東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

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2021.11.10

2021年6月、8月、11月に、東京都美術館(以下、都美)にて「都美の野外彫刻を味わう」というワークショップを開催しました。

 

2020年から続いた新型コロナウイルスの影響で、美術館が休館したり、展示室内での対話が難しい状況が続いていました。

そうした中でもできるアートを介したコミュニケーションの場として、私たちが注目したのが都美の収蔵作品であり、常設展示されている「野外彫刻」でした。野外彫刻は全部で10点あり、そのうちの6点が正門から広がる空間(エスプラナード)に展示されています。
感染症予防対策の点でも、屋外だったら、ソーシャルディスタンスに気を付けながら参加者と安全に対話できるかもしれません。しかも観覧料が不要です。

このように考えて、3月にエスプラナードの野外彫刻を鑑賞するラボを立ち上げました。

 


 

いつも通り過ぎていた野外彫刻

 

東京都美術館にある野外彫刻といえば、真っ先に思い浮かべるのが、ランドマークにもなっている大きな銀色の球体《my sky hole 85-2 光と影》。

しかしそれ以外の作品は、あまり気に留めることもなく、素通りしていました。

そこでまずはラボのメンバー自身が作品に親しむため、作品研究からスタート。作品について調べていくうちに、どんどん愛着がわいていきました。

 

 

 

右上から時計回りに
堀内正和 《三本の直方体 B》(1978) ステンレス
五十嵐晴夫 《メビウスの立方体》(1978) 花崗岩

鈴木久雄 《P 3824 M君までの距離》(1977) 花崗岩

保田春彦 《堰の見える遠景》(1975) 花崗岩、ステンレス

堀内正和 《三つの立方体 A》(1978) ステンレス

井上武吉 《my sky hole 85-2 光と影》(1985) ステンレス、鉄

 

 

立体作品での対話型鑑賞に挑戦

 

とびらプロジェクトの活動のベースに、初年度にとびラーとしての基本的なコミュニケーションの在り方を学ぶ「基礎講座」と、実践的な活動の場を想定した「実践講座」があります。実践講座の中には「鑑賞実践講座」があり、対話を通した作品鑑賞のファシリテーションを学びます。

このラボに参加したとびラーの多くは鑑賞実践講座を受講していましたが、立体作品の対話型鑑賞のファシリテーションの経験がほとんどありませんでした。

野外彫刻で対話型鑑賞の場を作るために、とびらプロジェクトのスタッフと一緒にファシリテーションのコーチングを2回ほど行い、少しずつ立体作品の鑑賞に慣れていきました。

 

ファシリテーションの練習をしながら動線も確認。参加者を迎えて狭いエスプラナードの中で6点の作品をうまく鑑賞していくために、3チームで2作品ずつ回ることにし、それぞれのチームの動線がバッティングしないようにコースを検討しました。

参加者には「今日呼んでほしいお名前」を書いていただき、ネームフォルダに貼ってお渡しすることにしました。他に消毒用のアルコールも用意。

 


 

梅雨の晴れ間に実施した第1回目

 

5月開催を目指して準備を進めてきたものの、緊急事態宣言及び都における緊急事態措置等に基づき、新型コロナウイルス感染症拡大を防止する観点から、4月25日から5月31日まで東京都美術館が臨時休館。

6月13日に開催を目指すも、季節は梅雨。前日のお天気判断により、残念ながら中止となってしまいました。次のチャンスは6月30日。なんとかお天気も持ちそうだということで、無事に開催の運びとなりました。

 

日時:6月30日 10:00~11:00
参加者:募集により9名

 

《my sky hole 85-2 光と影》を鑑賞中。お互いの言葉に耳を傾け合います。

 

《メビウスの立方体》を鑑賞中。参加者が何かを見つけたようです!

 

《三本の直方体》を鑑賞中。参加者は作品の周りをまわりながらお気に入りの鑑賞のポジションを探しています。

 

各グループでは、参加者とともにいろいろな角度から野外彫刻をじっくりと鑑賞。対話も盛り上がっていました。

久しぶりのリアルでの交流に、とびラーたちも対話型鑑賞の楽しさを再認識!

アンケートのコメントも、「もっと見たかった」、「こんなにじっくりと野外彫刻を見たのは初めて」、「その場でご一緒した方たちとの意見交換が楽しかった」「見る場所により印象がガラッと変わった」など、好評でした。

 

 


 

第2回目は盛夏バージョン!

 

続く2回目は、真夏に実施しました。

午前、午後、夕方とエスプラナードの気温を測り、最も気温が低かった夕方に行うことに決定。2グループで1作品だけ鑑賞する、ショートバージョンに変更しました。

 

日時:8月20日 16:30~17:00
参加者:募集により7名

受付設営中。

 

《メビウスの立方体》の前で参加者と楽しそうに対話していたら、他の来館者も集まってきました。

 

《堰の見える遠景》を離れて見たり、覗き込んで見たり。ちょうどオリンピックの開催時期で、《my sky hole 85-2》の後ろに手荷物検査のテントが設置されていました。

 

暑さが心配でしたが、30分のプログラムが無事に終了しました。
アンケートには「今まで通り過ぎていた野外彫刻に興味が持てた」、「みんなで見る楽しさを知った」、「ほかの作品も見てみたい」など、嬉しいコメントをいただきました。

 

対話型鑑賞の面白さは、誰かの一言で作品の見方がガラッと変わることにあると思います。

参加者の言葉を拾い、集めて、みんなで作品に迫っていく。
ファシリテータの難しさとやりがいも同時に感じました。

 

 

 


 

第3回目は秋バージョン!
エスプラナード周辺の樹々も美しく紅葉する秋。空間と共に鑑賞を楽しむ「野外彫刻を味わう」ラボには最適な季節!3グループで2作品を鑑賞する、通常のバージョンで実施しました。
この秋バージョンより主な運営が8期より9、10期に受け渡されました。新たに参加してくれたメンバーと力を合わせ、試行錯誤を重ね開催を迎えました。

 

日時:11月10日 11:00~12:00
参加者:募集により10名

プログラム開始前まで、入念に進行を確認します。

 

プログラム前にエスプラナードを散策。参加者と笑顔でコミュニケーションをはかります。

 

《P 3824 M君までの距離》を観察中。作品から離れることで新たな見方がうまれます。その声掛けもファシリテーターの大切な役目です。

 

いろな角度から観察中。《三つの立方体A》は観察位置によって見え方が大きく変化する作品です。

 

《P 3824 M君までの距離》のポーズで記念撮影。

 

新たに参加したメンバーにとっても「鑑賞実践講座」で学んだことを磨き、実践できる貴重な機会となりました。参加した皆さんにも楽しんでいただけたようです!

コロナ禍の中、コミュニケーションをしながらの作品鑑賞が楽しめるプログラム「野外彫刻を味わう」ラボ。次年度も気持ちの良い季節にエスプラナードで「対話型鑑賞」を楽しみたいです。

 


 

 

執筆:有留もと子(とびラー8期)

雪の日の夕暮れ、ライトアップされたエスプラナードにたたずむ野外彫刻たちの姿が目に焼き付いています。

 

 

 

執筆:遊佐みさお(とびラー9期)

野外彫刻にはまったく興味がなかったのに、今では彼らが愛おしくて、しかたないです(笑)みなさんにもっとその魅力をお伝えしたい!

2021.11.10

 

 

 

ある日郵便で届いた謎の封筒。そこにはゴッホの「色」にまつわる数々の指令が……!?

ゴッホの「色」を切り口にした指令に取り組みながら、楽しく作品の魅力を味わう

アート・コミュニケータとびラーによるオンライン開催のワークショップです。

 

参加者には事前にキットをお送りし、当日はそのキットを使って指令を解いていきます。

 

絵が描けなくても、美術の知識がなくても大丈夫! ゴッホ展を見た人も、まだ見ていない人も、参加をお待ちしています。

 

 

とびらプロジェクト【ゴッホの色をめぐるⅩの指令】オンライン開催

 


 

日時|20211128日(日)14:0016:00
受付時間|13:45受付開始

会場|オンライン(Zoomを使用します。)
対象|18歳以上
定員|20名(先着順・定員に達し次第受付終了。)

参加費|無料
参加方法|事前申込制[11月20日(土)〆切]

※以下の申込ボタン(Googleフォーム)よりお申し込みください。

*複数人で参加される場合は一組ずつお申し込みください。

*申込フォームで以下の情報をご入力いただきます。

(主催者から当日の『指令書キット』を郵送するために必要です。)

・お名前、郵便番号、住所

・お電話番号(メールや郵送が不達の場合にお電話で連絡いたします。)

 


<定員に達したため、申し込みを〆切ました。>

 

 


※参加無料。参加には事前申込みが必要です。

※プログラムの参加は無料ですが、プログラム参加・視聴に係るインターネットの接続費用はご自身の負担となります。

※広報や記録用に撮影を行います。ご了承ください。

メールアドレス:p-tobira@tobira-project.info

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とびらプロジェクト【ゴッホの色をめぐるⅩの指令】

 ※Zoom URLは申込受付後に別途メールでお知らせいたします。

 

【当日の流れ】

1)メインルームでzoom操作の説明

2)メインルームで指令を実施

3)ブレイクアウトルームに分かれて指令を実施

4)再びメインルームに戻り指令を実施、解散

 


【参加条件】

本プログラムはウェブ会議システム「Zoom」を用いて実施しますので、参加者ご本人が以下の操作を行える方とします。

①カメラ・マイク付きのパソコンで安定した通信環境のインターネット接続ができること(お手持ちのパソコンにカメラやマイクがついていない場合にはウェブカメラなどのご用意をお願いします。)

②プログラムではアート・コミュニケータと顔を合わせ対話するため、パソコンのカメラをオンの設定にし、ご本人の顔がみえるようにできること。

③パソコンでEメールの送受信ができること。

 

【参加方法】

①上記の申し込みフォームでご参加のお申込み(先着順)

②とびらプロジェクトからプログラムで使用する『指令書キット』をお送りします。

*郵便で11月22日頃に発送予定です。

③プログラム当日、メールまたは送付する『指令書キット』に記載のZoomのURLにアクセス。

④接続を開始して、プログラムがスタート。

 

【参加にあたってのお願い】

*スマートフォンやタブレットの画面では作品やお互いの顔が見づらく鑑賞が難しいため、パソコンをご利用ください。

*複数名での参加を希望の場合、それぞれ1人ずつの申込みいただき、別々のパソコンをご用意いただけますと幸いです。プログラム中グループに分かれます。同じグループで参加したい場合は、その旨申し込みフォームにご記入ください。

*参加者の環境やその時の回線状況によりやむを得ず「Zoom」の接続が中断される可能性があります。あらかじめご理解のうえお申込みください。

*当日のプログラムは記録のために録画いたします。記録はそのまま外部に提供することはございませんが、とびらプロジェクトの活動を伝える媒体に一部を掲載する可能性がございます。ご了承の上、ご参加ください。

 

お問い合わせ

※キャンセル、変更のご連絡は以下までお願いします。

 

とびらプロジェクト「ゴッホの色をめぐるの指令」担当

メールアドレス:p-tobira@tobira-project.info

電話:03-3823-6921東京都美術館代表)

 

2021.11.10

 

今日はどんな気分?

 

「学校がしんどいな」とか

「いつもみんなで行動するのも疲れちゃう」という時、

「どこかゆっくり過ごせる場所ないかな」と思ったら、

 

おいでよ、ぷらっと美術館に。

 

美術館はいつもとは少し違う時間を楽しめる場所。

アート・コミュニケータ(美術館のたのしみ方を知っている大人)とふたりでゆっくり「美術館さんぽ」をしませんか?

たとえば開催中の展覧会『ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント』や『Everyday Life展』を見たり。

たとえば建物を探検したり。

 

美術館の中で自分のお気に入りを発見できたら、新たな居場所のひとつにできるかも。

自分だけの過ごし方を見つけに、まずはぷらっと来てみませんか。

 

 

とびらプロジェクト【おいでよ・ぷらっと・びじゅつかん】

 


 

日時|2021年11月28日(日)10:00〜13:00


受付時間|10:00〜11:00のご都合のよいお時間にお越しください。
(プログラムの所要時間は約2時間を予定しています。)

会場|東京都美術館
集合|東京都美術館 交流棟2階 アートスタディールーム

対象|「学校がしんどい」と感じている小学3年生〜中学生
定員|対象のこども8名とその保護者(先着順・定員に達し次第受付終了)

参加費|無料
参加方法|事前申込制

申込締切|11月23日(火)。但し、先着順で定員に達し次第受付終了いたします。

※以下の申込ボタン(Googleフォーム)よりお申し込みください。

 


 


※広報や記録用に撮影・録音を行います。ご了承ください。

※申し込みのキャンセルは、以下までお願いします。

メールアドレス:p-tobira@tobira-project.info

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『おいでよ・ぷらっと・びじゅつかん』は、こどもが自分のペースや関心に合わせて過ごせるよう、アート・コミュニケータ(愛称とびラー)と1対1のペアになり美術館を体験するオーダーメイドのプログラムです。

 

学校がしんどいと感じているこどもたちにとって、美術館を気軽に行くことができる居場所のひとつにしてもらいたい、という私たちとびラーの想いをかたちにする一歩としてこのプログラムを企画しました。

 

家でも学校でもない美術館という場所で、親でも先生でもない大人と共に、そこにある時空を超えて大切にされている本物の作品や空間そのものの魅力を味わいながら、それぞれのペースで過ごします。

 

「美術館さんぽ」では、展示室で作品に出会ったり、美術館の建物を観察したりしながら、美術館の中を自由に散策・探検します。その中で発見したものや感じたことを、言葉や写真でとびラーと伝え合うことで、美術館という場所を知っていきます。

 

美術館の楽しみ方を良く知るとびラーが一人一人に寄り添うので、例えば、学校などでの集団での活動が苦手なこどもも安心して参加できます。


 

活動の間、保護者の方は、アートスタディルームでお待ちいただくことが可能です。また、ご希望の方には、館内を簡単にご案内する大人向けの「美術館さんぽ」にご参加頂くことも可能です。当日ご希望をお知らせください。なお、保護者の方が展覧会をご覧になる場合には、チケットの事前予約・購入が必要な場合がございます。(※こどもの入場分のご予約は不要です。)

◯「ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント
一般 2,000円 / 大学生・専門学校生 1,300円 / 65歳以上 1,200円
日時指定予約制です。ご覧になる場合には、必ず事前のご予約、ご購入をお願いします。詳しくは展覧会公式サイトへ。
◯「上野アーティストプロジェクト2021―Everyday Life:私はうまれなおしている」展当日券 | 一般 500円 / 65歳以上 300円事前予約なしでご覧いただけます。ただし、混雑時に入場制限を行う場合がございますのでご了承ください。特別展「ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」のチケット(半券可)提示にて入場無料となります。
◯「東京都コレクションでたどる〈上野〉の記録と記憶」展無料※事前予約なしでご覧いただけます。ただし、混雑時に入場制限を行う場合がございますのでご了承ください。

 

<ご参加にあたってのお願い>

会場となる東京都美術館では、美術館を利用するすべての方の安全と安心のため、新型コロナウイルス感染症拡大防止に関する取り組みを行います。
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○来館者全員を対象に、非接触型温度計による体温測定を実施します。37.5℃以上の発熱が確認された方、及び風邪症状(咳、咽頭痛)がある方、明らかに体調不良と思われる方については、入館をお断りさせていただきます。

○過去2週間以内に感染が拡大している国・地域への訪問歴のある方は来館をお控えください。

○ご来館の際には、マスクの着用をお願いします。

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東京都美術館における新型コロナウイルス感染症予防対策についてはこちらをご覧ください。

 

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