2012.12.16
「マウリッツハイス美術館展」での紙芝居に続き、「メトロポリタン美術館展」でもとびラー候補生(以下:とびコー)オリジナルの紙芝居ができました。タイトルは「くろねこメット だいかつやく」です。ニューヨークのメトロポリタン美術館からやってきたエジプト生まれの黒猫の小像メットが、谷中(上野のお隣の地域)の野良猫たちとともに繰り広げる冒険物語。さらに「メトロポリタン美術館展」にて展示されているさまざまな動物たちも加わり大活躍します。
展覧会の入り口付近で紙芝居の呼び込みをします。みんなが頭にかぶっているのは、とびコーの時田さんお手製の「メトロポリタン美術館展」に出品されている作品をモチーフにした帽子です。
今回の紙芝居の前座は、展覧会の目玉、ゴッホの糸杉にまつわるマメ知識とクイズです。凄くためになります。
前座が終わると、いよいよ紙芝居の上演です。とびコーの山近さんの張りのある声で紙芝居が進められて行きます。絵がとっても奇麗で見応え十分です。上演中はとびコーのお子さんたちもお手伝いをしています。
会場は満員御礼となりまいた。作品を鑑賞するだけではない、心に残る美術館体験をみなさまに少しでもお届けできたのであれば何よりです。
(とびらプロジェクトマネージャ 伊藤 達矢)
2012.10.05
とびらプロジェクトマネージャ 伊藤達矢です。
マウリッツハイス美術館展の会期中に好評を博した「紙芝居プロジェクト」の活動報告がまとめられました。
記述はとびラー候補生の山中麻美さんです。
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この紙芝居プロジェクトは、都美に来られたお客様に、都美で行われている展覧会をより親しみやすく、楽しく鑑賞してもらいたい、という願いから生まれました。記念すべき第1作目は、現在開催中のマウリッツハイス美術館展を題材にした物語、「都美子のタイムトラベル」です。この紙芝居で楽しみながら作品の背景を学ぶことによって、美術の面白さを子どもから大人まで実感していただけると嬉しく思います。
マウリッツハイスがスタートしたと同時に生まれた紙芝居プロジェクト。夏休みの上演を目標に、毎週打ち合わせを行い、物語を練り上げていきました。大人の方にも楽しんでいただくため、豆知識を豊富に盛り込んだ内容となっています。企画展を見るのが初めての人だけでなく、美術通の人にも楽しんでいただけるような内容づくりを心がけました。そのため、メンバーのひとりひとりが企画展をじっくりと鑑賞し、フェルメールが生きていたオランダの時代、文化、歴史について勉強を重ねました。
これが、「都美子のタイムトラベル」全16枚のイラストです。イラストに起こす前に、ラフ画を皆さんと制作して、何をどこに配置するのか、コマ割りを細かく決めていきました。その後、メンバーの大学生2人で手分けして制作しました。なので、よーく見ると、前半と後半で微妙にタッチの違いがあるのです。皆さん気づきましたでしょうか?
第一回目のお披露目は8月19日、佐藤慶太郎アートラウンジで行われました。前座と紙芝居合わせて15分程度、14時と15時の2回の上演です。初公演でしたが、たくさんの方に見ていただき、ラウンジのソファに座っていらっしゃるお客様も耳を傾けてくださっていました。また子どもたちは、おまけで披露した、真珠の耳飾りの少女のターバーンの色が変化してゆくパフォーマンスに、とても喜んでいる様子でした。
2回目は講堂前にイスを置き、ゆったりとしたスペースで紙芝居を上演することができました。呼び掛けにはチラシも配布し、この日は前回よりたくさんの方に興味をもってもらえたのではないかと思います。講堂前の上演では大人の方が多く、ショップへと上がる階段に座って鑑賞しているお客様も目立ち、私たちメンバーも、とても手ごたえを感じる1日となりました。
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私たちの今後の夢は、他の美術館や小学校、図書館で出張紙芝居を行うことです。そして美術のおもしろさを、紙芝居を通してもっと多くの人に知ってもらい、この活動がアートと人とをつなぐ架け橋になればいいと思っています。また、全国の図書館で私たちが作った紙芝居を置いてもらい、いつでも手に取って見られる環境ができれば、とても理想的です。しかしこの紙芝居プロジェクトの活動はまだ始まったばかり。次のメトロポリタン美術館展も今から少しずつストーリーを考え始めています。
皆様、今後の活動にもご期待ください!
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とびラー候補生:筆者:山中麻未(やまなか あさみ)
現在、武蔵野美術大学 芸術文化学科に所属。今年挑戦したいことは、アートに関するボードゲームや絵本、おもちゃを作ること。趣味は週1での美術館巡り、恐竜の化石の鑑賞やプラネタリウム。
2012.09.09
マウリッツハイス美術館展もいよいよ最終週に突入かという近日、またとびラー候補生(以下:とびコー)から新しい提案がありました。佐藤慶太郎記念アートラウンジで行われているのは、なんと「フェルメール体操第一」です。音頭をとっているのはあのフェルメールさんです。
とびコーさんのアイディアと行動力は最後まで尽きません。体操できるのは9月17日まで。さぁーみんなで、やってみよう!
さて、体操が終わった後は、おなじみ紙芝居のはじまりです。
いつも盛況の紙芝居。9月16日(14時と15時:1F佐藤慶太郎記念アートラウンジにて。前座でフェルメール体操もあります。)が最後の公演となります。まだご覧頂けていない方は、お見逃しなく!
(とびらプロジェクトマネージャ 伊藤達矢)
2012.08.31
マウリッツハイス美術館展にちなんだ、紙芝居の上演を行う「紙芝居プロジェクト」が進行中です。8月31日は14時と15時に講堂前にて行われました。マウリッツハイス美術館展出口で紙芝居のチラシを配るのは、とびラー候補生(以下:とびコー)のお子さんたち。姉弟ではありません、とびらプロジェクトでお友達になりました。力をあわせて協力してくれています。
大人のとびコーさんも子どもたちに負けずに紙芝居のコマーシャルをします。
紙芝居の噂を聞きつけた多くの来場者のみなさんが、集まってきました。早速紙芝居の上演開始です。
紙芝居のストーリや絵は全てとびコーさんの手作りです。展覧会を鑑賞した方も、これから鑑賞する方にも、よりマウリッツハイス美術館展を楽しんで頂き、充実した美術館体験をして頂きたいという思いから出来たプロジェクトです。
凡そ10分程度の上演時間ですが、夏休み最後の日、楽しんで頂けたでしょうか。紙芝居プロジェクト、まだまだ続きます。
(とびらプロジェクトマネージャ 伊藤達矢)
2012.08.19
__私は上野(うえの)都美子(とみこ)。都美子という名前は、都美館が大好きな母が付けたの。友達からは“とび子”って呼ばれてます__
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東京都美術館(以下、都美)の1階、アートラウンジの一角で、とびラー候補生(以下、とびコー)が紙芝居を上演しました。とびコーたちは、物語にも登場するフェルメール作「真珠の耳飾りの少女」風の青いターバンを身につけています。来館者の方に向けて紙芝居を披露するのは実はこの日が初めてで、とびコーたちも内心ドキドキといった表情。紙芝居の前に、とびラーについての紹介。その前座を務めるのは、この“紙芝居プロジェクト”の立案者でもある山中さんです(写真、右から2番目)。
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そもそも、美術館で紙芝居とはこれいかに。
山中さんにプロジェクト発足の経緯について、簡単に説明していただきました。
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山中「この紙芝居プロジェクトは、都美に来られたお客様に、展覧会をより親しみやすく、楽しく鑑賞してもらいたい、という願いから生まれた取り組みです。記念すべき第1作目は、現在開催中のマウリッツハイス美術館展を題材にした物語となっています。紙芝居で楽しみながら作品の背景を学ぶことによって、美術の面白さを子どもから大人まで実感していただけるといいなと思っています。」
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こうして立案者に賛同するメンバーが集い、度重なるミーティングを経て、紙芝居が実現しました。冒頭にも挙げた通り、「上野都美子」と名乗る主人公が繰り広げる完全オリジナルストーリー。脚本は6、7回に渡って練り直され、何度も推敲を重ねるという気合の入った一作。 物語の舞台でもある17世紀オランダに関する豆知識も盛り込まれ、大人も楽しめるよう工夫がなされています。 紙芝居の絵は、とびコーの中でも若手の学生コンビが、学業の合間を縫って1枚1枚丁寧に描きあげました。
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山中「紙芝居っていうと、どうしても大人の方は“子どもが見るもの”っていう先入観があるみたいで、今回も『これって大人も見られますか?』って聞かれてる方がいたんですね。でも、私たちが最初にイメージしてた紙芝居は、あくまで大人向けの内容でして、物語はわかりやすくシンプルな構成なんですけど、美術ツウの人にも楽しんでもらえるように、豆知識の内容もふんだんに取り入れています。・・・子どもたちには、ちょっと難しかったかな?」
この日の上演は、14時と15時の2回。上演前は紙芝居の宣伝のため、館内のお客さんたちに声を掛けて回りました。手作りの青いターバン、宣伝用のポスターと人形たちが人目を引きます。リカちゃん人形のお洋服は、なんと!とびコーのお手製です!
1回目の客数は…少し寂しい結果となってしまいましたが、2回目の上演では、企画展の出口に絞って呼び込みをする宣伝の効果もあってか、20名以上の方が足を運んで下さいました。
ベビーカーを押すご夫婦や親子連れだけでなく、大人たちの姿もありました。上演前から立ち見で待機している人、たまたま通りかかった人、もともとアートラウンジに座っていてその場から覗き込んでいる人__鑑賞スタイルは各々異なりますが、紙芝居に見入る子どもたちの後ろで、大人の方たちも楽しんでいるような表情をみせていました。
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紙芝居の「おしまい」の後に、ちょっとした小話を披露。「真珠の耳飾りの少女」のターバンの色を色々な色に変えてご覧にいれました。私の傍で鑑賞していたご婦人が「う~~ん・・・、やっぱり青よねぇ。」と唸っていました。読み手のリアルな息づかいと、紙芝居を挟んで向こう側の、観客の確かな反応。それらが同時に存在して、この紙芝居の空間を創っている__ アートコミュニティ(※)を築く、まずは大切な一歩__ 私はそんな風に感じることが出来ました。(※
『とびらプロジェクトとは?』の頁参照)
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山中「今後の“野望”は、出張紙芝居です!他の美術館や小学校、図書館なんかで上演できたらいいですね。あとは、全国の図書館で私たちが作った紙芝居を置いてもらいたい!!と企んでいます。とても大きな夢ですけどね(笑)」
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美術を楽しもう、そんな想いが詰まった紙芝居プロジェクトの活動は始まったばかり。
今後の活動にご期待ください!
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とびラー候補生:筆者:佐藤史(さとうふみ)
生粋の千葉県民。人の生き方に積極的に関わる仕事がしたいと、現職は訪問看護師。都美の展覧会でムリーリョ作『無原罪の御宿り』に出会い、宗教絵画と教会建築への興味が開花。他に好きなこと、歌、写真、三度の飯よりアイスクリーム。