東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

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Archive for 11月, 2022

2022.11.20

ワークショップメイキング①「ミュージアムでのワークショップとは?」

日時|2022年10月30日(日)13:00~17:30
場所|オンライン
講師|小牟田悠介(東京藝術大学)

 

ワークショップメイキング②「企画を立てる」

日時|2022年11月20日(日)13:30~17:30
場所|東京藝術大学 第3・4講義室
講師|小牟田悠介(東京藝術大学)
藤岡勇人(東京都美術館)

 

ワークショップメイキング①は、建築実践講座と合同で行われました。

ワークショップメイキング②は、アクセス実践講座を選択したとびラーが改めてワークショップを考えます。

まずはこれまでの講座をふりかえりました。それから、先日行われた「ずっとび」のオレンジカフェについて、担当学芸員の藤岡さんや、参加したとびラーから当日の様子について聞きました。

次に、グループに別れて「65歳以上で東京都美術館に来れていない方」を対象にしたワークショップメイキングを行いました。机上で考えるだけではなく、実際に東京都美術館へ足を運びます。

 

講義室に戻り、実際に足を運んでみてからの内容を見直します。

他のグループの意見も交えながら、フィードバックを行いました。

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 工藤阿貴)

 

2022.11.16

 

大人って忙しくて自分に戻れる時間がなくなりがちですよね。大人のミチクサビジュツカンは、家庭や仕事などの日常から少し離れて、いつもと違う時間や交流が欲しいと思っている方へのプログラムです。

東京都美術館には、展覧会で作品を鑑賞する以外にも居心地の良い場所があります。
作品鑑賞も対話しながら行うと、交流の楽しさに気づき、自身の見方を再発見する豊かな時間になります。

このプログラムでは2日間、参加者同士で交流します。
1日目(STEP1)は展覧会を鑑賞し、2日目(STEP2)はとびラーが東京都美術館の楽しみ方を案内しながら、自分にとっての居心地よい場所と心地よいひとときを見つけます。

美術館で「ミチクサ」しませんか。

 


 

大人のミチクサビジュツカン

~いつもと違う美術館の過ごし方を見つけませんか~

日時
    STEP1 2022年12月4日(日)   10:00~12:20(受付 9:45)
    STEP2 2022年12月11日(日) 10:00~12:00(受付 9:45)

※2日間セットでの開催です。両日ともにご参加ください。

会場|東京都美術館

集合場所|東京都美術館 交流棟 2階アートスタディルーム

対象|18歳以上(大学生を除く)、STEP1・2ともに参加できる方

定員|6名(要事前申込み・先着順)員に達し次第、受付を終了します。

参加費|無料(ただし、STEP1では、別途「上野アーティストプロジェクト2022」の展覧会観覧料が必要です)

参加方法|申込ボタンをクリックして申込フォームにご記入ください。

 



 

展覧会情報  (STEP1のプログラムで鑑賞します)

上野アーティストプロジェクト2022
「美をつむぐ源氏物語―めぐり逢ひける えには深しな―」
会場:ギャラリーA/C
当日券:一般 500円 / 65歳以上 300円

※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料です。
※65歳以上の方、各種お手帳をお持ちの方は、証明できるものをご提示ください
※特別展「展覧会 岡本太郎」(会期:2022年10月18日(火)~12月28日(水))のチケット提示にて、入場無料となります。

 

[同時開催]

コレクション展「源氏物語と江戸文化」
会場:ギャラリーB
入場無料

 



 

*広報や記録用に撮影・録音を行います。ご了承ください。
*本フォームでの申込みが完了すると「返信先Eメールアドレス」宛にメールが届きます。必ずご確認ください。受付完了のメールが届かない場合は、下記メールアドレスまたはお電話にてご連絡ください。
*特別に配慮が必要な方は、下記メールアドレスまたはお電話にてお知らせください。
●メール:p-tobira@tobira-project.info(とびらプロジェクト)
●電話:03-3823-6921(東京都美術館代表電話にて「とびらプロジェクト」の担当者をお呼び出しください)

 



<ご参加にあたってのお願い>

  • 来館者全員を対象に、非接触型温度計による体温測定を実施します。平熱と比べて高い発熱が確認された方、及び風邪症状(咳、咽頭痛)がある方、明らかに体調不良と思われる方については、入館をお断りさせていただきます。
  • 濃厚接触者、流行国からの帰国後等保健所、検疫所から健康観察を指示されている期間の方は、来館をお控えください。
  • ご来館の際には、マスクの着用をお願いします。

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東京都美術館における新型コロナウイルス感染症予防対策についてはこちらをご覧ください。

 

2022.11.12

今日はどんな気分?

「学校がしんどいな」とか

「いつもみんなで行動するのも疲れちゃう」と思ったら、

おいでよ、ぷらっと美術館に

 

秋晴れの11月、土曜日の午後、私たちのこんな呼びかけに応募してくれた

3組の親子が東京都美術館のアートスタディルームに来てくれました。

「おいでよ・ぷらっと・びじゅつかん」は、学校が「しんどい」と感じている小学生・中学生とその保護者を対象としたプログラムで、2021年度から始まり今回が3回目の実施になります。

参加者ととびラーが1対1でペアになり、東京都美術館や展覧会を一緒にお散歩することで、美術館での過ごし方をみつけていく、オーダーメイドのプログラムです。

学校に行っていても、行っていなくても、何かしら「しんどさ」と感じている子供たちに対して、「社会の中には学校と家だけじゃなくていろんな場所があるよ」「美術館は『自分の居場所』のひとつになれるかもしれないよ」ということを伝えたいと思い企画しました。

 


美術館へようこそ!

 

子供たちがゆっくりと来られるように、受付は14:3015:0030分間設けました。美術館に来るのが楽しみで受付開始した直後にきてくれる子もいれば、あまり乗り気そうではなく受付時間ぎりぎりに連れて来られた子も。どんな状況でも来てくれただけで私たちは嬉しくて、少しでも緊張を解きほぐせるよう笑顔でお出迎えしました。

担当とびラーと参加者が席に着いたら、お互いに呼んで欲しい名前を付箋に書いて交換し、このプログラムの特別パスポートをお渡ししました。この特別パスポートは、お散歩の中で見つけた「お気に入り」を記録するために使います。また、参加者は初めての場所や初めて会うとびラーに緊張しているだろうと思い、まずは少しでも安心感を持ってもらえるよう、これからプログラムでやることをフリップを使って説明しました。

 

お互いを知り合う時間

次に、アイスブレイクとして、岡本太郎の作品や東京都美術館の写真を使って、どんなものが気になるかについてお互いに話しました。テーブルに並べたたくさんのカードの中から、まずはとびラーが好きなカードを紹介します。次に子供に興味があるものや見たいと思うものを選んでもらい、どんなところが気になるかを聞きます。名前を書いた付箋を指人形のように使いお話しするペアもあり、カードを通じてお互い興味があることを話すことで、とびラーと子供の距離が少しずつ縮まっていきます。

熱心にお話ししてくれる子もいる一方で、なかなか話そうとしない子もいました。初めて会う人といきなり仲良くなるのは大人でも難しいので、そんな子がいてもおかしくありません。本人のペースで心が開くまで、時間をかけて話しかけていきました。その子もきっと話しかけられる言葉を聞きながら、とびラーがどんな人かを知ろうとしてくれていたのだと思います。一言、二言と少しずつ話してくれるようになり、20分間のアイスブレイクが終わる頃には、最初の頃の緊張は解け、とびラーとお散歩に行く気持ちができているようでした。

 

お散歩へ出発

心の準備ができたら、お散歩へ出発です。ここからは保護者とは離れて、とびラーと子供だけの時間が始まります。みんなしっかりとした足取りで「展覧会 岡本太郎」に向かっていきました。会場に入り岡本太郎のエネルギッシュな作品の数々を見ると、元々楽しみにしていた子はもちろん、最初は興味なさそうだった子も一気に作品の魅力に惹きつけられたようでした。それぞれお気に入りの作品を見つけて、熱心に観察したり写真を撮ったりしながら鑑賞しました。一つの作品をじっくり見る子もいれば、多くの作品に興味が止まらない子もいて、作品の鑑賞の仕方にも一人ひとりの個性が出て、一緒に回るとびラーにも発見のある楽しい時間となりました。はじめは一言だけだった感想も、展覧会の最後には「作品のこんなところがが好き」という話から、普段の好きなものの話までたくさんお話ししてくれるようになっていました

展覧会の後には美術館内を一緒にお散歩しました。東京都美術館には心休まる空間がたくさんあります。とびラーおすすめの場所に案内すると「わぁ」と声を上げ、展覧会とはまた別の表情を見せてくれました。

 

 

今回は、保護者にも美術館が居場所になり得ることを知ってほしいと思い、「参加者」としてとびラーと二人で活動する時間を設けました。なぜ私たちがこのプログラムを作ったのか、それぞれの個人的な思いも含めて伝えることから始め、1対1でじっくりとお話をしました。保護者からも、このプログラムへの応募動機や美術館への関心についてお話ししてもらい、子供と離れ、一人の大人として非日常のリフレッシュする時間を体験してもらいました。

 

 

お気に入りボードとパスポートの作成

 

一組、また一組とお散歩を終えた子供たちが、目を輝かせてとびラーと楽しそうにアートスタディルームに戻ってきました。ちょっと休憩をして、美術館で見つけたそれぞれの「お気に入り」からお気に入りボードを作成する作業に取り掛かります。撮影した写真の中から1枚選んでプリントアウトし、岡本太郎の消しゴムハンコを押したり、絵を描いたりとそれぞれの方法で、「お気に入り」を思いっきり表現してくれました。子供たちはプログラム当初の緊張していた様子とは打って変わり、周りのとびラーにも何が気に入ったのか、何を作っているのかを元気よく話してくれ、部屋全体が賑やかな空気に包まれました。最後に保護者と子供それぞれにアンケートを回答してもらい、全部で90分のプログラムが終了しました。

 

おいでよ・ぷらっと・びじゅつかんに込めた思い

私たちはこの企画を進めるにあたり、どうしたら参加者が「自分の居場所」と感じられるようになるか、何度も何度も話し合いました。その中で出てきたキーワードは、「子供と真剣に向き合い続けること「違いをありのままに受け止め、肯定すること」「正直に向かい合い、取り繕わないこと」でした。子供たちがどんな心の状態で来てくれるのかわかりませんでしたが、どのような状況でもこれらのキーワードを守り、あとは柔軟に対応することに決めていました。

実際に、学校が「しんどい」理由も性格や興味も参加者それぞれ違い、想定していなかった状況も多々ありましたが、参加者にとって安心できる場にすることを何よりも大事にしました。参加者全員が最後に笑顔で帰っていった姿を見て、また、保護者から「新しい場所に行くことを少し躊躇するようになっていたが、初めての美術館がとても楽しい時間となったようです。」「美術館がお気に入りの場所になりそうです。」という声をいただき、私たちの想いを十分に届けることができたと感じています。

 

おいでよ、ぷらっと美術館に。

 

美術館がそんな場所となれることを願い、今後もっと多くの人に私たちの想いを届けていきたいです。


 

執筆:飯田 倫子(アート・コミュニケータ「とびラー」)

とびラー2年目。とびらプロジェクトを通じて色々な人に出会い、日々刺激を受けると共に、美術館が自分にとっても「居場所」になりつつあることを感じています。

 

2022.11.05

第5回・第6回建築実践講座|「ワークショップメイキング」

ワークショップメイキング①
日時|2022年10月30日(土) 13:00~16:00
会場|オンライン

 

ワークショップメイキング②
日時|2022年11月5日(土) 10:00~15:00
会場|東京藝術大学 中央棟第三講義室


第5回建築実践講座は、アクセス実践講座と合同で、オンラインにて行われました。

 

まず、とびらプロジェクトマネージャの小牟田悠介さんより、ワークショップメイキングとコミュニティメイキングについてお話がありました。

とびらプロジェクトでは、対話をもとにコミュニティを育むことを大切にしています。

プログラムを考えるとき、「何をするか?」を重視しがちです。
「相手にどうなってほしいか?」を軸に進めていけば、迷ったり行き詰まったりしたときに、一度立ち止まり、戻ることができます。

後半の時間は、実際にワークショップを考えます。

まず、一枚の家族写真が提示されました。

そこに写る人物が、東京都美術館に来にくい理由を考え、想像します。

ブレイクアウトルームに分かれたとびラーは、それぞれの経験などから、どうしたら「この人」が都美を楽しめるのか、話し合います。

 

休憩を挟んで、後半はその人物についてもう少しその人となりについての情報を追加していきます。

追加された情報によって印象が変わり、前半に考えたアイデアをブラッシュアップしていきます。
この回のとびラーからのふりかえりからは、こんなコメントが寄せられました。

”ワークショップというと、ワークショップを「やること」が目的になってしまうことも多い気がしていて、それを「参加する人がどうなってほしいか」という結果から考えていくことが言われれば当たり前なのですが、新しい気づきでした。”

”【目的】を話す時に「方法」を話す人がいて「それは方法だと思う」と指摘することが多かったです。参加者を一緒に観察すると、相手に想いを馳せることになり「どうしたい」を考えることができました。”

 


第6回建築実践講座は、東京藝術大学中央棟第三講義室で行われました。

まずは「自分」という属性を客観視して書き出していきます。

その後、グループの中から一人を選出し、東京都美術館の建物を楽しむワークショップを考えました。

選ばれた人がリーダーにならないこと、というグランドルールの中でグループ内でワークショップを考えます。

もうひとつのグランドルールは、必ず現地に行ってみること、そして実際に体感して変更した点を意識すること。

色々なプランが出てきました。

たとえば、企画名だけご紹介すると

  • 好き地図を作ろう
  • 建築レシピ
  • ようこそ都美劇場 ~前川國男ver.~
  • 東京都美術館ウォーキングチャレンジ

などなど・・・

 

 

初めに考えていたプログラム、実際にトライアルしてみると、想像した通りにいかないことも。

トライアルから戻ってきて、最初に考えていたプランをブラッシュアップしていきます。

大切なのは、対象者が心地よく過ごせているかどうか。

参加したとびラーのふりかえりより一部引用します。

 

”自分がペルソナだったので、ものすごく掘り下げることができました。多様性のあるメンバーで作れたことで、奇をてらわず、現実的だけどよく考えられたアイデアになったと思います。午後にやってみたこともとてもよかったです。やってみると、メンバーから自然に変更のアイデアが出ました。素敵な体験でした。”

 

いよいよ次回は最終回です。

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 工藤阿貴)

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