東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

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【藝祭2018】「とびラーによる御輿制作インタビュー⑤」 鎮魂と再生の象編

こんにちはとびラーの大川です。

取材の日は、前夜からの台風が通り過ぎたもののキャンパス内は風で大荒れ。テントや御輿は大丈夫なのでしょうか?

 

『油画・建築・声楽・指揮・打楽器・オルガン・チェンバロ・リコーダー』の学科がチームになって制作している御輿テントを訪ねました。

 

入り口では隊長のお二人、油画専攻の林さん・建築専攻の伊勢さんが出迎えて下さいました。台風の影響で少しテントが傷んだものの、作業は着々と進んでいる模様。テント内には前回の戸邊さんのレポートよりさらに姿を現しつつある象が。前脚を高く上げて立ち上がる姿からはやがて現れる雄姿が感じられます。

「かわいそうな象」がモチーフになっている御輿ですが、隊長たちのお話では反戦の意よりも、死んでいった象がよみがえる「魂の再生」という想いが込められているそうです。

今回はテントの片隅でひとり熱心に細い筆を走らせている油画専攻の小坂初穂(こさかはつほ)さんに着目。

造形担当者からマケットを引き継ぎ、彩色作業をされています。ペルシャ絨毯などを参考にしながら描いているという背中の紋様はとても繊細で美しく、思わず見入ってしまいます。

ベースとなる象の肌の色は、よりリアルな表現になるよう色味に注意し、

さらに迫力も追求するために油画の技法を駆使して色を重ねていっているそう。

アクリル絵具でなく油絵の具を使い下地から段々に色を重ねていく事で、色合いの様子が変化するとのことです。一見白い肌の様ですが、その下地には写真の様に鮮やかな色が隠されていました。下地がポイントってメイクと同じですね。

また、仕上げにオイルを使ってテカリを出すことで、光が様々な方向から乱反射し「下からじわっと」深みが出てくるそうです。色を重ねつつ試行錯誤を繰り返しています、とお話しされているその姿をとても凛々しく感じました。

 

 

そして、これから更に象の背中に建造物が取り付けられていきます。構造設計もなされ、象の背中には3人が乗っても大丈夫だそうです。制作途中の象の大きさから想像すると、心拍数が上がりそうな高さです。

隊長お二人の専攻は油画と建築。別の所属なんですよね。油画に所属する学生は一学年で55名、一人一人がとても豊かな個性をもっているそう!一方で建築の人数は15人。こちらも一人一人があじわい深い個性をもちながら、どこかで調和をとろうとする性格があるのだとか。

 

最初こそ、御輿のデザインや進め方の方向性で折り合いをつけるのが大変だったけど、「雨降って地固まる」で今は「やるしかない!」と建築科の伊勢さんが一言。悲喜こもごもいろんなドラマがあるようですが、御輿と共にチームも盛り上がっていくようです。

そうそう、あの大人なスイカのデザート、お味はいかがでしたか?粋な差し入れでしたね!

 

これから艶やかに変化を遂げる御輿と各チーム、そしてサンバ部隊。

一緒に楽しみましょう。ぜひ、上野へ!

 


 

執筆:大川よしえ(アート・コミュニケータ「とびラー」)

いろんな方たちとの出会いが面白いとびラーの活動。

あっという間の3年目。今はそんな経験を、届きにくい小さなところにもお伝えできるといいなと考えています。

 

 

 


★藝大生やとびラーが活躍する「藝祭2018」を一緒に楽しみませんか?

公式サイト→(http://geisai.geidai.ac.jp/2018/index.html)

開催期間:9/7(金)8(土)9(日)9:00〜20:00  / 東京藝術大学上野校地にて

2018.08.30

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