2024.11.04
第6回鑑賞実践講座|「ファシリテーションのふりかえり」
日時|2024年11月4日(月・休)13:00〜17:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム、スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)、ARDAコーチ5名
内容|VTSファシリテーションのふりかえりについて
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第6回の講座では、Visual Thinking Strategies(VTS)鑑賞のファシリテーションをどのようにふりかえるかについて、実践を交えながら考えました。
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まず初めに、今年度の講座の実践の場である「スペシャル・マンデー」や「ずっとび鑑賞会」について、とびラーのファシリテーションに対する三ツ木さんのフィードバックを伺いました。
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VTSを実施することがゴールではなく、鑑賞者が会場に到着してから帰るまでの体験全体をどのようにデザインするかが重要であるという視点が語られました。実践を重ねたからこそ気づく新たな視点に、とびラーたちは頷きながら話を聞いていました。
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三ツ木さんからのフィードバックが終わると、今日のテーマである「VTSファシリテーションの実践とふりかえり」に移ります。実際にVTSとふりかえりを行う前に、まず、とびラー同士がクリティカルかつ協働的に議論を進めるために、どのような点に気を付けるべきかを改めて話し合いました。
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その後、チームに分かれてVTS 実践とふりかえりを繰り返していきました。VTS実践では、チーム内でファシリテータ・鑑賞者・観察者・対話記録の役割に分かれ、それぞれの立場から鑑賞の場を体験し、観察しました。
ふりかえりの際には、それぞれの立場から体験・観察したことを出し合い、対話の流れを追って検証していきました。
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鑑賞者の考えが深まったタイミングでは、ファシリテータがどのような働きかけをしていたのか。その逆に、深まらなかったときには何が影響していたのか。それぞれの視点から意見を出し合いながら、ふりかえる方法を体験しました。
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お互いに客観的な視点を持ちながら鑑賞の場を検証し、とびラー同士でファシリテーションのスキルを高め合うことは、実は簡単なことではありません。しかし、経験を積むことで、ふりかえりの方法自体もスキルアップしていけるはずです。
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今日の講座をきっかけに、実践とふりかえりのサイクルがさらに回っていくことを願っています。
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(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)
2024.09.30
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第5回鑑賞実践講座|「ファシリテーション事前準備」
日時|2024年9月30日(月)13:00〜17:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム、スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)
内容|ファシリテーション事前準備(グループ作品研究、個人作品研究)
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第5回の講座では、Visual Thinking Strategies鑑賞(VTS)のファシリテーションをするための事前の準備について知り、複数人のグループワークと個人ワークを通じて理解していきました。
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VTS鑑賞では、まずファシリテータ自身が作品を事前によくみて、味わい、作品から立ち現れるテーマや魅力を掴んでおくことが重要です。事前の作品研究では、時間をかけて丁寧に作品をみながら、テーマや魅力を読み解いていきます。
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まずはグループでの作品研究。
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お互いの視点を聞き合い、それぞれの意見を主観的意見と客観的意見に分類し、作品から見つけられる根拠や主観的解釈を補完してマッピングしながら、作品研究シートを作成していきます。
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つぎに、個人での作品研究です。
普段ファシリテータとして事前準備をする際は、担当する鑑賞作品をそれぞれが自分で準備する場面が増えていきます。
そのため、事前にひとりで作品の魅力やテーマに近づけるように練習することも重要になります。
こちらも、時間をかけて作品研究の練習を行いました。
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今後、とびラーは多くの作品に関わっていきます。それぞれの作品に対して、観点を整理し、それぞれの観点の関わりを分析し、作品に近づく体験を積み重ねながら、鑑賞の場をデザインする視点を育ててもらえたらと思います。
(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)
2024.08.26
第4回鑑賞実践講座|「展示室で学ぶ場づくり 〜スペシャル・マンデーに向けて〜」
日時|2024年8月26日(月)14:30~17:30
会場|東京都美術館 アートスタディルーム、スタジオ、ギャラリーA・B・C(『大地に耳をすます 気配と手ざわり』展 会場)
講師|石丸郁乃(Museum Start あいうえの)、越川さくら(とびらプロジェクト)
内容|
・「スペシャル・マンデー」の事前〜当日〜事後の流れを学ぶ
・当日の流れを展示室で体験する
・会場を知る
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第4回の講座では、とびラーが活動する「Museum Start あいうえの」の学校来館プログラム「スペシャル・マンデー」に向けて、展示室での鑑賞の場づくりについて考えました。
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まず、「Museum Start あいうえの」のプログラム・オフィサーである石丸郁乃さんが、「スペシャル・マンデー」の映像を交えながら、プログラムの概要を説明しました。事前授業〜当日の展覧会鑑賞〜事後授業までの流れを理解することで、プログラム全体の構成を把握しました。
続いて、講座担当の越川が、作品を守りながら展示室で子どもたちの鑑賞を深めるためのポイントについてレクチャーしました。
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その後、スペシャル・マンデー当日のプログラムの流れを、実際に鑑賞する展覧会会場で体験しました。
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とびラーたちは、子どもたちの鑑賞体験を想像しながらグループで展示室を巡り、鑑賞を楽しみました。その上で、作品保全のために注意すべき動線や、子どもたちのグループをどのように誘導するかを確認しました。
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2024年度のとびらプロジェクトには全盲のとびラーが参加しています。鑑賞実践講座では、毎回の鑑賞作品に合わせてスタッフが「触図」を制作し、構図やモチーフの形を伝えながら情報保障を行っています。
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今回の講座では、実際の作品の前でグループで鑑賞を行う際に、手元にA4サイズの「触図」を用意しました。全盲のとびラーは、実際の作品の大きさについてスタッフから説明を受けながら、手元の触図で構図を確かめつつ、グループでの対話に参加していました。
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グループでの鑑賞後は、スペシャル・マンデー当日に子どもたちが体験する「ひとりの時間」を、とびラー自身も体験しました。
グループで対話しながら鑑賞することで視点が広がり、作品への理解が深める回路ができた後、ひとりで作品と向き合い思索する時間です。この流れを実際に体験することで、とびラー自身も子どもたちにとっての「ひとりの時間」の豊かさを実感しました。
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展示室での体験が終わった後は、「鑑賞者と作品の両方にとって、安全で安心できる鑑賞の場を作れていたか」という視点で、グループごとにふりかえりを行いました。
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9月から始まる「スペシャル・マンデー」に向けて、何度も展覧会に足を運び、さらにファシリテーションのイメージを深めていきましょう。
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(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)
2024.07.15
第3回鑑賞実践講座|「ファシリテーション基礎(2)」
日時|2024年7月15日(月・祝)10:00〜17:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム・スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA))、ARDAコーチ5名
内容|
・映像を使ったVisual Thinking Strategies ファシリテーション分析
・Visual Thinking Strategies ファシリテーション実践と分析
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第3回は、前回に引き続き、NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)の三ツ木紀英さんから、Visual Thinking Strategies(ビジュアルシンキングストラテジーズ:複数の人で対話をしながら作品を鑑賞する手法。以下、VTS)におけるファシリテーションの基礎を学ぶ2回目です。
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午前は、まず、小学4年生の児童がVTS鑑賞をしている映像を視聴しました。映像内のファシリテータと児童の対話の内容をメモしながら、ファシリテータが行っていること、問いかけていること、また、その作用を観察しました。
特に今回は、VTSの手法の中で「Q2」と呼ばれるファシリテータの問いかけを中心に観察を行いました。
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「Q2」は、VTS鑑賞において、鑑賞者が「こんなふうに感じる」という主観的な意見を言った場合に、「(あなたに)そう感じさせるのは、作品の中の何が要因なのか」ということを、客観的に考えていくための質問です。問いかけの例としては「作品のどこからそう思いましたか?」などです。この質問をすることで、発言した児童や、一緒に鑑賞している児童にどんな変化が起こっているかという部分を中心に映像を観察しました。
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(VTSのファシリテータは対話の問いかけとして3つの問いかけを用います。「Q2 」以外に「Q1」「Q3」があります。「Q1」は、対話を始めるときに参加者全員に投げかけるオープンな問いかけ。例:「この作品の中で何が起こっていますか?」など。「Q3」は、1つの意見の検討が終わった時に、再び全員に向けてする問いかけ。例:「他に発見はありますか?」などです。)
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午後は、グループに分かれて、VTSファシリテーションの実践とふりかえりを行いました。ここで鑑賞した作品は、実際にとびラーが来館者と鑑賞をする展覧会の作品から数点が選ばれました。
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ここでも、「Q2」(作品の中に根拠をさがす質問)を、何に対して、どのように聞いていたのか。または、聞いていなかったのか。また、「Q2」を聞くことによって、鑑賞の場にどんな影響が起こっていたかということをグループで検証していきました。
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今回は、VTSファシリテーションの基礎となる「問いかけ」とその作用について1日を通して考え、実践してきました。次回は、実際の来館者との鑑賞に向けて、展示室での場づくりについて学んでいきます。
(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)
2024.07.14
第2回 鑑賞実践講座|「ファシリテーション基礎(1)」
日時|2024年7月14日(日)10:00〜17:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム・スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA))、ARDAコーチ5名
内容|
・グループ鑑賞体験
・ファシリテーションのポイント観察
・Visual Thinking Strategies ファシリテーション実践
第2回からは、NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)の三ツ木紀英さんを講師に迎え、Visual Thinking Strategies(ビジュアルシンキングストラテジーズ:複数の人で対話をしながら作品を鑑賞する手法。以下、VTS)におけるファシリテーションを学びながら、作品をよりよくみることや、アートを介したコミュニケーションの場づくりについて考えていきます。
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第2・3回は、ファシリテーションの基礎を学ぶ2日間です。
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第2回の午前は、 グループに分かれ、ポスターサイズの作品画像を用いて、複数の人で作品を鑑賞する体験をしました。また、その鑑賞体験をふりかえりました。とびラーは、1人で作品をみるときとは一味違う鑑賞の深まりや複数の視点でみることの面白さについて話しあっていました。
午後は、三ツ木さんのファシリテーションで、現在の東京都美術館で開催中の展覧会出展作品より2作品を鑑賞しました。
とびラーは、作品を鑑賞する「鑑賞者」と、VTSの場を観察する「観察者」に分かれます。そして、ファシリテーションのポイントをその場で観察します。
観察のポイントは、ファシリテータが行った振る舞いや問いかけが、鑑賞の場にどのように影響するか、その「原因と結果」を読み取ることです。
ここでは、鑑賞実践講座への参加2・3年目のとびラーが中心となって、観察して発見したファシリテーションのポイントを全体でシェアしていきました。
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2024年のとびらプロジェクトには、全盲のとびラーが1名参加しています。今回の講座では、情報保障として、作品のモチーフの輪郭線が触覚的にわかる作品画像(=触図)を制作しました。作品画像のカラーコピーをモチーフの輪郭ごとに重ねていく簡易的な作りです。
触図は、グループの対話で語られる視覚的な情報を、スタッフが隣について伝えながら使用しました。モチーフの位置や全体の構図を触って理解できることで、構図についての説明が伝わりやすくなります。また、グループの対話の内容も理解しやすくなるというメリットがありました。それにより、全盲のとびラーも鑑賞の流れを掴みやすくなり、自分の意見や質問を発言することができていました。
鑑賞実践講座への全盲のとびラーの参加を考えることを通して、見えない人との鑑賞についてもとびラーと一緒に考えていきます。
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また、講座の最後には、小さな作品画像を使って、全員がVTSファシリテーションにトライする時間も設けました。
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いよいよ、VTSファシリテーションの実践的なレクチャーと体験が始まりました。実際の来館者との鑑賞に向けて、座学だけでなく実践を積み重ねながら学んでいきましょう。
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(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)
2024.06.24
第1回鑑賞実践講座|「とびらプロジェクトで大切にしている鑑賞体験とは?」
日時|2024年6月24日(月)14:30〜17:00
会場|東京都美術館 講堂
講師|熊谷 香寿美(東京都美術館 学芸員 アート・コミュニケーション係長 )
第1回目の講座では、今年度の鑑賞実践講座の目標に基づき、「みる」という行為についてさまざまな角度から考えました。
2024年のとびらプロジェクトには、全盲のとびラーが1名参加しています。鑑賞実践講座でも、視覚だけでなく多様な知覚や感性を働かせながら、他者との関わりを通じて思考する方法を考えていきます。
初回の講座ではまず、「とびらプロジェクトで大切にしている鑑賞」や「共同的な学び」について考えるレクチャーを行いました。
その後、私たちに備わるさまざまな知覚に意識を向ける体験を行いました。用いたのは、「貝殻」です。
ツルツル・ざらざら・ギザギザ・まるまる…
触れることで、普段「見ている」だけでは気づけない多様な感触を実感することができました。
さらに、自分が知覚した感触を他者に言葉で伝えることで、自分と他者のコミュニケーションの中で新たな理解が生まれる過程を体験しました。
次に、2〜3年目のとびラーがファシリテータとなり、東京都美術館の敷地内に常設展示されている野外彫刻やレリーフをグループで鑑賞しました。
14期とびラーの皆さんには、自分の感じ方を大切にしながら作品を深く鑑賞する楽しさや、作品を媒介に他者と一緒に考える場の豊かさを体験していただけたのではないかと思います。
このような「とびらプロジェクトで大切にしている鑑賞体験」を生み出す場をデザインしていくために、これから約半年間の講座と実践に取り組んでいきましょう!
(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)
2023.12.11
第7回鑑賞実践講座|「ファシリテーション研究」
日時|2023年12月11日(月)10:00〜15:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム、スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)
内容|テーマ:鑑賞が深まるとは。対話の構造を理解する
・共同的でクリティカルに思考する場のデザイン/構造
・作品研究を対話に活かす方法
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第7回の講座では、Visual Thinking Strategies(VTS)による鑑賞のファシリテーションを分析することで、鑑賞が深まる対話の構造を理解することを目標に講座を行いました。
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まずはじめに、VTSの基本的なテクニックを用いた鑑賞の資料映像を見ながら、VTSファシリテータのはたらきかけが、どのように鑑賞者に作用しているのか、対話の流れにそって書き出します。書き出すことで、対話がどう深まっていったのか、そのきっかけとなるファシリテーションの作用に気がつくことができます。
そのあとは、書き出した対話の流れとファシリテータのはたらきかけの言葉を元に、第5回の講座で行った、ファシリテーションの事前準備である「作品研究シート」を作っていきました。そうする事で、事前の準備をどのように実際のファシリテーションに生かしていくことができるのか、その構造を理解していきました。
最後は、全員がファシリテーションを実践し、VTSファシリテーションの基本的な要素を用いることで複数人での作品鑑賞が深まることを体験しました。
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(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)
2023.10.23
第6回鑑賞実践講座|「ファシリテーション実践 ふりかえりの仕方(コーチング)について」
日時|2023年10月23日(月)13:00〜17:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム、スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)、ARDAコーチ5名
内容|グループ鑑賞の実践と、ふりかえりの仕方(コーチング)について
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第6回の講座では、Visual Thinking Strategies(VTS)鑑賞のファシリテーションをふりかえって次の実践に生かしていくための「コーチング」の方法を知り、実践しました。
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コーチンングのデモンストレーションをしてくれたのは、ARDA(NPO法人芸術資源開発機構)の5人のコーチのみなさん。第3回から2ヶ月ぶりの登場です。「個人的に最近ハマっていること」を紹介してもらいながら、コーチたちの日常も垣間見つつなごやかなスタートになりました。
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とびラーがクリテイカルな視点を持ち、よい観察とよい振り返りを行いながら、ファシリテーションした鑑賞の場をブラッシュアップしていくことは、とても重要です。
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ですが、「敬意を持って、忌憚なく、建設的に」お互いが振り返りの意見を出し合いながら解決策を見つけていくのは、実は結構難しいこと。その振り返り自体も共同構築的なまなび場としてつくっていく必要があります。
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今回の講座では、そもそも「敬意を持って、忌憚なく、建設的に」行われる振り返りの場とはどんなものか、まずはそのことをグループで話し合いました。
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そのあとは、グループに分かれてVTS鑑賞の実践を行い、ARDAコーチのコーチングデモンストレーションを経て、それぞれのチームがコーチ役を立てて振り返りの場づくりを実践していきました。
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今後も、今日の観察と振り返りの方法をファシリテーションのブラッシュアップに活かしていってもらえたらと思います。
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(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)
2023.10.09
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第5回鑑賞実践講座|「ファシリテーション事前準備」
日時|2023年10月9日(月)13:00〜17:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム、スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)
内容|作品に近づく事前準備(グループ作品研究、個人作品研究「ひとりVTS」)
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第5回の講座では、Visual Thinking Strategies鑑賞(VTS)のファシリテーションをするための事前の準備について知り、複数人のグループワークと個人ワークを通じて理解していきました。
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VTS鑑賞では、まずファシリテータ自身が作品を事前によくみて、味わい、作品のテーマや魅力を掴んでおくことが重要です。事前の作品研究では、時間をかけて丁寧に作品をみながら、テーマや魅力を読み解いていきます。
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まずはグループでの作品研究。
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お互いの視点を聞き合い、それぞれの意見を主観的意見と客観的意見に分類し、作品から見つけられる根拠や主観的解釈を補完してマッピングしながら、作品研究シートを作成していきます。
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つぎに、個人での作品研究です。
普段ファシリテータとして事前準備をする際は、担当する鑑賞作品をそれぞれが自分で準備する場面が増えていきます。
そのため、事前にひとりで作品の魅力やテーマに近づけるように練習することも重要になります。
こちらも、時間をかけて作品研究の練習を行いました。
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これまで以上にじっくりと考える作業が続いた第5回鑑賞実践講座。
参加したとびラーやDOOR受講生・藝大生からは、講座後に「頭を使いすぎてグッタリと疲れた」という声も聞かれました。
VTS鑑賞の体験をかけがえのない時間にしていくために、どれだけ事前の準備ができるかが実際の鑑賞の鍵を握ります。ファシリテーションの事前準備、今後もしっかりと身につけていってもらえたらと思います。
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(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)
2023.09.11
第4回鑑賞実践講座|「展示室で学ぶ場づくり 〜スペシャル・マンデーに向けて〜」
日時|2023年9月11日(月)13:00〜16:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム、スタジオ、ギャラリーA・B・C(『うえののそこから「はじまり、はじまり」荒木珠奈 展』 会場)
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)、石丸郁乃(Museum Start あいうえの)
内容|
・「スペシャル・マンデー」の事前〜当日〜事後の流れを学ぶ
・当日の流れを展示室で体験する
・会場を知る
第4回の講座では、とびラーが活動する「Museum Start あいうえの」の学校プログラム「スペシャル・マンデー」に向けて、展示室での鑑賞の場づくりについて考えました。
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まず、「Museum Start あいうえの」のプログラム・オフィサーである石丸郁乃さんから、「スペシャル・マンデー」の概要と、事前授業〜当日の展覧会鑑賞〜事後授業まで行うプログラムの流れについてのレクチャーがありました。
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つぎにARDAの三ツ木さんからは、美術館の展示室で子どもたちの鑑賞をファシリテーションする際のポイントを、実際の鑑賞の様子を映像で見ながら解説してもらいました。
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その後、スペシャル・マンデー当日のプログラムの流れを体験し展示室での場づくりについてより具体的に考えていきました。
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(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)