2014.07.06
4月から6月に開催されていた「基礎講座」が無事終わり、とびラー対象の3つの「実践講座」が始まりました。
今日は、そのひとつ。アクセス実践講座の初回日です。アクセス実践講座の目標は「障害のある人も、介護や介助が必要な人も、小さなこどもたちも、そしてそのご家族も、誰もが何のためらいもなく文化資源に出会える環境を目指して、様々な対応や状況への理解を深める」ことです。
今日の講座では、東京都美術館アート・コミュニケーション事業の担当学芸員である稲庭彩和子さんから、初回ガイダンスが行なわれました。稲庭さんご自身が働いていた神奈川県立近代美術館と養護学校が連携して行なった「音でつながる私とアフリカ 」の活動のお話、そして海外の博物館などで行なわれている認知症の方へのプログラムなど、他館で行なわれている様々な取り組みを学びます。
その後、白梅学園大学子ども学部准教授である杉山貴洋先生から、「障がいのある子どものためのWS」についてお話して頂きました。とびらプロジェクトで活動するとびラーは「Museum Start あいうえの」で実施しているこども向けプログラムにて、こどもたちの冒険の仲間としても活動しています。昨年度活動したプログラムのひとつ、障害のあるこどもたちを含むすべてのこどもたちのためのプログラム「のびのびゆったりワークショップ」を振り返り、今年度に向けて、意識を高めていきます。
昨年度の映像を見ながら、顔がほころぶとびラーたち。今年度もたくさんのこどもたちに会えることが今から楽しみです。
(東京芸術大学美術学部特任助手:近藤美智子)
2014.07.05
平成26年度のキックオフ・プログラムです。
「あいうえのものがたり」と題したこのプログラムでは、上野のミュージアムがこどもたちにとって馴染みある存在になることを願い、また、ミュージアムの楽しみ方を学ぶことを目指します。5月〜7月にかけて全4回行われ、毎回異なる「冒険の行き先」を設定しています。
各回の様子は下記でご覧頂けます。
(「Museum Start あいうえの」ブログに移動します。)
2014.06.28
建築実践講座の第2回目。今回は斉藤理先生(さいとう ただし/山口県立大学准教授)をゲスト講師としてお招きしました。
斉藤先生は、街・建物を見て歩くことや楽しむことについて等を中心に研究、活動をされています。
この日も遠く山口県からお越し頂きました。
まず、斉藤先生からとびラーに向けていくつか質問が投げかけられました。
・建築を見る良さはどんなところにあると思いますか?
・建築見学について、日本で問題になっていることは?
・建築見学について、どんなことに取り組みたいですか?
今回はそれぞれについて深めると同時に、
建築は自ら楽しむだけでなく「人に紹介するとより楽しい」という部分にポイントを置いてお話頂きました。
様々な場所で、あらゆる年代の方と一緒に「まち歩き」を行ってきた斉藤先生の経験もご紹介頂きます。
また建築を見て歩くことと、地域づくりの関連性、世界の都市の建築がどのように編集し紹介されているかについてもお話がありました。
とびラーが建築ツアーで都美について語る時、どんな工夫があったらよいか?どう伝えていこうか?
既に様々試行錯誤しているとびラーにとって、とても具体的なアドバイスになります。
2時間の講座で斉藤さんのお話は尽きることなく、いい余韻を残しながらの回でした。
次回は実際にまち歩きに出掛けます。今回学んだ視点を持って、どんな気づきを持ち帰れるでしょうか?
(とびらプロジェクトアシスタント 大谷郁)
2014.06.14
講師は、学芸員の河野さん。
都美で建築ツアーが開催されたきっかけについてのお話から始まりました。
2年間の休館を経て2012年春にリニューアルオープンした都美ですが、改修期間に入る直前、2010年4月に「休館前スペシャル企画~おやすみ都美館~建築講座」と題したイベントが開催されました。
建築の分野における専門家をはじめとしたゲストによる公開トークショーに加え、ここで初めて建築ツアーが行われたのです。そして休館が明け、とびラーによる建築ツアーがはじまりました。
この建築講座は、都美についての知識を学ぶだけでなく、それぞれが自身で建築を楽しむ目を持つことを一つの目標としています。また人に伝えたり共有することで、「建築」を通した学び合いの機会を作っていきます。
今年度は全6回の講座に加え、来館者向けた6回の建築ツアーを実践の場としています。
(建築ツアーのご案内はこちら:http://www.tobikan.jp/learn/architecturaltour.html)
様々な建物を見つめ、今年はどんな発見や展開があるのか?とても楽しみです。
(とびらプロジェクト アシスタント 大谷郁)
2014.05.26
今年度最初の特別鑑賞会が「バルテュス展」を会場に行われました。
美術館の入り口から展示室の途中、「ようこそ」とお出迎え。
各所でとびラーが来館者のサポートをしています。
学芸員による解説ガイドの様子です。展示のみどころなどを聞くことができます。
展示室にはゆったりとした時間が流れていました。
休室日を利用し、年に3,4回開催されているこの特別鑑賞会。
お申し込み、詳細はぜひ東京都美術館ウェブサイトをご覧ください。
こちら⇒
(とびらプロジェクト アシスタント 大谷郁)
2014.05.24
2014.05.17
本年度一回目の建築ツアーが5月17日に開催されました。
今回より新しい試みとして「えらべるコース」を取り入れています。ガイドを務める3人のとびラーそれぞれが考えたオリジナルコースの中で、お客さまのお好きなところにご参加頂くというものです。
この日のツアーメニューは3つ
「ここにも作品が…建築+野外彫刻の楽しみ」
「とびかん入門編 美術館というアート作品を楽しもう♪」
「友達に話したくなる! 都美の建築ゆるっと1周ツアー」
受付時に参加したいコースをお尋ねします。(※満員の場合ご希望に添えないこともあります)
出発前の5分間、参加者の方々の間にも会話が生まれていました。
こちらは小林雅人さんの「とびかん入門編 美術館というアート作品を楽しもう♪」コース。
美術館の楽しみとして、建物もひとつの作品としてとらえながら館内を回ります。
岸川久美子さんの「ここにも作品が…建築+野外彫刻の楽しみ」コースの様子です。
実は東京都美術館(以下:都美)の各所には野外彫刻が存在しています。岸川さんは館内を巡りながらもそれらの彫刻に出会いながら、様々なエピソードを語ってくれます。
こちらは辻真木子さんの「友達に話したくなる! 都美の建築ゆるっと1周ツアー」の様子。
その名の通り、誰かに教えたくなってしまうような、気にしないと見過ごしてしまうポイントをめぐります。
ツアーは45分間ほどで終了します。ご参加頂いたみなさんには、アンケートを書いていただき今後へとつなげて行きます。
とびラーのガイドによる建築ツアーは、東京都美術館ウェブサイトにてご案内しています。
次回のツアーメニューも随時発表されていきますので、是非ご覧ください。
みなさんのご参加お待ちしております!
(プロジェクトアシスタント 大谷郁)
2014.05.10
今日は第3回基礎講座の日です。
基礎講座とは、新しいとびラーを対象とした新しいコミュニティづくりの基本を学ぶ講座です。とびラーの活動を支える基礎的な物事の考え方を参加形式で学んでいきます。
今回は76人のとびラーが集まりました。
本日のプログラムは大きく2つ。
・とびラーの活動紹介
・チームに分かれて上野公園のビビットポイントを探す
まずは新しくスタッフとして赴任した伊藤史子さんにも分かりやすく説明することを目標に、とびラーの主な活動内容などを地図やプロジェクターを使って一つずつ紹介していきます。
これから始まっていくプログラム、また新しく始まるプログラムについても、新旧とびラー同士、質問や説明を挟みながら学んでいきます。
とびラーの活動について、少しずつ理解してきました。
その後8つのチームに分かれて、とびラーの活動拠点となる上野公園を実際にとびラー自身が歩きながら「発見」&「共有」し、とびラーの活動や上野に対する理解をより深めていきます。
チーム分けのくじ。
上野公園を8つのゾーンに分けました。
チームごとにそれぞれ割り当てられたゾーンに向けて出発します。
公園内にある地図で場所を確認。
春の気持ちのよい天気でしたので、外でピクニックもしてきました。
見慣れた公園も、改めて歩いてみると新しい発見や知らなかった場所がたくさんあることに気づきます。
都美館に戻り、見つけて来た発見をブックとホワイトボードにまとめ、他のチームと共有します。
改めて、上野公園には多くの「!」スポットがあることが分かりました。
今回の基礎講座では、とびラーの活動、また活動拠点の上野についての理解を深めました。
次回の基礎講座は5月24日です!
(プロジェクトアシスタント 高橋育也)
2014.04.26
2014.04.12
今年も「とびらプロジェクト」の基礎講座がはじまりました。
今回は初回基礎講座ということもあり、1・2期とびラーに新規(3期生)のとびラーも加わって大にぎわいでした。約150人近い人数でしたので、会場は東京藝術大学の講義室を利用しました。
テーマは「とびらプロジェクトを知る・語る」です。
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講座は3つのプレゼンテーション(とびラーへの期待や、プロジェクトの抱える課題など)を講師陣が行い、その内容についてとびラーが話し合い、考え、レスポンスをするという趣向で進めらました。
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全体の司会進行は西村佳哲さん。はじめのプレゼンテーションは、森司さんと、日比野克彦さんです。
日比野さんと森さんからのプレゼンテーションではとびラーに「3年間の任期が終わったあとはどうする?」という問いかけでした。新規で入ってきたばかりのとびラーはいきなり任期終了後のことについて聞かれてびっくりしたかもしれません。しかし、終わりや、限りある時間を意識することは、プロジェクトを進める上でとても大切なこと。1期2期3期、それぞれのとびラーが交ざり合うように3人組をつくり、話し合いました。
話し合ったあとは、個々人の思いや考えたことを、葉書に書いてポストに入れます。この葉書(レスポンス)をもとに、とびらプロジェクトは進行してゆきます。
続いてのプレゼンテータは近藤さんです。近藤さんは藝大の助手として関わっていますが、昨年度の活動を振り返って、複数の組織が連携することの難しさや、コミュニケーションの大切さについてお話をしてくれました。
実感のこもった説得力のあるプレゼンテーションで、皆さん真剣に聞いていました。もちろんこの近藤さんのプレゼンテーションにも、とびラーのみんさんは葉書でレスポンスをしました。
最後は稲庭さん。稲庭さんは来年東京都美術館で開催予定の展覧会をふまえて、『キュッパのはくぶつかん』という絵本を題材に、展覧会に関するアイディアを募りました。
『キュッパのはくぶつかん』原作者のオーシル・カンスタ・ヨンセンさんも、これから何度か来日なさるとのこと。楽しみですね。
稲庭さんのプレゼンテーションが終わって、とびラーのアイディアは、「稲庭」と書かれたポストにたまってゆきました。来年の展覧会にこの箱の中のアイディアが反映される、かもしれません(笑。
最後はフリートークの時間です。みんなにこの場で伝えておきたいことや、自分が思っている大切なこと、ちょっとしたお知らせなど、スタッフもとびラーも発表したい人が発表するスタイルです。
10人以上のとびラーやスタッフがお話をしました。
基礎講座が終わったあとは、東京都美術館のアートスタディルームへ。少しお茶をしながら、進行中のいろいろな企画の話し合いをしたり、新しく入ってきた3期のみなさんと改めて自己紹介をしたりしていました。
夜は、新年度最初の懇親会です。場所は東京都美術館内のレストラン「IVORY」です。
余興でとびラーオリジナルの紙芝居も上演されました。
いよいよ、今年度のとびらプロジェクトも本格始動です。どんな展開が待ち受けているのか、とてもたのしみです。