2022.12.28
\アーカイブ映像公開/
アートコミュニティリーグ2022
日本各地のアートコミュニティの現在地
「好き♡幸せ☆尊い!」が生まれる文化縁とは?
「とびらプロジェクト」オープン・レクチャー vol.13
▶︎アーカイブ映像はこちら https://tobira-project.info/archive-ol13/
▶︎当日の詳細はこちら https://tobira-project.info/openlecture13/
【開催概要】
日時|2022年11月23日(水・ 祝)14:00~16:30
会場|オンライン(Zoomウェビナー使用)
定員|300名(事前申し込み制)
参加費|無料
主催|東京都美術館×東京藝術大学 「とびらプロジェクト」(https://tobira-project.info )
協力|特定非営利活動法人アート・コミュニケーション推進機構、宇部市文化創造財団(うーばープロジェクト)、岐阜県美術館、札幌市芸術文化財団(札幌文化芸術交流センターSCARTS)、たいけん美じゅつ場 VIVA、東京都庭園美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、長野県立美術館(五十音順)
2022.12.25
お子さんとのお出かけ先の一つとして美術館はいかがですか?このプログラムの募集はそんな誘い文句からはじまります。
【こどもとおとなのはじめのいっぽ!美術館へようこそ♫】は、家族で一緒に安心して美術館を楽しむためのプログラムです。
とびラー(アート・コミュニケータ)と作品の楽しみ方などを体験して、じっくり鑑賞します。お子さんと美術館に行くのは、初めてという方にピッタリな内容になりました。
上野アーティストプロジェクト2022「美をつむぐ源氏物語―めぐり逢ひける えには深しな―」と、コレクション展「源氏物語と江戸文化」は、源氏物語から着想したさまざまなアーティストの作品が集まった展覧会です。いろいろなアーティストの織りなす世界を味わい、美術館での楽しみ方を知り、とびラーと一緒に鑑賞体験をしました。
実施日がクリスマスということで、メンバーが折り紙でクリスマスツリーを作って温かな気持ちでお出迎えしました。
「はじめまして」の二組の家族が出会い、自己紹介とおしゃべりの準備体操。アートカードを使って、共通点探しゲームをしました。色や形、雰囲気が様々な作品の中から探して、どこが共通なのかおしゃべりします。
子どもたちの発言に思わず、「あー!」「へぇー!」と声が出てしまうほど。大人よりも柔軟な発想で展開されるゲームは、とても盛り上がりました。
次に、展覧会の作品のカードから自分の好きな作品を探します。
なぜ選んだのか、どんなところが好きなのかを紹介し合いました。
カードの作品を観察し、実物の作品がどんな風なのかと想像が膨らみます。展示室へ行くのがわくわくと楽しみになりました。
準備体操もバッチリ。いざ展示室へ
自分が選んだ作品やお友だちが選んだ作品。「これ、お母さんが良いって言ってたよね。」展示室で作品を見つけると、足早に作品へ足を運びます。
カードでみるよりもとても大きな作品やとても緻密に書かれた作品。本だと思った作品はガラスで出来ていました。先にカードでお気に入りの作品を選んでいたので、実物の作品をじっくり観察することができました。
そしてみんなで見ると自分では気づかなかった発見もあり、家族の会話も弾みました。
たくさんの作品を通して、家族の会話が増えていきます。
子どもと同じ目線で作品を観ると、大人には見えなかったものに気づかされ、自分の興味が湧かなかった作品でさえ、相手が選んだ作品だと自然と興味が湧いてきます。一人で見るよりも視野がどんどんと広がって面白い発見に出会うことができ、楽しい鑑賞体験となりました。
一時間ほど子どもたちも大人たちもじっくり集中して鑑賞しました。
そろそろとびラーともお別れです。その後はカフェで休憩したり、まだまだ見足りないともう一度家族で回ったりと、それぞれが思い思いの時間を過ごしていました。
アンケートによると、「絵の味わい方を知り、自分にない視点を得るなど、子どもと一緒に美術館を楽しみたい。」「子どもに色々なものに触れ、美術館を回るきっかけにしてほしい」と思っていらっしゃる保護者の方の期待があったようです。
感想は、とても満足という回答がほとんどでした。
とびラーが一緒に鑑賞したことで心強く、今日は子どもたちと話しながら回れて新しい見方ができたと感じた、導入のカードゲームで興味を持って観ることができたという感想もありました。
子どもからの感想には嬉しいコメントが多く、実施して良かったと思いました。
カードゲームで絵を見たけど、本当に見てみるといろいろな発見があった。実物は迫力がぜんぜん違って面白いと思いましたなどのじっくり観察したからこそ感じる体感があったようです。
子どもたちの感想から感じるのは、カードで見る作品よりも本物の作品の繊細さや素晴らしさに気づくことができたようでした。カードで観察した視点を実際の作品で見ることで大きな発見があったようです。わくわくしながら鑑賞している子どもたちを見ていると、こちらもご一緒できて嬉しくなりました。
作品を介して、子どもの豊かな発想に大人が関心を持ち、同じ視線でおしゃべりをする。お互いを認め合い共感し、豊かな楽しい時間を共有する。そんなアート鑑賞の時間は、とても豊かで穏やかな “こどもとおとなのはじめのいっぽ!”となるのではないでしょうか。
とびラボを立ち上げたとき、2022年6月に実施した、「ベビーとゆったり美術館」をもう一度開催してみようと思っていました。だけど、指とましたメンバーのほとんどが腰を据えて取り組める余暇がなかったのです。子育てのフェーズはその時その時の環境で変わっていきます。夫や子ども、家族、自分の体調など、その時その時の関わり方の濃淡があるのがママという役割なのかもなぁと思います。
そんな時に、とびラー三年目の私は、開扉(任期満了)まで数か月でした。最後の指とまなら自分の原点へ立ち戻り、あの時感じた自分の不安に寄り添えるプログラムを考えたいと思いました。
子どもと作品を介して対話することへの喜びをみなさんにも伝えたい。とびラーになったことで安心して小1の息子を連れて美術館へ来れるようになったこと。息子が作品に対して観察し発見し、それを共有する喜びを感じて育っていることを実感していたからかもしれません。
タイトルの“こどもとおとなのはじめのいっぽ!”には、このプログラムによって、美術館に安心して次また行ってみようと思ってもらえるように、初めて美術館を訪れる家族の不安を軽減し、安心や楽しさに変える場を作りたい、そしてはじめのいっぽ!を踏み出すきっかけづくりにしてほしいという思いが込められています。
とびラボが動き出し、仲間とミーティングにミーティングを重ね、コミュニケーションも楽しく、いざ実施へ向けてという時に私の家族に不幸がありコロナ禍もあり、私が全く動けなくなってしまいました。そんな中、メンバーの一人ひとりが自分にできることや自分がやりたいと思ったことを実行し、遂行して行ってくれたのです。
甘えかもしれませんが頼れる甘えられる仲間がそこにいてくれる安心感。とびらプロジェクトというコミュニティの凄さかもしれません。どうにも心身ともに動けなくなった私は、メンバーを信用し信頼して、お任せすることができました。
そんな仲間に支えられ、このプログラムを実施しました。
東京都美術館は私たち親子の大好きな場所の一つです。子どもと安心して楽しんで行ける美術館。みなさんもお出かけ先の一つとして、足を運んでみませんか。そこには温かく豊かな時間があるかもしれません。
新谷慶子:アート・コミュニケータ(とびラー9期)
“私らしく”全てのことに面白がって取り組むことを楽しみながら活動しています。
2022.12.24
2022年12月24日、「ミュージアムは好きだけど、もっと楽しみ方を知りたいなあ」という方におすすめのワークショップを開催しました。
クリスマスといえば、贈り物をおくったり、温かな気持ちになるシーズン…
アート・コミュニケータ「とびラー」として、参加した人がアートを介して温かな気持ちを感じられる場を作れないだろうか?
というコンセプトのもと、企画しました。
当日は、2つの展覧会*を舞台に…
・グループで作品をみて、気づいたこと・感じたことを語り合う
・とびラーと一緒に「本物との出会い」を楽しむ
ということを行いました。
鑑賞した展覧会:
・上野アーティストプロジェクト2022 「美をつむぐ源氏物語―めぐり逢ひける えには深しな―」
■ワークショップが生まれるまで 〜どんな場になってほしいかを、考える〜
準備を始めたのは、10月末…
「クリスマスってあったかい気持ちになるよね〜。」
「プレゼント交換とか、いいよね。」
「美術館でクリスマスイブを過ごしませんか?っていう企画、どうかな。」
「いい!」
「美術館でもあったかい気持ちになれるって知って欲しいね。」
まず、コンセプトの核となる思いをすり合わせた私たち……
「どうしたら参加してくださる方々に美術館で過ごす温かい気持ちと時間を届けられるだろう?」「その想いを実現するためには、どうしたらいいだろう?」と、何度も何度もメンバーで話し合いを重ねました。
そこで最終的に決定したのが、「アートを介した対話をしながらの鑑賞」です。
これは、とびらプロジェクトが大切にしている、複数人で対話をすることで様々な視点を共有できる鑑賞法の一つです。アートを介した対話によってそれぞれの視点や思いを伝えあい、許容しあう。アートが参加者同士をつなぎ、温かな時間を生み出すことを期待して、これをワークショップのメインコンテンツとします。コロナ禍であり、展示室で実際の作品をみながら話すことはかないませんでしたが、モニターを使って鑑賞することとしました。
対話をしながらの鑑賞後は、「本物との出会い」の場を作ります。
実際の作品に出逢い、新たな発見をする時間にしたい!というのも、メンバーの一致した想いでした。ちなみに、当日鑑賞した展覧会2つは、いずれもテーマが「源氏物語」!当日がクリスマスイブということで、少し違和感があるかもしれません。
ですが、「源氏物語」はたくさんの『愛』が語られる作品。クリスマスの温かな雰囲気に合うのではないか?と考え、この展覧会での作品を参加者と鑑賞することに決定しました。
■プログラム構成を考える 〜想いを生かす設計とは?〜
コンセプトをかなえるために設計したプログラム構成は、このようなものです。
まずモニターで展覧会の作品を全員で対話しながら鑑賞します。じっくり見ることができるように、作品を2点選びました。
その後、各自で展覧会へ。本物の作品を鑑賞したのちに、また全員で集まり、感じたことを語り合います。
前半は作品をじっくり見るために対話する時間。後半は感じたことを伝えるための対話の時間。
「初めて会う人達が、スムーズに対話ができるような時間にするには、どうしたらいいだろうか?」と、さらに話し合いを続けます。
そこで生まれたのが、源氏物語に則った名札を用意するというアイディア!
美術館という日常から少し離れた空間で過ごすこの日は、普段の自分と少し離れる仕掛けがあることで、感じたことを口にしやすくなのでは?と考えたからです。そこで参加者もとびラーも「源氏物語」の世界に浸ってもらおうと、当日の呼び名を「源氏物語」の帖名(じょうめい)から取る事にしました。そして各帖名と対応する、源氏香(げんじこう)の図を配した名札を用意しました。
進行役や会場のセッティングも決まり、進行時間などを確認するためトライアルも行いました。
さあ、これで準備は整いました。
後は当日を参加者の皆さんと一緒に楽しむだけです。
■ワークショップの様子 〜アートでつながるミュージアム〜
ここからは、当日の様子をお伝えします。
受付開始。
とびラーはバンダナをつけてお出迎え。
続々と参加者の皆さんが集まってきます。
当日は10代から60代の8名の方が参加してくださいました。
プログラムが始まります。
今日の時間をどんなふうに過ごしていただくか、ご案内しています。
まずはみんなで対話をしながらモニターに投影した作品を鑑賞します。
こちらは1作品目。
歌川豊国(三代)作・《源氏四季ノ内 冬》という浮世絵の作品を鑑賞しました。隅々までよくみて、気づきや感じたことをシェアします。
じっくりと時間をかけて見ることで、作品の登場人物や場所など…様々な意見が出てきました。どんどん皆さんが作品に集中していくのがわかりました。他の人の意見を聞いて、新たな発見に気づくといったシーンもありました。
2作品目は、渡邊裕公作・《千年之恋~源氏物語~》。先ほどの作品とは打って変わって、現代の作家さんの作品です。
すると、ある方がこんなことを言いました。
「これ、やってみたいです!」
えっ?!
どういうことですか?と聞いてみたところ…
「この女性のように、作品を広げた上に横になってみたいです。自分の好きな絵の上に横になる……いいじゃないですか!」
おお〜!そういうことですか。
皆さんも思わず笑顔になります。
他にも作品の登場人物を静止画だと思っていたはず、なのに…。
タイムマシンに乗って時空を超えているのかも!という動きを感じる意見も飛び出します。
そんなふうに色々な発言を受けて、皆さんの姿勢がだんだんと前のめりになっていきます。
皆さんの意見は、後からふりかえることができるように、ホワイトボードに書き残していました。
みんなで鑑賞した後は、他の人の視点も胸に、
さあ!実際の展示室へ本物の作品と出逢いに行きます!!
ここからはひっそりと、作品と自分……一対一の時間を味わいました。
それぞれ気になる作品を鑑賞しています。
とびラーは時に寄り添い、参加者の「本物との出会い」の時間を温かく見守ります。
短い時間ではありますが、展示室での鑑賞を終え、もう一度みんなで、実際の作品をみて感じたこと、改めて発見したことなどを話しました。
「本物の作品」と出会った参加者の皆さんは、表情がさらにキラキラに!どんどん対話が盛り上がり、お互い興味深そうに他の参加者の話を聞いていました。
私たちとびラーも、参加者の皆さんの眼差しを分けてもらい、たくさんの目で鑑賞してきたような気持ちに!みんなでみると、ひとりでみるよりも、さらにたっぷりと作品の魅力を味わえるなあと、改めて感動してしまいました。
最後は参加者の皆さんと、とびラー全員で記念撮影!みなさん、いい笑顔ですね。
当日の名札は、ささやかなプレゼントとしてお渡ししました。
〜参加者アンケートより〜
●普段あまり見ることのない日本美術について、皆さんの意見を聞きながら楽しむことができた。
●源氏物語はあまり知らなかったが、調べてみようかと思いました。
●皆さんから多角的な気づきをシェアする時間が面白い。自分からはみない作品もじっくり見れた。
●初めて会った方達だけれども共通なところがあったのがおもしろかったです。
●思ったより個人感があった。
●自由に話しながら絵を見るのって楽しいな!と思いました。
●ニックネーム方式で話しやすくて良かったです。
●やっぱり対話が大事。対話があれば美術館はもっと面白くなることが実感できた。
●さらっと通り過ぎるのではなく、この絵はどういう感じなんだろう?と考える視点をもらった。
初めて会った方々が、同じ作品をみて対話をするプログラムーー
普通に生活していく中で、おそらくこのプログラムに参加しなければ出会うことのなかった人々が、対話を紡いでいける。
それはそこに「作品」があるからこそ。
まさに『アートでつながるミュージアム』を、私たちも体感できた幸せな時間となりました。
執筆者:梅川久惠(とびラー 10期)
とびラー2年目にしてやっと活動が本格化した気がします。残り1年となりましたが、もっと楽しみたい!という思いがむくむくと湧いています。
2022.12.14
【日時】
2022年12月25日(日)
第一部10:15~11:55 (10:00受付開始)
第二部14:00~15:40 (13:45受付開始)
【対象】
小学生とその保護者 2組
※小学生のきょうだいは一緒に参加できます。
※保護者の方は2名まで一緒に参加できます。
※応募者が多数の場合は抽選になります。
※未就学児連れ不可
【参加費】
無料
※「上野アーティストプロジェクト 展覧会 美をつむぐ源氏物語」展の観覧料 大人500円(保護者分)が必要です。当日展示室へお入りいただく前にご購入いただきます。
【申込〆切】12月19日(月)
【会場】
東京都美術館 URL https://www.tobikan.jp/guide/index.html
【集合場所】
場所:東京都美術館交流棟 2 階アートスタディルーム
※スタッフ証をつけたとびラーがお待ちしております。
第一部10:15~11:55 (10:00受付開始)
第二部14:00~15:40 (13:45受付開始)
※本フォームでのお申し込みが完了すると、「返信先Eメールアドレス」宛にメールが届きます。必ずご確認ください。
※お申し込み前に「迷惑メール」などの設定を確認し、「@tobikan.jp」からのメールを受信できるようにしてください。
申込完了の自動返信メールが届かない場合は、お申込みされたお名前と電話番号を明記のうえ、p-tobira@tobira-project.info(とびらプロジェクト)宛にメールをお送りください。
※広報や記録用に撮影・録音を行います。ご了承ください。
※応募者が多数の場合は抽選になります。
<ご参加にあたってのお願い>
会場となる東京都美術館では、美術館を利用するすべての方の安全と安心のため、新型コロナウイルス感染症拡大防止に関する取り組みを行います。
_
○来館者全員を対象に、非接触型温度計による体温測定を実施します。平熱と比べて高い発熱が確認された方、及び風邪症状(咳、咽頭痛)がある方、明らかに体調不良と思われる方については、入館をお断りさせていただきます。
○濃厚接触者、流行国からの帰国後等保健所、検疫所から健康観察を指示されている期間の方は、来館をお控えください。
○ご来館の際には、マスクの着用をお願いします。
_
東京都美術館における新型コロナウイルス感染症予防対策についてはこちらをご覧ください。
2022.12.13
今年のクリスマス•イブは、東京都美術館で…
ミュージアムのひとときを、味わいませんか。
「ミュージアムは好きだけど、もっと楽しみ方を知りたいなぁ」という方におすすめのワークショップを開催します。専門的な知識はいりません。自由な気持ちで、作品との出会いを味わいます。
*
\こんなことをやります/
・グループで作品をみて、気づいたこと・感じたことを語り合う
・とびラーと一緒に、「本物との出会い」を楽しむ
鑑賞する展覧会:
◆上野アーティストプロジェクト2022 「美をつむぐ源氏物語―めぐり逢ひける えには深しな―」
◆コレクション展「源氏物語と江戸文化」
一緒に新たなとびらを開きましょう!
いにしえの世界を味わう
【開催概要】
◆ 日時|2022年12月24日(土) 10:00~12:20(受付 9:45)
◆ 会場|東京都美術館
◆ 集合場所|東京都美術館 交流棟 2階アートスタディルーム
◆ 対象|16歳以上 どなたでも
◆ 定員|8名(要事前申込・先着順)※定員に達し次第、受付を終了します。
◆ 参加費|無料(ただし、別途「上野アーティストプロジェクト2022:美をつぐむ源氏物語―めぐり逢ひける えには深しな―」展の展覧会観覧料が必要です。)
◆ 参加方法|申込ボタンをクリックして申込フォームにご記入ください。
■ 展覧会情報 ■
■ 上野アーティストプロジェクト2022
「美をつむぐ源氏物語―めぐり逢ひける えには深しな―」
会場:ギャラリーA/C
当日券:一般 500円 / 65歳以上 300円
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料です。
※65歳以上の方、各種お手帳をお持ちの方は、証明できるものをご提示ください
※特別展「展覧会 岡本太郎」(会期:2022年10月18日(火)~12月28日(水))のチケット提示にて、入場無料となります。
■コレクション展「源氏物語と江戸文化」
会場:ギャラリーB
入場無料
*広報や記録用に撮影・録音を行います。ご了承ください。
*本フォームでの申込みが完了すると「返信先Eメールアドレス」宛にメールが届きます。必ずご確認ください。受付完了のメールが届かない場合は、下記メールアドレスまたはお電話にてご連絡ください。
*特別に配慮が必要な方は、下記メールアドレスまたはお電話にてお知らせください。
●メール:p-tobira@tobira-project.info(とびらプロジェクト)
●電話:03-3823-6921(東京都美術館代表電話にて「とびらプロジェクト」の担当者をお呼び出しください)
<ご参加にあたってのお願い>
_
東京都美術館における新型コロナウイルス感染症予防対策についてはこちらをご覧ください。
2022.12.11
家庭や仕事で忙しい社会人を対象に、日常を離れて美術館で「ミチクサ」する2日間のプログラム、『大人のミチクサビジュツカン』。2022年12月4日と11日、いずれも日曜日の午前中に開催しました。
東京都美術館で展示される作品を介して交流するステップ1、都美の中で「居心地よい場所、心地よいひととき」を見つけるステップ2。2日間の交流により参加者同士のゆるやかな仲間意識が生まれ、いつもと違う美術館の過ごし方や魅力をみつけていただけました。
なぜ2日間、なぜ「ミチクサ」?
ふだんどんなふうに美術館を利用しているか? 自ら忙しい社会人でもあるとびラー同士の、そんな話合いからこのプログラムはスタートしました。「以前はお目当ての展覧会に向かって直行直帰だったけど、とびラーになってからは都美建築の中に自分のお気に入りの場所をみつけられた」「作品の鑑賞を他の人と一緒に行うと自分とは違う視点に気づけて楽しい」などの体験が語られました。そして家庭や仕事での役割から離れて一人で静かに過ごす時間も、美術館で出会った人とアートをめぐって対話する時間も、両方貴重だという気づきを得られました。そこで2日間をかけてその両方を実現しよう!とメンバーの意思がかたまりました。
「大人のミチクサビジュツカン」というプログラム名には、展覧会への直行直帰だけではない美術館の過ごし方をみつけてほしいというメンバーの思いを込めました。忙しい日常から少し離れて、家庭や仕事で背負っている役割から脱して、自分に戻って自分らしく「ミチクサ」することを美術館で実現してみたい。そんなふうに考えました。
1日め:展示作品を介して交流
7名の参加者をアートスタディルームでお迎えした後、2グループに分かれて、各テーブルにとびラー2名が進行役としてつきました。まずは「今回呼んでほしいお名前」と「ふだん美術館でどのように過ごしているか」というテーマの自己紹介からスタートです。
次に、アートカードを使った「関係探しゲーム」でウォームアップ。このゲームは11枚のカードをよく見て2枚の間に何らかの関係をみつけてペアをつくるものです。色が同じ、形が似ている、ふわふわしていそうといった目に見えることでもよいし、この人疲れていそうだからこの心地よさそうな椅子に座らせてあげたいといった想像を勝手にふくらませてもOK。同じペアをつくった人の間に連帯感が生まれたり、同じペアでもみつけた関係性の違いになるほどと感心したり。独創的なペアをつくる人もいて、場は笑いに包まれながら、和んでいきました。
場が温まったところで展示室へ向かって出発。今回鑑賞する展覧会は、ギャラリーで行われた『上野アーティストプロジェクト2022「美をつむぐ源氏物語―めぐり逢ひける えには深しな―」』(会期:2022年11月19日(土)~2023年1月6日(金))です。永遠の古典である源氏物語を題材にした、現代作家の絵画や書やガラスといった作品が展示されています。ここでは各々の参加者が「心に残る」作品をみつけるべく個人鑑賞にしたのですが、作品と向き合う皆さんの姿勢は真剣そのもの。50分という鑑賞時間は、あっという間に過ぎました。
そしてアートスタディルームに戻って、再びグループごとに自らの「心に残った」作品を図録や撮った写真で共有。美術の知識の交換ではなく、自分がみて受け取ったものや気がついたことを話すこと、他の人の発見を聞くこと、その楽しさは皆さんにとって新鮮な体験だったご様子。進行役のとびラーも、皆さんの気づきの深さに驚くとともに、とても楽しい時間を過ごしました。
2日め:「居心地よい場所、心地よいひととき」をみつける
前回から1週間後に、同じグループで再集合。各グループ2名の進行役とびラーは交代しましたが、参加者は既に顔なじみな雰囲気で、プログラムスタート前からおしゃべりが弾んでいます。2日めのテーマは、都美の中で「居心地よい場所、心地よいひととき」を見つけること。「心地よさ」感度を上げるために、普段の生活の中での「居心地よい場所、心地よいひととき」を各々語っていただき、それを付箋に書いて、見える化しました。人によって違う「心地よさ」のバリエーションに共感したり、そんなこともあるのかと感心したり、話が弾みました。
そして館内散策にグループごとに出発。アートラウンジでフィン・ユールのソファに座ってくつろいだり、エスプラナードで暖かい陽射しや少し冷たい風を感じたり、公募棟2階の休憩スペースから上野の森や美術館に出入りする人々を眺めたり。時々一人の時間も味わいながら、今まで知らなかった都美建築の魅力や自分にとっての「居心地よい場所、心地いいひととき」をみつけました。
最後はアートスタディルームに戻って、グループごとに各自の「居心地よい場所、心地いいひととき」をマップや撮った写真で共有。今までは美術展をみることが中心だったけど、それだけではない美術館の過ごし方や楽しみ方を、皆さん各々に満喫されていました。離れてしまうのが名残惜しいような気持ちで、2日間のプログラムは終了しました。
2日間を通して参加者が気づいてくれたこと
参加者のアンケートから、一部を抜粋してご紹介します。
〈1日め:展示作品を介して交流〉
〈2日め:「居心地よい場所、心地いい時間」をみつける〉
〈美術館の過ごし方で発見したこと〉
プログラムを通してとびラーが気づいたこと
1日めの自己紹介で、参加者の一人が「美術館では子ども向けプログラムは充実しているけど、大人向けが少ないと思っていたので、いい機会だと思って来ました」と、コメントされました。私たちメンバーが目指していたのも、まさに大人がほっとしたり何かを発見したりできる場所、日常生活から離れて「ミチクサ」できる時間、サードプレイス(家庭でも職場でもない第三の場所)的なゆるやかなつながりです。アンケート結果や途中のコメントからも、そんなニーズがあると認識しました。4月に立ち上げて12月に実施というとても長い企画準備プロセスでしたが、最後まで諦めずに実施してよかったです。その間応援してくれたとびラーやスタッフの皆さま、ありがとうございました。
参加メンバー:飯田倫子、小川恵奈、腰原好海、高崎いゆき、千葉裕輔、中村宗宏、橋本啓子、堀内裕子、森淳一、山中みどり、山本順子、吉水由美子
執筆:吉水由美子(アート・コミュニケータ「とびラー」)
9期とびラー。アートだけでなく、美術館という場所も好き。自分に戻れたり、思いがけない出会いや発見があったり。そんな楽しさをより多くの人に味わってもらいたいと思い、活動しています。
2022.12.10
第7回建築実践講座|「1年間のふりかえり」
日時|2022年12月10日(土) 14:00~16:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム・スタジオ
建築実践講座、2022年度の最終回は、東京都美術館のアートスタディルームとスタジオで行われました。
この回のテーマは、「1年間のふりかえり」です。
東京都美術館の峰岸優香さんと、この1年間参加したとびラーから寄せられたコメントや写真とともに、全6回をふりかえりました。
その後、まずは建築実践講座で印象的だったことをキーワードとして書き出します。
そのキーワードを持って、近くの人と3人組になり、そのキーワードを共有します。
15分間の共有をメンバーを変えて繰り返します。
自分で言葉にすること、相手の言葉をきくことによって、自分のキーワードが少しずつ変化していきます。
2度の3人組を経て、ファイナルキーワードを考え、ホワイトボードに貼りだします。
貼りだされたキーワードをみんなで見ます。
”キーワードについてとびラーの皆さんとお話していて、どの方が出されるワードも聞いていくと全て繋がっていて、そこにとびラーのコミュニティを感じました。”
とびラーのふりかえりより一部引用します。
”知識ではなく場を作ることの大切さを、手を変え品を変え学んでいたように思います。”
”人々の集う建築空間をどのように楽しむのか、ハード(建築と空間)、ソフト(許容デザイン)、コミュニケーション(言葉と態度)を活かした関係性を参加者と築きつつ、その心の内、意識を観察して「場」をデザインしているように感じました。参加者が能動的になれる場作り、参加者にどうなって欲しいか、何を持ち帰って欲しいかよく考えて建築空間の可能性を高めていきたいと思います。”
これで2022年度の建築実践講座はおしまいです。
お疲れさまでした!
(とびらプロジェクト コーディネータ 工藤阿貴)
2022.12.06
トビカン・モーニング・ツアーは、午前中、まだ人もまばらで、のんびりとした空気の中の美術館をまわる30分のツアーです。周りの上野公園の緑も取り込みながら気持ちよく時間が過ぎていき、午後や夜とは少し違った景色を観ることができます。
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12月6日
今年度最後のトビカン・モーニング・ツアーでした。
お天気は少々残念な小雨の降るちょっと寒い1日だったのですが、
8名の参加者の皆さんと、とてもあたたかい時間を過ごせたようです。
建築に詳しい参加者の方からは私たちが貴重なお話を伺えたり、
歴史のあるご実家を処分された方からは建物の大切さを教えていただいたり、
今回は美術館の建築の枠を超えて、沢山のお話を伺うことができました。
そして、雨の中の東京都美術館は、雨に反射した建物の写り込みなど、
とても美しい場所が沢山ありますので、是非、雨でもいらしてくださいね。
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トビカン・モーニング・ツアーは、午前中、まだ人もまばらで、のんびりとした空気の中の美術館をまわるツアーです。周りの上野公園の緑も取り込みながら気持ちよく時間が過ぎていきます。このツアーを通して、新しい美術館の魅力を見つけてくださるといいな、と思っています。(滝沢)
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執筆:
池田智雄(アート・コミュニケータ「とびラー」)
とびラー10期。散歩と美術館が好きで、その楽しさを他の人にも一緒に味わってもらうことができるこのとびラボが大好きです。ツアーの時に参加者が自分で見つけた美術館の魅力を言葉にして教えてくれるとガイドとしてとてもうれしくなります。
滝沢智恵子(アート・コミュニケータ「とびラー」)
とびラー9期。トビカン・モーニング・ツアーは、平日の午前中、上野公園全体がなんとなく緩やかに時間が過ぎている時間帯に開催されています。参加された皆さんが、そういう空気を感じながらのんびりとくつろいでいらっしゃる様子をみることがガイドとして、とても幸せです。
2022.12.02
企画展開催中の金曜の夜間開館に合わせて開催される建築ツアー。ライトアップされた空間を散策しながら、東京都美術館の魅力に触れる特別な時間となっています。
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金曜日。暗くなり始めた上野の森で輝きを放つのが、夜間開館の東京都美術館です(以下、『都美術館』と略)。昼間とは違う都美術館の魅力をぜひみなさんに知っていただきたい、そんな思いでこのツアーを開催してきました。
「トビカン・ヤカン・カイカン・ツアー」はとびラーが企画するプログラムの中でも2013年から約10年にわたり続いてきた歴史があります。コロナ禍に一時中断を余儀なくされましたが、2021年の冬に再開、今年度も春の『スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち』、夏の『ボストン美術館展 芸術×力』、秋冬の『展覧会 岡本太郎』の3つの企画展開催に合わせて各3回ずつ、5月から12月にかけて計9回にわたり開催され、延べ150名ほどの方にご参加いただきました。
【「夜」ならではの魅力を伝えたい~ツアーが出来るまで~】
このツアーの特徴は何と言っても「夜」という特別な時間の都美術館を巡ること。ライトアップがスポットライトのように、都美術館の魅力をよりドラマチックに浮かび上がらせます。『宝石箱』にも例えられる夜の都美術館はまるで発光するようにさまざまな色や光、形が際立って、その美しさに何度見てもハッとさせられます。
この感動をどうしたら参加者のみなさまにも味わっていただけるか、とびラー同士でガイド役・参加者役となり、協力しながら事前にトライアルや練習を重ねてブラッシュアップに努めてきました。
とびラ―によってガイド内容が違うのも、この建築ツアーの魅力のひとつ。「30分間」という限られた時間ではすべてを伝えきることは難しく、どこを削るかは誰もが悩むところです。ガイド担当は建築の専門家ではないとびラーがほとんどなのですが、何度も夜の都美術館を巡ってその魅力を確かめながら、自分のツアーの焦点を考え、感動を軸にルートや周る順番、内容を練り上げていきます。
今年度は延べ28名のとびラーがさまざまな役割を分担しながらツアーを運営してきました。ガイドやサポートはもちろん、当日の受付や案内、記録撮影など、関わるすべてをとびラーで企画実施します。夜のひとときを気持ちよく楽しく過ごしていただくために、毎回ツアー終了後に振り返りながら、細かな動きまでいろいろな角度から工夫が重ねられています。
【30分という手軽さも魅力~参加者のみなさまの反応~】
「19:15ツアースタート」という同じ設定でも、季節によって都美術館の雰囲気は変わります。
春先は心地よい風を感じながら歩き、夏はまだ少し空に明るさの残る中スタートし暮れていく時間をたのしみつつ、寒い季節は澄んだ空気にいっそうきらめくライトアップの中を進みます。
参加者のみなさんにとっては、季節や時間帯で全く違う新たな都美術館との出会いを体験していただけるものになっているのではないでしょうか。
ツアースタートが「19:15」と少し遅い時間設定なので、お仕事帰りの方にも多くご参加いただいています。
今年度は、夏休み中のお子様と一緒にご家族で参加いただくケースもありました。
参加者には「夜の都美術館は初めて」という方も多く、30分という短い時間にギュッと魅力が凝縮されたツアーに参加して、帰る時には「美術館がこんなに素敵な場所とは知らなかった」「また来たい」「昼の様子もみてみたくなった」といった声を多く寄せていただいています。
ツアー終了後の参加者アンケートからは展覧会だけではない都美術館の場所や空間の魅力、その豊かさに改めて注目していただく機会となっていることがうかがえます。
ご参加いただいた皆様からの反応は私たちの励みやたのしみとなっていて、とびラーと参加者とで一緒につくる時間を心がけています。
執筆:尾駒京子(アート・コミュニケータ「とびラー」)
9期とびラー。夜間開館が中止されている時に、2、3年目とびラーが撮影した夜の都美術館の画像を見て、その美しさに衝撃を受けました。『いつか必ずこのツアーを再開したい』とその時強く思いました。建物にこめられた設計者やつくり手の想いを参加者と一緒に紐解く、そんな時間がとても楽しかったです。