東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

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2012.09.20

とびらプロジェクトマネージャ伊藤達矢です。
とびラー候補生(以下:とびコー)がとびラーや美術館で働くさまざまな方が便利に使える館内マップをつくりました。お客様用のフロアマッフはこれまでもありましたが、全ての職員等が使える詳細な共通情報が入ったマップはこれまでありませんでした。制作過程についてのレポートは秋本さん、島津さん、田中さんです。

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1.プロローグ  MAP&マニュアルの立ち上げ
4月、とびラー候補生としての基礎講座がはじまりました。スタッフの皆さんを含め100名ちかくの方々との新たな出会いとともに、バタバタと5回目の基礎講座が終了してもなお、お名前と顔の一致しない状態に、これでいいのかな・・・と思う自分がいました。次の基礎講座がおわったら、全員が集まる日はしばらくは来ない。何か役に立てるようなことはないだろうか、とりあえず、この1年だけでもいいから何かできることはないだろうか。
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それにしても、どうして内部の人のためのマニュアルがないのだろう?みんな、どこに何があるのか、もうわかっているのかしらん? わからなくても、館内でお仕事している人に聞けばいいけれど、私たちもそれでいいのかな。知っていて当然と思われるだろうに。
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おそるおそる掲示板に「MAP&マニュアルを作りませんか?」と呼びかけをしてみました。もしかして、だれも関心を示してくれなかったらどうしよう・・・。地道な作業になるだろうしなぁ・・・。いらないって言われたらどうするかなぁ・・・。
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不安に思いながらコメントをみてみると、「作りましょう!」「それ、必要だよ!」と手を挙げてもらえていました。ありがたや!ありがたや!
こうして、MAP&マニュアル隊(以下:M&M隊)が歩きはじめました。
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まずは、素材集めからです。都美館の中を歩いて、写真を撮る作業、情報を集める作業を進めていきます。デジカメ片手にウロウロと、あーでもないこーでもないと歩き回りました。「マウリッツ美術館展」のはじまる前に、大体のところを回っておかないと写真も撮れなくなるし、トイレのなかもチェックできなくなります。この作業は短期に進めなくてはならず、1回3時間くらいうろうろして、計4回!がんばりました!ウォーキング隊長の島津さ~ん、お願いします。
(文責:秋本)

 

2.地道な館内めぐり
とにかく館内と館のまわりを手当たりしだい歩きます、歩きます。資料となる写真が、後になってここはどこ?にならないように、まず先にその場所を示すメモを写してから続けてその場の写真を撮る方法を採りました。歩いてみると、へえーっ、ここってこんなふうになっているんだと、いろんなことがわかります。写真を集め、歩いた成果をメモし、MAPに何を取り入れるかを検討する土台を作ります。

 

たとえば、傘たての数を数えると、こんなにお客さんが来ても大丈夫なんだということがわかります。屋根付きのサンルームのような空間で、落ち着いて傘の収納が出来ます。

 

さらに館内を歩きます。特に公募棟の構造は一筋縄にはいきません。展示室3層とその間の事務室の3層、階段やエレベータで登ったり降りたり。調査を通して公募展の主催団体の方の動線が理解できました。公募棟をうろうろしていると、ご案内の必要な来館者に出会うことがあります。例えば車椅子で入れるトイレの場所や、オストメイトの有無など。実際ご案内をしてみると、フロアマップでは理解できても、具体的な場所や設備が身につかないことことに気付きました。

 

全く知らなかった場所の発見もあります。妙に落ち着く休憩スペースです。プライベートスペースと呼んでいい?ほど。ここはどこでしょうか?  公募棟の展示室奥にひっそりとある休憩スペースです。贅沢空間、ぜひ味わって頂きたい。

 

ここがわかれば通。北口外のゴミ置き場附近です。普段通らない所かもしれませんが、いろいろな人の立場の視点も大事です。こうして収集した情報も充実し、いよいよMAPのデザインに入ります。「素材とイメージをもらえれば、こちらでたたき台をつくりますから~!」とさわやかに引き受けてくださった田中さん。M&M隊のみんなで、「少しでもチカラになれれば・・・」とチェックにチェックを重ねました。MAPのイメージは、「やわらかだけど、押さえるところは押さえているぜぃ~」っていう感じです。それでは、田中さんどうぞ!
(文責:島津)

 

3.MAP作りの工夫やアイデア
当初のMAPは、A3サイズの両面刷りを二つ折りにして配布する程度のものとして考えていました。とびラーがMAPを片手に自分で館内を歩き回り、自分の目で実際に確認しながらガンガン書き込みをしてオリジナルのMAPを完成させるようなものにしようと、あえて空白スペースを多くしたり「さがしてみよう!」というゲーム性をもたせたりもしていました。
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第二段階になり、MAPを持ちやすくする為に、仕様はミウラ折りのような折りたたみ式のポケットサイズにして、表面にはマップ、裏面にはマニュアルを入れてみてようということになります。実際に試作品を作ってみたところ、片面に全てのフロアを収めてしまうと、かなり小さなMAPになってしまったので、やはりMAPはMAPとして両面刷りで作成し、マニュアルは、別の仕様にすることで決定しました。

 

第三段階では、完成版にかなり近いカタチの試作品が完成。この辺で、MAP隊全員が「これならいけるかも!」という雰囲気になってきました。伊藤さんや美術館のスタッフに確認したところ、とびラーだけでなく美術館内のスタッフのみなさんにも配布できることになった為、書き込み方式やゲームはやめて、より具体的な説明を入れ込んだものになりました。表紙と背表紙は、ハードカバーのような厚紙を使用。クラフト紙に印刷したものを手作業で包み込んでいます。

 

第四段階は、ひたすら校正作業です「これは入れておこう」「これは省こう」「このエレベーターは使えるか」「このトイレはだれでもトイレか」「やっぱりこれは入れておこう」などなど…、MAP隊と美術館スタッフの怒濤の赤入れ作業です。

 

第五段階、ミウラ折りという技術を採用すると、表紙は試作品のサイズよりもひとまわり大きくなることが判明。結果的にカードサイズからパスポートサイズ(現在のサイズ)くらいに大きくなりました。表紙のデザインも少しずつ変化し完成形に。パンダのイラストやMAP内の上野動物園付近に配置されているキリンやゾウのイラストは、小幡さんに下絵を描いていただきました。

 

これで完成! みなさんおつかれさまでした! 多くの方に活用していただけるといいですね。

(田中)

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田中(M&M隊デザイン担当)
Mr.Tanakaのラブリーなモノ&コトは、 映画『ホノカアボーイ』、「蕎麦」、「演劇鑑賞」の3点セット。惚れたあまりに、ハワイに行ってしまい、とことん満喫してしまったほど。おやつタイムの時の「ゴボウせんべい」は大好評!

島津
ナイスなフットワーク!今回の取材では一番歩数を稼いだハズ!実家は相撲部屋のとなり。文房具には目がなく、ついつい時間を忘れてしまうほど大好き。いつも元気印なので、秘訣をぜひ伝授してほしい。

秋本(M&M隊ご意見調整担当)
十人十色といいますが、まさにそのとおり。MTGの度におもしろいな~と感心するばかり。silverとsunglassesが大好きなので、お守りのようにいつもなにかつけている。ご無沙汰のプラネタリウムにも行きたい。ソラマチ行こうよ!

 

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