東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

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Archive for 12月, 2021

2021.12.19

みなさんは 「SDGs (Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標)」 という言葉を聞いたことがありますか?最近、学校や会社、テレビなどでもよく耳にするようになったかもしれません。持続可能な社会を築いていくために、いま、世界中の人が考えなくてはならない目標です。

 

みんなが安心できる平和な世界を作るためには、多文化理解はもちろん、お互いの価値観を尊重し合う姿勢が大切です。特に17番目の「パートナーシップで目標を実現しよう」では、人と人がお互いを理解し合う姿勢を持つことや、安心して自分の意見を分かち合える場が築かれることが必要です。
ミュージアムは、いうなれば多文化の器です。すべての文化を受け入れ、昔から大切にされてきた価値を分かち合う。それが安全にできる場所がミュージアムです。

 

SDGsの目標達成のために必要なことと、ミュージアムが実現していることはとても共通点が多いと言えるかもしれません。あいうえのは、多様なこどもたちがお互いの価値観を共有しあえる場が生まれることを願い、「SDGs」と「ミュージアム」この2つを掛け合わせた多文化共生プログラムを実施しました。プログラムのタイトルは、「SDGsでミュージアム」です。
当日の活動風景をお伝えします。

プログラムの様子はこちら→
(「Museum Start あいうえの」ブログに移動します。)

2021.12.11

とびらプロジェクト「オープンレクチャー」
第7回建築実践講座|「建築と美術館とコミュニケーション―お金で買えない「ギフト」に気づく場所とは?」

 

日時|2021年12月11日(土) 16:00~18:00
会場|オンライン(Zoomウェビナー使用)

講師|
佐藤慎也(建築家、八戸市美術館館長、日本大学理工学部建築学科教授)
大澤苑美(八戸市美術館学芸員)
森純平(建築家/八戸市美術館設計者、東京藝術大学建築科助教、たいけん美じゅつ場 VIVAディレクター)

稲庭彩和子(東京都美術館学芸員 アート・コミュニケーション係長、とびらプロジェクト プロジェクトマネジャー)
伊藤達矢(東京藝術大学社会連携センター特任准教授、とびらプロジェクト プロジェクトマネジャー

 

―――――――――――――――――――――

 

今年度7回目となる建築実践講座は、とびらプロジェクト「オープン・レクチャー」として、オンラインの公開講座の形式で開催しました。

 

 

『建築と美術館とコミュニケーション―お金で買えない「ギフト」に気づく場所とは?』と題し、八戸市美術館の館長で建築家の佐藤慎也さんと、八戸市美術館学芸員の大澤苑美さん、東京藝術大学建築家助教で茨城県取手市のたいけん美じゅつ場VIVAディレクターの森純平さんの三名を登壇者に迎えました。

 

導入では、とびらプロジェクト プロジェクトマネジャーの稲庭彩和子さんから、レクチャーのテーマとなる 「ギフト」 について、美術館の役割の変遷と共に、とびらプロジェクトでの活動を取り上げながら紹介がありました。

 

 

続いて、ゲストの3者からのプレゼンテーションとして、「八戸市美術館(2021年11月オープン)」と「たいけん美じゅつ場VIVA(2019年12月オープン)」のそれぞれの建築空間と、そこでの活動について紹介いただきました。地域の拠点となり、様々な人々が ”関わりを作ること” を目指し、そのための場が設計段階から実装されている2つの事例を通して、新たな公共建築について考える機会となりました。

 

 

後半は、とびらプロジェクト プロジェクトマネジャーの伊藤達矢さんも加わり、パネルディスカッションを行いました。前半にプレゼンいただいた2つの事例について、「ギフト」を切り口に、それぞれの視点から議論を深めていきます。その中で、八戸市美術館リニューアルの計画段階から設計プロポーザルの話題についても語られました。建物の中央に市民のための巨大な空間(ジャイアントルーム)が設置されたこの計画は、美術館が展示・収蔵・研究だけではない、豊かなコミュニケーションが生まれる地域の拠点となることを、空間として示しています。

最後には質問応答の時間を設け、参加者からの疑問に登壇者が答えていきました。

 

新たな美術館の実践を聞くことで、社会関係を育む場としての美術館のあり方、そこでの活動の可能性について考える機会になったのではないでしょうか。

 

次回は最終回になります。これまでの学びをふりかえり、考えます。

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 山﨑日希)

2021.12.10

開催報告「トビカン・ヤカン・カイカン・ツアー」

2021年11月12・19・26日・12月3・10日の計5回、夜間開館が行われる金曜日に、ライトアップされた東京都美術館を散策するツアー「トビカン・ヤカン・カイカン・ツアー」を行いました。申し込み開始早々に満員になるほど人気で、48名の方に夜の都美術館を味わっていただきました。

 

 

「トビカン・ヤカン・カイカン・ツアー」の始まりはいつ?

過去のとびラーのミーティング記録をさかのぼると、2013年9月13日に第1回が開催されたとの記録がありました。約10年の長い歴史の中で多くの方々に愛されてきたプログラムですが、コロナ禍で美術館の夜間開館が行われず、約1年9か月間は開催をすることができませんでした。そして、今回ついに再開が叶ったのです。

 

 

ツアー当日は、美術館入り口で参加者の皆さんを迎え、とびラー2名・参加者3~4名でグループを組み、3グループが同時に30分間のツアーに出かけます。ツアーの内容は、とびラー 一人ひとりが考えたオリジナルで、冬の透き通った空気の中、美しく輝く都美術館を少人数でのんびりゆったり満喫できる時間となりました。

 

 

■夜ならではのお楽しみ

紅葉が楽しめる11月中は、暗い中でもほんのり輝く大イチョウの木を愛でることができ、12月はサンタ帽をまとったとびラーと共に、まるでクリスマスイルミネーションのような都美術館を散策しました。

 

設計した前川國男も愛した美術館のレストランはまるで宝石箱のよう・・・

でこぼこしたコンクリート壁の陰影が一番美しく浮かび上がる時間・・・

暗闇に映える公募棟の青・黄・緑・赤・・・

野外彫刻に映る都美術館のキラキラした照明・・・

 

とびラーだけが楽しむなんてもったいない、多くの人に知ってもらいたいこの美しさ、そしてまた足を運んでいただきたい、そんな思いを込めて私たちはツアーを行っています。

 

 

■参加者の皆さんからのコメント

・隠された美の発見、創造の美は無限大!

・会社と家以外の空間や時間を味わえました。

・いつもと違う表情の美術館にドキドキしました。一日中楽しめる場所だと感じました。

・普段見過ごしがちな建物の壁や床・照明など1つ1つを堪能できました。

・公募棟の4色が見えたとき、自然と「わぁ~!」と声が出ました。

・これからもこの建物を残していってほしいなぁ。

 

 

■最後に

参加者の皆さんのコメントを読みながら、都美術館の魅力は建物自体の美しさだけでなく、新たな居場所としての空間や未来につながる建築の意味など人々に届けるメッセージの大きさに改めて気づかされました。これからも、そんなメッセージを発信し続けるツアーを大切に育てていきたいです。

 

 

 


 

 

執筆:向井由紀(9期とびラー)

とびラーになる前、このヤカン・ツアーに参加しました。ちょうどクリスマスシーズンで、サンタ姿のとびラーのキラキラした笑顔に、「私もこの仲間に入りたい!」と感じたのがついこの間のようです。今仲間と共に都美の魅力をお話しできることを楽しんでいます。

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