東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

活動紹介

ワークショップ 「楽園」への手紙

2014.09.12

ワークショップ「楽園」への手紙は、全日程を終了いたしました。
沢山のご来場まことにありがとうございました。


上野はここのところめっきり涼しくなってきました。
夏の強い陽射しが和らぎ、秋めいた空気の中でゆっくりアートを楽しみたい気分です。

美術館に足を運ぶと、自分自身と向き合うような独特の内的な雰囲気に包まれます。
一つ一つの作品が放つ色々なものを受け止めながらぐっと別世界に引き込まれる鑑賞のひととき。
時には作品の力で心を動かされることもあります。
心に渦巻く想いを作り手の方へ伝えてみませんか。
「楽園としての芸術」展では、ワークショップ 「楽園」への手紙を開催中です。
作品鑑賞の後、作り手の方たちへ向けて手紙を書くことができます。
今日は、これまで開催されたワークショップの模様をお伝えします。


ワークショップの開催場所は、展覧会会場内の奥にあります。
下の写真に写っている白いポストが目印です。
付近にいる アート・コミュニケータ(※)がご案内しますので、どうぞお気軽に声をかけてください。

机の上には色紙と色鉛筆がセットしてあります。
手紙のサンプルや図録の用意もあります。

図録をゆっくり眺めながら、何を書こうかな・・・、思案中です。

すぐに書き始める人も筆を取るまで時間がかかる人も、一旦書き始めると、みんな没頭!
文章を書く人、絵を描く人、大きな文字でシンプルに書く人、裏表びっしり書く人、思い思いに、しばし書面に集中する時間が流れていきます。

書き終わったら、切手シールを貼って消印を模したスタンプを押します。
消印スタンプは、実は手紙の行先を示しています。
しょうぶ学園行きの手紙には菖蒲の花のスタンプを、アトリエ・エレマン・プレザン行きの手紙にはお家のスタンプを押します。
このスタンプ、アート・コミュニケータの手作りで絵柄がとっても可愛いんです。

好きなところに好きなだけ、押したり貼ったり。
中には一面スタンプでいっぱいにする人も。

完成した手紙は「楽園」への手紙 専用ポストに投函して終了です。
投函された手紙はアート・コミュニケータがお預かりし、 作り手の方々のアトリエへお届けします。

老若何女、津々浦々から、さまざまな方々が立ち寄って手紙を書いていかれました。
夏休みに親子でいらした方、旅行で上野の美術館巡りの最中という方、アトリエをもって絵の先生をされているという方、海外からお越しの方。
手紙を書きながら展覧会や作品への想いについて語ってくださる方もいらっしゃいました。
お話を伺いながら、作り手側だけでなく作品を観に来てくださる方にも、観に来るまでの物語があることに気づかされました。

皆さんのお手紙を作り手の方々のアトリエへお届けできることに、わくわくしています。

ワークショップ「楽園」への手紙は、全日程を終了いたしました。
沢山のご来場まことにありがとうございました。

(※) アート・コミュニケータ(愛称:とびラー)は 東京都美術館を拠点に、人と作品、人と人、人と場所との つながりを育み支えるための様々な活動をしています。
アート・コミュニケータは美術館の学芸員や職員ではありません。
会社員や学生や主婦をしながら、ボランタリーに美術館と関わっています。



 筆者:とびラー 中野未知子(なかのみちこ)
 フリーランスとして企業で研修やワークショップの企画、運営を行う。
 アートを介したまちばのコミュニケーション・デザインを研究すべく
 アート・コミュニケータを志す。
 多摩大学 経営情報学部 非常勤講師/立教大学大学院 比較組織ネットワーク学修士

 

 

 

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