2017.03.29
3月28日、ファミリー向けプログラム「うえの!ふしぎ発見:VOCA部」が行われました。「うえの!ふしぎ発見」は、上野公園の様々な文化施設が互いのコンテンツを活かしあい、毎回一つのテーマで実施するプログラムです。
今回のテーマは上野の森美術館で開催されているVOCA展。この展覧会が、アートに関わる様々な人の推薦による展覧会だというとこにヒントを得て、プログラムでは参加者がお気に入りの一点を選び、それを言葉にして人に伝える、つまりお薦めするという活動をしました。実施には上野の森美術館、東京都美術館、東京藝術大学が連携し、11組22名の親子と共に12名のとびラー(アートコミュニケータ)が参加しました。
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2017.03.15
3月14日にファミリー向けプログラム「うえの!ふしぎ発見:建築部」が行われ、10組20名の親子と共に10名のアートコミュニケータ(とびラー)が活動しました。「うえの!ふしぎ発見」は、毎回一つのテーマのもと、上野公園の様々な文化施設を横断的に体験することのできるプログラムです。
今回のテーマは「建築」。2016年に世界文化遺産に登録された、ル・コルビュジエの設計による国立西洋美術館と、コルビュジエに学んだ日本近代建築の巨匠、前川國男の設計による東京文化会館・東京都美術館を巡ります。
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2017.03.05
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日時 2017年3月5日(日)①13:30〜14:30 ②15:30〜16:30
会場 東京都美術館 「都美セレクション 新鋭美術家 2017」展
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東京都美術館で毎年開催されている企画展「都美セレクション 新鋭美術家 2017」展は、「公募団体ベストセレクション 美術 2016」展の出品作家の中から新進気鋭の若手アーティスト5名を紹介する個展形式の展覧会です。
今年は、日本画、彫刻、工芸、油絵など、ジャンルを異にする5人のアーティストの作品が並びました。
この展覧会で開催されたとびラーによるプログラム:「見楽会」。「見楽会」では、初めて会った人同士5~6人で、感じたことや考えたことを話しながら作品を鑑賞します。
ところで、展覧会で作品を観ているときに「隣の人は何を考えてるんだろう」と思ったことはありませんか?
私自身は一人で美術館に行くことが多く、展示室の落ち着いた空気とか、大勢の中での孤独みたいな感覚も好きなのですが、たまに「人と話したくなるとき」があります。
たとえば自分にはそんなにぴんとこない絵なんかを隣の人が一歩も動かずにじっくり見ていたりすると、「あの、ちょっとすみません、どこをそんなに熱心に見ているんですか」と聞きたくなったり。
あるいは思いがけず素敵な作品に出会ってしまったときに、「これすごくいいですよね、なんと言ってもここの色が…」と誰かに話しかけたくなるのですが、突然そうするわけにもいかないので、黙ってSNSに投稿してみたり。
たぶん、その場で直接話せる相手がいたら本当は良いんじゃないかと思います。
さて、今回の見楽会にご参加くださった皆さん(1回目:16名、2回目:6名)のほとんどが、当日の呼びかけで集まりました。
参加したきっかけは人により様々のようですが、例えば、「たまたま声をかけられて」「対話型は珍しいから」という声が聞かれました。このようなプログラムがきっかけで、知らない人同士が気軽に集まって話す場ができていく様子を目の当たりにすることができました。
今回は1グループにつき3作品を鑑賞しました。
「気付いたことは何ですか?」「どう感じますか?」と問いかけると、
形や色など見た目のことや、「この人物はこんな性格じゃないかな」という想像したことなど、いろいろな意見が。
各グループが鑑賞している様子です。
他の人の意見を聞いて「そうそう」と頷いたり、「それについては、自分はこう思う」と考えを話したりできるのが、一人のときにはできない体験じゃないかと思います。
自分では意外と作品のすべてを見てはいないもので、「え、そこに注目するんだ。言われてみれば面白いけど、全然気付いてなかった!」みたいな驚きも。
見る角度によってちがった発見があるので、みんなで作品に近づいてみたり、のぞきこんでみたり。お互い初対面の見知らぬメンバーだったのに、だんだん一体感が生まれてきます。
「隣の人が考えてること」が気になるけど普段は話しかけられない私は、この場でならファシリテーターとしてどんどん聞けるからラッキー、と思ってやっています。
「今言ってくれたことって、絵のどこを見てそう思うんですか?」「それってこういうことですか?」と尋ねていくと、その人の目のつけどころやセンス、価値観や世界観みたいなものが表れてくるような気がします。
一人で展示室にいるときに知らない人には、なかなかそんな風に話しかけられないですよね。
それができるということは、目の前にあるアート作品を介して、お互いのコミュニケーションが生まれているからではないでしょうか。
執筆:アート・コミュニケータ(とびラー) 小西佐和
とびラーの活動を通じて、アートの力を日々実感しています。
2017.03.05
2017年3月5日、春の訪れを実感するようなうららかな天気の日曜日に「女子美さんぽ」を開催しました。
◆「女子美さんぽ」ってどんなプログラム?
とびらプロジェクトで「女子美さんぽ」を行うのは、今年で3回目。毎年3月初旬に都美 術館の公募棟1Fで開催される「JOSHIBISION」(女子美術大学大学院・大学・短期大 学部 学生選抜作品、女子美術大学付属高等学校卒業制作展)。この展覧会にて、会場内をさんぽのように気軽にめぐり、作品を鑑賞しながら作者との交流を楽しむ企画です。アートを介し て人(来館者)と人(作者)をつなぐことをコンセプトとし、双方の考え方や思いを共 有することで新しい価値の創造を目指しています。
(2017年の「JOSHIBISION2016」の会期は3/2~3/7)
◆参加者の受付。これからご案内するとびラーの紹介や、おしゃべりをしながら「さんぽ気分」を高めていきます。
◆受付が終わると展示室に入ります。さあ、これからいよいよさんぽが始まります。
◆展示室をさんぽ気分で巡っていきます。
◆いろんな作品があり皆さん興味津々です。
◆映像作品。ゆっくり鑑賞しています。
◆作品を鑑賞しながら、みんなで思ったことや感じたことを語り合い共有しています。
◆作者である学生さん達が作品コンセプトを説明したり、参加された皆さんからの質問 に答えたりと、作品を通して交流を深めていきます。同じものを見ても、思いがけない意見や感想が出てくることから、いろんな感性によって違ったものに出会える、とてもワクワクする瞬間です。
◆展示室を巡ったあとは、みんなで感想を共有したり、鑑賞した作品の作者へ応援のメッセージを書いていただきました。
◆ご参加いただいた学生(作者)の感想と、プログラム参加者による作者へのメッセージを一部紹介いたします。
【作者の感想】
「いろいろな意見が聞けて良かったです。人の意見によって気づきがありました。」
「さんぽの後、人がたくさん来ていろいろ質問してくれて嬉しかった。」
「長くいることによって質問も多くなり、質の高いコミュニケーションをとることによって楽しめた。」
【参加された来館者から作者へのメッセージ】
「街にあふれる文字が思いがけずに素敵な作品になっていました。ノスタルジックな時代のものだったり、今に残されてしまった感が悲しいような、楽しい文字でした」
「とても心暖まる作品でした。ご本人は優しい雰囲気なのに力強さも作品から感じとれ ました。生命をテーマとした今後の作品も楽しみです。」
「何でも自由に操作できる時代に、敢えて不自由さを感じさせるような作品だったのが印 象的でした。家電にも、こんな遊びゴコロがあると面白いと思いました。家電とアート の融合、たのしみにしています。」
◆最後に
今回のさんぽでは、女子美術大学に在学中のご家族の方々や、これから通うという方もいらした一方で、ふらっと美術館まで散歩に来られた方々や、他の展覧会を観 に来られた方々もいらっしゃり、多様なメンバーで展覧会を巡りました。印象的だったのは、作者との交流から先輩後輩としての アドバイスに発展し、女子美の新入生の方々に「4月からの学生生活がとても楽しみになりました」という感想をいただいたことです。また、通りすがりに参加してくださった方には「こんな展示もあるんですね」と喜んでいただきました。いろいろな作品を見るなかで、様々な感想やご自分の知っている分野などの話を交えて、作品について考えたことなどたくさんのお話がふくらみます。多くの質問が飛び交い、作者との交流も楽しく、始終和やかな雰囲気で展覧会をゆっくり巡る、贅沢な時間。最後には、「今後も若い作家を応援していきたい!」 との感想もいただき、とても充実したさんぽとなりました。
作者の方々からは、鑑賞者と接して話すことは新たな気づきとなるという感想や「アー ト・コミュニケーション、いいね!」と言っていただけて、アート・コミュニケータとして はとても嬉しい結果となりました。 今後も女子美の展覧会でのさんぽで、人(来館者)と人(作者)をつなぎ、双方の考えや思いを共有することで新しい価値の創出を目指していきたいと思っています。 来年もぜひたくさんの方々に「女子美さんぽ」へ参加いただき、みなさんと出会えることを心待ちにしております。そして、楽しい場をみなさんと共有できますように。
執筆:上田紗智子(アート・コミュニケータ「とびラー」)
2017.03.05
2017年3月4日(土)、よく晴れた早春の日に、「ミュージアム・トリップ」のプログラムが行なわれました。
今回の参加者は、高校生3名のみなさん。
迎えたのは、同じく3名のアート・コミュニケータ(愛称:とびラー)のみなさんです。
本年度より始まった「ミュージアム・トリップ」というプログラムは「すべてのこどもにミュージアム体験を!」という思いで実施するインクルーシブ・プログラムです。児童養護施設や経済的な困難を抱える家庭の子供を支援している団体、海外にルーツを持ちカルチャーギャップなどの困難を抱えるこどもを支援している団体等と連携して、こどもたちと引率者をミュージアムに招待する、オーダーメイドのプログラムです。
上記の対象者を支援している各団体等と連携をしながら実施しており、今回は海外にルーツのあるこどもたちを支援している一般社団法人kuriya のコーディネートにより、2016年の夏に続いて2度目のプログラムが実現しました。
プログラムの様子はこちら→
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