2023.12.10
・東京都美術館の正門を入ると一際目を引く大きな銀色の球体。
・これは東京都美術館の収蔵品の一つ《my sky hole 85-2 光と影》。彫刻家・井上武吉の作品です。この大きな球体に映り込む風景や自身の姿を楽しんだり、大きく開いた穴から差し込む光に魅了される多くの来館者にいつも囲まれています。
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・東京都美術館で活動するとびラー(アート・コミュニケータ)も例外ではなく、これまでもこの彫刻を題材としたとびラボ活動が多く企画されました。とびラーは愛を込めて、「マイスカイホール」略して「マイスカ」と呼んでいます。マイスカ愛溢れるとびラーが集まったこの活動は、マイスカを通して野外彫刻作品の新たな鑑賞方法や魅力を発見するとともにとびラーどうしの親睦を深めるため、井上武吉の誕生日(12月8日)を祝う意味もこめて以下のような内容で実施しました。
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・とびラーどうしの親睦を図る場づくりをみんなで考えて楽しむ。
・マイスカの魅力を語り合う。
・美術館の楽しみ方を考え体感する。
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・では、早速どんな活動だったのか、見てみましょう。
実施日 2023年12月10日(日)11:30~14:00
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🔶流れの確認
・マイスカには自然環境に影響される興味深い仕掛けがあります。その一つがマイスカに貫かれた穴から溢れる太陽の光が作る像(日射像)。作者の井上武吉さんの誕生日に太陽光がマイスカの穴を貫くように設計されています。
・太陽の動きにつれて差し込んだ光が作る像はどんどん変化していきます。活動の最初はこの太陽光の観測、光の像の観測です。観測に先立って注目ポイントや観測の流れなどを全員で確認しました。
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🔶観測
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・いよいよ実際にマイスカへ移動して観測です。少しずつ日射像が現れ、半月の状態に。刻々と変わる像に目が離せません。
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・1分ずつ写真を撮って光の円の「成長」を確認。半月から満月状態に、そしてまた形が変わっていく・・やっぱり地球は動いている。観測しつつマイスカトリビアを披露したり、マイスカから感じたことをおしゃべりしたり。
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🔶誕生日会〜球体の食べ物を持って集まろう
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・観測の後はみんなでランチタイム。井上武吉さんの誕生日を祝う意味でマイスカのような球体の食べ物を持って集まりました。銀紙で包んだまんまるのおむすび、プチトマト、チョコレートや飴玉など思い思いの球体の食べ物が集まりました! マイスカを模して台座まで再現したチョコやマイスカの穴の部分を具で表現したおむすびなど楽しい工夫がいっぱいのまるい食べ物の数々についつい撮影会に。
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🔶観測日記
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・ランチをしながらちょっと真面目に、マイスカを観測・鑑賞しての気づきをシェアしました。
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・刻々と変わっていく日射像。穴を通ってくる光がとても明るくなる瞬間があった。
・日射像の周辺の渦が美しかった。
・マイスカの上に輝く太陽がちょうどマイスカに掛かって、ダイヤモンドリングのようだった。
・マイスカはその球体の上に周囲の風景や空が映り込む。そこまで含めての作品であり、時間や季節、見る角度によって常に新しい作品となっている。
・逆光になるマイスカはどこかから飛来している感じ!
・美術館に来た多くの人がマイスカで一旦立ち止まり写真を撮ったり写り込みを楽しんだりしている。こんなに愛される作品はないかも。
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🔶もう一つの仕掛けのこと
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・マイスカには台座があります。ですが台座が作品の一部だと気づいている人は案外少なそう。
・1年に2度、この台座とマイスカの影とが一致する現象を見ることができます。地球の自転と公転の関係で重なる日は毎年変わるようです。そして今回の活動でも体感したように刻々と変わる太陽の位置から、影と台座がピッタリと重なるのは一瞬。天候にも左右されるので、見られたらとても幸運です!
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・展示を見る他にも、東京都美術館でこんな楽しみ方もしてみてはいかがでしょうか。
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🔶マイスカのミュージアムもあります
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マイスカをモチーフに作品を創ることもあります。そんな作品を所蔵するため、「マイスカイホール・バーチャル・ミュージアム」をとびらプロジェクトの共有ドライブ内に設けて、随時とびラーが作品を収納しています。2022年2月22日22時22分に創設しました。下の画像のような作品が展示されています。
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🔶マイスカからの贈り物
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・この活動を通じて、わかったことは、みんながマイスカのことが大好きで、そしてマイスカからさまざまなインスピレーションを得ていることです。
・この作品の製作の歴史・作者についてなどの作品研究をしてみて、井上武吉さんによるマイスカ彫刻が全国のあちらこちらにあること、そして太陽の動きを計算に入れて立地していることなどもわかりました。仲間のことを思いながらマイスカから連想される球体の食べ物を考えたり、作品から受けたインスピレーションをもとに新たな作品を作ってみたりもしました。
・たった一つの野外彫刻作品を観察する、鑑賞する、それだけのことからこんなにも豊かな広がりがあります。
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・野外彫刻作品の特徴でもある時間や空間の移り変わりで刻々と変化する美しさをじっくりと時間を追って見つめることで、その作品の奥にある独特の味わいにも気づくことができました。
・一つの作品を囲んで、様々な角度から作品にアプローチすることで作品についてより深く知り、親しくなることができます。みんなで作品を見ることの楽しさも感じることができます。
・他者の発見を知ることで、新たな視点が自身の中に生まれ、そこでの共感は人と人との繋がりも深くし、鑑賞の幅が広がります。これらはマイスカからの贈り物です。私たちのマイスカさん!ありがとう!
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執筆:
矢野聡子(とびラー10期)
以前は美術館は1人で行って、
藤牧功太郎(とびラー10期)
とびラーになって作品の見方は多様であること、