東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

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とびらボードでGO!

『メトロポリタン美術館 古代エジプト展 女王と女神』開催期間中の9月13日に、とびラボから生まれた恒例企画、「とびらボードでGO!」が開催されました。
特別展覧会の会場内で小中学生を対象に貸し出されている磁気ボード(愛称は「とびらボード」)。東京都美術館ではこの磁気ボードを使って展示作品のスケッチができます。いつもは描いた絵を家まで持ち帰ることができませんが、「とびらボードでGO!」の開催日は違います。描いた絵をポストカードサイズに印刷して、塗り絵にして持って帰れるのです!参加は当日来館した小中学生なら誰でもOKです。

入り口でとびラーから企画の説明を受け、ボードを手にした子供たちの目はすでにキラキラです。美術館でお絵かきができるなんて、初めての体験だというお子さんも多かったのではないでしょうか?

こちらが展覧会入口に設置された「とびらボード」の貸し出し場所。「ボードに傷はないかな?」「しっかり紐はついているかな?」と、とびラーはボードのチェックに余念がありません。

展覧会を満喫した後は、完成したとびらボードを2階の特設印刷所に持って行きます。するとスタンバイしているとびラーが描いた絵をパソコンで加工し、塗り絵にします。塗り絵は展覧会をイメージした枠の中に印刷されるので、特別感もアップしますね。実は裏面にはメッセージを描けるようになっていて、本当にポストカードとして使えるのですよ。

印刷場所のすぐ横には色鉛筆で塗り絵ができるスペースも完備。印刷したての塗り絵に、展覧会の記憶が鮮やかなうちに色を塗ることができます。
 


色鉛筆片手に、子どもたちの表情は真剣そのものです。図録を開いたり、本物をもう一度見に展示室に戻ったり…。本物を何度も見ながら絵が描ける、そんな贅沢な体験ができるのが、「とびらボードでGO!」の大きな魅力です。「うちの子がこんなに真剣に絵を描くなんて!」「この子がこんなに美術品が好きなんて、知らなかった」と、保護者の方々にとって新たな発見があるのも、この企画ではよく見る光景。今回も新たな発見があったでしょうか?

「ここはどんな色だったかな?」
親子で、兄弟姉妹で、友達同士で、こんな話し合いをしながらの色塗りも、楽しいものです。
 

完成した自信作と一緒に。参加者数は71名、たくさんの傑作が生まれました。彫刻など立体作品が多くみられる展覧会でしたので、絵にするのは難しいかな?と思いきや、小さな芸術家たちにそんな心配は無用です。大人でもはっとさせられてしまうユニークな目の付け所や細部まで行き届いた観察に、今回も感嘆の声がいくつも聞こえました。

作品をよーく見ながらとびらボードにスケッチする内に、子どもたちの心の中で「自分なりの美術品の見方、美術館の楽しみ方」がきっと見つかるはず。そんなことを考えながら、今後も「とびらボードでGO!」を続けていきます。次回の開催をお楽しみに!

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筆者:アート・コミュニケータ(とびラー)鈴木直歩
普段は大学生。裏の顔(?)はアート・コミュニケータ―!「とびらボードでGO!」企画の立ち上げメンバーの一人でもある。
「美術館にやってきた子どもたち!大人の背中にくっついていないで、とびらボード、つかってみませんか?」

2014.09.13

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