東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

活動紹介

2023建築実践講座③|「建築の見方・楽しみ方を知る」

2023.08.27

第3回建築実践講座|「建築の見方・楽しみ方を知る」

日時|2023年8月27日(日) 14:00~16:00
会場|東京都美術館 講堂
講師|倉方俊輔 / 大阪公立大学 教授

 

建築の素材や建築家、年代などの情報からではなく、
「建築を鑑賞する」という新しい観点について、倉方先生からお話を伺いました。
また、美術作品と建築との違いや共通点、建築を保護・保存するために私たちが何をできるのか。視野の広いお話を伺いました。

 

 

とびラーのふりかえりを抜粋します。

ーーーーーーーーーー

・現地まで赴き、空間を体験し、思考を巡らせるお話から(五感で)空間を感じることが本物の「建築鑑賞」ではないかと思った。

 

・建築と空間という概念が結びついていることがとても印象的で、現地への移動、建築とその周辺を含めた空間を体験すること、そこで思考を巡らせることが建築鑑賞にあたることを意識できた。

 

・お話を聞くことで私のような非建築関係者でも建築鑑賞を自由に楽しんでいいこと、またそのような人が増えていることを聞くことができてとても良かったです。とびラーとして、同じように感覚的に建築を楽しむことをこれからいろんな人と共有できる機会があればいいなと思いました。

ーーーーーーーーーー

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 工藤阿貴)

2023建築実践講座②|「これからの公共空間のデザインとは?」

2023.07.29

第2回建築実践講座|「これからの公共空間のデザインとは?」

日時|2023年7月29日(土) 14:00~16:00
会場|東京都美術館 ロビー階第3公募展示室(AC展会場)
講師|森純平 / たいけん美じゅつ場VIVA基本設計・ディレクター
小金丸信光 / アーキテクチャデザイナー
熊谷香寿美 / 東京都美術館 学芸員

この回は、『アート・コミュニケーション事業を体験する 2023』を開催中の公募棟内で行われました。

来場者も立ち止まったり、座って聴講する方も。

 

 

まず初めに、講義の会場となった『アート・コミュニケーション事業を体験する 2023』や、同時期に開催されていた「うえののそこから「はじまり、はじまり」荒木珠奈 展」の会場づくりに携わった小金丸信光さんより、

「アートと建築設計」というテーマでお話しいただき、

 

たいけん美じゅつ場VIVAの基本設計や八戸市美術館の共同設計を担当した森純平さんより、

「建築の前後左右」というテーマで、これまで森さんが携わった様々な事例や、コミュニケーションを生む建築設計についてお話しいただきました。

 

とびラーからのふりかえりの一部をご紹介します。

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・新しいことを始めるには、既存のルールや常識と衝突することも多いですが、既存のルールを古くさい、としてしまわず、どのようにしたら合理的に変化させることができるのかも考えたいと思いました。

 

・建築や場の方から人々の日常に歩み寄る設計がこれから必要と感じた。
また、同じ空間でいろんなことが同時進行していてそれを分けずに聞かせる見させるというのも、ASRでとびラボが複数おこなわれている時のなんとも言えないワクワクを実感していたので、なるほど!と思った。

 

・都美の『アート・コミュニケーション事業を体験する 2023』展、会期中に活動が積み重なり育っていく、時間の流れを考慮した空間デザインに共感です。特に、公募棟天井下2メートルがどのように使われるのか、謎だし楽しみです。

 

・VIVAのお話の中では、勉強目的で来ている高校生にも聞こえるようにスピーカーを向ける、というのが素敵だな、と思い、今アートに興味がなくても、今後興味がわくかもしれないきっかけを作っていて、ちょっと新聞や紙の辞書を思い出しました。

ーーーーーーーーーー

 

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 工藤阿貴)

2023建築実践講座①|都美の建築と歴史 / 東京都美術館に活きる、前川建築の3つのキーワード

2023.07.01

第1回建築実践講座|「都美の建築と歴史 / 東京都美術館に活きる、前川建築の3つのキーワード」

日時|2023年7月1日(土) 13:30〜16:45
会場|東京都美術館 講堂
講師|松隈洋 (神奈川大学 教授)
河野佑美(東京都美術館学芸員 アート・コミュニケーション係)

 

前半は、東京都美術館の学芸員の河野佑美さんより東京都美術館の今と昔についてのレクチャー、

それから、神奈川大学教授の松隈洋先生より、東京都美術館を設計した前川國男の魅力や見どころについて、3つのキーワードをもとに熱く語っていただきました。

松隈先生は実際に前川國男事務所でご本人といっしょに働いた経験のある方です。

松隈先生ならではの視点で語られる前川國男は、本や資料から知るよりも、リアルで親しみのある存在となりました。

そして、市民が建築について関心をもって関わることがどのような意味を持つのかを深く考えさせられる内容でした。

 

参加したとびラーのふりかえりを一部引用します。

建築の見た目の美しさも素敵で好きなのですが、その見た目の奥にある建築家の信念を知ることをもっと深めてみたいと思いました。

 

前川國男の建築物をただ鑑賞するだけではなく、前川建築に共通する回路を発見すること、前川建築を介して多くの方々とのコミュニケーションを生み・育むことが、とびラーの役割であると改めて感じました。

(とびらプロジェクト コーディネータ 工藤阿貴)

2022建築実践講座⑦|1年間のふりかえり

2022.12.10

第7回建築実践講座|「1年間のふりかえり」

日時|2022年12月10日(土) 14:00~16:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム・スタジオ


建築実践講座、2022年度の最終回は、東京都美術館のアートスタディルームとスタジオで行われました。

この回のテーマは、「1年間のふりかえり」です。

東京都美術館の峰岸優香さんと、この1年間参加したとびラーから寄せられたコメントや写真とともに、全6回をふりかえりました。

その後、まずは建築実践講座で印象的だったことをキーワードとして書き出します。

そのキーワードを持って、近くの人と3人組になり、そのキーワードを共有します。

 

15分間の共有をメンバーを変えて繰り返します。

自分で言葉にすること、相手の言葉をきくことによって、自分のキーワードが少しずつ変化していきます。

 

2度の3人組を経て、ファイナルキーワードを考え、ホワイトボードに貼りだします。

貼りだされたキーワードをみんなで見ます。

”キーワードについてとびラーの皆さんとお話していて、どの方が出されるワードも聞いていくと全て繋がっていて、そこにとびラーのコミュニティを感じました。”

 

とびラーのふりかえりより一部引用します。

 

”知識ではなく場を作ることの大切さを、手を変え品を変え学んでいたように思います。”

 

”人々の集う建築空間をどのように楽しむのか、ハード(建築と空間)、ソフト(許容デザイン)、コミュニケーション(言葉と態度)を活かした関係性を参加者と築きつつ、その心の内、意識を観察して「場」をデザインしているように感じました。参加者が能動的になれる場作り、参加者にどうなって欲しいか、何を持ち帰って欲しいかよく考えて建築空間の可能性を高めていきたいと思います。”

 

これで2022年度の建築実践講座はおしまいです。

お疲れさまでした!

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 工藤阿貴)

2022建築実践講座⑤⑥|ワークショップメイキング①②

2022.11.05

第5回・第6回建築実践講座|「ワークショップメイキング」

ワークショップメイキング①
日時|2022年10月30日(土) 13:00~16:00
会場|オンライン

 

ワークショップメイキング②
日時|2022年11月5日(土) 10:00~15:00
会場|東京藝術大学 中央棟第三講義室


第5回建築実践講座は、アクセス実践講座と合同で、オンラインにて行われました。

 

まず、とびらプロジェクトマネージャの小牟田悠介さんより、ワークショップメイキングとコミュニティメイキングについてお話がありました。

とびらプロジェクトでは、対話をもとにコミュニティを育むことを大切にしています。

プログラムを考えるとき、「何をするか?」を重視しがちです。
「相手にどうなってほしいか?」を軸に進めていけば、迷ったり行き詰まったりしたときに、一度立ち止まり、戻ることができます。

後半の時間は、実際にワークショップを考えます。

まず、一枚の家族写真が提示されました。

そこに写る人物が、東京都美術館に来にくい理由を考え、想像します。

ブレイクアウトルームに分かれたとびラーは、それぞれの経験などから、どうしたら「この人」が都美を楽しめるのか、話し合います。

 

休憩を挟んで、後半はその人物についてもう少しその人となりについての情報を追加していきます。

追加された情報によって印象が変わり、前半に考えたアイデアをブラッシュアップしていきます。
この回のとびラーからのふりかえりからは、こんなコメントが寄せられました。

”ワークショップというと、ワークショップを「やること」が目的になってしまうことも多い気がしていて、それを「参加する人がどうなってほしいか」という結果から考えていくことが言われれば当たり前なのですが、新しい気づきでした。”

”【目的】を話す時に「方法」を話す人がいて「それは方法だと思う」と指摘することが多かったです。参加者を一緒に観察すると、相手に想いを馳せることになり「どうしたい」を考えることができました。”

 


第6回建築実践講座は、東京藝術大学中央棟第三講義室で行われました。

まずは「自分」という属性を客観視して書き出していきます。

その後、グループの中から一人を選出し、東京都美術館の建物を楽しむワークショップを考えました。

選ばれた人がリーダーにならないこと、というグランドルールの中でグループ内でワークショップを考えます。

もうひとつのグランドルールは、必ず現地に行ってみること、そして実際に体感して変更した点を意識すること。

色々なプランが出てきました。

たとえば、企画名だけご紹介すると

  • 好き地図を作ろう
  • 建築レシピ
  • ようこそ都美劇場 ~前川國男ver.~
  • 東京都美術館ウォーキングチャレンジ

などなど・・・

 

 

初めに考えていたプログラム、実際にトライアルしてみると、想像した通りにいかないことも。

トライアルから戻ってきて、最初に考えていたプランをブラッシュアップしていきます。

大切なのは、対象者が心地よく過ごせているかどうか。

参加したとびラーのふりかえりより一部引用します。

 

”自分がペルソナだったので、ものすごく掘り下げることができました。多様性のあるメンバーで作れたことで、奇をてらわず、現実的だけどよく考えられたアイデアになったと思います。午後にやってみたこともとてもよかったです。やってみると、メンバーから自然に変更のアイデアが出ました。素敵な体験でした。”

 

いよいよ次回は最終回です。

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 工藤阿貴)

2022建築実践講座④|コミュニケーションを生む場作りとは

2022.10.08

第4回建築実践講座|「コミュニケーションを生む場作りとは」

日時|2022年10月8日(土) 14:00~17:00
会場|東京藝術大学中央棟第三講義室/上野公園
講師|宇田川裕喜(株式会社バウム 代表)


 

第4回目の建築実践講座は、株式会社バウム代表の宇田川裕喜さんです。

過去にもオンラインでお招きしていましたが、リアルでの開催は初めてです。

「何かを作るとき、知るという作業、探すという作業を時間をかけて行います。街だったり、空間だったり。

その後、それを整理して、関係者みんなが理解できる形にしていく。それに名前を付けたりとか、ロゴとかビジュアルとか。その動きが1つの傘のもとで動いていくようにしています。」

講座の後半では、そこに関わる人たちのことを知るワークショップを行いました。

テーマは、「小さなストレスを観察する」

出かける前に、一人一人想像できるストレスの仮説を考えます。

それからグループに分かれ、実際に上野公園へ出かけて小さいストレスを観察します。

約1時間のフィールドワークから戻り、見つけたストレスを書き出していきます。

それから、4つのグループに分類していきます。

 

小さいストレスに着目することで、よりよく過ごすことのできる場作りが想像できます。

 

参加したとびラーのふりかえりを一部引用します。

 

「小さなストレス」をカテゴライズしていくと、「都美で解決できそうなこと」と「とびラーが関わることで解決できそうなこと」が見えてきました。都美という「場」には、とびラーがいる…だからこそ、広い可能性があるのではないか、と感じました。”

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 工藤阿貴)

2022建築実践講座③|人々の能動性が発露する建築空間とは

2022.09.10

第3回建築実践講座|「人の能動性が発露する建築講座とは?」

日時|2022年9月10日(土) 14:00~16:00
会場|東京都美術館 講堂
講師|大西正紀(株式会社グランドレベルディレクター兼喫茶ランドリーオーナー)


第3回目の建築実践講座は、大西正紀さんにおいでいただきました。

とっても素敵なシャツにオレンジのパンツがお似合いです。都美に向かう途中、「素敵ね!」と知らない方から声をかけられたとか。

前半はご自身のお話を中心に。

人々の能動性を発露させるきっかけとして、小さな「マイパブリック」を設けたらいろんな人が集まってきたことや、

「1階作りはまちづくり」をモットーにした株式会社グランドレベルについて。

「人がまちの1階に増えると、その周辺エリアのコミュニティが醸成していきます。」

そんなグランドレベルがオープンした「喫茶ランドリー」。

場のデザインと、引かれた補助線によって、そこに集まる人はどうなっていくのか、お話しいただきました。

「もともと工場だった場所を、カフェに変えようと考えました。ランドリーもあって、そのエリアに暮らす人が気軽に来られる喫茶店のような場所にしようということで名づけました。

他人同士の会話って、何かしらのエラーからしか始まらないんですね。コーヒーをふるまうのも、困った人を助けるのも、面白いことをしている人に話しかけるのもエラーかもしれません。『大丈夫ですか?』とか、『それ面白いですね』という一言が、コミュニティの最初の種のような。」

大西さんは、建物の中に補助線を引くことで人々の能動性を引き出すことを大切にしてきました。

「美術館に来館した人たちは、同じ体験をしているのに、共有せずに帰っていきますよね。僕は個人的にそれはもったいないことだ、と思っていて。だからこそとびラーさんがいて、人と美術館との間にある大切なチャンスを楽しいことに変換していくのが皆さんだと、僕は思っています。」

 

参加したとびラーのふりかえりを一部引用します。

 

”ハードに敢えてエラーを作ることで、手助けによる会話が生まれる。逆に言うと、エラーのある場所にはコミュニティを作るチャンスがあると考えました。”

 

”他者やまち、社会に、自分から何かを提供するーそうすることでまず提供する側が楽しい、まちそのものも豊かになっていくという事例のどれも興味深かったです。”

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 工藤阿貴)

2022建築実践講座②|上野のミュージアムの成り立ちを知る

2022.08.13

第2回建築実践講座|「上野のミュージアムの成り立ちを知る」

日時|2022年8月13日(土) 14:00~16:00
会場|東京都美術館 講堂
講師|倉方俊輔(大阪公立大学教授 建築史家)

 


台風が迫る中、第2回建築実践講座が行われました。

(今年度の建築実践講座では、毎回文字通訳が入っています。)

 

「日本で最初に指定された公園でありながら、同時にミュージアムが集積している。公園とミュージアムはある意味対照的な性格なのに、同居しているのが上野公園の面白いところです。」

明治時代の博覧会の流れから上野のミュージアムの成り立ちを知り、その背景を伺いました。

1877年に第1回内国勧業博覧会が開催されてから約100年後の1975年、現在の東京都美術館が完成しました。

「東京都美術館は、緑が中にあることと、ミュージアムであること、市民が集まる場所であること、という3つが組み合わさっているという点で、上野公園らしい建物です。この立地条件化で、前川國男らしさが発揮されている建物だと思います。」

 

上野公園の役割や推移を知ることは、今の時代の中のとびらプロジェクトの位置づけを意識することにもなります。

 

参加したとびラーのふりかえりを一部引用します。

 

改めて「今、美術館を、よりよい社会のために拓いていく」ことの意味を心に置いておきたいなと思った。”

 

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 工藤阿貴)

2022建築実践講座①|都美の建築と歴史

2022.07.02

第1回建築実践講座|「都美の歴史と建築」

日時|2022年7月2日(土) 14:00~17:00
会場|東京藝術大学 中央棟 第三講義室
講師|河野佑美(東京都美術館学芸員 アート・コミュニケーション係)

 

とびらプロジェクトの建築実践講座が始まりました。

まずはとびらプロジェクトマネージャーの小牟田 悠介さんよりガイダンスです。
はじめに、今年度の目標を確認します。

【建築実践講座の目標】

東京都美術館の歴史や背景を理解し、自分の感覚を手掛かりに建築を味わう力を身につけ、美術館というパブリックな建築を介して人々をつなぐ場をデザインする。

今年度は、約80名のとびラーが受講します。

第1回目は、まずは自分たちの活動の場である東京都美術館(以下、都美)の成り立ちや設計者である前川國男という人物について学び、自分の目で見て、感じて、魅力を共有する回になりました。

河野佑美さんのレクチャー「都美の歴史と建築」では、都美の開館から現在までの歴史や成り立ちについて学びます。

「私からは、こんな材料があります、というレシピをお渡しします。それを料理するのは皆さんです」
「建築ツアーは、知識を渡すためのものじゃなくて、その場の人と気付いたことをお話ししてください。知識は後から調べられるけど、お話しはその場でしかできません。」

 

河野さんからのお話のあとは、たっぷりと得た情報や知識をもって、あらためて都美に出かけていきます。

テーマは「100年後にも残したい、伝えたい見どころ」

いつも見ている光景が違って見えます。
それまでは「建物」として見えていた都美が、「さまざまな思いが受け継がれてきた大切なもの」に見えてきたとびラーもいるのかもしれません。

河野さんのお話を聞いてから改めて出会い直した都美。
戻ってきたとびラーたちは、出かける前とはまるで別人のように目を輝かせて

「こんな発見があった!」と口々に話し合っていました。

夢中になって冒険ノートを作成します。
それから、それぞれが見つけた「気づき」を数名でシェアします。
みんな自分のイチオシを熱く語り、大興奮です。

 

それぞれの冒険ノートが出来上がりました。
同じレクチャーを聞いたのに、「伝えたい見どころ」のポイントはとびラーによって違います。

 

”見れば見るほど、知れば知るほど、よく考えてられていると思いました。”
”たくさんの人と語り合いたいです。”
”だんだん愛が深まってきました。”

 

誰かが、大切だ、残したいと思うことによってその建築は大切に使い続けられます。

今日の学びを通して得た知識をそのまま語るのではなく、
じっくりとみどころを観察し、気付いたことを誰かと語り合い、咀嚼して自分の言葉にし、誰かに伝えたくなる。
とびラーによる建築ツアーや、トビカン・ヤカン・カイカンツアーMuseum Start あいうえのなどの場で、とびラーの数だけ都美の物語が語られていきます。

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 工藤阿貴)

 

2021建築実践講座⑧|1年間のふりかえり(最終回)

2022.02.05

第8回建築実践講座|「1年間のふりかえり」

日時|2022年2月5日(土) 15:30~16:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム

―――――――――――――――――――――

最終回となる今年8回目の建築実践講座は、とびらプロジェクトの活動の拠点である、東京都美術館アートスタディルームに集まって1年間の学びと実践をふりかえる機会となりました。

 

 

これまでの講座や実践をキーワードからふりかえります。1年間の講座と実践を通して、”もの”としての建築だけではなく、多様な視点から「建築」について考え・学び・実行する機会があったことがわかります。

全体でふりかえった後は、参加したとびラー 一人ひとり中で芽生えた ”気づき” を確認しました。

 

ーー“建築を介して人々をつなぐ場” について考えたことで、どんな気づきがありましたか?

今年の講座目標である “建築を介して人々をつなぐ場” について、年間を通して気がついたこと・考えたことを思い出しながら、3人組になり共有しました。

 

 

それぞれの学びと気づきを共有したら、続いてとびラー同士で「問い」を立てて、「建築」についてさらに考えを深めていきます。

 

ーー問いを立てて話し合う。
「建築」をテーマに、とびラー同士で考えを深めたいことは?

 

講座に参加するとびラーと“建築”との関わりはそれぞれ。仕事などで専門的に建築と関わっている方から、「建築って難しそう…」と苦手意識を持っていた方、東京都美術館・前川國男建築が大好き!な方、様々な “建築” との関わり方や考え方を持ったメンバーが集まっています。

それぞれの視点で、この1年間で考えたことを「問い」と言う形で差し出し合い、ランダムの5〜6人組で約1時間じっくりと話しあいました。

 

・建築を楽しむってなんだろう
・建築の知識がなくても楽しむには
・美術館と芸術祭ではアートを見る場としてどう違うのか
・建築を語るとどんな場がうまれるのか
・もう一度行きたくなる建築体験とは
・公共の建築にとって居心地のよさとは

 

この対話の目的は、答えを出すことではありません。建築はアートであり、体験であり、文化であり、人々の営みであり、他者を想うこと、…です。

「美術館を拠点にコミュニティを育む」とびらプロジェクト、その活動の場である “建築” そのものの役割に丁寧に目を向け、考え語り合うことは、今私たちが生きる社会そのものを考えることにつながるのではないでしょうか。

 

 

 

今年度の建築講座もこれにて解散ですが、これからも、建築を介したアクションを共に考え実行していきましょう!
1年間、様々なシーンで共に「建築」を学び・考えたとびラーのみなさん、ありがとうございました。

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 山﨑日希)

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