東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

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2024鑑賞実践講座①|とびらプロジェクトで大切にしている鑑賞体験とは?

 

 


 

第1回鑑賞実践講座|「とびらプロジェクトで大切にしている鑑賞体験とは?」

日時|2024年6月24日(月)14:30〜17:00
会場|東京都美術館 講堂
講師|熊谷 香寿美(東京都美術館 学芸員 アート・コミュニケーション係長 )

 


 

第1回目の講座では、今年度の鑑賞実践講座の目標に基づき、「みる」という行為についてさまざまな角度から考えました。

 

講座目標
・さまざまな人が自分の感じ方を大切にしながら作品をよくみるためのコミュニケーションの場づくりができるようになる。
・作品を媒介にして、共同的かつクリティカルに複数の人が思考する場をデザインできるようになる。

 

2024年のとびらプロジェクトには、全盲のとびラーが1名参加しています。鑑賞実践講座でも、視覚だけでなく多様な知覚や感性を働かせながら、他者との関わりを通じて思考する方法を考えていきます。

初回の講座ではまず、「とびらプロジェクトで大切にしている鑑賞」や「共同的な学び」について考えるレクチャーを行いました。

 


 

その後、私たちに備わるさまざまな知覚に意識を向ける体験を行いました。用いたのは、「貝殻」です。

 

 

ツルツル・ざらざら・ギザギザ・まるまる…

触れることで、普段「見ている」だけでは気づけない多様な感触を実感することができました。

さらに、自分が知覚した感触を他者に言葉で伝えることで、自分と他者のコミュニケーションの中で新たな理解が生まれる過程を体験しました。

 

次に、2〜3年目のとびラーがファシリテータとなり、東京都美術館の敷地内に常設展示されている野外彫刻やレリーフをグループで鑑賞しました。

 

 

14期とびラーの皆さんには、自分の感じ方を大切にしながら作品を深く鑑賞する楽しさや、作品を媒介に他者と一緒に考える場の豊かさを体験していただけたのではないかと思います。

 

このような「とびらプロジェクトで大切にしている鑑賞体験」を生み出す場をデザインしていくために、これから約半年間の講座と実践に取り組んでいきましょう!

 

 

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)

2024.06.24

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