東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

活動紹介

【開催報告】聴く 視る 話す 鑑賞を深く味わおう

2022.09.16

2022年9月16日、東京都美術館で開催された『ボストン美術館展 芸術×力』展(会期:2022年7月23日~10月2日)に合わせ「聴く 視る 話す 鑑賞を深く味わおう」を開催いたしました。

 

このプログラムには、ふたつの目指すところがありました。

・普段の鑑賞に「聴く」「視る」「話す」を意識するパートを加えることで「作品を深く味わえた」と実感していただきたい。いつもと違う美術館での過ごし方を体験することで、鑑賞スタイルの幅を広げて欲しい。

 

・参加者やとびラーとの交流を通して、美術館が「作品を鑑賞するだけの場ではない」人々の交流の場となり、新しい価値観を生みだす「心のゆたかさの拠り所」となることを感じていただきたい。

 

それでは、このプログラムが創り上げられていく過程からお伝えしたいと思います。

 


 

▶ワークショップ開催までの流れ

春先にラボを起ち上げ、集まってくれたメンバーで「作品を味わえた」と感じた経験について、共有することから始めました。

その中で、メンバーからはこんな意見が聞かれました。

・グループでの「対話型鑑賞」での体験。他の人の意見から異なる視点を得られた

・全ての作品ではなく、心に残った作品をじっくりと時間をかけて観察。新たな発見や気付きを得ることができた

・鑑賞後、他の人と感想を共有。多様な意見を交わし合うことで、作品への理解が深まった

 

メンバーのそれぞれの体験談から「聴く」「視る」「話す」という、3つの要素を軸にプログラム構成を考えよう、という方向に決まりました。ワークショップの流れと内容は下記の通りです。

 

聴く 『ボストン美術館展 芸術×力』展の作品画像をモニターに画像を映す。少人数のグループに分かれ「対話型鑑賞」を行う。グループで同じ作品を鑑賞しつつ、他の人の発話からいろいろな視点があることを実感してもらう

 

視る 『ボストン美術館展 芸術×力』展の会場に足を運び、本物の作品を観察、鑑賞する。同じ作品でもいろいろな意見がある、もっと自由に作品を鑑賞してもいいんだ、という「聴く」での体験を元に今度はひとりでじっくりと作品を鑑賞する

 

話す 本物の作品を鑑賞しての感想や、気になる作品をグループで共有する。他の人と感じたことを分かち合う楽しみと喜びを味わってもらう

 

 

参加者に、いかに心地良くストレスなくプログラムを楽しんでいただくか?

来場者が少ないことが予想される金曜夜の「夜間開館」の時間帯にプログラムを開催することにしました。

メンバーで何度もミーティングやトライアルを繰り返し、プログラムを練り上げていきました。

 

それでは、当日の様子をお伝えします。

 


 

暑さも少し和らぎ、過ごしやすさも感じる日和となりました。夜間開館の時間帯に展示室へ足を運べるよう、17時に受付開始です。20代~70代までの幅広い14名の方がご参加。参加者4~5名、とびラー3名の3グループに分かれます。

 

▶アートカードを使って自己紹介

 

受付をすませた参加者さんから、ゆるやかに輪になって座っていただきます。「東京都美術館へはよくいらっしゃるんですか?」初めて訪れる場所、初めて出会う人たち。緊張気味な参加者にとびラーがにこやかに話しかけ、リラックスしていただけるよう心掛けます。

参加者の表情が和らいできたところで、自己紹介タイムです。あらかじめ『ボストン美術館展 芸術×力』展の作品の図版が、ホワイトボードに貼りだしてあります。選ばれた作品は絵画のみならず、服飾や工芸品なども含まれる、幅広いラインナップが特徴となっている6点です。本展覧会への期待感を持ってもらうために何度もメンバー同士で話合い、作品を選びました。

 

まずはじめに参加者に「気になる作品」を選んでいただきました。なぜ、この作品が気になるのか?理由を話しながら自己紹介。見知らぬ参加者同士がお互いを知り合う、プログラム冒頭の大切な時間です。自分が選ばなかった作品への視点を知ることで、この後に控えた展示室での鑑賞にも興味が膨らみます。

 

▶モニターに作品を投影し対話型鑑賞

 

 

とびラーのファシリテーションで「対話型鑑賞」を行います。まずは作品をじっくり観察。参加者同士、感じたことや気になることを共有します。対話型鑑賞が初めての参加者がほとんどでしたが、自己紹介の時間ですっかり打ち解けた参加者より次々と発話が続きます。

 

▶展示室で「ボストン美術館展 芸術×力」展を鑑賞

展示への興味が充分高まったところで、いよいよ本物の作品を鑑賞します。

展示室で鑑賞する作品の作品名と、気付いたことをメモするコンパクトなメモ帳をお渡ししました。

 

 

安心して鑑賞に集中できるよう、展示室ではとびラーが見守る事をお伝えしました。皆さん、メモ帳片手に熱心に作品を鑑賞してくださったようです。

 

▶展示室から戻り感想を共有

「お帰りなさい!」60分間、本物の作品と向き合った参加者を笑顔でとびラーが迎えます。戻ってきた参加者の表情より「はやく見つけたこと、感じたことを話したい!」という高揚した気持ちが伝わってきます。

 

 

まずは「対話型鑑賞」を行った作品の共有から始めます。ひとつの作品を10分以上掛けて鑑賞する体験は皆さん初めてだったと思います。描かれている場面や人物から当時の時代背景、権力の構造にまで話が及んだグループもありました。短い時間で『ボストン美術館展 芸術×力』のテーマに迫る視点を共有できたことは、予想外の展開で充実した時間となりました。

 

 

 

場が温まったところで「自己紹介」の時間に選んだ作品について共有します。

隅々までじっくり観察することで、色彩の鮮やかさや構図の奥行き、描かれている絵画の空気感まで感じ取ってくださったようです。「他の人の感想を聞いて、もっと作品が観たくなってきた。また、展示を観に来ます!」という嬉しい言葉も飛び出しました。

 


 

今回は、冒頭の自己紹介から「対話型鑑賞」まで『ボストン美術館展 芸術×力』に展示されている作品を選びました。その流れによって、展示に向けての期待感が高まり展示室で鑑賞する時間もより深く興味を持って、過ごすことができたと思います。

 

皆さん、普段と違う美術館での過ごし方をどのように感じたのでしょうか?アンケートをみてみましょう。

 

・明るく楽しい雰囲気で、感じたことを遠慮なく話せました。皆さんの感想に「おお、なるほど!」となったり別の視点からの見方を知って、よりいっそう鑑賞の楽しみが増しました。

 

・ひとつの作品とじっくり向き合う時間。ひとりであるいは友人と一緒でも、今までこんなに長い時間を掛けて作品を観ることはなかった。いろんな角度で見て感じることで、より一層作品の印象が深くなった。

・スケジュールも細やかに検討されていて、流れるようなあっという間の時間でした。初めてで、不安に思っていましたが安心して参加することができました。

 

約半年にわたって練り上げた鑑賞プログラム「聴く 視る 話す」。無事に開催することができました。

最後にたくさんのアドバイスを下さった「とびらプロジェクト」スタッフの皆さま、一緒にプログラムを創り上げてきた仲間たち。当日参加してくださった皆さま、全ての方に心より御礼を申し上げます。

 


【参加アート・コミュニケータ】
岡田、栗山、小屋迫、長尾、堀内、山中、吉水、遊佐、井上、梅川、隈井、高崎、高橋、宮林、山本

 

 


 

執筆:遊佐 操(アート・コミュニケータ「とびラー」)

とびラー3年目。活動の中で「アートってひとを変えるチカラがあるんだ!」と実感する場面が何度もありました。これからもそんな奇跡のような、喜びに満ちた瞬間に関わり合っていきたいです。

 

 

2022鑑賞実践講座④|「展示室で学ぶ場づくり 〜スペシャル・マンデーに向けて〜」

2022.09.12

 


 

第4回鑑賞実践講座|「展示室で学ぶ場づくり 〜スペシャル・マンデーに向けて〜」

日時|2022年9月12日(月)9:30〜15:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム、スタジオ、ギャラリーA・B・C(フィン・ユール展会場)
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)、石丸郁乃(Museum Start あいうえの)
内容|
・「スペシャル・マンデー」の事前〜当日〜事後の流れを学ぶ
・会場を知る
・作品保護について考える

 


 

第4回の講座では、とびラーが活動する「Museum Start あいうえの」の学校プログラム「スペシャル・マンデー」に向けて、実際の展示室の中で、鑑賞の場づくりについて考えました。また、Visual Thinking Strategies(ビジュアルシンキングストラテジーズ:複数の人で対話をしながら作品を鑑賞する手法。略称:VTS)のファシリテーションのための事前準備について学びました。

 

まず、「Museum Start あいうえの」のプログラム・オフィサーである石丸郁乃さんから、「スペシャル・マンデー」の概要と、事前授業〜当日の展覧会鑑賞〜事後授業まで行うプログラムの流れについてのレクチャーがありました。

 

次に、作品保護を考えながら適切に鑑賞する場作りや、実際の展示室の確認、また鑑賞のポイントについても議論しました。

 


展覧会: フィン・ユールとデンマークの椅子  2022年7月23日(土)~10月9日(日)  東京都美術館ギャラリーA・B・C

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)

2022建築実践講座③|人々の能動性が発露する建築空間とは

2022.09.10

第3回建築実践講座|「人の能動性が発露する建築講座とは?」

日時|2022年9月10日(土) 14:00~16:00
会場|東京都美術館 講堂
講師|大西正紀(株式会社グランドレベルディレクター兼喫茶ランドリーオーナー)


第3回目の建築実践講座は、大西正紀さんにおいでいただきました。

とっても素敵なシャツにオレンジのパンツがお似合いです。都美に向かう途中、「素敵ね!」と知らない方から声をかけられたとか。

前半はご自身のお話を中心に。

人々の能動性を発露させるきっかけとして、小さな「マイパブリック」を設けたらいろんな人が集まってきたことや、

「1階作りはまちづくり」をモットーにした株式会社グランドレベルについて。

「人がまちの1階に増えると、その周辺エリアのコミュニティが醸成していきます。」

そんなグランドレベルがオープンした「喫茶ランドリー」。

場のデザインと、引かれた補助線によって、そこに集まる人はどうなっていくのか、お話しいただきました。

「もともと工場だった場所を、カフェに変えようと考えました。ランドリーもあって、そのエリアに暮らす人が気軽に来られる喫茶店のような場所にしようということで名づけました。

他人同士の会話って、何かしらのエラーからしか始まらないんですね。コーヒーをふるまうのも、困った人を助けるのも、面白いことをしている人に話しかけるのもエラーかもしれません。『大丈夫ですか?』とか、『それ面白いですね』という一言が、コミュニティの最初の種のような。」

大西さんは、建物の中に補助線を引くことで人々の能動性を引き出すことを大切にしてきました。

「美術館に来館した人たちは、同じ体験をしているのに、共有せずに帰っていきますよね。僕は個人的にそれはもったいないことだ、と思っていて。だからこそとびラーさんがいて、人と美術館との間にある大切なチャンスを楽しいことに変換していくのが皆さんだと、僕は思っています。」

 

参加したとびラーのふりかえりを一部引用します。

 

”ハードに敢えてエラーを作ることで、手助けによる会話が生まれる。逆に言うと、エラーのある場所にはコミュニティを作るチャンスがあると考えました。”

 

”他者やまち、社会に、自分から何かを提供するーそうすることでまず提供する側が楽しい、まちそのものも豊かになっていくという事例のどれも興味深かったです。”

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 工藤阿貴)

2022アクセス実践講座③|「クリエイティブ・エイジング」

2022.09.03

日時|2022年9月3日(土)14:00~17:00
場所|オンライン
講師|藤岡勇人(東京都美術館学芸員)「ミュージアムで社会的処方を考えよう」
小川由美子(永寿総合病院 認知症疾患医療センター)「地域で暮らす認知症の人や
その家族を応援!認知症サポーター養成講座 ~認知症についての理解を深めよう
~」

 

2022鑑賞実践講座③|「ファシリテーション基礎(2)」

2022.08.29

 


 

第3回鑑賞実践講座|「ファシリテーション基礎(2)」

日時|
A日程:2022年8月7日(日)9:30〜16:30
B日程:2022年8月29日(月)9:30〜16:30
会場|
A日程:東京藝術大学 第3・4講義室
B日程:東京都美術館 アートスタディルーム・スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)
内容|
・Visual Thinking Strategies ファシリテーション分析
・Visual Thinking Strategies ファシリテーション実践

 


 

第3回は、前回に引き続き、NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)の三ツ木紀英さんから、Visual Thinking Strategies(ビジュアルシンキングストラテジーズ:複数の人で対話をしながら作品を鑑賞する手法。通称:VTS)におけるファシリテーションの基礎を学ぶ2回目です。

 

観察・分析・実践を繰り返しながら、ファシリテーションの基礎を身についけていきました。

 


A日程 東京藝術大学講義室での講座の様子

 


 

B日程 東京都美術館会場での講座の様子

 

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)

【開催報告】トビカン・モーニング・ツアー

2022.08.23

トビカン・モーニング・ツアーは、午前中、まだ人もまばらで、のんびりとした空気の中の美術館をまわる30分のツアーです。周りの上野公園の緑も取り込みながら気持ちよく時間が過ぎていき、午後や夜とは少し違った景色を観ることができます。

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8月23日(火)

少し蒸し暑い夏の日。それでも沢山の参加者の皆さんがお越しくださいました。

この日は4チーム4つのコースで実施。参加者は12人。

ご夫婦で参加されたり、参加者同士が同世代で盛り上がったり。

どのチームも皆さんで楽しくお話しながらツアーが進んで行きました。

アートラウンジでは上野の緑に囲まれ、椅子に座って皆さんリラックスされていました。

室内からでも見どころが沢山ある東京都美術館。

暑い夏でも楽しんでいただけます.

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トビカン・モーニング・ツアーは、午前中、まだ人もまばらで、のんびりとした空気の中の美術館をまわるツアーです。周りの上野公園の緑も取り込みながら気持ちよく時間が過ぎていきます。このツアーを通して、新しい美術館の魅力を見つけてくださるといいな、と思っています。(滝沢)

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執筆:

池田智雄(アート・コミュニケータ「とびラー」)
とびラー10期。散歩と美術館が好きで、その楽しさを他の人にも一緒に味わってもらうことができるこのとびラボが大好きです。ツアーの時に参加者が自分で見つけた美術館の魅力を言葉にして教えてくれるとガイドとしてとてもうれしくなります。

滝沢智恵子(アート・コミュニケータ「とびラー」)
とびラー9期。トビカン・モーニング・ツアーは、平日の午前中、上野公園全体がなんとなく緩やかに時間が過ぎている時間帯に開催されています。参加された皆さんが、そういう空気を感じながらのんびりとくつろいでいらっしゃる様子をみることがガイドとして、とても幸せです。

2022鑑賞実践講座②|「ファシリテーション基礎(1)」

2022.08.22

 


 

第2回鑑賞実践講座|「ファシリテーション基礎(1)」

日時|
A日程:2022年8月6日(土)9:30〜16:30
B日程:2022年8月22日(月)9:30〜16:30
会場|
A日程:東京藝術大学 第3・4講義室
B日程:東京都美術館 アートスタディルーム・スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA))
内容|
・鑑賞体験
・ファシリテーションのポイント観察
・Visual Thinking Strategies ファシリテーション実践

 


 

第2回からは、NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)の三ツ木紀英さんを講師に迎え、Visual Thinking Strategies(ビジュアルシンキングストラテジーズ:複数の人で対話をしながら作品を鑑賞する手法)におけるファシリテーションを学びながら、作品をよりよく観察することや、アートを介したコミュニケーションの場づくりについて考えていきます。

 

第2・3回は、ファシリテーションの基礎を学ぶ二日間です。

A日程とB日程に分かれて多くのとびラーが参加し、東京藝術大学の会場と、東京都美術館の会場でそれぞれ講座を実施しました。

 

午前は、三ツ木さんのファシリテーションを観察をメインに。どのような振る舞いや声かけをしているか、その意図は何か、それぞれの視点について議論をしながら理解を深めていきました。

午後は、アートカードゲームをしながら、ファシリテーションの観察を行いました。

 


A日程 東京藝術大学講義室での講座の様子


 

 

B日程 東京都美術館会場での講座の様子

 

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)

【あいうえの連携】SDGsをきっかけとした、美術館の建築を探検できるプログラム

2022.08.21

夏休みも終わりに近づく8月21日(日)に、2022年度2回目のファミリー&ティーンズ・プログラム「SDGsで探求!名建築をみる」を行いました。

プログラムは午前と午後に2回実施され、それぞれ小学1年生から中学3年生のこどもと保護者が参加しました。参加者は、東京都美術館に初めて来館する子や何度も足を運んでくれているご家族、過去にあいうえののプログラムに参加したことのある子などその経験はさまざまです。
美術館は来るたびに新しい発見と出会える魅力いっぱいの場所。SDGsをきっかけとした、美術館の建築を探検できるプログラムの様子をご紹介します。

 

プログラムの様子はこちら→
(「Museum Start あいうえの」ブログに移動します。)

2022建築実践講座②|上野のミュージアムの成り立ちを知る

2022.08.13

第2回建築実践講座|「上野のミュージアムの成り立ちを知る」

日時|2022年8月13日(土) 14:00~16:00
会場|東京都美術館 講堂
講師|倉方俊輔(大阪公立大学教授 建築史家)

 


台風が迫る中、第2回建築実践講座が行われました。

(今年度の建築実践講座では、毎回文字通訳が入っています。)

 

「日本で最初に指定された公園でありながら、同時にミュージアムが集積している。公園とミュージアムはある意味対照的な性格なのに、同居しているのが上野公園の面白いところです。」

明治時代の博覧会の流れから上野のミュージアムの成り立ちを知り、その背景を伺いました。

1877年に第1回内国勧業博覧会が開催されてから約100年後の1975年、現在の東京都美術館が完成しました。

「東京都美術館は、緑が中にあることと、ミュージアムであること、市民が集まる場所であること、という3つが組み合わさっているという点で、上野公園らしい建物です。この立地条件化で、前川國男らしさが発揮されている建物だと思います。」

 

上野公園の役割や推移を知ることは、今の時代の中のとびらプロジェクトの位置づけを意識することにもなります。

 

参加したとびラーのふりかえりを一部引用します。

 

改めて「今、美術館を、よりよい社会のために拓いていく」ことの意味を心に置いておきたいなと思った。”

 

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 工藤阿貴)

【あいうえの連携】とびラーと出会って、展覧会&美術館ランチ!

2022.08.04

あいうえのには、社会的支援の必要な子供たちのための団体との協働で実施しているダイバーシティ・プログラム「ミュージアム・トリップ」というプログラムがあります。

今回は、豊島区を拠点に子供達とその保護者を包括的に支援している団体「認定NPO法人 豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」と連携し、プログラムを実施しました。

 

当日、参加のこどもたちは池袋駅に集合してから、上野にやって来ました。中学生から高校生まで年齢も様々だったため、早めに一人で到着してしまった子や、一人で来て、上野駅で出口を間違えて迷子になりかけてしまった子など、小さなハプニングはありましたが、プログラムは無事に始まりました。

プログラムの進行は、東京都美術館の学芸員、河野佑美が行いました。
最初に、プログラムの流れを伝えて、鑑賞する企画展「フィン・ユールとデンマークの椅子」のことを伝えました。展覧会にはおしゃれな家具や椅子、デザイン画などが展示されています。建築家という仕事、デザイナーという仕事、大工という仕事など、仕事について、に加え、人気の漫画の単行本の表紙に「デザイナーズ・チェア」が描かれていることにも触れながら、展覧会を楽しむコツを伝えます。

 

プログラムの様子はこちら→
(「Museum Start あいうえの」ブログに移動します。)

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