日時|2025年11月2日(日)13:30〜16:30
場所|東京藝術大学 第一講義室
講師|松見幸太郎(認定NPO法⼈キッズドア、執行役員NPO法⼈キッズドア基金 代表理事)
認定NPO法人キッズドアの松見幸太郎さんをお招きして、貧困家庭にある子供の経済状況とその影響についてお話しを伺いしました。認定NPO法人キッズドアは「すべての子どもが夢と希望をもてる社会へ」と2007年に設立された団体で、貧困に苦しむ日本の子どもたちの社会へのドアを開けるべく、多くの大学生・社会人ボランティアと共に、子どもの教育支援に特化した活動を展開しています。

とびラーの実践の中には、すべての子どもたちのミュージアムデビューを応援する「Museum Start あいうえの」ダイバーシティプログラムで、これまでにも認定NPO法人キッズドアさんと連携して東京藝術大学の卒業修了制作展を鑑賞するプログラムを複数年開催してきました。学習会に参加する子供達の中には楽しみにしてくれている人もいるようです。プログラム参加者の中には美術大学への受験を考え進学する人も出てきています。今年もどんな子ども達が参加し、藝大生とのコミュニケーションが生まれるのか楽しみです。
講座の中では、活動の理念からはじまり、昨今の物価高騰による影響も直接受けている状況を伺いました。
食費が嵩むことで必然的にそのほかにかけるお金は少なくなります。日本では、子どもの9人に1人が相対的貧困状態にあるとのこと。現場での子どもたちの状況や、学習支援の活動で将来につながった子どもたちのエピソードも合わせてご紹介がありました。
キッズドアの活動には子どもとその家族への支援活動だけでなく、貧困の社会的な状況を独自に調査し、数値やグラフで社会的に必要な理解を伝える活動もしており、実際の現場と客観的に外部へ伝える姿勢が大変参考になりました。データをとおして政策への提言も行い官民両方に対して支援の輪を広げる取り組みにも力を入れています。
お話を受けて、とびラーの講座後の振り返りでは
「親の貧困から子どもの貧困への連鎖を断ち切るための方法として学習支援を挙げられていたが、小さなことでもそれ以外で自分にできることは何があるかと考えさせられた。」
「子どもたちの学力につながる文化的資本については、美術館やとびラーにできることがそれなりにあると勇気づけられました。気軽に子どもたちが利用できるプログラムができないかなということも考えてみたいです。」という声がありました。
講座の後半では、4月から2回開催された「障害のある方のための特別鑑賞会」について考える時間をもちました。東京都美術館で開催される特別展の休室日に開催されるこの取り組みにとびラーはアートコミュニケータとして来館者を迎えています。とびラーにとって実践の場となっています。今年は5月と10月に2会開催されているため、3〜5名のグループになってそれぞれのこれまで「障害のある方のための特別鑑賞会」での経験を共有する時間をとりました。
「サポートが必要な部分はサポートするけど、する・されるの関係ではなく会話や鑑賞の時間はフラットな関係であることで、お互い心地よい時間を過ごせるのだなと思いました。その為には、設備や建物、展示のことを普段からよく観察して知っておくこと、自分がいっぱいいっぱいにならないような準備をして余白を作っておくことが必要そうだなと思いました。」
という鑑賞会にむけた準備についての話や、「5人で話し合いましたが、3人が参加しておりそれぞれの場所での活動を報告し合いました。まだ参加していなかった方からも次が楽しみ、という言葉がありました。
というとびラーからのコメントもあり、次回2月の障害のある方のための特別鑑賞会に向けて、まだ参加していないとびラーにとっても情報交換の機会となりました。
(とびらプロジェクト マネージャー 小牟田 悠介)
2025.11.03