東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

活動紹介

びじゅつ探偵団!いろ色BooK

2012.05.27

「公募展ベストセレクション美術 2012」展最終日に、展示されている絵や彫刻の色をもとに、世界にひとつだけの色見本帳「いろ色BooK」をつくるワークショップが開催されました。東京都美術館のミュージアムショップを運営する(株)美術出版サービスセンターと東京都美術館が共催し行われた今回の企画は、リニューアル開館以来はじめて広く参加者を募ったワークショプとなりました。ご参加を頂いた皆さまは大人子どもあわせて25名、親子連れで楽しんで頂きました。もちろんとびラー候補生(以下:とびコーさん)がワークショップのサポートをしっかりと担当しました。
ワークショップがはじまると早速展示室へ向かい、学芸員の稲庭彩和子さんのファシリテートのもと、まずは全員で1枚の絵を鑑賞します。みんなで声をだしながら鑑賞してみると、思わぬところに奇麗な色が隠れていたり、色に込められているメッセージを感じたりと、お互い新しい発見をすることができました。

 

鑑賞のコツがつかめたら、とびコーさんと参加者のみなさんが3人1組ほどの小グループにわかれて、お気に入りの絵を探します。「公募展ベストセレクション美術 2012」は数ある公募団体のなかでも特に精力的に活動をしている27団体を取り上げ、かつ各団体の中で推薦を受けた作家のみが展示をしている、いわば公募団体オールスターズの展覧会。日本画、油画、水彩、工芸、彫刻と多彩な表現が展示室内にあふれています。

 

とびコーさんといろいろ相談をしながら、お気に入りの絵を2点決めてじっくりと鑑賞します。とびコーさんも楽しそうです。

 

お気に入りの絵がみつかったら、アートスタディルームに集まって、作品カードでお気に入りの絵を発表します。いろいろな絵がテーブルの上に並びました。

 

発表のあとは、各自お気に入りの絵の中にある色を絵の具を混ぜてつくります。その絵の中にある印象的な色に近づけるように、丁寧に色を混ぜ合わせます。1点の絵から5色の色をつくります。出来た色は1色ずつ帯状の紙に丁寧に塗ってゆきます。

 

2点の絵で合計10色の色の帯ができあがりました。次に出来た色の帯をはさみでパチパチ切り、色のピースに仕立ててゆきます。色のピースの大きさや形は、参考にした絵をヒントに、ドンと大きく塗られていた色は大きな四角いピースに、ちらっと見えた色は小さな三角ピースにという具合に刻まれてゆきました。

いよいよ出来た色のピースを使って色見本帳をつくります。スケッチブックにお気に入りの絵を貼り、その隣に、お気に入りの絵をもとにつくった色のピースを貼ってゆきます。絵から取り出された色たちが再構成されて、また違った味わいが出ています。手を動かしながら色を考えたり、色の配置を並べ替えながら、隣り合った色と色の影響を体験したりすることで、よりお気に入りの絵を深く感じることができたのではないでしょうか。

 

みなさんそれぞれの色見本帳ができました。色見本帳もさることながら、あまった色のピースが入ったバットの中もなかなか奇麗です。

 

そこで最後は、あまった色のピースをお互いで交換し合いました。交換した色のピースはお土産としてお持ち帰り頂きました。たくさんの人がお気に入りの絵の中から取り出した色のかけらを拾い集めて、スケッチブックの上でまたちがった絵ができたら素敵ですね。今回の絵の具は、ターナー色彩(株)さまからご提供いただきました。ありがとうございました!(伊藤)

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