2022.07.29
夏休みが始まって間もないこの日、ファミリー&ティーンズ・プログラムの「SDGsで探究!名建築をみる」を実施しました。
小学1年生から中学3年生までの参加者と保護者が講堂に集合です。
受付では、活動グループのアルファベットが入った名札シールと、あいうえのの特製ツールである「ミュージアム・スタート・パック」、指令書カードが渡されます。
保護者には、「ミュージアム・スタート・パック 活用ガイドブック」が渡されます。
プログラムの様子はこちら→
(「Museum Start あいうえの」ブログに移動します。)
2022.07.18
この日は、6月26日に実施した「ステップ1 オンライン編」の参加者と、これまでにあいうえののプログラムに参加したことのあるこどもたちが、東京都美術館の講堂に集合しました。
会場が密にならないように、午前のオリエンテーションは講堂で、午後のプログラムはアートスタディルームとスタジオを使用して行いました。
受付では、ミュージアムスタートパックを渡します。
すでに持っている子は、しっかり斜め掛けしてやって来てくれました。バッジがいくつかついている子、すでに集め終わって、各館のグッズのバッジを付けている子、バッグにカスタマイズが始まっている子、など、みんな活用してくれている様子が見えました。
「オンラインで会いましたねー。覚えてる?」
とか、
「お久しぶり!元気だった?バッジずいぶん集めたねー」
など、会話がはずみます。
プログラムの様子はこちら→
(「Museum Start あいうえの」ブログに移動します。)
2022.07.16
第1回鑑賞実践講座|「ミュージアム体験とは?」
日時|2022年7月16日(土)13:30〜16:30
会場|東京都美術館 講堂
講師|熊谷香寿美(東京都美術館アート・コミュニケーション係長・とびらプロジェクトマネジャー)
初回講座では、とびらプロジェクトマネジャーの熊谷さんから、今年度鑑賞講座の目標である「作品をよく観察する方法を身につける」ことについてのレクチャーを行いました。
今年度は特に、実際のモノをともに見ることをあらためて大切にしながら講座を進めていきます。
講座 目標 |
作品をよく観察する方法を身につける。 ・作品を観察し、その視覚的イメージを言語化し、複数の人でその言葉を聞き合うことで、作品をさらによく観察する。 ・視覚的イメージを媒介にして、共同的な思考の場をデザインする。 |
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(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)
2022.07.05
トビカン・モーニング・ツアーは、午前中、まだ人もまばらで、のんびりとした空気の中の美術館をまわる30分のツアーです。周りの上野公園の緑も取り込みながら気持ちよく時間が過ぎていき、午後や夜とは少し違った景色を観ることができます。
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7月5日(火)
前日まで雨の予報がほぼ晴れで、午前中とはいえ少し暑いくらいでした。
朝の眩しい日差しを浴びた都美の建物は落ち着いた美しさが際立ちます。
この日の参加者は12人。
初参加の人はもちろん都美に来るのも初めての人もいれば、都美の建築ツアーに何度も参加されているベテラン参加者まで幅広い方に来ていただきました。
中には岐阜県美術館のアートコミュニケーター「~ながラー」の方もいらっしゃいました。
ツアーは4チーム4つのコースで実施。
そのうち2チームはモーニングツアーのガイドデビューとなる二人のとびラーが先導しました。
暑さ対策で事前に決めていたコース取りを検討し直す各チーム。
建物の外に出る場合はなるべく日陰の場所を歩くように、または外に出るのを控えて室内中心のコースに切り替えるチームもありました。
今回のツアーから、感染症対策で休憩スペースとしての利用が中止されていた中央棟の「佐藤慶太郎記念 アートラウンジ」が利用できるようになり、北欧デザインの椅子やテーブルで過ごす時間を各チームが取り入れました。
今年度2回目のモーニングツアー開催とあって、初回と比べると余裕をもった準備ができたことと、天候にも恵まれたことで、明るい日差しの中、参加者の方々には朝のゆったりした時間を過ごしていただけたようです。
参加者からは
「これまであまり気にしていなかった美術館の建物に興味を持てた」
「アートラウンジの椅子が座り心地良い。根が生えた(笑)」
「もっと都美や建築のことを知りたい、また来たいと思った」
「野外彫刻がとても気になる」
「他の美術館の建物もよく見てみたい」
「とびラーについて興味がわいた」
などのコメントをいただけました。
わたしたちも、参加者が発見する都美の魅力を毎回学べる良い機会です。
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トビカン・モーニング・ツアーは、午前中、まだ人もまばらで、のんびりとした空気の中の美術館をまわるツアーです。周りの上野公園の緑も取り込みながら気持ちよく時間が過ぎていきます。このツアーを通して、新しい美術館の魅力を見つけてくださるといいな、と思っています。(滝沢)
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執筆:
池田智雄(アート・コミュニケータ「とびラー」)
とびラー10期。散歩と美術館が好きで、その楽しさを他の人にも一緒に味わってもらうことができるこのとびラボが大好きです。ツアーの時に参加者が自分で見つけた美術館の魅力を言葉にして教えてくれるとガイドとしてとてもうれしくなります。
滝沢智恵子(アート・コミュニケータ「とびラー」)
とびラー9期。トビカン・モーニング・ツアーは、平日の午前中、上野公園全体がなんとなく緩やかに時間が過ぎている時間帯に開催されています。参加された皆さんが、そういう空気を感じながらのんびりとくつろいでいらっしゃる様子をみることがガイドとして、とても幸せです。
2022.07.02
第1回建築実践講座|「都美の歴史と建築」
日時|2022年7月2日(土) 14:00~17:00
会場|東京藝術大学 中央棟 第三講義室
講師|河野佑美(東京都美術館学芸員 アート・コミュニケーション係)
とびらプロジェクトの建築実践講座が始まりました。
まずはとびらプロジェクトマネージャーの小牟田 悠介さんよりガイダンスです。
はじめに、今年度の目標を確認します。
【建築実践講座の目標】
東京都美術館の歴史や背景を理解し、自分の感覚を手掛かりに建築を味わう力を身につけ、美術館というパブリックな建築を介して人々をつなぐ場をデザインする。
今年度は、約80名のとびラーが受講します。
第1回目は、まずは自分たちの活動の場である東京都美術館(以下、都美)の成り立ちや設計者である前川國男という人物について学び、自分の目で見て、感じて、魅力を共有する回になりました。
河野佑美さんのレクチャー「都美の歴史と建築」では、都美の開館から現在までの歴史や成り立ちについて学びます。
「私からは、こんな材料があります、というレシピをお渡しします。それを料理するのは皆さんです」
「建築ツアーは、知識を渡すためのものじゃなくて、その場の人と気付いたことをお話ししてください。知識は後から調べられるけど、お話しはその場でしかできません。」
河野さんからのお話のあとは、たっぷりと得た情報や知識をもって、あらためて都美に出かけていきます。
テーマは「100年後にも残したい、伝えたい見どころ」
いつも見ている光景が違って見えます。
それまでは「建物」として見えていた都美が、「さまざまな思いが受け継がれてきた大切なもの」に見えてきたとびラーもいるのかもしれません。
河野さんのお話を聞いてから改めて出会い直した都美。
戻ってきたとびラーたちは、出かける前とはまるで別人のように目を輝かせて
「こんな発見があった!」と口々に話し合っていました。
夢中になって冒険ノートを作成します。
それから、それぞれが見つけた「気づき」を数名でシェアします。
みんな自分のイチオシを熱く語り、大興奮です。
それぞれの冒険ノートが出来上がりました。
同じレクチャーを聞いたのに、「伝えたい見どころ」のポイントはとびラーによって違います。
”見れば見るほど、知れば知るほど、よく考えてられていると思いました。”
”たくさんの人と語り合いたいです。”
”だんだん愛が深まってきました。”
誰かが、大切だ、残したいと思うことによってその建築は大切に使い続けられます。
今日の学びを通して得た知識をそのまま語るのではなく、
じっくりとみどころを観察し、気付いたことを誰かと語り合い、咀嚼して自分の言葉にし、誰かに伝えたくなる。
とびラーによる建築ツアーや、トビカン・ヤカン・カイカンツアー、Museum Start あいうえのなどの場で、とびラーの数だけ都美の物語が語られていきます。
(とびらプロジェクト コーディネータ 工藤阿貴)
2022.06.27
ベビーとゆったり美術館とは、「赤ちゃんを育てている保護者の方に、美術館でゆったりした時間を過ごしてほしい」「⾚ちゃんと保護者が、いつでも安⼼して美術館へお出かけできるように、最初の⼀歩をお⼿伝いしたい」という気持ちから生まれたとびラボです。
このブログでは、6月27日(月)に実施した「都美セレクショングループ展2022」でのプログラムの様子をお伝えします。
「ベビーとゆったり美術館」を企画するとびラーは、未就学児、小中高校生、社会人のお母さん、長年保育士として活躍していた方など、自然と子育て経験者が集まりました。自分たちが赤ちゃんを育てていた時に感じた、美術館から遠ざかってしまった寂しさや、大人と会話ができない日が続く辛さなどを、毎日赤ちゃんと向き合って奮闘している保護者の方も感じているのではないか…。それをこのプログラムで少しでも和らげられたらという思いがあったからです。そして何より、毎日大変な保護者の方に笑顔になってもらいたいという気持ちがありました。
記録的な暑さが続くなか、本番の日がやってきました。大人だけでも外出をためらうような暑さです。赤ちゃんとのお出かけは難しいかもしれないと考えていました。
しかし申し込みをしてくださった3組全ての皆さんが、美術館にご来館されたのです。熱中症に注意しながらのお出かけは、保冷剤に扇風機に水分補給に…と、とても大変だったことでしょう。そのような中でこのプログラムに足を運んでくださったことをとてもありがたく思いました。
今回は、参加された3組のファミリーそれぞれ1組につき、とびラー1名がご一緒することになりました。赤ちゃんと美術館に来た時に利用できる設備の説明を確認したり、作品についておしゃべりをしたりして、とびラーとゆったり美術館で過ごします。
とびラーは緑のバンダナを巻いて準備万端。
まずは参加者の皆さんとごあいさつ。一緒に楽しみましょう!
ギャラリーに行く前に、今回の展示の簡単な説明や、展示室でのお約束などを簡単にシェアします。
東京都美術館の自慢できる設備の一つ、授乳室。どこにあるのか、どうやったら使えるのかをお伝えしています。(小さなお子様連れの方へのバリアフリー情報はこちらからご覧ください)
授乳室やおむつ替えスペース、ベビーカーの借り方などをインターネットで一生懸命調べてから来ても、実際に使うとなると戸惑ってしまいますよね。このプログラムではそのような不安も解消したいと考え、場所や利用方法を直接お伝えしています。
いよいよ、今回の展示「都美セレクショングループ展2022」へ。
ここでは3つのアーティストグループが、それぞれのテーマで絵画、立体、映像、インスタレーションなど様々なジャンルの作品展示を繰り広げています。
気になるものがたくさん並ぶ展示に、赤ちゃんも興味津々。
展示についてお話ししていたら、もうすぐ赤ちゃんのお誕生日とのこと!
おめでとうございます。とても嬉しいことですね。
実際に手を触れながら鑑賞することができる人の形をした作品の前では、赤ちゃんの顔にそっくり!とお話ししながら作品を味わいました。
一緒にじっくり見て味わいます。
ある組では、参加されたご夫婦から「美術館やアートの楽しみ方が夫婦ともによくわからなくて・・そのあたりも教えてもらいたくて参加しました」というお話を伺いました。
とびラーからは、
「難しく考えず、自由に見ていただいて大丈夫ですよ!」
「家に飾るならどの作品?」みたいなテーマをもって鑑賞することで、またちょっと違う視点を持てたり、共有する楽しさも生まれますよ!」
とお伝えしました。
ご夫婦ともに驚かれて「そんな気軽な楽しみ方をしてもいいんですね〜!」と喜んでいただけました。ぜひ、いろんな楽しみ方を試して欲しいと思います。
昼下がりということもあり、赤ちゃんたちは割と落ち着いていて、抱っこされて安心して展示室をまわる子、ベビーカーでお昼寝をする子もいました。
鑑賞が終わったあとは、ちょうど赤ちゃんのお腹がすく時間ということで、授乳室を利用する参加者もいました。私たちとびラーが普段活動の拠点としている東京都美術館 交流棟内にあるアートスタディールームで、アンケートを記入をしたり、おしゃべりで一息つくファミリーも。
プログラムを終えた後には
「元々美術館が好きだったが、子供が生まれてからは来る機会がなかった。子連れでのハードルが下がり、また来たいと思えた。」
「(とびラーの)サポートがありがたく、安心して見ることができました。」
「美術館を家族と楽しめるイメージが持てた。」
などの感想もいただきました。
参加した皆さんと、美術館を楽しみながら、一緒にゆったりした時間を過ごすことができたのではないかと思います。
鑑賞を終えた後、「ここなら、午前中は動物園で遊んで、ベビーカーで昼寝をしてる間に美術館に来れるんじゃない!?」と、今後のイメージをお話しされている参加者のお声を耳にして、とても嬉しくなりました。
東京都美術館のある上野公園には、子どもと一緒に楽しめる施設がたくさんあります。お隣の上野動物園や、国立科学博物館、児童公園は、幼児から大人まで大人気です。東京都美術館をはじめ、上野公園でたくさんのホッとできる場所、楽しめる場所を見つけてみてください。
私は今、4歳の子供を育てています。自分の好きな時に、好きなように出かけていた生活が、子供が生まれてから一変しました。特に、あれほど好きだった美術館になかなか足が向きませんでした。泣いたらどうしよう…自分の都合で子供を連れ回していいのかな…。不安で一歩を踏み出せなかったのです。
もし、その時の私と同じような気持ちの人がいたら、このプログラムで「大丈夫ですよ」と、背中を押せたらと思っています。自分の目で一度、赤ちゃんのための設備を確認しておけば安心だし、もし赤ちゃんがぐずったりひどく泣いてしまったら一度退出して、野外に展示している彫刻をみたり、上野公園の緑を眺めたりして、可能ならまた展示室へ戻ってもいい。
自分ひとりの時とはまた違った「赤ちゃんと一緒の楽しみ方」も、結構いいものです。
いつもの公園、児童館、お家から少し離れて、心がホッと落ち着く時間を、美術館で一緒に過ごせたら、とても嬉しく思います。
文:郷美潮
とびラー10期、2年目。工芸の仕事をしています。子育て・仕事・とびらプロジェクトを楽しんでいます。
2022.06.26
2022年6月26日、2022年度最初のあいうえののプログラム「うえの!アートリサーチャー ステップ1」が実施されました。
このプログラムはオンラインとリアルのセットのプログラム。1日目の「ステップ1」はZoomミーティング(オンライン会議システム )を利用して、オンラインで自宅と美術館をつなぎます。
6月としては観測史上最も高い36.2度を記録した猛暑日のこの日。画面の前にはたくさんの参加者が集まってくれました。午前中は小学1年生から3年生までの34名、午後は、小学4年生から中学1年生までの13名がそれぞれオンラインに集合しました。
受付前の時間の接続確認を経て、プログラムが始まります。
この日の進行は、東京都美術館の学芸員、河野が担当しました。
コロナ禍で学校などでもオンライン化が進んだこともあり、参加者は皆、オンラインの操作も、すでに慣れている様子。時々、リアクションマークで反応してくれながら、「アートリサーチャー」になるべく、「絵をじっくり見るためのコツ」をマスターします。
リサーチャーへの「コツ」は「じっくり観察すること」「しっかり伝えること」「相手の話をよく聞くこと」です。
プログラムの様子はこちら→
(「Museum Start あいうえの」ブログに移動します。)
2022.05.21
【2022基礎講座第4回「作品を鑑賞するとは」】
日時|2022年6月5日(土)10:00~15:00
場所|東京藝術大学 中央棟 第3講義室
東京都美術館 公募棟展示室
講師|熊谷香寿美(東京都美術館学芸員アート・コミュニケーション係長)
基礎講座の第4回は、作品の鑑賞について理解を深めます。作品が存在することによって起こる体験とは、私たちにとってどのように意義があるのか、それらを鑑賞することの意味についても考えていきました。
東京都美術館学芸員 アート・コミュニケーション係長の熊谷さんからのレクチャーや、2・3年目のとびラーのファシリテーションで作品図版を見ながらの対話、また、実際の展示室での鑑賞などを行いました。
(とびらプロジェクトコーディネータ 越川さくら)
2022.05.07