2024.06.30
日時|2024年6月30日(日)10:00~14:00
場所|東京都美術館 講堂
講師|又村あおい/全国手をつなぐ育成会連合会 常務理事 兼 事務局長、小牟田悠介/東京藝術大学
2024年度アクセス実践講座の第1回は、とびらプロジェクトマネジャーの小牟田さんから講座の趣旨についてのお話があり、その後、全国手をつなぐ育成会連合会 常務理事 兼 事務局長である又村あおいさんに、障害者差別解消法や合理的配慮についてご講義いただきました。
まず小牟田さんから、東京都美術館のミッションや取り組みと合わせて、とびらプロジェクトが美術館へのアクセシビリティを学び、考え、実行していこうとする背景についてお話しがありました。
続いて、又村さんからは、障害者差別解消法などの法律について伺いました。「障害とはなにか。障害理解とは」を考える時間では、社会のさまざまな障壁によって生じる「社会モデル」があることや、ヒトは歳を重ねることで視力や聴力、身体機能などが低下していくので数年後の自分の理解にもなるのではないかというお話があり、新たな気づきがありました。
また合理的配慮とは、相手との建設的な対話によって「できる」「できない」で考えるのではなく、できる範囲で対応可能な、納得の得られる配慮をおこなうことであると伺いました。
とびラーの中には、ろう者や難聴者、全盲の方がいます。スタッフやとびラーは普段から音声アプリや筆談、ときには手の感覚(触覚)を使い、彼らと一緒に対話を重ねながら、とびらプロジェクトは進んでいます。そして、東京都美術館では、特別展の休室日を利用した「障害のある方のための特別鑑賞会」を開催しています。
このような場で活動する機会が多いとびラーにとって、当事者が困りごとを申出しやすい場をつくることが大事だと気づく講座になったのではないでしょうか。
合理的配慮という言葉は聞いたことがあっても、何をどうすればいいのかわからないと身構えてしまっていましたが、とびらプロジェクトで日々おこなっているように、気軽に声をかけることから始めてみようと、今回の講座から思いました。
(とびらプロジェクト コーディネータ 西見涼香)