とびらプロジェクトマネージャの伊藤達矢です。
東京都美術館(以下:都美)のアクセシビリティのさらなる充実を願って、「アクセシビリティ調査報告書」の作成がとびラー候補生(以下:とびコー)によって進められていました。8月10日には「アクセシビリティ調査報告書」が提出され、とびコーさんの視点が一つの形となりました。ここでは、アクセサビリティ調査班による報告書の作成についての記録を紹介致します。
「アクセサビリティ調査報告書」作成の過程や内容についての記述はとびコーの平野文千さんです。
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リニューアルした都美には、念願のエスカレーターに「誰でもトイレ」等々が完備。これらは、リニューアルオープン以前から実施されていた「障がいのある方のための特別鑑賞会」に参加していた私たちにとっては夢のような設備です。しかし、まだ利用者の視点が入る余地があるのではないかと感じられ、リニューアル間もない都美に足しげく通う我々とびコーが、まずは調査確認を行おうということになりました。
そして、宮山さんが中心となり2012年6月9日、「アクセサビリティ」について初めての会合がもたれました。
一つひとつ丁寧に確認する為に、6月23日の基礎講座最終回後に館内を車いすを使って移動してみました。
多くのとびラー候補生の方々の参加によって、地図上にはチェックの山、山、山。この皆さんから頂いたご指摘をどうまとめるか・・・。空閑、辻、山木、平野がプロジェクトに本格的に参加。6月29日には“溜池山王会議”がもたれました。
お恥ずかしいくらい拙い初めのペーパーです。でも、これが次への第一歩。調査を箇所を写真撮影、その結果をまとめ、冊子にすることがプロジェクトの大枠として決定しました。
そして、冊子作成へと作業が進みました。館内のアクセシビリティーに加え、辻さんが「都美館HPアクセス情報補足案」として作成しました。
空閑さんが冊子の編集を行いました。8月上旬ついに完成しました!
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左から宮山、山木、空閑、平野、辻。プロジェクトを終えた感想をメンバーが語っています。
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宮山「『障害のある方のための特別鑑賞会』と言う素晴らしい催事を実施している大好きな都美が新装になっていざ出掛けてみようと身障者のお出掛けバイブル ホームページを開けてみました。残念なから欲しい情報が得られませんでした、と言うことからこれをなんとかと開始したプログラムです。始まったはよいのですが新しい都美システムにうまく乗れない宮山に伊藤さんからの矢のごとき指導。これを平野さんがコンダクターになりPC得意と漏れ聞いた空閑さんが纏め役に。怒涛のごときメール作戦であっと言う間にHP案を作った辻さん。そして山木さん、4名の方々が拾って形にしてくださいました。今後は折角調査した事案を いかに生かすかスタッフの皆さまにご協力頂くべく努力致します。有り難うございました。」
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山木「リニューアルオープンした都美、そこに生まれたアートコミュニケーショングループ=とびラーが ピカピカになった館内を車いすで探検してこんなところ、あんなところを見て感じたことを冊にしました。これから色々な活動に活用していただければ幸いです。多くの館内の方にご協力頂きました。ありがとうございました。」
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空閑「美術館内、美術館への『アクセシビリティ』について、敢えてネガティブな視点を持って指摘することで結果を出す本プロジェクトには、参加当初、多少の戸惑いもありましたが、『とびラー』という立場でこそ出来ることなのではないか?と気づき、宮山さん始め他メンバーに啓蒙、触発されながら貴重な体験をさせて頂きました。みなさま、ありがとうございました!具体的な反映は既に実行に移されたもの、これから『バリアフリー』から『アクセシビリティ』の発想に転換している世界の流れに乗って、出来あがった調査報告書がTokyo Metropolitan Art Museum(ここは敢えて英語で!)の更なる進化の一助になり得たなら、素敵ですね 。」
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平野「『アクセサビリティ調査報告書』は、皆さんと新しい都美館を回って頂いたご指摘をもとに、ますます“やさしい都美”を目標に掲げて作成した冊子です。 皆様、ありがとうございました。」
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辻「来館される方たちの、すこしでもプラスになるようなお手伝いをできれば嬉しいと思っています。私の突然の思いつきにもかかわらず、お仲間のみなさんが手を差し伸べてくださりなんとか形になりました。これからも楽しみつつ、かかわっていけたらいいなと思っています。」
2012.08.10