2013.01.31
2013.01.31
1月26日(土)から31日(木)にかけて第61回東京藝術大学卒業修了作品展(以下:卒修展)が開催されました。今年の卒修展は東京都美術館と東京藝術大学を一つのコミュニティーとして捉え、藝大生ととびラー候補生(以下:とびコー)のみなさんが力を合わせて取り組みました。東京都美術館(以下:都美)のロビー階入り口正面には、東京都美術館のロゴと東京藝術大学のロゴのオブジェがついたコンシェルジュタワーが設置されました。さわやかな藝大生二人が来館者をご案内しています。
都美のことなら熟知しているとびコーの大阪さん。力強い身方です。
今年の卒修展は2年ぶり(改修工事が2年間行なわれた)に都美で開催される卒修展です。リニューアルしたのは外観だけではなく、アート・コミュニティー形成事業(とびらプロジェクト)のもと、卒修展でもさまざまな試みがなされました。写真はミュージアム・ショップでライブペインティングを行なう先端芸術表現科修士2年生の林友深さん。
卒修展期間中のミージアム・ショップでは「スケッチブック」と題して、藝大生のドローイングが販売されました。卒業修了作品を鑑賞するだけではなく、ご来館されたみなさまに作品を持つ喜びを伝えたい、そんな藝大生の気持ちから生まれ企画です。こうした企画は、今年から卒修展を盛り上げて行こうとする藝大生によるプロジェクトチーム「PandA」によって進められています。「PandA」は卒業生修了生だけでなく藝大生なら誰でも参加できます。そして、「PandA」と「とびらプロジェクト」が連携することで、東京藝大の卒修展は、卒業修了生だけではなく、より多くの人々が参加できるプロジェクトとなって行きます。
こちらは、藝大生が自分の「作品を語る60分」と題したトークイベントの様子。ゲストは藝大生、モデレータは僕(伊藤)ととびコーさん(日替わり)。卒修展会期中5日間毎日13時~14時の間行なわれました。登壇して頂く藝大生は日本画、油画、彫刻、デザイン、工芸、芸術学、建築、先端芸術表現と日替わりでさまざま。同じ藝大にいても考えていることや、制作している作品などはそれぞれ異なるので、僕もモデレーターを勤めながらとても勉強になりました。今の藝大生は僕が学生のころよりもしっかりしている様に思い、思わす関心して聞いてしまいました。
会場からの質問も多く、和やかなお昼休みのひと時を演出するトークの時間となりました。
トークが終わると、初日限定で僕「伊藤達矢の卒修展弾丸ツアー」が行なわれました。卒修展は都美に加え、敷地が隣りあった東京藝大の校内全域を使った展覧会となっています。そのため、会場も広く順路も分かり難いため、1時間で効率よく一気に僕が案内してまわるという強行ツアーです。お客様は少ないだろうな~と予想していたところ、25名(スタッフいれたら30弱)もの方々にお集り頂きました。
藝大のことならだいたい分かっているはずの僕が、相当な急ぎ足で(脱落するお客様も気にせず)凡そ300点を超える作品を全て見てまわったのですが、結局2時間かかってしまいました。すみませんでした。。。そして、みなさん大変お疲れさまでした。最後は拍手で終わらせて頂き恐縮です。
卒修展期間中に毎日開催されていた企画の一つに先端芸術表現科の学生たちが企画した「午後ラウンジ」があります。毎日外部からゲスト講師を招き、卒修展の会場で自ら作品のプレゼンを行い、ゲストとともにアートについて語り合うという企画です。なんとそのゲスト講師にとびコーのみなさんが招かれました。アートのプロフェッショナルではありませんが、率直な意見や感想で藝大生と語り合っていました。
今回の卒修展のさまざまな企画のアイディアを出してくれたり、ミュージアム・ショップでのドローイング販売を成功に導いてくれた藝大生による卒修展企画チーム「PandA」のみなさんと、日比野克彦教授とのトークも開催されました。
都美のラウンジはいつのまにか大勢の来場者でいっぱいになりました。少し控えめに設えたのですが、さすがは日比野先生。これまでの卒修展では学科をまたいでの交流はありませんでしたし、教授と学生とが話をする機会などもありませんでした。今回の卒修展では、大学の教員、学生、美術館の学芸員、一般から集まったアート・コミュニケータ(とびコーさんたち)、それにその日たまたま居合わせた来場者が一体となっる様子が度々伺えました。
卒修展ではとびコーさんたちから発案された企画も実行されました。これまでの「とびらプロジェクト」で培ってきたノウハウを活かしながら、藝大生の作品を題材に、来場者へ向けてVTS(ビジュアル・シンキング・ストラテジー)が行なわれました。
日比野先生のトークは日を変えて第2段「レストランでトーク」が開催されました。会場は都美の2階にあるイタリアンレストラン「ミュージアムテラス」。日比野先生ととびコーのみなさんで卒修展を語りました。途中でレストランの店長田中さんも登場。「店をつくることはまちをつくること」素晴らしい。都美はさまざまな志のある方々で出来ていますね。
2013.01.25
2013.01.16
1月19日に実施した建築ツアーの様子です。1月の寒空の元ではありますが、17名のお客さんにとびラー候補生(以下:とびコー)考案のオリジナルツアーに参加していただきました。
今回のガイドを努めたのは辻さん、山中さん、淵上さんの3人です。
まずは辻さん、佐藤慶太郎ラウンジにて東京都美術館(以下:都美)の歴史を紹介しています。
都美を設計した前川國男はグルメだった…?というお話から、山中さんはレストランも紹介しています。
ガラスの向こうに淵上さん率いるツアー一行が見えますでしょうか?そう、ここは公募展の展示室。都美を一望するにはうってつけです。
また、1月16日には臨時で建築学部を目指す高校生を対象にツアーを行いました。ガイド担当は建築ツアー実践講座の講師(学芸員)の河野さんと、とびコーの秋本さんです。
とびコーの皆さんは、講座や自主練を重ねより一層充実した内容のツアーを目指して頑張っています。3月には今年度最後のツアーを実施します。是非一度とびコーオリジナルツアーにご参加ください!
(とびらプロジェクトアシスタント 大谷郁)
2013.01.12
会場にはこれから「アーツ前橋」を支えて行こうとするボランティアスタッフ希望の方が集まっておられました。退職後の方から小さなお子さんをお持ちの若いお母さんや、お近くにお住まいの方や遠方からいらっしゃった方などさまざまな立場の方々がおられ、「アート前橋」に寄せられる期待の大きさを感じることが出来ました。
早速講座がスタート。まず稲庭さんからは、東京都美術館のミッションやアート・コミュニケーション事業の目指すものなどについてお話がありました。
続いて僕からはとびらプロジェクトの活動概要や運営に関わる詳細などについてお話をさせて頂きました。みなさんは真剣そのものでした。
最後はとびコーの山近さん、越川さんからは活動の中でとびラーが大事にしていることや、とびらプロジェクトに関わる動機についてお話がありました。会場からの率直な質問もあり、それに対してとびラーならではの同じ目線での解答があったりと、なごやかな雰囲気で講座が進みました。
2013.01.06
2013年明けましておめでとうございます。お正月ということもあり、100畳もの畳が企画展示室に敷き詰められ、キヤノンから寄贈された6曲1双の高精細複製品屏風2双<「桜図屏風:さくらずびょうぶ」(伝俵屋宗達筆)、「群鶴図屏風:ぐんかくずびょうぶ」(尾形光琳筆)の高精細複製品>が展示されました。さらに年初めの大字揮毫(だいじきごう)では大きく「寿」の一字が書かれました。なかなかの迫力です。
続いて長い和紙の上に文字が書かれて行きます。流れる様に書き加えられる文字はリズミカルで大きな「寿」の一字とは違った魅力がありました。
午後からは「屏風を一緒にみてみよう!」が開催されました。
上野動物園で鶴の飼育をされている方にお越し頂き、実際の鶴の生体と比較しながら、屏風の鶴を子どもたちと一緒に鑑賞しました。とびラー候補生のみなさんにもお手伝いを頂きました。こうした近隣の文化施設と連携をしながらのイベントはとても楽しく、非常に勉強になります。今回は美術館と動物園でしたが、今年はもっと色々なミュージアムと連携して行ければと思います。