東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

活動紹介

2023鑑賞実践講座⑦|「ファシリテーション研究」

2023.12.11

 

 


 

第7回鑑賞実践講座|「ファシリテーション研究」

日時|2023年12月11日(月)10:00〜15:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム、スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)
内容|テーマ:鑑賞が深まるとは。対話の構造を理解する
・共同的でクリティカルに思考する場のデザイン/構造
・作品研究を対話に活かす方法

 


第7回の講座では、Visual Thinking Strategies(VTS)による鑑賞のファシリテーションを分析することで、鑑賞が深まる対話の構造を理解することを目標に講座を行いました。

 

まずはじめに、VTSの基本的なテクニックを用いた鑑賞の資料映像を見ながら、VTSファシリテータのはたらきかけが、どのように鑑賞者に作用しているのか、対話の流れにそって書き出します。書き出すことで、対話がどう深まっていったのか、そのきっかけとなるファシリテーションの作用に気がつくことができます。

 

 

 

 

 

そのあとは、書き出した対話の流れとファシリテータのはたらきかけの言葉を元に、第5回の講座で行った、ファシリテーションの事前準備である「作品研究シート」を作っていきました。そうする事で、事前の準備をどのように実際のファシリテーションに生かしていくことができるのか、その構造を理解していきました。

 

最後は、全員がファシリテーションを実践し、VTSファシリテーションの基本的な要素を用いることで複数人での作品鑑賞が深まることを体験しました。

 

 


 

(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)

2023鑑賞実践講座⑥|「ファシリテーション実践 ふりかえりの仕方(コーチング)について」

2023.10.23

 

 


 

第6回鑑賞実践講座|「ファシリテーション実践 ふりかえりの仕方(コーチング)について」

日時|2023年10月23日(月)13:00〜17:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム、スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)、ARDAコーチ5名
内容|グループ鑑賞の実践と、ふりかえりの仕方(コーチング)について

 


第6回の講座では、Visual Thinking Strategies(VTS)鑑賞のファシリテーションをふりかえって次の実践に生かしていくための「コーチング」の方法を知り、実践しました。

コーチンングのデモンストレーションをしてくれたのは、ARDA(NPO法人芸術資源開発機構)の5人のコーチのみなさん。第3回から2ヶ月ぶりの登場です。「個人的に最近ハマっていること」を紹介してもらいながら、コーチたちの日常も垣間見つつなごやかなスタートになりました。

とびラーがクリテイカルな視点を持ち、よい観察とよい振り返りを行いながら、ファシリテーションした鑑賞の場をブラッシュアップしていくことは、とても重要です。

ですが、「敬意を持って、忌憚なく、建設的に」お互いが振り返りの意見を出し合いながら解決策を見つけていくのは、実は結構難しいこと。その振り返り自体も共同構築的なまなび場としてつくっていく必要があります。

今回の講座では、そもそも「敬意を持って、忌憚なく、建設的に」行われる振り返りの場とはどんなものか、まずはそのことをグループで話し合いました。

そのあとは、グループに分かれてVTS鑑賞の実践を行い、ARDAコーチのコーチングデモンストレーションを経て、それぞれのチームがコーチ役を立てて振り返りの場づくりを実践していきました。

今後も、今日の観察と振り返りの方法をファシリテーションのブラッシュアップに活かしていってもらえたらと思います。


 

(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)

2023鑑賞実践講座⑤|「ファシリテーション事前準備」

2023.10.09

 


 

第5回鑑賞実践講座|「ファシリテーション事前準備」

日時|2023年10月9日(月)13:00〜17:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム、スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)
内容|作品に近づく事前準備(グループ作品研究、個人作品研究「ひとりVTS」)

 


第5回の講座では、Visual Thinking Strategies鑑賞(VTS)のファシリテーションをするための事前の準備について知り、複数人のグループワークと個人ワークを通じて理解していきました。

VTS鑑賞では、まずファシリテータ自身が作品を事前によくみて、味わい、作品のテーマや魅力を掴んでおくことが重要です。事前の作品研究では、時間をかけて丁寧に作品をみながら、テーマや魅力を読み解いていきます。


まずはグループでの作品研究。

お互いの視点を聞き合い、それぞれの意見を主観的意見と客観的意見に分類し、作品から見つけられる根拠や主観的解釈を補完してマッピングしながら、作品研究シートを作成していきます。

 

つぎに、個人での作品研究です。

普段ファシリテータとして事前準備をする際は、担当する鑑賞作品をそれぞれが自分で準備する場面が増えていきます。

そのため、事前にひとりで作品の魅力やテーマに近づけるように練習することも重要になります。

こちらも、時間をかけて作品研究の練習を行いました。

これまで以上にじっくりと考える作業が続いた第5回鑑賞実践講座。

参加したとびラーやDOOR受講生・藝大生からは、講座後に「頭を使いすぎてグッタリと疲れた」という声も聞かれました。

VTS鑑賞の体験をかけがえのない時間にしていくために、どれだけ事前の準備ができるかが実際の鑑賞の鍵を握ります。ファシリテーションの事前準備、今後もしっかりと身につけていってもらえたらと思います。

 

 

 


 

(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)

2023鑑賞実践講座④|「展示室でまなぶ場づくり 〜スペシャル・マンデーに向けて〜」

2023.09.11

 


 

第4回鑑賞実践講座|「展示室で学ぶ場づくり 〜スペシャル・マンデーに向けて〜」

日時|2023年9月11日(月)13:00〜16:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム、スタジオ、ギャラリーA・B・C(『うえののそこから「はじまり、はじまり」荒木珠奈 展』 会場)
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)、石丸郁乃(Museum Start あいうえの)
内容|
・「スペシャル・マンデー」の事前〜当日〜事後の流れを学ぶ
・当日の流れを展示室で体験する
・会場を知る

 


第4回の講座では、とびラーが活動する「Museum Start あいうえの」の学校プログラム「スペシャル・マンデー」に向けて、展示室での鑑賞の場づくりについて考えました。

まず、「Museum Start あいうえの」のプログラム・オフィサーである石丸郁乃さんから、「スペシャル・マンデー」の概要と、事前授業〜当日の展覧会鑑賞〜事後授業まで行うプログラムの流れについてのレクチャーがありました。

つぎにARDAの三ツ木さんからは、美術館の展示室で子どもたちの鑑賞をファシリテーションする際のポイントを、実際の鑑賞の様子を映像で見ながら解説してもらいました。

その後、スペシャル・マンデー当日のプログラムの流れを体験し展示室での場づくりについてより具体的に考えていきました。

 


展覧会: うえののそこから「はじまり、はじまり」荒木珠奈 展  
2023722日(土)~109日(月・祝) 東京都美術館ギャラリーA・B・C

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)

2023鑑賞実践講座③|「ファシリテーション基礎(2)」

2023.08.28

 


 

第3回鑑賞実践講座|「ファシリテーション基礎(2)」

日時|2023年8月28日(日)10:00〜17:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム・スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)、ARDAコーチ5名
内容|
・Visual Thinking Strategies ファシリテーション分析
・Visual Thinking Strategies ファシリテーション実践

 


 

第3回は、前回に引き続き、NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)の三ツ木紀英さんから、Visual Thinking Strategies(ビジュアルシンキングストラテジーズ:複数の人で対話をしながら作品を鑑賞する手法。略称:VTS)におけるファシリテーションの基礎を学ぶ2回目です。

午前は、前回の講座でとびラーが見つけたファシリテーションのポイントを思い出しながら、少人数のグループで全員がファシリテーションを実践してみました。

 

 

 

 

午後は、ARDAコーチによる鑑賞プログラムのファシリテーションを体験し、作品を豊かに鑑賞するための場(プログラム)のデザインを観察・分析をしました。

 

 

 

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)

2023鑑賞実践講座②|「ファシリテーション基礎(1)」

2023.08.14

 


 

第2回鑑賞実践講座|「ファシリテーション基礎(1)」

日時|2023年8月14日(月)10:00〜17:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム・スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA))、ARDAコーチ5名
内容|
・鑑賞体験
・ファシリテーションのポイント観察
・Visual Thinking Strategies ファシリテーション実践

 


 

第2回からは、NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)の三ツ木紀英さんを講師に迎え、Visual Thinking Strategies(ビジュアルシンキングストラテジーズ:複数の人で対話をしながら作品を鑑賞する手法)におけるファシリテーションを学びながら、作品をよりよくみることや、アートを介したコミュニケーションの場づくりについて考えていきます。

第2・3回は、ファシリテーションの基礎を学ぶ2日間です。

第2回の午前は、三ツ木さんがなぜアートを介した人々のコミュニケーションの場を生み出す活動をしているのか、そのはじまりを伺いながら、とびラー自身がこの講座を通して学び、活動を作っていく目的について考えを巡らせました。

また、三ツ木さんがファシリテーションする鑑賞の場を観察し、三ツ木さんの振る舞いや声かけやその意図について、とびラーが見つけたことをもとに議論をしながら理解を深めていきました。

 

 


 

午後は、グループに分かれ、ARDAのコーチの皆さんのファシリテーションを観察し、とびラーも実践を行いました。

 

 

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)

2023鑑賞実践講座①|ミュージアム体験とは?

2023.07.17

 


 

第1回鑑賞実践講座|「ミュージアム体験とは?」

日時|2023年7月17日(月・祝)13:30〜16:30
会場|東京都美術館 講堂
講師|峰岸優香(東京都美術館アート・コミュニケーション係学芸員)、越川さくら(東京藝術大学 美術学部 特任助手)

 


 

初回講座では、今年度鑑賞実践講座の目標について、実際に作品を媒介にしてコミュニケーションの場を開くことで考えていきました。

 

講座
目標
・自分自身の眼で自分の感じ方を大切にしながら、作品をよく「みる」方法を身につける。

・作品を媒介にして複数の人がコミュニケーションをするための場づくりができるようになる。

・視覚的イメージを媒介にして、共同的かつクリティカルに複数の人が思考する場をデザインできるようになる。

 

 


自分自身の眼で、自分の感じ方を大切にしながら作品を「みる」とはどういうことか。

作品を媒介にして複数の人がコミュニケーションをする場とは?

東京都美術館の所蔵作品である野外彫刻等をグループでともにみる体験をしながら、美術館での体験について理解を深めていく初回講座となりました。

 

 

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)

2021鑑賞実践講座⑦|「1年間のふりかえり」

2023.02.06

第7回鑑賞実践講座|「1年間のふりかえり・この活動の目指すところ」

日時|2022年2月14日(日)13:30〜16:30
会場|オンライン
講師|稲庭彩和子(東京都美術館 学芸員・とびらプロジェクトマネジャー)、三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA))
内容|
・「作品選び」について
・1年間のふりかえり・この活動の目指すところ
―――――――――――――――――――――

今年度の鑑賞実践講座最終回となる第7回では、稲庭彩和子さん、三ツ木紀英さんを講師に迎え、あらためて1年間の学びと実践をふりかえり、この活動の目指すところについて、みなさんで考える時間になりました。

 

 

稲庭さんからは、歴史的な流れの中で「対話的な学び」が必然性をもって生まれてきた背景について、また、ミュージアムが今なぜ「民主的な対話の場」として価値づけられようとしているのかについて、とびらプロジェクトのあり方と結びつけてお話しがありました。

 

とびラーは、稲庭さんからの話を受け、「とびらプロジェクト」で対話的に学び、アートを介して民主的な対話の場を生み出していく活動がどんな意味をもつのか、あらためてこの「活動」の目指すところについて、この1年の体験をもとに話し合いました。

 

とびラーは、1年間の講座やとびラボやプログラムでの活動の中で、とびラー同士やプログラム参加者とともにモノを見つめ、対話する実践を繰り返してきました。
その中で、固定化しがちな一方向的なモノの見方に自ら気づき、
他者と一緒にさまざまな視点からもモノをみつめる楽しさや、
そこから生まれるウェルビーイングな状態を実感したとびラーも多かったと思います。

 

 

後半は、2〜6回の講座を担当してきた三ツ木さんと、稲庭さんによる対談を行いました。

コロナ禍で一般化したオンラインでの作品鑑賞とホンモノの作品を前にした鑑賞との明確な違いについて、また、アートを鑑賞することの魅力の本質について、実感をもって語られる三ツ木さんと稲庭さんのトークにとびラーが耳を傾けました。

 

 

講座の間、Zoomのチャットには、とびラーからの声がたくさん届けられました。それぞれの体験から講座での学びを振り返る言葉の数々に、とびラーが一年間体験してきた場の一つ一つが「民主的な対話の場」となっていたことを実感できる最終回でした。

 

オンラインでの学びと、美術館での実践の積み重ねてきた2021年度鑑賞実践講座、これにて解散です。みなさん、ありがとうございました!

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)

2022鑑賞実践講座⑥|「コーチング/VTSファシリテーションの実践とふりかえり」

2022.10.31


 

第6回鑑賞実践講座|「コーチング/VTSファシリテーションの実践とふりかえり」

日時|2022年10月31日(月)13:00〜17:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム、スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA))
・グループ鑑賞の実践
・ふりかえり(コーチング)の仕方について

 


 

第6回となる今回は、ファシリテーションの様子をふりかえり、改善ポイントなどを確認する「ふりかえり(コーチング)」について学びます。

グループワークで、グループ鑑賞とふりかえり(コーチング)の実践を行いました。
それぞれのグループで「鑑賞者」「ファシリテータ」「コーチ」に分かれて鑑賞と場の観察をした後、グループ内でそれぞれの役割から鑑賞の場づくりをふりかえり、気づきを共有しました。

 


 

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)

2022鑑賞実践講座⑤|「ファシリテーション事前準備」

2022.10.10


 

第5回鑑賞実践講座|「ファシリテーション事前準備」

日時|2022年10月10日(月・祝)13:00〜17:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム・スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA))
内容|
・作品に近づく事前準備(ひとりVTS)
・作品選びのポイントを学ぶ

 


 

第5回の講座では、ファシリテーションの事前準備について三ツ木紀英さんのレクチャーが行われました。

 

Visual Thinking Strategies(ビジュアルシンキングストラテジーズ:複数の人で対話をしながら作品を鑑賞する手法。通称:VTS)のファシリテーションは、事前の準備を行うところから始まります。

 

対象者を想像し、その人に合った作品を選ぶことも事前準備の一つです。

 

事前にじっくりと時間をかけて、作品を鑑賞・観察・分析する準備を、ファシリテータがひとりで作品をよく見ることを「ひとりVTS」と呼んでいます。今回は各自で事前に行ってきた作品分析をグループでより深めながら、「ひとりVTS」の方法を学びました。

 


 

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)

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