4月30日(土)、「藝大ガイドツアー〜春らんまん編」を開催しました。
校内の建築、植栽、彫刻を1時間程かけてじっくりご案内。ガイドは3年の任期を満了したとびラーたちが立ち上げた「アート・コミュニケータ東京」のメンバーと、とびラーが務めました。
■受付
当日は、美しい新緑に木漏れ日が射す、春うららかな気持ちの良いお天気。ツアー開始15分前の受付時間になると、メンバーの呼び掛けに合わせて、お客さまがぞくぞくとお集りくださり、午前の部、午後の部で計57名の事前にお申し込み頂いた、全てのお客さまにご参加頂きました。
メンバーのオリジナル製作によるカードを持ってお出迎え〜受付。
出発までの間は大切なアイスブレイクタイム。お客さまの期待に応えねばとワクワク、ドキドキする瞬間です。
■ツアースタート
小さなお子さんから大人までの幅広いお客様が集まった今回のツアー。和やかな雰囲気の中で、まずはガイドの自己紹介からスタート。
藝大の生い立ちについて、江戸時代には寛永寺の境内だった頃からのランドスケープの変遷を交えて判りやすく説明し、参加者も興味津々の様子。
■陳列館
我らが東京都美術館の前身の東京府美術館と同じ岡田信一郎の設計ときたら、ガイドに熱も入ります。
スクラッチタイルに触れ、象徴的なギリシャ・ローマ風の天窓を外から室内から見上げます。
ロダンの出世作『青銅時代』がナゼここに?二重橋の飾電燈がナゼここに?を話すと、参加者からへぇ〜との声が。
■正木記念館
まずは等身大の正木直彦像がお出迎え。功績、人柄はもちろんですが、木製でも銅製でもなく、実は陶器製のこの像に参加者のみなさんは興味津々。
そして今回、特別にツアー参加者のみ室内へ。
二階に広がる和室の展示空間に映える、高村光雲の透かし彫りの欄間を紹介すると、見上げる大人たちに混じって小学生の女の子が、鳥や木の実と細部に描かれているモチーフを発見してくれました。
■美術学校旧本館玄関、鬼瓦
陳列館と正木記念館の間では、移築による文化保存の好例としても取り上げられる美術学校旧本館の玄関が参加者を迎えます。
正木直彦学長はもちろん、平山郁夫学長もきっと通ったんでしょうね。と感慨深げに柱を撫でる方も。
そして、ひとつひとつ顔の異なる鬼瓦を見上げ、建物の細部に凝らされた意匠にも注目して頂きました。
■屋外彫刻、植生など
屋外彫刻を見ながら、お隣りの上野動物園から聞こえる音に耳をそばだてながら、木々・植物を見ながら、香りを嗅ぎながら、道路越しに赤レンガ1号館を見ながら、各ガイドによるオリジナルな趣向を凝らしたアイデアで藝大構内に息づく魅力を紹介しつつ、参加者のみなさんとの会話を楽しみました。
■岡倉天心/六角堂
平櫛田中作の岡倉天心像を見ながら、早熟の天才「岡倉天心」は勿論のこと、縁起の良い108歳の長寿を全うした「平櫛田中」の逸話に耳を傾ける参加者のみなさん。子ども達に「六角形」で思いつくもの何?と聞くと、蜂の巣、ダイヤモンドといっぱい答えてくれました。
■絵画棟大石膏室
ツアーのハイライト!撮影不可で写真が無いのが残念ですが、参加者からは「こんな素敵な場所があるんですね!」との声が。パチパチパチと拍手を頂き、ツアーお開きとなりました!
執筆:小林雅人(アート・コミュニケータ東京)
2016.04.30