東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

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【開催報告】とびラボ・よく見て話して

2016.11.20

「よく見て話して」は、何かのきっかけで都美にやって来た人達ととびラー達が共に過ごすことで、美術館を訪れた経験をより豊かなものにしていただくための活動プログラムです。

 

プログラムの実施
11月20日(日曜日)千葉県の長生村から37名の方々が「ゴッホとゴーギャン展」を見学に来ることになり、プログラム「よく見て話して」を実施することになりました。

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参加者の特徴
参加者の中には「ゴッホとゴーギャン展を見たい」という人達ばかりではなく、「見学会ツアーに参加して美術館に行ってみたい」という人達もいます。また、「初めて美術館に行くのに、一人で行くより村の見学会ツアーの方が安心」という人達や、「友達に誘われたから」という人もいます。
年齢層はこれまでのとびラボに見られなかったご高齢の方々です。
(40歳代2名、50歳代3名、60歳代9名、70歳代20名、80歳代3名)
その他、いくつかの特徴があります。
・広報誌による募集なので、参加者同士知らない人も多い
・夫婦8組、親子1組を含む
・男性10名、女性27名
・美術館デビュー7名、これまで都美を訪れたことがある15名

 

参加者に合ったプログラムを考える
今回、長生村の企画の主旨は「展覧会見学会」なので、作品鑑賞をメインに新たな体験の機会を作るプログラム内容にしました。また、年齢の高い方の参加申し込みが多かったので、移動時間に余裕を持たせたスケジュールを考えました。
「作品鑑賞の前に、学芸員さんによるゴッホとゴーギャン展の見どころについてのレクチャーを受ける」、「少人数のグループに分かれて作品鑑賞と振り返りを行う」などの体験活動を盛り込みます。
また、都美のある上野公園内の文化施設を知っていただくため、とびラーによる「上野公園ツアー」をプログラムに加えることにします。

 

プログラム内容を伝える
プログラムにスムーズに参加し充実した鑑賞の時間を持つために、村から都美に向かう移動時間に参加者の皆さんに鑑賞の準備をしていただきます。大きな文字で見易く作った資料を使い、プログラムの内容を具体的に伝えます。展示室でのルールについてやさしく書いた資料を使い、初めての方でも躊躇することなく展示室に入れるように説明をします。これまで美術館に行ったことのある方でも、見易い資料です。

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展覧会の図録を、事前に見ることはあまり無いことですが、全員に展覧会の図録を回覧して、これから行われるプログラムへの興味や作品鑑賞意欲が高まるよう工夫をします。
また、今回のプログラムでは18名ものとびラー達が一緒に活動することを伝え、これによってプログラムへの期待感と親近感が生まれたと思います。
また、終了後にアンケートへの記入をお願いし、体験を振り返る機会としていただきます。

 

「よく見て話して」実施プログラム
タイムテーブルと活動のようす
9:50 池田家上屋敷表門付近到着
10:00 アートスタディルーム到着
学芸員による見どころレクチャー
10:20 グループごとに「ゴッホとゴーギャン展」展示室へ
11:20 アートスタディルームに戻り、鑑賞を振り返る
11:50 上野公園ツアーについての案内
12:00 上野公園ツアー出発
12:30 西洋美術館前にてプログラム終了

 

 

時間通りに池田家上屋敷表門近くに到着し、6名のとびラーが長生村の皆さんをお迎えしました。
お天気も良く、参加者にとっても、とびラーにとっても、新しい体験の始まりです。
アートスタディルームに到着すると、すでに移動中に伝えてあったグループに分かれていただき、とびラー達と対面していただきました。
今回のプログラムのスペシャルの1つ、学芸員による「ゴッホとゴーギャン展の見どころ」のお話を聞きました。短い時間でしたが、分かり易く盛りだくさんの内容で、参加者もとびラー達も話に引き込まれていました。ゴッホやゴーギャンが、あたかも自分たちの知り合いだったかと錯覚するほど彼らを身近に感じたのではないでしょうか。レクチャーがあることを事前に知らせたことと、最適な資料を用意したことによって、鑑賞に向かうための貴重な時間になりました。
4,5名のグループに分かれて展示室に向かいます。
その前に、とびラー達から参加者に鑑賞方法について2つの提案がありました。
1つは「お気に入りの作品をみつけてくること」、もう1つは「指定された作品をよく見てくること」です。
鑑賞後それぞれについて話をする時間を持つことを伝え、新たな活動の説明をしました。
これについても、事前に知らせてありましたが、参加者に少し緊張した様子も見られました。
鑑賞時間は1時間ほど予定していましたが、展示室に向かうのに手間取っているグループがありました。どうやら、トイレタイムが原因のようです。移動時間は余裕を持ったつもりでしたが、いろいろな場面で予想以上の時間がかっていました。
さらに、この日は「家族ふれあいデー」が催されていて来場者が多く、展示室に行列ができ、最終グループは予定を20分近く遅れた入室になってしまいました。展示室内も混雑していて、混雑した展示室でのとびラーの伴走について課題を残しました。
鑑賞後に、作品についてみんなで話をするということは、参加者にとってはおそらく初めての経験です。作品について誰もが話をしてくれるかと心配がありましたが、活発な話し合いが行われました。参加者から積極的にとびラーに話しかける姿も見られました。

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鑑賞、話し合いの後は、気持ちを切り替えて、上野公園にある文化施設を巡るツアーに出かけます。10名程の4つのグループで行動します。ツアーガイドとびラーによる「上野公園ツアー」はとても興味深い内容です。
参加者の年齢を考えてゆったり巡る25分間のツアーは、作品鑑賞とは違った美術館の印象となり、参加者ととびラーとの間でも様々な会話が生まれました。上野公園ツアーから全員が戻ったところで、今回のプログラムは終了しました。

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プログラムを終えて
いただいたアンケートの中には、「以前のように自由な活動のほうが良かった」、「展覧会だけゆっくり見ていたかった」いう意見もありましたが、「ゴッホやゴーギャンの本物の作品を見ることができて感激した」、「展示室でとびラーさんと一緒だったので安心でした」、「見どころの説明を聞いて鑑賞が深まった」、「作品の感想を受け止めてくれてありがたかった」、「いろんな意見が聞けて、絵の中の物語を見たようでした」「知らない人同士でも意見が多く出るものだと感じた」「話をすると絵の印象がいつまでも残るような気がする」「今までにない体験で、また参加したい」「美術館、公園、アートに親しみました」など、プログラムに参加して得た新たな体験を喜ぶ意見もいただいました。

混雑した展示室での過ごし方や、移動時間の設定などについての反省課題もありましたが、それによって、私達とびラーが考えるプログラムと参加者が参加しやすいプログラムとの違いも見えてきました。
また、地域や年齢に関わりなく、展覧会で作品を見たときのたくさんの気付きは、聞く人がいることによって豊かに表現されていくものだと、改めて知らされました。

 


文 : とびラー4期 中島惠美子

【参加者募集】☆アート筆談de対話鑑賞☆耳の聞こえない人⇔聞こえる人/ゴッホとゴーギャン展

2016.11.16

 

耳の聞こえない人と聞こえる人が、色々な画材を使って「筆談」でコミュニケーションする鑑賞ワークショップを開催します。
鑑賞するのは「ゴッホとゴーギャン」展。作品をじっくりと見た後は、文字や色や形を自由に描くことで、気付いたこと感じたことを伝え合ってみましょう。
今回の耳の聞こえない人と聞こえる人とのコミュニケーションでは声は使いません。でも、声色や音の強弱、声スピードの代わりに、豊かな色彩や画材の表情が、声の魅力を超えた新しいコミュニケーションの形を見せてくれることと思います。
聞こえる人も、聞こえない人も、ぜひお集り下さい!

 

 日時 2016年11月26日(土)13:30~16:00(受付開始時刻13:00〜)
 会場 東京都美術館「ゴッホとゴーギャン展」、アートスタディルーム
 集合場所 東京都美術館 ロビー階(LBF)ミュージアムショップ前
 対象 耳の聞こえない人と聞こえる人
 定員 16名
 参加費 「ゴッホとゴーギャン展」チケット代(障害者手帳をお持ちの方は無料)
 参加方法 事前申し込み(先着順)
以下の専用フォームよりお申し込みください。
※耳の聞こえない方は備考欄に「聴覚障害者」である旨を明記してください。
 その他 ※お申込み前に「迷惑メール」などの設定を確認し、
「@tobikan.jp」からのメールを受信できるようにしてください。
※定員に達し次第、申込み受付を終了いたします。
※手話のできるとびラーがいます。
※広報や記録用に撮影を行います。ご了承ください。
※当日は、汚れてもいい服装か、エプロン・アームカバーをお持ちの方はご持参ください。

 

【とびラボ】「みんなで森のいきものになろう!」

2016.09.24

日時: 2016年9月24日(土)12:30~16:00
会場 :東京都美術館「木々との対話」展、アートスタディルーム


■ はじめに - ワークショップのあらまし

土曜日の午後、こどもとその保護者の方6組に参加していただいたこのワークショップは、東京都美術館で開催中の展覧会「木々との対話」の作品を見て、森を守る想像上のいきものになるために自然素材で顔(仮面)をつくり、素材との対話や見えないものを形にすることを通じて、一歩深まった展覧会体験をもち帰ってもらおうというものです。

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【参加者募集】ワークショップ「みんなで森のいきものになろう!」開催

2016.09.15

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美術館の展覧会を見て、そのあと、木々の素材から仮面をつくる、鑑賞と造形のワークショップ。
東京都美術館で開催中の「木々との対話-再生をめぐる5つの風景」展は、5人の現代作家が木でつくった彫刻作品が並ぶ、見応えあるオススメ展覧会です。とびラー(アート・コミュニケータ)と一緒におしゃべりをしながら、たっぷり“木々との対話”を味わってみませんか?
そのあと、木や葉っぱ、枝などの自然素材でオリジナル仮面をつくります。自分の手で“木々とおしゃべり”をしながらつくった仮面で、「森のいきもの」に大変身!みんなで上野公園にでかけよう。こどもも大人も大歓迎です!

 

 日時 2016年9月24日(土)12:30~16:00(12:20より受付開始)
 会場 東京都美術館「木々との対話」展、アートスタディルーム、上野公園
 集合場所 東京都美術館ミュージアムショップ前(ロビー階)
 対象 小学生(3年生以上)とその保護者*こどもが2人以上でもご参加いただけます。
 定員 5組(10名程度)
 参加費 「木々との対話展」チケット代(高校生以下は無料)
 参加方法 事前申し込み(先着順)
以下の専用フォームよりお申し込みください。
※お名前欄には保護者の方のお名前をご記入いただき、連絡事項欄にこどもの氏名と
学年をご記入下さい。複数のこどもが参加される場合は、必ず全員分をご記入下さい。
 その他 ※お申込み前に「迷惑メール」などの設定を確認し、
「@tobikan.jp」からのメールを受信できるようにしてください。
※定員に達し次第、申込み受付を終了いたします。
※こどもだけでなく保護者の方にもご参加いただくワークショップです。
※途中に上野公園の森を散策する時間がありますので、虫除けや適した服装をご用意下さい。
※適宜、飲み物をご準備ください。
※雨天など天候によっては、屋内のみの活動になる場合もあります。
※広報・記録用に録音・撮影を行う場合があります。ご了承ください。

 

〈トライアルとびラボ〉 「☆アート筆談☆で対話鑑賞~耳の聞こえない人⇔聞こえる人」

2016.09.11

9月11日(日)、とびラボ「☆アート筆談☆で対話鑑賞~耳の聞こえない人⇔聞こえる人~」のトライアルを行いました。

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《筆談でコミュニケーション中の様子》

この日は3人の耳の聞こえない方々に参加していただき、とびラーたちと『ポンピドゥー・センター傑作展』の作品鑑賞後に、さまざまな画材を使って絵や文字を模造紙に描きながら「対話鑑賞」をしました。

この企画の目的は、日常生活の中でコミュニケーションにバリアを感じている、耳の聞こえない方が、聞こえる方と一緒に美術館において、お互いの鑑賞を共有しあい、それぞれの感覚を活かしたコミュニケーション方法を探る事です。

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【当日参加OK】若冲展を見た後にふらりと立ち寄れる「若冲らうんじ」開催します!

2016.05.07

「若冲」展を鑑賞した後は、「若冲らうんじ」にお立ち寄り下さい。年齢・知識に関わらず楽しめる企画を色々ご用意しています。ゆっくり座りながら若冲の動物達を紙粘土で作ってみたり缶バッジにしてみたり、おしゃべり鑑賞会や若冲の絵に言葉を付けて楽しむ”若冲かるた”、さらに若冲の作品を見て作ったチョコレートアートの展示や、作品に出てくるモチーフが押せる消しゴムはんこはなんと目の前での実演も!細部まで細かく描かれた作品に近づいたり角度を変えて見てみれば、新たな発見がきっとあふれ出します。

プログラム一覧

・若冲のスゴ技を知って、羽を描いてみよう!「若冲缶バッジ」

・ことばで見よう!「おしゃべり若冲鑑賞会」

・見てビックリ!若冲チョコ「チョコっとチョコレートアート体験」

・みて!よんで!とって!「若冲かるた」

・全部押したい!「若冲の消しゴムはんこ」

・紙粘土でつくるJAKUZOO「若冲の不思議な動物たち」

内容をもっと詳しく知りたい方はチラシをご覧ください→コチラをクリックしてください

日時:2016年 5月15日(日) 11:00~16:00
会場:東京都美術館 2階 アートスタディルーム
集合場所:直接会場までお越しください。
対象:どなたでも(ただし中学生以下の方が参加される場合は保護者の同伴をお願いします)
定員:特になし
参加費:無料
参加方法:当日受付

※当日は参加人数に伴いお待ちいただく場合がございます。
※広報や記録用に撮影を行います。ご了承ください。

【とびフェス】ベビーカーツアー 〜ベビーといっしょにミュージアム〜

2016.01.29

2016年1月29日 とびフェス初日の朝一番に、第64回東京藝術大学卒業・修了作品展にてベビーカーツアーが開催されました。
天気予報は雨のち雪の大荒れ。そんな中を6組の参加者の皆さんが集まってくれました。

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ベビーカーや抱っこ。赤ちゃんとママの来館スタイルはいろいろです。集まった方ととびラーは、お天気が悪いのにありがとう、お子さん何ヶ月ですか?ここまで来るの、大変だったでしょう!といった会話で皆さんが集まるのを待ちます。おむつ替えや授乳室の場所もご案内します。_MG_9434

集合場所には、ベビーカーツアーバッグを提げたとびラーが皆さんをお迎えしています。もちろんメンバーの手作りです。硬い素材でお子さんが怪我をしないようアイデアを出し合い、試行錯誤して出来上がりました。_MG_9446

親子二組に、とびラー二人が寄り添います。
まずはご挨拶。

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お子さんの年齢の近いお二人は、すぐに打ち解けていました。

授乳やおむつ替えが済んだら、それぞれのチームに分かれて展示室へ。

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エレベーターを待つ間も話が弾みます。

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いよいよ展示室内へ。

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ベビーカーも荷物もとびラーがサポートします。ママは赤ちゃんとじっくり作品を鑑賞。

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もちろん、赤ちゃんの発言にもみんなで耳を傾けます。ふむふむ、なるほど!

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おねむになった赤ちゃんを抱っこして、建築模型を鑑賞。このグループは、偶然おふたりが建築模型の作成経験者。「これつくるのに○○日くらいかかるね!」 とびラーはおふたりの話に興味津々です。もちろん抱っこの間は、とびラーがベビーカーをお預かりします。赤ちゃんはちっともぐずることなく、ママの抱っこで安心しています。

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立体作品も、みんなで囲んでそれぞれの角度から鑑賞。ひとりで見るのとは違う発見がたくさんあります。

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どうなってるんだろうね?これ、なんだろうね?なんて近づいてみます。

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少し前まで自分たちもこうだったね。

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立体作品が多くベビーカーでの移動が大変な展示室内も、とびラーがいるので大丈夫。

ベビーカーツアーでは、特にプログラムはありません。とびラーと赤ちゃんを連れた皆さんが一緒に展示室をまわりながら、作品を介しておしゃべりします。
赤ちゃんがいることでちょっと遠のいた美術館、とびラーがサポートすることで美術館をより近くに感じていただこう。そして、ちょっとでも美術館でリフレッシュしていただこう、という目的で始まりました。今回も、赤ちゃんと美術館に来るのが初めてというママがいらっしゃいました。最初は緊張していたお顔も、終わるころには満面の笑顔。そんなデビューの日にご一緒できて私たちも幸せです。ママの笑顔のおかげで、赤ちゃんたちもみんな笑顔で過ごしていました。
このベビーカーツアーをきっかけとして、お子さんとのお出かけ先に美術館も仲間入りできることを願っています。


執筆:とびラー二期生 工藤阿貴(男児二人と暮らす母ちゃん)

とびらプロジェクトをよく知る3 日間(とびフェス)

2015.12.23

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始動から4年目を迎えた「とびらプロジェクト」では、フォーラムの開催に合わせて
とびらプロジェクトをよく知る3日間「とびフェス」を開催します。
この機会に、とびラーたちが企画したさまざまなプログラムに是非ご参加ください。

 

各プログラムの詳細・お申し込みは写真をクリックしてください。

 

1月29日(金)

1月30日(土)


1月31日(日)

 

 

全体スケジュール [PDF版]

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戦争画STUDIESズームイン

2015.12.13

「戦争画」をご存じですか?
「戦争画」とは、戦争を主題とした絵画のことですから、ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』も、ピカソの『ゲルニカ』も、丸木夫妻の『原爆の図』もみな戦争画と呼ぶことができます。でも、今回の展覧会「戦争画STUDIES」が主に意識しているのは、日本において、日中戦争から太平洋戦争にかけての時期に、軍の要請によって描かれた「作戦記録画」と呼ばれるものです。
70年前、これらの絵画は占領軍の指示によって一時東京都美術館(旧館)に集められ、やがて「戦利品」としてアメリカに運び去られました。これらの戦争画が、「返還」ではなく「無期限貸与」という形で日本に戻ってきたのは1970年のことで、現在は153点が東京国立近代美術館に収蔵されています(所蔵作品展で数点ずつ順次公開)。
今回の「戦争画STUDIES」展は、作家たちがこれらの戦争画についてさまざまなリサーチを重ね、その成果をコンテンポラリーアート作品として展示したものです。そして、なにかしらタブー感の漂う「戦争画」をテーマに据えて、東京都美術館という場であらためて問いかける作家たちのまなざしに、われわれとびラーが何らかの形で関わることができないかと考えたのが、この「ズームイン」企画です。

 

「作品との対話」と「作家との対話」を
今回の企画では、作品を前に参加者のみなさんと対話するプログラムと、直接作家から作品についての話をうかがうプログラムをミックスして、参加者と作家や作品との距離を縮めること(ズームイン)をめざしました。「見る・聞く・話す」を織り込んだ45分ほどのプログラムを二回実施し、それぞれ3~4名の作家の作品を、集まった参加者のみなさんと一緒に見て歩きました。以下では、写真を交えてその様子をご紹介します。

 

一回目(12月13日13時半より)
IMG_2205まず、153点の『プチ戦争画』(村田真さん)の前で参加者のみなさんとご挨拶して、プログラムの概要を説明しました。続いて、豊嶋康子さんの『前例』の前に移動し、作品を見て感じたことをみなさんとお話します。この作品では、地図上に、その土地を訪れた美術家の名前が、和紙に筆書きされて貼付されています。
地図の上部が手前にせり出して傾いていることで、吊り下がった各地の短冊の量感や密度差が視覚的にわかるようになっている、とくに満州のあたりが密集している。そんなことが、みなさんの話の中から浮かび上がってきました。垂れ下がった短冊がこぼれ落ちる涙に見える、という感想もありました。いったい何の『前例』なのかと考えたとき、作品のもつ同時代性を感じるのではないでしょうか。IMG_2227
次は笹川治子さんのコーナーです。藤田嗣治の戦争画で広く知られるアッツ島を扱ったものを中心に、五点の出展作品のそれぞれについて、その意図するところを話してもらいました。アートやメディアにまつわる虚実を取り上げた作品群ですが、表面的に見ただけではなかなか思い至らない作家の制作意図を聴くことができたばかりでなく、直接ご本人に質問して、作品を制作したことで得た実感をうかがう機会にもなりました。
最後に向かったのは、辻耕さんによる『絵画考-1945年の清水登之から』というコーナーです。従軍画家としても知られた清水登之(1887-1945)は、1945年6月に息子・育夫の戦死の報を受けます。画家はそれ以降12月に亡くなるまで、ひたすら息子の肖像画を描き続けました。今回は、登之の絶筆ともいえる『育夫像』が四点展示されているのですが(内三点は初公開)、その作品を辻さんは毎日会場で模写しています。IMG_2243ここでもまずは会場に並ぶ『育夫像』を見ていきます。海軍の階級章の違い(戦死による昇進)に気づかれた方や、四枚の絵の表情の違いを言葉にしてくださった方がいました。そして辻さんご本人より、育夫像との出会いから、この模写という行為に込められた想いまでをうかがい、プログラムを締めくくりました。

 

二回目(12月13日16時半より)
入口正面にある、『アッツ島玉砕』(藤田嗣治)と同寸に投影された光(笹川さんの作品)の前で参加者のみなさんと挨拶をしたあと、壁にずらりと並んだ『プチ戦争画』を見て、作家の村田さんにお話をうかがいました。IMG_2257153点のうち数点ずつしか展示されていない現状を、ほとんどの絵が裏返された姿によって表現しているそうです。参加者からは、裏側に絵が描かれているとは思わなかったという感想や、絵を並べた順序、従軍画家への関心などが話に出ていました(ちなみに順序はランダムだそうです)。
隣のバーバラさんのコーナーには二つの作品があります。ここでも作品を囲んで話したあとで、作家本人に話をうかがいました。まずは一見作品に見えないような作品『当事者について 03』のタネあかしをしてもらいました。「思い込みは見る人の側にある」と感じる作品でした。また、上半身裸の男性モデルによるボディペインティング『たてるぞう』は、太平洋戦争当時と東日本大震災後に、「絵画(アート)になにが出来るのか」という同じ言葉が流布したことをモチーフにした作品とのことでした(松本竣介の『立てる像』を踏まえています)。参加してくれた小学生のお嬢さんは、会場でじっと立ち続けているモデルさんが風邪を引かないか心配だったようです。IMG_2280
続いて、一回目にお話を伺った笹川さんの作品を一点見たあと、今回も最後は辻さんのコーナーです。それぞれが作品を見たうえで感想を共有し、さらに辻さんご自身からお話をうかがいました。なかでも、育夫の写真を元に肖像画を描くことが、登之の心を落ち着かせ、救いになっていたのではないかと考えて、「絵や表現が人の救いになることがある」とおっしゃった辻さんの言葉が印象的でした。

 

プログラムを終えて

IMG_2287二回とも、最初からの参加者だけでなく、その都度会場で自由に加わっていただいたみなさんも一緒にプログラムを進めることができました。今回はあわせて四名の作家にお話をうかがいましたが、作家ひとりひとり戦争画へのアプローチの仕方はまったく異なり、それぞれのまなざしの独自性と多様性についても、実感してもらえたのではないかと思います。はたして参加していただいたみなさんには、少しでも作品や作家に接近できたと感じてもらえたでしょうか。

 

そしてふりかえると…
2012年、東京都美術館がリニューアルオープンした年の夏に、「東京都美術館ものがたり」という展覧会が開かれました。このときに藤田嗣治の『十二月八日の真珠湾』が展示されています。この作戦記録画は、1942年に東京府美術館で開催された「第1回大東亜戦争美術展覧会」の出品作ですから、いわば70年ぶりの里帰りでした。『東京都美術館ものがたり』という本を開くと、戦時中この美術館はさまざまな戦争絵画展の舞台であったことがわかります。藤田の『アッツ島玉砕』も、1943年の「国民総力決戦美術展」を皮切りに各地を巡回した作品でした。かなりの数の戦争画がこの美術館に足跡を残し、ここで多くの人の目に触れているのです。そう考えると、この展覧会が東京都美術館の歴史と深いところでつながりを持っていることが感じられはしないでしょうか。

 


P1070325文:羽片俊夫(アートコミュニケータ)
この展覧会で一番気になった言葉は「前例」でした。松本竣介に興味を覚え『みづゑ』のバックナンバーを探してみたり、近代デジタルライブラリーで東京都美術館を会場とした戦争絵画展の目録を調べてみたり、戦争画につながりのある展覧会を訪ねてみたりと、少し視野が広がりました。

ワークショップ 「楽園」への手紙

2014.09.12

ワークショップ「楽園」への手紙は、全日程を終了いたしました。
沢山のご来場まことにありがとうございました。


上野はここのところめっきり涼しくなってきました。
夏の強い陽射しが和らぎ、秋めいた空気の中でゆっくりアートを楽しみたい気分です。

美術館に足を運ぶと、自分自身と向き合うような独特の内的な雰囲気に包まれます。
一つ一つの作品が放つ色々なものを受け止めながらぐっと別世界に引き込まれる鑑賞のひととき。
時には作品の力で心を動かされることもあります。
心に渦巻く想いを作り手の方へ伝えてみませんか。
「楽園としての芸術」展では、ワークショップ 「楽園」への手紙を開催中です。
作品鑑賞の後、作り手の方たちへ向けて手紙を書くことができます。
今日は、これまで開催されたワークショップの模様をお伝えします。


ワークショップの開催場所は、展覧会会場内の奥にあります。
下の写真に写っている白いポストが目印です。
付近にいる アート・コミュニケータ(※)がご案内しますので、どうぞお気軽に声をかけてください。

机の上には色紙と色鉛筆がセットしてあります。
手紙のサンプルや図録の用意もあります。

図録をゆっくり眺めながら、何を書こうかな・・・、思案中です。

すぐに書き始める人も筆を取るまで時間がかかる人も、一旦書き始めると、みんな没頭!
文章を書く人、絵を描く人、大きな文字でシンプルに書く人、裏表びっしり書く人、思い思いに、しばし書面に集中する時間が流れていきます。

書き終わったら、切手シールを貼って消印を模したスタンプを押します。
消印スタンプは、実は手紙の行先を示しています。
しょうぶ学園行きの手紙には菖蒲の花のスタンプを、アトリエ・エレマン・プレザン行きの手紙にはお家のスタンプを押します。
このスタンプ、アート・コミュニケータの手作りで絵柄がとっても可愛いんです。

好きなところに好きなだけ、押したり貼ったり。
中には一面スタンプでいっぱいにする人も。

完成した手紙は「楽園」への手紙 専用ポストに投函して終了です。
投函された手紙はアート・コミュニケータがお預かりし、 作り手の方々のアトリエへお届けします。

老若何女、津々浦々から、さまざまな方々が立ち寄って手紙を書いていかれました。
夏休みに親子でいらした方、旅行で上野の美術館巡りの最中という方、アトリエをもって絵の先生をされているという方、海外からお越しの方。
手紙を書きながら展覧会や作品への想いについて語ってくださる方もいらっしゃいました。
お話を伺いながら、作り手側だけでなく作品を観に来てくださる方にも、観に来るまでの物語があることに気づかされました。

皆さんのお手紙を作り手の方々のアトリエへお届けできることに、わくわくしています。

ワークショップ「楽園」への手紙は、全日程を終了いたしました。
沢山のご来場まことにありがとうございました。

(※) アート・コミュニケータ(愛称:とびラー)は 東京都美術館を拠点に、人と作品、人と人、人と場所との つながりを育み支えるための様々な活動をしています。
アート・コミュニケータは美術館の学芸員や職員ではありません。
会社員や学生や主婦をしながら、ボランタリーに美術館と関わっています。



 筆者:とびラー 中野未知子(なかのみちこ)
 フリーランスとして企業で研修やワークショップの企画、運営を行う。
 アートを介したまちばのコミュニケーション・デザインを研究すべく
 アート・コミュニケータを志す。
 多摩大学 経営情報学部 非常勤講師/立教大学大学院 比較組織ネットワーク学修士

 

 

 

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