2025.07.21
第3回 鑑賞実践講座|ファシリテーション基礎(2)
日時|7月21日(月・祝)10:00〜17:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム、スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA))
7月21日(月・祝)、東京都美術館 アートスタディルームとスタジオにて、第3回鑑賞実践講座「ファシリテーション基礎(2)」を開催しました。講師は引き続き、三ツ木紀英さんとARDAコーチの皆さんです。
第3回は、第2回で体験したVTSをあらためて見直し、鑑賞の場で何が起きているのかを分析し、理解を深める回として構成されました。対話のプロセスから鑑賞の場で起こっていることの結果と、それが起こった原因を観察し、言語化することがこの回のテーマです。
講座の前半では、子どもたちとのVTSの映像を用いた分析を行いました。ファシリテータの問いかけや、参加者の発言のつながり方に注目しながら、対話がどのように展開していくのかをとびラーがそれぞれ観察しました。問いの順序や言葉の選び方が、鑑賞者の思考にどのような影響を与えているのかについて、具体的に考えていきます。
後半では、再びVTSの実践を行い、その後、グループで振り返りを行いました。ここでは、とびラーがファシリテータ・鑑賞者・観察者に分かれ、VTSの鑑賞の中で起こっていたことの観察から、その原因をグループで分析する形でふりかえりが行われました。
きこえにくい方の参加について、第2回から引き続き、自動文字化アプリとサングラス型モニターを使用しながら行いました。ただ、サングラス型のモニターは視界への負担が大きく疲れも出てきました。そのため、様子を見て手話通訳サポートしてもらいながら進めていきました。
第2回と第3回を通して、参加者はVTSを「やってみる」だけでなく、「考え、振り返り、次に生かす」ための視点を身につけていきます。このファシリテーション基礎(1)(2)は、今後の現場での実践に向けて、とびラー全体のVTSの知見を揃えるための重要な土台となりました。この後、講座事前準備や場づくり、作品選びへとつながる重要なステップとなりました。次回第4回では、実際の展示室で、実践の場を視野に入れた準備について学んでいきます。
(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)