東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

活動紹介

鑑賞実践講座 1回目

2013.05.27

まなざしを共有する:第4回基礎講座

2013.05.25

オープン・レクチャーVol.1「アート・コミュニティの形成 ― 廃材/ものづくり/コミュニティ」-②

2013.05.19

建築ツアー:2年目はじまる!

2013.05.18

今年度最初の建築ツアーが行われました。今回ガイド役を努めたのは、昨年度「建築ツアー実践講座」を受講していたとびラーの方々です。春のあたたかな陽気で、まさにツアー日和でした。

まずは小野寺さん。壁に施された「はつり(削り)加工」について、漢字ではどのように書かれるのかを説明しています。

こちらは今回ガイドデビューを果たした辻さんです。館内の至る所に見られるカラフルな椅子。実はリニューアル前からリメイクして使い続けているものもあり、その「見分け方」をお話してくれました。現代人の脚の長さ、幅広い年齢の方の座りやすさを考慮し、椅子の脚が継ぎ足されており、この継ぎ目がリニューアル前から使われていた印です。

準備の様子を少しだけ。事前にミーティングをし、必要なツアー旗や資料などのガイドグッズをまとめています。

東京都美術館(以下:都美)にはこれまでもお伝えしましたように、沢山の見所が隠れています。おなじみの見所はもちろん、ガイド役のとびラーそれぞれの視点で様々なエピソードを交えながら建物の魅力を伝えていきます。

これからはじまる本年度の「建築ツアー実践講座」では、今年度新しく加わったとびラーと共に、さらに都美建築への知見を深めていきます。

ツアーについての詳細は都美ウェブサイトにてご案内していますので、是非ご参加ください。都美建築大好きとびラーがお待ちしております!
(とびらプロジェクトアシスタント 大谷郁)

オープン・レクチャーVol.1「アート・コミュニティの形成 ― 廃材/ものづくり/コミュニティ」-①

2013.05.12

第一回目のオープン・レクチャー が東京藝術大学にて行われました。テーマは「アート・コミュニティの形成―廃材/ものづくり/コミュニティ」です。
オープン・レクチャーは「とびらプロジェクト」のアート・コミュニケータ(とびラー)の講座の中でも、社会に広く関心を広げて行きたいテーマを取り上げ、「とびらプロジェクト」の活動の主旨が広がっていくことを期待して継続的に開催してゆく予定です。今回とりあげたのは「廃材/素材との出逢いあから生まれるクリエイティブな活動」です。廃材を利用した活動は「世界一の先進教育」と評されるイタリアのレッジョ・エミリア市の幼児教育でも取組まれており、東京都美術館と東京藝術大学はこの立地を活かして、地域をフィールド・ワークしながら、廃材を集め、私たちの消費社会を見つめつつ、クリエイティブな活動をしてゆきたいと考えています。
第一回目のオープン・レクチャーは2週(5/12,5/19)に分けて行なわれ、5月12日は中台澄之氏(株式会社ナカダイ)・田中浩也氏(慶應義塾大学環境情報学部准教授)、5月19日は山崎亮氏(Studio-L/京都造形芸術大学空間デザイン学科長)・大月ヒロ子氏(IDEA R LAB 代表)と旬で気鋭のレクチャラーが登壇します。

 

午前最初のレクチャーは、中台澄之氏(株式会社ナカダイ)。テーマは「捨て方のデザイン」です。総合リサイクル業者のクリエイティブな取組みについてお話をして頂きました。廃棄物業の日常の業務を紹介するところからはじまった中台さんのレクチャーは、今回のオープン・レクチャーの序章として相応しい内容でした。

 

リサイクルと廃棄処分との間に、「使い方を創造する」という新しい価値を見いだす取組みはとても新鮮に感じられました。特に、廃棄物処理の現場を地域の人たちや子供たちに体験してもらうプログラムや、廃材をグラム単位で販売し、廃材に再活用されるチャンスを与える試みの報告はとても興味深いお話でした。中台氏曰く「廃材は全て再利用されたり、リサイクルされたりするわけではない。一定の廃材は埋めることで最終処理される。つまり埋めた時にそのモノの一生わ終わる。我々はそうしたモノの寿命を一日でも長くすることを考えている」とのこと。
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また、こうした試みで得ることができたのは社会貢献的は評価だけではなく、会社内部にも良い影響を与えているとのこと。地域の人たちや子供たちが、自社(株式会社ナカダイ)に関心を抱いてくれることから、会社のイメージが向上し、それにつれ社員の仕事に対する意識も高まり、業績も上向きになったとのこと。中台氏の、自社にとって顧客とは誰かを明確に捉え、自社の強みをクリエイティブな視点で再確認し、働く人を活かす卓越した経営マネジメント力を伺うことのできる、力強いレクチャーでした。

 

午後の二人目のレクチャーは田中浩也氏(慶應義塾大学環境情報学部准教授)。テーマは「リペアデザイン」です

 

田中氏がレクチャーで取り上げたのは「Fab lab」(ファブ・ラボ)という取組みです。「Fab Lab」(fabrication laboratory)とは、 3Dプリンタやカッティングマシンなど多様な工作機械を備えたスペースを地域のコミュニティなどで共有することにより、利用する個々人のアイディアや創造性によって様々なツールやアイテムを制作できる社会的環境の提案と、ものづくりへの意識変革を促す取組みです。「Fab Lab」は、コンピュータによる設計と、3Dプリンタやカッティングマシンなどの持つ実物への再現機能を駆使して、個人の必要性に応じて、必要な時に、必要な量だけ、自身で必要なツールやアイテムを作り出せるようになるような社会の在り方提唱しており、それを「ものづくり革命 (Industrial (Re)volution:第2次産業革命)」とも呼んでいます。

 

「Fab Lab 」の特徴的なのは、デジタル技術を素地としているため、個人のアイディアがデジタル・データとして蓄積されることで、他者の利用も可能になること。つまり、誰かが蓄積したツールやアイテムのデータを3Dプリンタやカッティングマシンで出力すれば、自分もそれを手にすることができるのです。「Fabrication」(ものづくり)と「Fabulous」(楽しい・愉快な)の2つの単語がかけられているこの取組みは、まさに新しい知の共有ともいえます。「Fab Lab 」は日本でも徐々に広まりつつあるとのこと。鎌倉やつくば市にもあるそうです。

 

会場からも様々な質問がでて、活気のあるオープンレクチャーとなりました。「捨て方のデザイン」と「リペアデザイン」どちらもコミュニティの形成にかかる重要な提案でした。中台澄之氏、田中浩也氏、ありがとうございました。
(とびらプロジェクト・マネージャ 伊藤達矢)

きく力について考える:3回目基礎講座

2013.05.11

3回目の基礎講座が開催されました。講師は西村佳哲氏。テーマは「きく力について考える」です。

 

「とびらプロジェクト」の基礎講座は「やり方」を教える講座ではないので、来館者の前で上手にお話ができる「話し方」などの講義はありません。アート・コミュニケータ(とびラー)に必要なのは、発信力より受信力、相手の意見や気持ちを受け止めることのできる力、すなわち「きく力」だと考えています。

 

そこで、今回の基礎講座は「きく力」をキーワードに進められました。講師の西村さんのお話を聞くだけではく、とびラー同士でコミュニケーション取りながらの講座となりました。そして、「きく力」(受信力)の話から、プロジェクトを進めてゆく上で必要となるさまざまな心構えや予備知識の話へと講座は展開して行きました。

 

今回の西村さんのお話でとても興味深かったのが、「80%=20%の法則」です。80%の成果は20%の活動エネルギーよって生まれるという説で、「パレートの法則」としても広く知られています。
この「80%=20%の法則」を、プロジェクトの成長課程に当てはめると、とても面白い見方ができます。
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「80%の成果は20%の活動エネルギーによって生まれる」と仮定すると、
1、80%の成果は20%の時間で達成できると考えられます。
2、また逆に残り20%の成果を生むには、全体の80%の時間を費やさなくては成らないとも読み取ることができます。
縦軸を質(成果)、横軸を時間として、この状況をグラフにするとスライドのような曲線が描かれます。そして、質(成果)が凡そ80%に到達したところを分岐点としてとらえ、時間軸から見る前者を1、時間軸から見る後者を2として、それぞれの特性を分析すると以下の様に解釈することができます。
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1、80%の質(成果)をあげる20%の時間 = トライ&エラーを繰り返して急激にイメージが実態化される期間(創造的成果が問われる期間)
2、残り20%の成果を詰める80%の時間=丁寧に仕事を整理してプロジェクトの制度を高める期間(生産的成果が問われる期間)
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これについて西村さんは、こうした曲線を辿らず進行するプロジェクトもあり得る、しかし、高い成果を残すプロジェクトにみられる成長曲線は、このスライドにあるような曲線をたどるプロジェクトであると言います。その理由は、1、2の両方の状況が顕在化していることがプロジェクトにとって理想的であるからだとのこと。
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この、1「創造的成果が問われる期間」と2「生産的成果が問われる期間」とが顕在化することの重要性については非常に納得でした。創造的な発想をバネに失敗を恐れず進行しなくては成らない1の時期と、積み上げた成果をキチンと価値付けてゆく2の時期、確かにどちらもないとよいプロジェクトにはなりません。
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もう一つの興味深いポイントとしては、1と2転換期(80%地点)を「壁」として捉えることができるところです。創造的な取組みに注力し、急激に成長したプロジェクトであっても、ある時からその成長が伸び悩む時期が訪れます。
それを「壁」という言葉で表しますが、実はのこ「壁」は仕事への意識を変えるタイミングであると解釈することができます。「やり方を変える」「求める成果を変える」など意識を変えることで、その「壁」は越えることができるばかりか、プロジェクトの完成度をさらに高めチャンスとなり得るのです。

各々どのように西村さんの話を「きいた」のかを共有したながら講座は進められました。

 

コミュニケーションを取りながらの講座は、自分だけの解釈の枠を越えて、さらに深い理解へと導いてくれます。

 

午後はコミュニケーションについて考えるワークショップを行ないました。こちらは、昨年の基礎講座でも実施された内容なので、詳しくは「H24基礎講座2回目」をご覧下さい。基礎講座も3回目を修了し、全6回の基礎講座も折り返しとなりました。とびラー2期生もどんどん成長しております。どんどん加速してゆきます!
(とびらプロジェクト・マネージャ 伊藤達矢)

上野公園にでかけよう!:基礎講座2回目「あさっての美術館を考える」

2013.04.27

2回目の基礎講座のテーマは「あさっての美術館を考える」でした。講師はアーティストの日比野克彦さんです。
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講座がはじまると日比野さんからとびラーに課題がだされました。
【課題】:東京都美術館と上野公園内にある他の文化施設が連携することで出来る新しいアイディアをグループで考えなさい。
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東京都美術館(以下:都美)の中で考えていてもはじまりません。そこで、早速とびラーは10グループに分かれて、都美を基点に、東京国立博物館、国立科学博物館、国立西洋美術館、上野動物園、国際こども図書館、東京藝術大学美術館へとリサーチに向かうことになりました。

こちらのグループは上野動物園へ。久々の動物園!というとびラーもいたようです。

 

こちらのグループは、国立科学博物館へと向かいました。上野公園には多くの文化施設が集積しています。どの文化施設も日本を代表する素晴らしい文化施設ばかりです。そうした文化施設の持つ可能性を、これまでとは違った視点で確認する。そして、上野公園を自分のホームグラウンドにして行く。アート・コミュニケータとしての経験値を高める大事なステップです。

 

外の文化施設だけでなく、基点となる都美も合わせてじっくりとリサーチした後は、基礎講座の教室(都美のアートスタディルーム)に戻り、文化施設を連携させることでできる新しいアイディアについて各グループ毎に話合いが行なわれました。

 

今回の基礎講座は、新たに入ったとびラー2期生と1期生の混合チームで進められて行きました。じっくりと話し合ってアイディアをまとめてゆきます。

 

日比野さんが見てまわります。

 

知り合って間もないとびラーも講座を通して徐々に打ち解けてきたようです。

 

最後は、各ブループ毎に考えたアイディアを発表しました。

 

個性的なアイディアがいくつも発表されました。例えば、動物園で「迷子にならないための迷子札」が発行されているというリサーチから、美術館では「迷子になるための迷子札」をつくってはどうかなど、非常に興味深いアイディアが生まれていました。作品を通してイメージの世界へ迷い込む、そんな美術館の持つ不思議な場所の印象を上手に捉えたアイディアでした。とびラーがファシリテータになって、都美だけではなく東京国立博物館や西洋美術館に迷い込む「金曜夜のナイトツアー」なんあったら楽しそうですね(勝手な妄想です)。こうした一つ一つのアイディアに日比野さんか適切なコメントを入れて行きます。「んーー25点(笑)」という厳しい突っ込みもありましたが、和やかな雰囲気で講座が進められて行きました。

 

講座が終わったあとは、カフェ「SAVORIYA リアル」が開店。お茶やお菓子は持ち寄りで、ミーティングの続きをしたり、何気ない話をしたりと、気ままなコミュニケーションの場となりました。2年目を迎えた「とびらプロジェクト」も徐々にあたたまってきました!
(とびらプロジェクト・マネージャ 伊藤達矢)

新規とびラー55名が新たに加わりました!!:基礎講座1回目

2013.04.13

4月に入り「とびらプロジェクト」も新年度を迎えました。新たに55名のとびラー(アート・コミュニケータ)が加わり、昨年度からの継続とびラー71名と合わせると、「とびらプロジェクト」は126名もの大所帯となりました。そして、126名のとびラーを対象とした全6回に渡る基礎講座が昨年度同様にスタートしました。
昨年末に募集したH25年度とびラーの募集状況は、定員40名に対して199名の応募があり、倍率は凡そ5倍となりました。応募して頂いた方々の高い熱意をひしひしと感じ、選考は難航を極めました。一次選考(書類選考)、ニ次選考(面接)の経過の中で、出来る限りご応募頂いた方々の気持ちに答えようと定員を15名増やしました。選考の基準は、幅広い年齢層の参加、男女のバランス、様々な仕事や経験・価値観のバランス、活動できる曜日のバランス、アート・コミュニケータへの感心の高さなど、様々な視点から総合的に判断させて頂きました。そのため個々人の能力というよりは、全体のバランスが重視され、結果的に「ご縁あった皆様」という印象となっております。改めてお応募頂いた全ての皆様に感謝を申し上げます。

H25年度第一回目の基礎講座は「とびらプロジェクト」で活動を行なうためのガイダンスとなりました。スタッフの紹介をさせて頂いた後に、東京都美術館アート・コミュニケーション係長の稲庭学芸員より東京都美術館(以下:都美)の歴史やアート・コミュニケーション事業の目指すものなどのお話がありました。続いて僕、伊藤達矢(東京藝術大学特任助教/とびプロジェクトマネージャ)から、東京藝術大学の歴史と「とびらプロジェクト」の概要についてお話をさせて頂きました。

 

午前の部の最後は、東京藝術大学特任助手でとびらプロジェクトコーディネータの近藤美智子さんより今後の具体的なスケジュールや活動する上でのルールなどについてお話がありました。

 

午後は継続して活動しているとびラーがH24年10月~H25年3月までの活動の報告をしました。イベントとして公表されている「紙芝居プロジェクト」や「スケッチボードでGO!!」、また都美内にて活動を展開する「建築マッププロジェクト」館内情報紙「とびリア」、美術情報室の書籍を特別展と合わせて紹介する「ライぶらり」の発行経過などなど、たくさんの「とびラボ」から生まれた活動の報告がありました。

 

熱のこもったプレゼンで、新しく入ってきた55名のとびラーにも分かり易くこれまでの活動を紹介できたのではないかと思います。

 

とびラーが昨年度つくったさまざま印刷物も配布されました。

 

新規とびラーのみなさんは初回にもかかわらず、相当量の情報に少しびっくりされたかもしれません。。。でも、まずは基礎講座からゆっくりと入って行って頂ければと思います。

 

とびラーの活動紹介の後は、新しいとびラーも継続したとびラーも自己紹介を兼ねて前後左右の席4~5人でとびラーのプレゼンについての感想を共有する時間となりました。

 

最後は僕から新年度の新しい取り組みについてお話をさせて頂きました。今年度は活動の範囲を広げて、いよいよ本格的に「コミュニティーの形成を目指すプロジェクト」の本丸に向かおうと考えています。126名のとびラーとともに、「とびらプロジェクト」まだまだ成長し続けます。
(とびらプロジェクト マネージャ 伊藤達矢)

スケッチボードでGO!!:エル・グレコ展

2013.03.30

「エル・グレコ」展でも、子どもたちが名画を描く「スケッチボードでGO!!」が実施されました。磁気ボードを使って子どもたちが展示室の中でお絵かきをします。出口ではとびラーが子どもたちの絵をポストカードにしてプレゼントしてくれます。

 

3月29日・30日の2日間行なわれた「スケッチボードでGO!!」(磁気ボードの貸し出しは会期中常時行なわれました)には1日平均60人もの子どもたちが参加してくれました。

 

展示室の中では真剣に絵を描く子どもたちの姿に遭遇します。こうした光景は展示室の中の雰囲気さえも変えてしまいます。

 

今回の「スケッチボードでGO!!」では、これまでにはなかった新たな試みも行なわれました。いつもは子どもたちが描いた絵をポストカード状の塗り絵に仕立ててプレゼントするところまででしたが、今回は展示室から出たところに「塗り絵コーナー」を設けました。今描いた絵に、今色を着ける。今みたあの絵のことを思いだす。色を塗っている間に「もう一度作品をみてきたい!」と展示室に戻る子どもの姿もありました。

 

作業は真剣そのもの。ただ作品を鑑賞するだけでなく、子どもたち自身、自分が感じた名画の印象をじっくりと味わい、カードに残します。そしてそのカード家に持ち帰ることで、今日の体験を家族や他の誰かと共有することができます。

 

最後は「とびらプロジェクト」のロゴマークの前で記念撮影。上手に描けています。きっとエル・グレコの自画像かな?

 

「楽しかった!」そう感じてもらえることはとても大切なこと。これからも有意義な鑑賞体験の場づくりを目指して行ければと思います。ご来場ありがとうございました。
(とびらプロジェクトマネージャ 伊藤達矢)

「障害のある方のための特別鑑賞会」:エル・グレコ展

2013.03.11

「障害のある方のための特別鑑賞会」が開催されました。今回は「エル・グレコ」展が会場となりました。介助の方を含めて凡そ800名もの方々にご参加頂きました。この「障害のある方のための特別鑑賞会」は月曜日の休室日を利用し、障害のある方に混雑していない展示室の中でゆっくりと作品を鑑賞して頂こうという企画です。入り口から展示室までの誘導や受付、車椅子の貸し出しなど、当日の運営はとびラー候補生(とびコー)が担当します。

 

エル・グレコの肖像画とされる作品です。エル・グレコ展に展示されている作品の多くは、キリスト教絵画ですが、どれもエル・グレコ独特の際立った配色とディフォルメされた人物のフォルムがみる者に強い印象を与えています。

 

展示室の中でとびコーさんが来場者の方と絵画について何気ないお話をすることもあります。小さなコミュニケーションが展示室の中の雰囲気を柔らかいものにします。

 

少しずつ絵画に近づいて行くところから、絵画との対話ははじまっています。

高さ3mもある「無原罪のお宿り」。しばし眺めていと絵の中に吸い込まれそうな気分になります。

 

展示室をでると、ミュージアムショップが設置されています。エル・グレコ展にちなんだアイテムがたくさん販売されています。

 

「障害のある方のための特別鑑賞会」が行なわれた3月11日は、東日本大震災から2年目の日でもありました。展覧会場の最後に設置されたアンケートを記入する机の上にはささやかながら、とびコーから鎮魂と復興の祈りを込めて一輪の白百合の花をみなさんにお配りさせて頂きました。とびラー有志で折った折り紙の白百合は、聖母マリアの象徴でもありました。本年度最後の「障害のある方のための特別鑑賞会」も無事に終えることができました。また次年度に向けて準備を進めて行きたいと思います。
(とびらプロジェクト マネージャ 伊藤達矢)

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