東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

活動紹介

1月の建築ツアー

2013.01.16

1月19日に実施した建築ツアーの様子です。1月の寒空の元ではありますが、17名のお客さんにとびラー候補生(以下:とびコー)考案のオリジナルツアーに参加していただきました。

今回のガイドを努めたのは辻さん、山中さん、淵上さんの3人です。

まずは辻さん、佐藤慶太郎ラウンジにて東京都美術館(以下:都美)の歴史を紹介しています。

 

都美を設計した前川國男はグルメだった…?というお話から、山中さんはレストランも紹介しています。

 

ガラスの向こうに淵上さん率いるツアー一行が見えますでしょうか?そう、ここは公募展の展示室。都美を一望するにはうってつけです。

 

また、1月16日には臨時で建築学部を目指す高校生を対象にツアーを行いました。ガイド担当は建築ツアー実践講座の講師(学芸員)の河野さんと、とびコーの秋本さんです。

 

とびコーの皆さんは、講座や自主練を重ねより一層充実した内容のツアーを目指して頑張っています。3月には今年度最後のツアーを実施します。是非一度とびコーオリジナルツアーにご参加ください!

(とびらプロジェクトアシスタント 大谷郁)

建築ツアー:ハツリ加工の効果とは?!

2012.11.17

2回目となる建築ツアーが開催されました。本日もとびラー候補生(以下:とびコー)のみなさんによるオリジナルガイドで、東京都美術館(以下:都美)の建築物としての魅力をご紹介させて頂きました。とびコーの山中さんのツアーは、主に都美の照明をテーマとしたのもでした。

写真は企画展示室を見下ろしている様子です。都美を設計した建築家の前川国男は、設置される照明の場所や種類、強弱だけでなく、光を受け止める壁や柱の質感にもこだわりをもっていました。都美の壁や柱は「ハツリ加工」という工法で仕上げられています。「ハツリ加工」とは、コンクリート製の壁や柱の表面を、職人の手仕事によって粗めのテクスチャーを付けて行く加工のことを言います。この「ハツリ加工」によって生まれる効果は、視覚的にも暖かみが生まれ、かつ壁や柱の存在感をより引き立てるだけでなく、そこに照らし出された光までもが柔らかく、空間に滲む様な印象ををみるものに与えることができます。都美のコンクリート部分の相当面積がこの「ハツリ加工」が施されています。

 

こちらは秋本さんのガイドツアーの様子。2年前の改修工事前の都美と今の都美を模型を使いながら説明しています。

 

こちらは淵上さんのツアー。みなさん、定期的に研究・練習日を決めて、建築ツアーの内容をブラッシュアップしています。次回の建築ツアーは1月19日(日)。お申し込みはこちらから皆さんのご参加をお待ちしております。(とびらプロジェクト マネージャ 伊藤達矢)

東京都美術館 建築ツアー始動!

2012.09.15

東京都美術館(以下:都美)の建築ツアーがスタートしました。24名のみなさんにご参加頂きました。ロビー階では、参加者のみなさんをとびラー候補生(以下:とびコー)がお待ちしております。

記念すべき第一回目の建築ツアーをガイドするのは、とびコーの秋本さん、関口さん、淵上さんです。これまで勉強してきた都美の建築物としての魅力を精一杯ご紹介させて頂きました。

コースは三者三様。それぞれの視点で、それぞれが勉強して来た内容についてツアーが進められて行きます。

 

ガイドが代われば内容も変わり、同じガイドでも、ツアーの内容はどんどんブラッシュアップされて行きます。きっと何度もご参加頂ければ、その深みを感じてもらえるのではないでしょうか。

 

ツアーの内容は、、、残念ながらここには掲載できません。これまでとびコーのみなさんが研究に研究を重ねたガイドツアーは、都美でしか味わうことの出来ないひと時です。次回建築ツアーの募集は既にはじまっています。アートコミュニケータ(現:とびコー)がリードするオリジナリティー溢れる建築ツアー、是非一度ご参加ください。
お申し込み先はこちら→「東京都美術館:建築ツアー」
(とびらプロジェクト マネージャ 伊藤達矢)

建築ツアー実践講座5回目:「ツアーガイドデビューにそなえる2」

2012.09.08

本日の建築ツアー実践講座も前回に引き続きとびラー候補生(以下:とびコー)による模擬建築ツアーが行われました。ツアーガイドを行うのはとびコーの淵上さんです。観客役となる他のとびコーの皆さんも、自分のツアー内容をブラッシュアップするつもりで参加します。東京都美術館(以下:都美)の改修前と改修後の違いなどについて、的確なガイドを進める淵上さんの様子。

 

淵上さんが装着しているマイクは、混雑している会場でもツアーガイドの声をクリアにお届けする為の装置です。参加者の皆さんにはイヤホンが配られ、快適な音声環境が整えられます。

 

淵上さんの建築家前川國男の人柄が伺える逸話を交えたガイドに、他のとびコーの皆さんも聞き入っている様子でした。

 

淵上さんの建築ツアーの内容について、このブログでは詳しく掲載いたしません。淵上さんの渾身のツアーは、都美の建築ツアーにご参加頂き、生のガイドで楽しんで頂ければと思います。

 

こちらはロビー階の天井の説明をしている様子。こんなところにも前川建築の粋が隠されているのですね〜。

 

模擬ツアーが終わった後は、いつもの通りアートスタディルームにもどり、建築ツアー担当講師の河野さん(学芸員)とともに振り返りを行いました。各自自分のツアーガイドと本日の淵上さんのツアーを比べながら、よりよいガイドを目指し意見交換を行いました。9月15日よりいよいよスタートするとびコーさんによる建築ツアーガイド。乞うご期待。お申し込み先はこちら→「東京都美術館:建築ツアー」
(とびらプロジェクトマネージャ 伊藤達矢)

建築ツアー実践講座4回目:「ツアーガイドデビューにそなえる1」

2012.09.01

本日の建築ツアー実践講座は、とびラー候補生(以下:とびコー)による模擬ツアー。最初のツアーガイドは秋本さん。お客様はとびコーのみなさんです。ガイドをする方も見る方も、各自自分のプランをよりよいものとするために真剣に取り組んでいました。

9月15日からいよいよ東京都美術館(以下:都美)の建築ツアーはとびコーさんのガイドによって行われます。ツアーの内容は全てとびコーさんが考えたオリジナルです。なので、人が違えば内容も違う、何度でも楽しめるツアーとなっています。ブログではとびコーさんのツアーガイドの内容は詳しく掲載しません。実際に都美に来て、建築ツアーにご参加頂けた方だけが味わえるスペシャルな内容となっています。講堂の前にあるこのレリーフにもいろいろな逸話があります。このお話は秋本さんの建築ツアーに参加した方でないと聞くことができません。

 

本番さながらの流れで屋内から屋外へとツアーは展開して行きます。

自分のツアー計画になかったアイディアや、自分だったらもっと工夫するという改善点まで細かく確認をして行きます。秋本さんのツアーはとても聞き応えのある素晴らしい内容でした。

 

続いて、関口さんの模擬建築ツアーガイドがスタート。佐藤慶太郎記念アートラウンジで説明をされている様子です。関口さんでないと聞くことのできない佐藤慶太郎(都美創設の父)にまつわるお話はとても興味深かったです。

 

都美の建築物だけのお話に留まらず、都美を設計した前川國男のさまざまな建築物と都美を比較しながら進められて行く関口ツアーは、相当の勉強量から裏付けられるしっかりとしたものでした。

 

二人の建築ツアーを終えアートスタディルームにもどり、振り返りをしました。建築ツアー担当講師の河野さん(学芸員)から感想を頂いたあとは、それぞれ感じた”優れていると思ったところ”や”もっと工夫が必要だと思ったところ”を共有しました。

河野さんが一つひとつ丁寧に意見を整理して下さいました。とても充実した模擬ツアーだったと思います。いよいよ本番直前です。みなさん是非お申し込みください。
お申し込み先はこちら→「東京都美術館 建築ツアー」
(とびらプロジェクトマネージャ 伊藤達矢)

松隈洋の建築ツアー:建築ツアー実践講座

2012.08.25

建築ツアー4回目はいよいよお客様をご案内する実践の場。しかし、とびラー候補生(以下:とびコー)はまだ修行中の身なのでサポートにまわります。ツアーの案内をするのは松隈洋先生(京都工芸繊維大学教授・建築史家)です。2年前に実施された「おやすみ都美館建築ツアー」でもツアーの案内人をされた東京都美術館(以下:都美)の建築(前川國男設計)を知り尽くすベテラン案内人。リニューアルオープン後第一回目となる今回の建築ツアーには24名の方にご参加頂きました。早速ツアースタート、地下1階のロビー階から中庭へ移動します。改修前と改修後にどのような変化があったのかなど、詳しく教えて頂きながら歩いて行きます。

続いて地上1階の正門付近へと移動します。この場所からは都美の外観を一望することができます。都美の改修工事でもっとも難しかったことの一つは、一見レンガづくりに見える都美外壁の再現だったそうです。実はこれ、レンガではなくタイルなのです。「打ち込みタイル工法」という技法を用いており、これも前川國男建築の特徴の一つでもあります。

 

どの辺りが大変だったのか、松隈先生が解説を行おうとされたとき、実際に改修を担当された方がツアーのお客さまの中にいらっしゃいました。松隈先生のサプライズにより、直接お話を伺うことができました。
都美が建設された1970年代初頭はオイルショックで、大量の打ち込みタイルを作ろうにも、タイルを焼く窯が燃料不足になり易く、火力が安定しなかったため、タイルの色が謀らずしもまちまちになってしまったそうです。結果的にそれが外壁の風合いを醸し出すことになりました。しかし、今の窯でタイルを焼くと、素晴らしく精度の高い奇麗に整ったタイルが出来てしまうそうです。それでは改修前に都美が持っていた雰囲気を再現することはできません。
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そこで、色合いの調査やタイルの焼き方に工夫を重ねて、ようやく完成させたのが、今の都美のタイルだそうです。改修前のタイルが残っている棟もありますが、ほとんど見分けがつかない程そっくりです。

 

改修前と改修後では大きく違うところもあります。都美はバリアフリー化を積極的に進め、改修前にはなかったエレベーターとエスカレーターが設置されました。

 

館内には大正時代に都美創設に大きく貢献した九州の炭鉱王佐藤慶太郎を記念するラウンジが設けられています。

 

このあと、企画展示室で開催中の「生きるための家展」を鑑賞しながら、新しくなった展示室を見学しました。

 

続いて北口へ。一番下のLB階にはミュージアムショップ、一つ上が地上1階で佐藤慶太郎記念アートラウンジ、その上2階がレストランを臨めます。この2階レストラン部分も今回の改修工事で新たに増設された部分です。

 

実践講座の最後は松隈先生の建築ツアーを全員で振り返りながら、勉強会を開きました。建築ツアー実践講座担当講師(学芸員)の河野さんの適切なフォローのもと、とびコーのみなさんのレベルもどんどん上がっています。頼もしい限りです。
(とびらプロジェクトマネージャ 伊藤達矢)

建築ツアー実践講座3回目:「ツアーコースについて考える①」

2012.07.28

建築ツアー実践講座の3回目が行われました。とびラー候補生(以下:とびコー)のみなさんには、前回の講座の宿題であった「ツアーコースをつくる」で、各自考えたツアーコース案を事前に担当学芸員の河野さんへ提出していました。今回は、提出されたコース案の中から河野さんが3案を選び、実際に3人のとびコーさんが模擬ツアーを行いました。これまで学んだツアーの組み立て方や方法、都美の歴史や建物の特徴等を踏まえ、自分なりに都美を伝えていきます。

口頭の説明だけでなく、スケッチブックを利用してわかりやすく示したり、前年度までの改修工事で出た外壁の破片の実物を見せてくれたり、それぞれのツアーには工夫が凝らされており、なるほどと思わせる場面もありました。

 

内容は都美の特徴である赤レンガのようなタイルの外壁についてはもちろん、館内のつくりにまで及んでいます。

 

実際にツアーコンダクターのお話を聞きながら建物の中を回ると、都美の色々な場所の雰囲気を肌で感じられ、参加者自らが発見したり気づくこともあります。

 

模擬ツアーの後は全員で今回のツアーの良かった点、改善点などについて話し合いました。今後は、各自が考えたツアーや実際に模擬ツアーを行っての反省などを活かし、建築ツアー実践に向けてコースや内容を練り上げていきます。

さて、どんなツアーが出来上がるのでしょうか、ご期待ください。

(とびらプロジェクトアシスタント 大谷郁)

建築ツアー実践講座2回目「東京都美術館の歴史」

2012.06.19

2回目の建築ツアー実践講座が行われました。今回は主に、東京都美術館(以下:都美)の建物の特徴や歴史について学びました。講師は学芸員の河野さんです。とびラー候補生(以下:とびコー)が現場に立ってツアーガイドを行うときに知っておきたい基礎知識を中心に、ちょっとした裏話しまで幅広く講義して頂きました。スライドの写真は都美の父ともいわれる九州の炭鉱王佐藤慶太郎氏。当時の100万円(現在の33億円程度)を東京府に寄付し、1926年(大正15年)に東京府美術館(現 東京都美術館)が開館する礎を築いた方です。

 

佐藤慶太郎氏の寄付により建てられた旧東京都美術館も時代の流れの中で、建て替えを余儀なくされます。昭和50年に旧東京都美術館から現在の前川國男設計の東京都美術館に移行を完了させたそうですが、なんと、旧館を運営しながら、隣に新館を建設するというかなりアクロバティックな乗り換えだったようです。また、前川氏は同じ上野公園内にある東京文化会館の設計も行っており、さらにその向かい側にある国立西洋美術館は彼の師であるル・コルビュジェの作品です。一方、上野公園には、不忍池や武蔵野の原生林の面影が漂う自然の風景も残されています。こうした多様な魅力を上手に融合させ、建物を取り巻く公園全体の環境を大切にしながら、前川氏の手によって都美の建設は進められました。
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さらに館内に目を向ければ、都美の建物の中には、普段は気付かない色々な工夫が隠されています。例えば、館内の階段に付いている手すりは、全ての角を落として丸く処理されています。これは、都美が建てられた1970年代当初は、まだ美術館の来館者の多くが着物だったため、袂を手すりに引っ掛けない様にデザインされたそうで、リニューアル後の今でもその面影をの見ることができます。その他にも、一度奇麗に固めたコンクリートの表面を砕き細かな凹凸を付ける「ハツリ加工」が生み出す柔らかい光と影の印象や、都美の外観を覆い尽くす一見レンガに見える「打ち込みタイル工法」の仕組みなど、なるほど〜と思わずうなずくことがたくさん有りました。

 

時代を感じるエピソードとして印象的だったのは、都美の正面入口のコンクリートに今でも残る斜めの大きな傷のお話し。都美を建設中の70年代前半、日本はオイルショックに見舞われました。その影響で何と都美の正面入口をつくっている最中にコンクリートミキサー車が到着できなくなるというハプニングが起こったそうです。継ぎ足すコンクリートが届かないまま、途中まで入れたコンクリートが凝固しはじめ、結果的に断絶の跡が大きく残ってしまったとのこと。当時の現場担当者はこの不始末を詫びるために前川氏に土下座したとも伝えられていますが、「それも時代の傷だよ。山の稜線みたいでいいのでは。」と、前川氏はさらっと返したと言われています。なかなか深い話です。
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まだまだ都美にまつわるお話は絶えません。現在とびコーさんたちは、来るべき建築ツアーのために各々が勉強中です。次回、建築ツアー実践講座は1ヶ月先になります。それまでとびコーさんに出された宿題は各自でツアーコースをつくって来ること。どんなツアーコースが出てくるかとても楽しみです。(伊藤)

建築ツアー実践講座1回目:「建築を伝える とは?」

2012.06.05

とびらプロジェクト「実践講座」がついにスタートしました。実践講座とは、とびラー(アートコミュニケ—タ)として活動する上で、必ず一つは担当しなくてはならない3つのプログラム(スクールマンデー(対話を通した作品鑑賞)」、「建築ツアー」、「アクセスプログラム(障害のある方のための鑑賞サポート)」の中から1つ必須。複数選択してもよい。)を実行するのに必要となる知識や経験を身に付けるための講座です。
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今回実施されたのは「建築ツアー」の実践講座です。東京都美術館(以下:都美)は建築家前川國男(コルビュジェに師事、同じ上野公園内の東京文化会館も設計)が設計した建築物で、それ自体が非常に魅力的な作品となっており、この建物を見学して廻る企画が「建築ツアー」です。「建築ツアー」の実践講座は平日の夕方6時30分からスタートとなりますが、会社帰りや学校帰りのとびラー候補生(以下とびコー)さんが集まり、熱心に講座を受講しました。はじめに講師(学芸員)の河野さんより都美の建築物としての歴史やリニューアルオープン前に行った「建築ツアー」の様子などを紹介して下さいました。実はこの「建築ツアー」、リニューアルオープン前にも実施されており、好評を博した企画であったため、リニューアル後に結成された「とびらプロジェクト」のメインプログラムの一つとして採用された経緯があります。(以前は館長自身がツアーのガイドをされたこともあり、館長室で館長と参加者が談話していたなんてエピソードもある人気企画でした。)
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こうした経緯を踏まえつつ、河野さんが今回の実践講座のテーマとしたのは「建築を伝える とは?」でした。「建築を伝える」と聞くと少し難しそうな気がしますが、河野さんからの出題は、スライドの内容を踏まえた上で「手紙を書く」ことでした。

仲のよい友だちに手紙を送るような気持ちで、都美のことを思い起こしながら書きます。とびコーさんとなって2ヶ月がたち、みなさんリニューアル後の都美にもだいぶ馴染んできたので、なかなかのスピードで筆が進みます。

 

手紙が書き終わったら、河野さんから同じ机のメンバーで手紙を読みまわす様に指示がでました。手紙を読むときのポイントは、「どのような伝え方をしているか」です。自分以外の目線で都美を見ることと、その魅力をどのように伝えようと工夫しているのかを共有することができました。

 

お互いの手紙を読み終えたら、テーブルごとに手紙の感想を含め「どんなところに興味を持ったのか」「どんな伝え方をしていたか」について意見交換をしました。手紙を共有したことにより、更に「建築物としての都美の魅力」や「その魅力の伝え方」について感心を深めることが出来ました。

 

その後、話し合いをした各テーブルごと意見をまとめ、伝え方の工夫や、気付いたことなどについて発表をしました。

 

出てきたアイディアや感想を河野さんがホワイトボードにまとめて行きます。建築物そのものの特徴というよりは、都美を取り巻く環境や内部の設備、アメニティについての話題がたくさん出されました。ちなみに、都美の建築物としての特徴の一つに、レストランが館の中央部分に大きく設定されていることがあります。これは、設計者の前川國男がかなりのグルメで、「美術館に来て美味しいものが食べられないなんてあり得ない」とのことから、レストランを強調した設計を行ったとのこと。リニューアル後の都美も、レストランの存在は変わらず大きく扱われています。
※レストランのメニュー(とくにローストビーフ)については、別にレポートをする予定です。お楽しみに。

 

「どんなところに興味を持ったのか」「どんな伝え方をしていたか」を共有できたところで、河野さんから「みなさんが伝えようと思ったことの全てが建築ツアーで活かせる内容です。建築ツアーでは、皆さんに知識だけを詰め込んで頂き、ステレオタイプな解説者となって頂くことを想定していません。みなさんの見方感じ方を基に、建築ツアーをつくりあげて行きたいです」とのコメントがありました。
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そこで、再度テーブルごとに、より自分たちの伝えたいと思ったことを伝えるには、どのような工夫が必要か、より興味を持ってもらうには、どうしたら良いかについて、話し合いを行いました。

 

再度、話合われた内容を各テーブルごとに発表して頂き、河野さんが、ホワイトボードにまとめて行きました。最後に河野さんから「1~10のことを全てお客さんに話す必要は無ありません。もちろん話しどころの要点などは多少ありますが、今回の講座であがった意見や考えをもとに、少しでもお客さん興味を持ってもらい、お客さんが主体となるような建築ツアーを目指したいですね」とのアドバイスがありました。とびコーさんたちが考える、都美の「建築ツアー」が動きだしました。とびコーさんたちがガイドとなるのは、ちょっと先ですが、かなりお勧めな企画になること間違いなしです。乞うご期待。

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