに訪れていたらいいなと思います。

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!


執筆:服部美香、東濃誠(アート・コミュニケータ「とびラー」)

撮影:原田清美(アート・コミュニケータ「とびラー」)

編集:峰岸優香(とびらプロジェクト アシスタント)

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