東京藝術大学にて開催された「藝祭2017」。その中日にあたる9月9日(土)、とびラーによる「藝祭さんぽ」を開催しました。
とびラーと来場者で藝祭を巡り、作品や作者に親しむ「藝祭さんぽ」。さんぽのような気軽な感覚で、ゆったり楽しく会場をめぐり、人や作品との出逢いを楽しむ1時間です。
今年はテーマ別に6つのコースをご用意し、各チームのとびラーがおすすめの場所をツアー形式でめぐります。それぞれ異なった視点から藝祭の魅力に触れる、バラエティに富んださんぽとなりました!
6コースのタイトルはこちら。
ここから各チームの様子を、少しずつ紹介します。
◉A.はじっこすみっこ先端ツアー
とびラーに加えて、先端芸術表現科の在学生・ロウ ジェリンさんがナビゲーターとして登場。
「先端ツアー」と称して、さまざまな表現方法の作品をみていきます。途中でロウさんの作品や活動を紹介する時間もありました。
◉B.食べ歩き!食い倒れ?ツアー
藝祭は展示や公演だけでなく、模擬店もとってもハイクオリティ!
まるで吉祥寺にあるカフェのようなおしゃれな屋台、
アイルランドのビールと音楽の生演奏が楽しめる即席アイリッシュパブ、
ゲルの中で前衛的な音楽パフォーマンスが行われるライブハウス・・・
今年も個性豊かな模擬店がたくさん立ち並びました。
このコースではその魅力と裏側に迫ります。
参加者のみなさんは好きなものを選んで買うだけでなく、
メニューの考案や屋台のデザインといった開店に至るまでの準備、
模擬店メンバーの普段の学生生活についてなど、
藝大生たちのお話に興味深く聞き入っていました。
◉C.ゆったり、まったり、のんびりツアー
一つひとつの作品をじっくり見つめるコースです。
彫刻作品を色々な角度から味わい、制作した藝大生にそのお話をうかがいました。
◉D.藝祭わっしょいツアー
藝祭名物となっている、各科の一年生が制作する「神輿」。
その迫力に圧倒されながら、完成にいたる秘話や苦労話を制作チームから聞き、その魅力を存分に味わうコースです。
◉E.とびラー特選☆おすすめツアー
まず金工棟の展示「うるしっ子」へ。ひとりずつ好きな作品を選び、感じたことを話し合ってみます。さらに、制作した藝大生とのお話しを通して、一気に作品を身近に感じられるようになりました。
彫刻と工芸の2人展「ここのね」では、彼らの作品に共通する優しさを感じとった人も多かったようです。また、独創的なパフォーマンス「おく」に観客として立会い、その作品に込められた思いの深さに触れました。
◉F.ふれる感じる思考ツアー
国際芸術創造研究科(GA)にてキュレーションを学ぶ学生がナビゲートに加わるコースです。総合工房棟の素材置き場(!)を見るところからスタート。
学生たちの普段の課題の様子や、今回の藝祭で展示している作品についてなど、様々な切り口からお話しを聞いてみます。こちらでは建築科と声楽科の学生が一緒に展示していました。音楽の学生が美術校地で作品展示をするのはめったにない事例だとか!
藝祭は、普段は取手や横浜で制作している学生たちと、上野で会える貴重な機会でもあります。身近な素材や題材をテーマにした作品から、インタラクティブに関われる映像作品など、バリエーションに富んだ濃い時間を駆け抜けました!
どのコースも、「さんぽ」の終わりには、出会った藝大生たちへのメッセージを書いてもらいます。
参加者のみなさんによってつづられた、あたたかいメッセージは、とびラーを介して藝大生のもとに届きます。
今回のさんぽに参加していただいた方からは、「一見何をあらわしているのか、全くわからないと感じた作品でも、作者と話してみると、自分も同じような体験をしていたり、『その気持ちわかるなぁ』と共感できることもありました!」というコメントを頂きました。同じ時間、同じ空間を共有できるからこそ、作品をきっかけに知り合えるのは素敵なことですね。今回の「藝祭さんぽ」でも、そんな些細だけれど、豊かな体験がみなさんに訪れていたらいいなと思います。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!
執筆:服部美香、東濃誠(アート・コミュニケータ「とびラー」)
撮影:原田清美(アート・コミュニケータ「とびラー」)
編集:峰岸優香(とびらプロジェクト アシスタント)
2017.09.09