東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

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【藝祭2018】「とびラーによる御輿制作インタビュー⑩」白蛇の鱗編

こんにちは。とびラーの大澤です。

9月に入り、仕事や学校等が本格的に再開した方も多いのではないでしょうか。

未だにジメジメとした湿気が残り、台風の影響等にも心配を募らせるばかりですが、夜間になると「あっ……秋の気配を感じるぞ。いい虫の音だなぁ…!」と一人感じる瞬間が徐々に増えてきたような気がします。

今回は、8月の最終週(8/29)に実施した藝祭御輿インタビューの模様を皆さんにお届けしたいと思います。

お邪魔したのは、『日本画・工芸・邦楽・楽理』チームによる烏天狗の御輿制作現場です。

早速、御輿制作現場へと急ぐ我らとびラー。

この日は暑すぎず、且つ強風・雨もないという天気で、まさにインタビュー日和でした。

 

 

後ろに見えるのが御輿本体の制作場所。手前のブルーシートテントではパーツの調整等が行われています。

 

左奥が「烏天狗」の頭部、手前にあるのが「白龍」の頭部です。かなりリアルでドキッとさせられます!

「烏天狗」の方は、なんとなく山伏とカラスとおじいちゃんを足して3で割ったような顔立ちをしているように私は感じました。眺めていると、変な安心感を覚えるような…。

 

とある藝大生3人は「白龍」の出来具合を確認しつつ、「ハクじゃん!(笑)」と談笑。確かに、ジブリ映画『千と千尋の神隠し』に登場するイケメン少年の素顔に酷似しています…!

 

周囲に散らばる発泡スチロール(一部の学生は“はっぽう”と略して呼んでいました)の破片によってが現場感がを増していました。

みんな身体や頭に“はっぽう”の粉がついてもそんなことお構いなし! はらってもはらっても無限にくっついてしまう“はっぽう”に気を取られているほど、彼ら彼女らに時間・心理的余裕はありません…。(汗)

「白龍」頭部を正面から見た様子。牙と舌があります!

角は後付けするのでしょうか…?

 

MAD SCIENTISTがテーマの御輿(『デザイン・芸学・作曲・弦楽』チーム制作)や三頭の象を表した御輿(『油画・建築・声楽・指揮・打楽器・オルガン・古楽』チーム制作)など、他の御輿に比べるとサイズ的にはさほど大きくはない御輿ですが、進捗を伺うと、かなり急ぎ目で進める必要がある…とのことでした。

 

藝祭当日まで、本格的にカウントダウンが始まっている今。どのチームも心身共にフル回転で制作に取り組んでいるようです。

 

テント入り口手前にある90ℓのごみ袋。ポカリらしきドリンクのペットボトルでパンパンに…。涙ぐましい&微笑ましいほどの努力を察しました。

 

メインでお話を伺ったのは、『日本画・工芸・邦楽・楽理』チームの隊長さんです。

こちらは隊長の中川さん(工芸)。

茶色から明るい赤へ、ヘアカラーチェンジ! 見ている我々も、ますます藝祭当日に向けての雰囲気が増したように感じられました。

結構お疲れの様子で、それもそのはず……毎日朝9時から夜の8時まで作業に取りかかっているとのこと。

他の3チームに比べ進み具合がやや遅れており、「隊長としては心配事が多いのではないか」と質問すると、「人員が足りていないわけではないものの、全体的な工程の進度は現状の3倍ほどスピードアップしたい」と仰っていました。

これからの予定は、「各パーツの粗削り・ディテール仕上げ」→「合体」→「彩色」となっているため、絵の具の購入も含め急ピッチでの準備が行われるようです。

 

御輿制作と並行するかたちでパフォーマンスのリハーサルも順次行われているそうで、噴水広場での練習のことも教えてくださいました。

パフォーマンス用の音源については、隊長の中川さんから「とてもかっこよかった!」との感想が。レコーディングには30人程度が参加したそうで、御輿本体は美術学部、音源は音楽学部といった大まかな役割分担が機能しているなぁと感心しました。

 

また、当日はオリジナルグッズの販売も行うため、Tシャツやトートバッグの用意も着々と進んでいるそうです。

 

隊長以外のチームメンバーの体調や意識の変化については、意外と大丈夫な様子で、逆に日を追うごとに士気の高まりがみられるとお聞きしたので、こちらとしても一安心しました。

 

「御輿制作や一連の祭が終わった暁には…」という質問に対しては、「ビール飲みたい!」との答えが即答で返ってきました。(笑)

 

続いてこちらはもう一人の隊長の山本さん(日本画)。

インタビュー中に友人からの差し入れをもらって、にっこり!

 

写真ではわかりませんが、山本さんも中川さんと同様、髪の毛先を金色っぽくブリーチしたとお話ししていました。「今から染めるんですね~」という発言に「いや、これはベースなんでここからさらに何かします」と中川さん。藝祭当日にどんなヘアカラーになっているのかが楽しみです…!

 

本番である当日への意気込みは、楽しみと不安が半々とのこと。そりゃあそうですよね、とこちらも納得。すべてがうまくいくかどうかはその時次第である以外にも、御輿やパフォーマンスの全貌を藝祭当日にリアルタイムで把握できるのは観客に他ならず、演じ手である制作メンバーは来場者とは少し異なった視点から藝祭を楽しむことになるのではないでしょうか?

この発泡スチロール2個分が、基準となる発泡スチロールのサイズだそうです。かなり大きい状態から、細分化・粗削りしていくことで、単なる白くて軽い物体が重厚な御輿の一部へと変化していきます。全部で合計すると、24個ほどの発泡スチロールの塊を御輿1基の制作に使用しているそうです。

テント内部に入らせていただき、「白龍」の鱗を観察することができました。全体像がイメージできるような段階にまで至った経緯を間近で見守ってきたからこそ感じられる感動がありました!

 

作業には飲み物と虫よけが必須! インタビュー中も、周りでは蚊がブンブンと羽音をたてていました。

 

以上で、今回のインタビュー記事は終わりです。

これで皆さんも、9/7藝祭当日に竹の台広場にて行われる「開口一番」や9/9に袴腰広場で開催される「法被コレクション(通称:ハピコレ)」などがますます楽しみになってきたのではないでしょうか??

来場した方は、法被投票なるものに参加できるそうです! その結果をもとに、今年度の法被表彰が行われるということで、こちらも気になりますよね…。

 

東京藝術大学構内にお邪魔し、実際に現場の雰囲気を感じたり、学生にインタビューを行ったりしたことを通して、私自身は藝祭が如何に学生一人一人の想い・ドラマの集合体であるかを体感することができたと思います。

 

インタビューは藝祭直前である次回が最終回となります。

どうぞご期待ください!


 

 

執筆:大澤桃乃(アート・コミュニケータ「とびラー」)

藝祭2018公式グッズのピンバッジとTシャツ、手に入れたいなぁ…。

 

 

 

 


★藝大生やとびラーが活躍する「藝祭2018」を一緒に楽しみませんか?

公式サイト→(http://geisai.geidai.ac.jp/2018/index.html)

開催期間:9/7(金)8(土)9(日)9:00〜20:00  / 東京藝術大学上野校地にて

2018.09.06

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