東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

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【実施報告】2018藝祭散歩ー今だけのこの時間を分かち合うー

毎年行われる東京藝術大学の学生の祭典「藝祭(http://geisai.geidai.ac.jp/2018/)」が、2018年は「ほてり」をテーマに9月7日から9日に開催されました。アートを介したコミュニケーションを目指す私たちとびラーは、藝祭に来たお客さまと、作品展示を見て回る散歩ツアーを企画しました。今年は、昨年までの「藝祭さんぽ」から、ちょっと気分を変えて「藝祭散歩」というタイトルに。とびラー10名での実施となりました。

初日7日は、まずはとびラーの私たちが展示作品を味わい、理解するために使うことにし、「藝祭散歩」本番は9月8日にしました。スタート時間は、午後1時、散歩時間は50分の設定です。
とびラーが下見をして設定した「藝祭散歩コース」は、それぞれ特徴のある4コースになりました。

 

Aチームは、総合工房棟のデザインと染織の作品を、アーティストと交流しつつじっくり廻る「ゆったりコース」。
Bチームは、中央棟のパフォーマンスと、彫刻棟の彫刻、大学会館のメディ ア映像を見て廻る「ひらめきコース」。
Cチームは、学内のわかりにくい所にあるけれど光っている展示を廻る「いろいろはじっこコース」。
Dチームは、「御輿レポート(https://tobira-project.info/category/藝祭神輿レポート/)」を作成したとびラーと4基の御輿を見に行く「御輿コース」。

当日は、美術学部校舎正門付近で、12時40分から「藝祭散歩」のビラを配り、参加者を募りました。参加希望者には、「展示散歩」か「御輿散歩」か、のご希望を伺い、各チームに割り振り、参加証がわりのとびラー特製手作り「藝祭散歩うちわ」を持っていただきました。
今回「散歩」に参加していただいたお客さまは22人。午後1時に予定通り散歩開始です。

参加者の中には、とびラー企画の、昨年の「藝祭さんぽ」や今年1月の「卒展さんぽ」(卒業・修了作品展散歩)のリピーターの方が複数名いらっしゃいました。
「昨年参加してみて、藝大生の話が聴けたことがとても嬉しかったし、たくさんある作品の中からとびラーのみなさんが選んでくれたものを見て、とても面白かったから、また参加しました。」とのお言葉をいただき、ご案内するとびラーたちも出発前からテンションが上がります。

素晴らしい作品、その作品を創ったアーティスト、アートを愛する鑑賞者、それを繋ぐ私たちとびラー。
「藝祭」という限られた期間に現れる空間で、1時間弱の限られた時間に、どんな出会いの場を作れるか。
アート・コミュニケータである私たちとびラーも、実はワクワクと同時にドキドキしています。今回の参加者のみなさまにも「参加して良かったな」と思っていただけるような「散歩」にしたいと願いつつ、出発しました。

各チームの散歩の様子を各チームのファシリテーターよりご報告いたします。


<チームA「アーティストに会おう・ゆったりコース」>
(とびラー:原田・鈴木(優)・西原)

チームAはとびラー3名、参加者6名でした。そのうちの1名は、なんと昨年の「藝祭さんぽ」で、チームAのファシリテーシーターのとびラーとご一緒にコースを廻られたリピーター。また、昨年の藝祭だけでなく、2月の「卒展(修了展)さんぽ」のリピーターの方もいらっしゃいました。ご縁を感じます。
チームAは、総合工房棟の展示を3箇所廻ります。

最初に向かったのは、デザイン科修士課程の梶谷文雄さんの作品です。
タイトルは「プルースト」。

5センチ四方の小さな箱が十数個並んでいて、その前に文を書くための細長い冊子とボールペンが置かれています。小箱の上蓋の四隅には丸い穴が空いています。それを見た来場者は、「えっ?この作品はどういうものですか?」と少し戸惑っていました。
作品「プルースト」は、香りを嗅いで、その香りにまつわる記憶を自分の言葉にして書き残していくという、参加型の展示でした。
フランスの文豪、マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』の中で、主人公がある香りを嗅いだことでそれにまつわる記憶が呼び覚まされるという体験をすることから、こうした心理現象を「プルースト効果」と呼ぶようになったそうです。
香りと無意識的記憶、つまり、嗅覚と脳の関係を体験する作品であることを知った参加者のみなさんは、それぞれが小箱を手に取り、蘇った記憶を書き始めます。


「祖父の家の畳の匂いだ。」「昔のお祖父さんのお家の記憶が蘇ったのですね。その時のお祖父さんの笑顔まで思い出されたりしますか。」「そうですね。」参加者ととびラーのやりとりです。「同じ香りでも蘇る記憶はそれぞれ違いますね。」「他の人が書き留めたことも自由に読めるようになっているので読んで見てください。」梶谷さんが勧めます。
下見の時に、梶谷さんは、「同じ香りを嗅いでもそれぞれの受け止め方や記憶があることを知り、それぞれの大切にしているものが異なっていることが分かったり、その異なっていることがまたいいのだと気づけたりしたらいいと思う。」とおっしゃっていました。

香りを嗅ぐという体験が作品世界に入り込みやすかったのか、みなさんの心が柔らかくなっていく感じでした。参加者の方から質問が投げかけられるようになります。
「小箱には、番号とかABCとか記されていませんが、なぜですか。」  「最初、それも考えましたが、やはりそういう番号などをつけない、ただの同じ形の箱のほうがいいと考えました。」
何のラベリングもされてない箱の方が、香り自体の存在感を際立たせるのかもしれません。同じ箱が違う何かを生み出します。

梶谷さんの大切にされていることを下見の時に伺いました。
「作ったり考えたりして、それが形になっていく(この展示では言葉になっていく)ことが、自己肯定につながる。そういう行為を通して自分自身の存在について知っていくことができるのではないか。」
1月に開催された卒展では、「愛のかたち」というタイトルで、いろいろな色や形のピースを鑑賞者が組み合わせて「自分の愛の形」を表現するという参加型の作品を展示された梶谷さん。
「心の中にあるものを、遊ぶという行為を通して形にしていく」というコンセプトが、今回は、香りという、目に見えないモチーフで記憶を呼び覚ますという作品になっていました。こうした1人のアーティストの活動を継続して見ていけるのも、とびラーの楽しみです。この先はどんな展開になるのでしょう。
美大受験を目指すお子さんのいらっしゃる参加者の方から、「どうして藝大を目指そうとしたのですか。」という問いも出て、高校時代からのご自身の思いや経験を率直にお話しいただけて、みなさん感動されていました。藝大生のアーティストという存在と参加者との距離がグッと近くなったように感じた瞬間でした。

 

次に向かったのは、デザイン科4年の岡田夏輝さんの作品。
岡田さんは、サンバ部の元部長で、今年もパレードなどで太鼓を叩いて大活躍されている方です。
作品は「machinery」と「Moto Dress」
バイクのエンジン部分のデザインと女性用の革のライダースジャケットの作品です。

技術がどんどん進み、バイクも性能重視で機械部分がスマートになる中で、岡田さんにはバイクのデザインへのこだわりがあるそうです。
「速さや機能を重視して流線型の滑らかなものが増えてきているけれど、やはりバイクの持つ、メカのゴッツイ感じを表現したいのです。逞しくて強そうなイメージのエンジン部分のデザインを今制作していますが、最終的には卒業制作としてバイク全体を作って行きたいです。」来年の卒展では、岡田さんがそのバイクに乗って走る姿を映像に撮り、バイクの展示と合わせてその映像が見られる予定だそうです。
厳ついバイクとは対照的な優しい笑顔と温かい口調に、みなさんも和やかな雰囲気になっていました。

ライダースジャケットは、バイクに乗る女性が着る美しいジャケットがあまりないので制作したそうです。女性らしさを出すために、柔らかい革を帯状に切ったものを鎧のように幾重にも繋ぎ、バイクに乗った時に風に吹かれてたなびく姿を考えたデザインになっています。後でわかったのですが、参加者の中には、かつてライダーだった女性もいらして、「昔バイクに乗っていたのでとても興味深かったです。昔にあんなジャケットがあったら着てみたかったです。バイクの完成も楽しみですね。」という感想をいただきました。

 

最後には、美術研究科博士課程工芸研究領域(染織)の大小田万侑子さんを訪ねました。
作品は、藍型染「やまとのはじまりのうた」です。

『古事記』がテーマで、神様の始まりから神武天皇までのお話から12話を選んで、鳥の羽根の中に散りばめた大作です。
作品の前に立った瞬間に「わぁ〜」というため息が漏れ、言葉も発しないまましばらく作品に見入っている参加者のみなさんでした。
「どのように染めているのですか」という問いが出たので、大小田さんから、藍であらかじめ染めておいた布に、彫り上げた型紙を載せ、脱色効果のある糊を置いて色を抜いていく「抜染」という手法について説明いただきました。

「孔雀のような鳥の中にお話を描きたいと思ったのはなぜですか。」
「鳥の羽根の模様を見ていて、植物の成長と似ているなあと感じたからです。」
孔雀の羽根がどんどん上に重なって伸びやかに描かれていく作品は、確かに成長していく植物のようにも見えます。一つ一つの羽根の中には、細密で繊細な美しい線で彫られた神様たち、シダや薔薇などの植物、魚や貝殻などたくさんの生命が宿っています。

「見ているだけで幸せな気持ちになりますね。」
そのような感想を抱くのは、描かれている生命のそれぞれが、明るく生き生きとしていて、エネルギーに満ちているからでしょう。鑑賞している参加者のみなさんの表情もキラキラ輝いています。
「この神様はどんな神様ですか」雨の岩戸、猿田彦、やまたのオロチ、海幸山幸、キクリ姫、コノハナサクヤ姫…。参加者の皆さんは興味深そうに説明を聴きながら頷き『古事記』の世界に想いを馳せているようでした。
幼い頃からお母様に絵本の読み聞かせをしてもらっていたという大小田さんは、『古事記』のお話を言葉の響きから自由な発想で作品に表現していくのだそうです。お話そのものの忠実さを追求するのではなく、モチーフとして自分の作品世界に登場させたいものを選び、想像を膨らませつつ美しい姿を生み出して描いているようです。

 

大小田さんとは、とびラーが昨年秋に藝大生インタビュー(https://tobira-project.info/blog/2017_okoda.html)で取材させていただいて以来の繋がりです。「細かい下書きをほとんどしないで、デザインカッター1本で、このように繊細な表現を彫っていくのですよね。」ととびラーが話すと、参加者のみなさんは驚嘆されていました。
「いろいろなお話や生き物が描かれていて本当に面白いですね!」「見ているといろいろな発見がありますね!」と参加者からの言葉が次々と発せられます。

 

デザインカッターを握る指先に、まるでアートの神様が宿ったかのように、美しく生き生きと彫られた線。線だけの表現で、生きとし生けるものの生命の輝きを描くことを追求しているとのことでした。
参加者の感想には、こんなものがありました。「私も染めが大好きで、作家になりたいと思っていました。あの作品を1ヶ月で彫り上げるとは…すごいです。是非とも大作家になってください!」

最後にサプライズとして、ファシリテーターのとびラーが「実は、私たちとびラー3人が、今、スカーフのように身につけているこの藍染の手ぬぐいは、大小田さんの作品ですよ!」と上野公園のアート・マーケットで手に入れた藍染の手ぬぐいを紹介しました。

参加者のみなさんには、出会った作品や作者への感想をカードに記していただきます。このチームは、「リブ居間(Living roomまたは居間)」という藝大生作曲のBGMが流れ、建築科が設計した椅子のある、アートな空間(休憩室)で書いていただきました。その中に「まあ、なんと素敵な作品!ではとどまらず、見惚れながら奥の深さに感動しました。」という感想もありました。
とびラーに対しても、嬉しいお言葉を頂戴しました。「3つの作品がそれぞれ全く違った趣で面白かったです。セレクトが良かったですね!」「また卒展修了展でもこのような散歩は企画されるのでしょうか。1人で見て廻るよりも面白いので、また参加したいです。」
とびラーとしても素敵な出会いに感謝しています!

 

<チームB「ひらめきコース」>

(とびラー:東濃・市川・府川)

チームBに参加いただいたのは、ご近所に住んでいるけど初めて藝大の構内に入られたご夫婦、美術館めぐりが好きなご夫婦、藝大と仕事のつながりがある男性の5名です。

 

最初に、中央棟2階の人気パフォーマンス「おく」にご案内しました。人だかりの中、プレイヤー2人の緊張感溢れるバトルを見学。参加者の方から早速「人間関係を感じた。」という言葉が発せられます。
その後、裏口を抜けて、出展数、作品の質がともに充実している彫刻棟へ。まず、皆さんにお気に入りの作品を見つけていただき、その作品の前で感想を述べていただきました。

 

白い大理石で等身大の少年(少女?)の胸像を制作する作家、堀内万希子さんに出会いました。頭の上にハムスターを載せています。堀内さんにお聞きすると「小さな動物と友達になれる優しさ、純粋さを表現したかった」と説明してくださいました。「大理石の彫刻、とてもあたたかく感じました。」そんなお話をしながらの鑑賞となりました。
超迫力満点!の御輿を見ながら美術学部の正門を出て、音楽学部のキャンパスに移動しました。こちらにも烏天狗と白龍が向き合う御輿があります。移動中にも大作をみることができ、参加者はちょっと得した気持ちになったようです。
最後は、大学会館2階にある映像の展示です。ご年配のご夫婦が「散歩が終わったら音楽学部に行きたい。」と言われていたこと、だれかに教えてもらわなければ行かない「穴場」で涼しいこと、などが最終目的地にした理由です。
みなさんに感想のカードを書いていただいて一旦解散。

 

そして「もっと見たい」という参加者の方のために用意した、中央棟1階「終わるべき芸術のための一音展」へ向かいました。
人のあらゆる表現、音までも、強力なラップで包み込む作品。作家の陣川樹さんから強い衝動が伝わってきます。陣川さんがつくった表現を包むための機能と展示するための機能が一体化した装置は、両手を広げていて、そこから大量のラップが発射、噴出され、ドラム一式が天井近くまで絡め取られたように伸びていっています。このドラム一式は、ライブのたびに包を解いて会場に行き、またここに戻ってきて陣川さんに巻かれます。表現を束の間だけ閉じ込め、そして開放が繰り返されることで、躍動しているように思えました。

 

最後に「どんな表現でも包めますか?」の質問に「もちろん」。「では、この団扇は?」「では、手から団扇まで包みましょう」と言って包んでもらったのがこの写真です。

参加者の男性からは「とびラーっていいですね。私もなれますか?」などのお話があり、楽しく会話して、今度こそ本当に解散しました。

 

 

<チームC「いろいろはじっこコース」>

(とびラー:鈴木(重)・鈴木(康))

チームCは、とびラー2名、参加者6名です。参加者は、「藝祭」の経験がある方、初めての方、藝大生の親御さんなど、「藝祭」との距離は様々ですが、みなさん学生が制作した作品に興味があるご様子。

最初に、絵画棟の奥まった階段を登った2階の廊下に展示されている「はんが・がろう・ろうか」の版画作品に向かいます。そこには作家の田沼可奈子さんと、宮下咲さんがいらして、それぞれ作品についてお話をしてくださいました。田沼さんの作品は、2人のキャラクターが恋に落ち、向かい合って見つめ合う立体作品です。

田沼さんのアイデアとして、現代の版画は、版で紙に擦るだけでなく、写すことに意味を見出すというお話を聞きました。参加者のみなさんは、瞳にお互いが映し出される姿がすばらしいと、話し合っています。宮下さんの作品は、エッチングで擦られたルーズリーフに、さまざまなノートへの、落書きのようなものをモノタイプした作品。「私は直接描く作品は作らないんです」と宮下さん。「ここにあるのは何?」と参加者間でも話が弾みます。みなさんの雰囲気もだいぶ打ち解けてきました。

 

次に行ったのは、同じ絵画棟の8階の端の部屋「アルコル」の展示。
ここでは小山昌訓さんに作品についてお話していただきました。そこには、科学の研究者のメモのような紙が何枚も無造作に貼ってあります。よく見ると文字が読めない、「何語?」なんと小山さんが作った文字。何やら強い生物を作りたいという架空の研究のようです。小山さんの危ない世界に、参加者は、「これは何?」と興味津々。後で参加者からいただいたコメントには、「小山さんの世界をゆっくり味わいたい。」とありました。

 

時間が押してきたので、ちょっと急いで、こちらも大学会館2階の「Film and New Media」の展示室へ。

ここでは、遠藤紘也さんと、金井啓太さんにお話を伺いました。遠藤さんは、音と映像の時間をずらしディスプレイに映し出す映像作品。金井さんは、自らの身体をつかって蚊を採集する様子を、ビデオ、写真、標本状のパネルで示す作品。参加者のみなさんは、発想のおもしろさに感心し、作家さんへの質問も続きました。
ここで散歩は解散となりましたが、参加者と作家、参加者同士、そして参加者ととびラーの会話が盛り上がり、参加者のみなさんは満足そうなご様子でした。

 

 

<チームD「御輿コース」>

(とびラー:藤田・木村)

昨年の「藝祭さんぽ」御輿コースに参加してくださった方が、今年も来てくださいました。各御輿の前にいる学生にストーリーや作り方について聞きながら、御輿を隅々まで味わうコースです。

見事に仕上がっている4基の御輿を順にめぐります。
・デザイン・芸術学・作曲・弦楽器チーム

・工芸・日本画・楽理・邦楽チーム

・建築・油画・声楽・指揮・打楽器・オルガン・古楽チーム

・彫刻・先端芸術表現・管楽器・ピアノ・音楽環境創造チーム

藝祭御輿を見るのは今回が初めて、という方も数名いたのですが、発泡スチロールで作られていることや、制作期間は1ヶ月あるかないかだということを、学生から聞き、とても驚いていました。

最初は、とびラーが学生に話しかけて御輿について聞き、参加者はそれを聞くというスタイルでした。しかし、2基目の途中からは「聞きたい!」という気持ちが強くなったのか、自分から話をしにいく方があらわれるように。それ以降は各々好きなタイミングで話をしに行っては、また御輿を見に行き…といつのまにか自由なペースで鑑賞やコミュニケーションを楽しめるようになっていました。おそらく、御輿に対する驚きや学生に対する緊張などがなくなっていったからかと思いますが、自分流の楽しみ方を見つけていただけているのなら嬉しいなと思い、見守っていました。

パフォーマンス(御輿パレードや開口一番)が前日にあったことを知り、観なかったことを悔しがる方もいて、「来年は初日午前から来ます!」とおっしゃっていて、御輿ファンが増えたことが嬉しかったです。
散歩終了後、「やっぱり御輿は学生達の話を聞かなくちゃね!」と笑顔で帰っていかれました。

 

参加者のみなさんからの感想カードを渡しに行ったら、どのチームの学生も驚き喜んでくれました。まさかメッセージまでもらえるとは思っていなかったようです。LINEグループで共有させてもらいます!というチームが多く、すぐにチームに共有してもらえたようで、嬉しく思いました。
「藝祭散歩」は、学生、参加者、とびラーに何かしらの出会いや発見があり、お互いにとっての刺激にもなって、意義深い企画だなぁ…と改めてその良さを感じました。

 


以上、各コースの様子でした。

 

楽しい時間はあっという間に過ぎ、「藝祭散歩」も終了、解散となりました。
「また次も、散歩に参加します。」とおっしゃってくださった方も多かったようです。参加者のみなさまの笑顔が印象に残っています。
アーティストと話をすることによって、その作品が近いものに感じられたり、感動が深くなっていったりする、そんな参加者の心の動きも肌で感じました。

 

散歩の終了時に書いていただいた感想カードをアーティストの方々にお届けしたところ、「みなさんに見ていただいて作品についてお話しできて本当に嬉しかったです。」「これから卒業制作(修了制作)に取りかかるので、それも是非見にきてください。」というお言葉をいただきました。
私たちとびラーが心を込めてアーティストとその作品の魅力をお伝えしようとすることを、このように楽しみにしてくださる参加者のみなさまとアーティストの方々がいらっしゃることが分かり、改めて「藝祭散歩」実施をして良かったなあと感じています。
「散歩」活動を通して、アーティストとの繋がりが出来て、その活躍を応援し続けていくのは、とても楽しいことです。アーティストと参加者ととびラーとが、アートを前にして何かを発見し、アートの魅力やお互いの感じ方に素晴らしい刺激を受け合うのが、「散歩」の醍醐味ではないでしょうか。

「アートを通して今だけのこの時間を分かち合う」、そんな出会いの場をこれからも大切にしていきたいです。
素敵な時間を共に過ごしてくださったみなさまに心より感謝いたします。
ありがとうございました。

 


執筆 原田清美<チームA報告&まとめ>・東濃誠<チームB報告>
鈴木重保<チームC報告>・藤田まり<チームD報告>
写真 峰岸優香(とびらプロジェクト アシスタント)
鈴木優子・西原香・原田清美
編集 峰岸優香(とびらプロジェクト アシスタント)、

原田清美(アート・コミュニケータ「とびラー」)
とびラー2年目です。とびラーの一員として活動し、アートを通していろいろな人々と繋がり、いろいろな感じ方や考え方を知ったり、ワクワクする発見をしたり、感動を共有したりして、世界が広がっていくのをとても嬉しく思っています。

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