2012.10.05
とびらプロジェクトマネージャ伊藤達矢です。
音楽でとびらプロジェクトを盛り上げてくれている「とびら楽団」から活動報告が届きました。
とびラー同士のコミュニケーションデザイン活動の一環として発足した「とびら楽団」。純粋に音楽を楽しむだけでなく、イベントの盛り上げ役としても出番をいただきました。そんな盛りだくさんの3か月をメンバーが振り返ります。
記述はとびラー候補生(以下:とびコー)の淵上幸吉さん、林久美子さん、佐藤史さん、松澤かおりさんです。
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■楽団発足と練習(5月26日)
「えっ?美術館に楽団?そんなのあり?」「あって、いいじゃん! やろうじゃん!」(佐々木学芸員の口ぐせがどうも移ってしまったようで!?)という一声から始まったとびら楽団。日本の美術館史上初の(はず)楽団が産声をあげました。楽器経験は一切問わず、サポーター大歓迎、出入りも自由、要すれば誰でも入団可という楽団の誕生です。ということで、この呼びかけに集まったとびラーは約20名。リコーダーにピアニカあり、マラカスにカスタネットあり、ウクレレに、木琴、ウッドベースにテナーサックス、もちろんボーカルもありと多種多彩。きっと参加したメンバーの本心は、「おいおい、これで音出したらいったいどうなるの?」と、みんな不安だったはず。そんな楽団の最初のチャレンジ曲は、NHKみんなの歌の『メトロポリタン美術館』。何と準備された楽譜は、ボーカルとピアノ伴奏譜のみでパート譜なし。「ねえねえ、私、どこ吹いたらいいの?」「トライアングルは、どこで鳴らしたらいいの?」そんな質問を無視して、何はともあれ音出ししてみようということで、5月26日に、都美の裏手の公園の木立の中、肩に力の入った伊藤さんの指揮のもと、初・野外練習を実施。公園の木々達も、あまりのハーモニーのすばらしさ??に、幹をねじらせたとかいないとか、前途多難の出発と相成りました。
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とびら楽団はみなさんの応援のもとひとつになり、かたちになりました。みなさんの楽しい思い出となっているとしたら、とびら楽団デビュー公演は大成功だったのではないかと思います。(林 久美子)
■“とびら記念日”(8月5日)
楽団、青タープロジェクト(青ター)、うちわプロジェクトが一同に会し、とびコーと来館者の方々との交流を生んだ、まさに「とびらプロジェクトの記念日」に相応しい日となりました。当日の楽団員の参加人数は「あなたも真珠の耳飾りの少女プロジェクト」チーム・チラシdeうちわプロジェクトを兼任しているメンバーも含めて、10人以上。中には初参加となるとびコーもいました。楽団としては、懇親会以来の久々の音合わせとなりましたが、それ程かしこまった感じもなく、各々が楽しく音を出せていたように感じました。指揮者の出だしの合図があるわけでもなく、誰かの“音出し”をベースに、それぞれが“乗っかって”、“重なって”いくような演奏です。
ただ1つ悩ましいことといえば…そう、その場に居た誰もが感じていた「レパートリーが1曲」という精神的重圧。自然と次の楽曲選びの話題が挙がり、次曲候補をとびラー専用掲示板で募集する運びとなりました。(佐藤 史)
■“とびらゴールドデー”(8月15日)
8月15日(日)はとびら楽団2度目の演奏。シルバーデーで多くのお客様が来館される中、青ター開催・・・いや、開幕?楽団は少人数ながら唯一のレパートリー曲『メトロポリタン美術館』を演奏しました。この日は正面エレベーター前で行列のお客様に向かっての演奏。炎天下、次第に息は上がり、間も持たなくなり・・・ここで新しい風を!と初めて『カントリーロード』に挑戦しました。練習時間もなかったため、どうかな?と心配しましたが、お客様からはなかなかの反応。そして、どうしても楽器の少ない寂しさを感じていた頃、団員から「歩こうか!」の声。かくして、これまた初の鼓笛隊が都美館前を行進しました。
2012.09.16
マウリッツハイス美術館展も残すところ後1日となった9月16日、「あなたも真珠の耳飾りの少女」プロジェクトもファイナルステージを迎えました。まずは長蛇の列のお客さまを巻き込んでの「フェルメール体操第一」。みなさんしっかり体操されてます。
続いておなじみ「とびら楽団」の演奏が場を盛り上げます。
ラストスパートの「あなたも真珠の耳飾りの少女」も大盛況。
2012.09.09
マウリッツハイス美術館展も終盤になるに連れ、1日の入場者数が16000人を超える大賑わいの東京都美術館(以下:都美)。9月に入ってもまだまだ残暑厳しい昼下がりを少しだけ癒しにとびラー候補生(以下:とびコー)が今日も出動します。まずは「フェルメール体操第一」から。お客さんも一緒になって体操します。
体操が終わったら「とびら楽団」の演奏です。思わず子供たちは踊りだします。
そして、楽団の演奏を聞きながら「あなたも真珠の耳飾りの少女」プロジェクトが進められる黄金の流れ。
「とびら楽団」のみなさん!
「あなたも真珠の耳飾りの少女」プロジェクトのみなさん!
2012.08.15
8月15日、この日の東京都美術館(以下:都美)は「シルバーデー」。65歳以上の方は無料となりました。マウリッツハイス美術館展を鑑賞するために午前中から沢山のお客様が来館され、敷地の外に出てしまう程の行列が出来ていました。
そこに現れたのが「真珠の耳飾りの少女」とお揃いの青いターバンを巻いたびラー候補生(以下:とびコー)の皆さん。8月5日に3つの企画をお客様の前でお披露目し都美デビューを果たしたとびコーの皆さんですが、もっと多くのお客様に楽しさとワクワクをお届けしたい!という思いから、「シルバーデー」であるこの日も出動しました。
長蛇の列に容赦なく照り付ける夏の太陽。猛暑の中ご来館されたお客様へ配布期限の過ぎた展覧会チラシを再利用した「ウチワ」をプレゼント。このウチワ、とびコーさんが一つひとつチラシを折ってつくっています。
数百枚のウチワをお一人おひとりのお客様に手渡しで、配らせて頂きました。
正門を入ってすぐ、入場待ちの方とお帰りの方が行き交うスペースで、おなじみの”とびら楽団”が楽しげな演奏をしています。
とびら楽団が隊列を組んで練り歩いたりと、暑さにも負けないパフォーマンスを披露。新曲の「カントリーロード」も初めて皆さんの前で演奏することができました。
そしてこちらはフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」になって記念撮影が出来る「あたなも真珠の耳飾りの少女プロジェクト」。前回の8月5日同様大盛況で、沢山の方が「真珠の耳飾りの少女」になって下さいました。
「あたなも真珠の耳飾りの少女プロジェクト」の額縁の裏側を少しだけご紹介。都美限定名画誕生の裏では、その名の通り名画を支える人々がいます。このようにして都美での記念すべき1ショットができあがります。ご参加頂いたお客様には夏の思い出としてお持ち帰り頂けたのではないでしょうか。
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2012.08.05
「マウリッツハイス美術館展」の作品が展示されている企画棟の1 階、2階には、見晴らしの良いラウンジがあります。作品を観たあとに、カラフルな椅子に腰を下ろしてひと息ついたり、買ったばかりのカタログをさっそく広げる人も。大きなガラス面からは、東京都美術館(以下、都美)の正門から入口に向かう人の波も見えます。
「なんだ、あれ?」
「青いターバンがいっぱい…コスプレ?」
おや、正門周辺の様子がいつもと違うようです…早速、見に行ってみましょう!!
正門から、にぎやかな旋律が聞こえてきます。どこかで聴いたことがある懐かしいメロディ。演奏しているのは、とびラー候補生(以下、とびコー)有志で編成された「とびら楽団」です。団員はフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」と同じ青いターバンを巻いています。美術館入口で青ターバンがライブ演奏という予想外の出迎えに、暑さの中、足を運んでくさったお客様の顔も思わずほころびます。
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演奏曲は、NHK「みんなのうた」でおなじみの「メトロポリタン美術館」。この曲はもともとニューヨークのメトロポリタン美術館を舞台とした物語をモチーフにしていますが、都美もTokyo Metropolitan Art Museum であり、秋にはニューヨークのメトロポリタン美術館展が開催される縁もあって、最初のレパートリーに決定したのでした。
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楽団結成は5月末。演奏が好きな人、歌なら歌えるという人…経験不問、やりたい人全員ウェルカム!カスタネット、サックスから旅先で買った打楽器まで、楽器はすべて持ち寄りでスタートしました。8月まで2ヶ月あったとはいえ、平日は学校や仕事があるメンバーが多いため、自主練習と数回の合同練習で当日を迎えましたが、その演奏は、お客様を笑顔にするには十分なものでした。
楽団を横目に歩みを進めると、今度は楽団とは別の青いターバンの集団がいます。
「顔の向きはそのまま!視線をこっちに!」
「そうそう!はいっ、撮ります!」
撮るって…いったい何を???見ると、お客様が青いターバンを着けて大きな額縁から顔を出してにこやかにカメラに収まっていました。旅先で、歴史上の人物の等身大看板の顔がくりぬかれたところから顔を出して写真を撮ったこと、ありますよね?仮にそれを「顔出し」と呼ぶとします。その顔出しを更に進化させ、マウリッツハイス美術館展の目玉作品、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」でやってみよう!というとびコー発案企画「あなたも『真珠の耳飾りの少女』プロジェクト」だったのです。
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ターバンをつけて撮影なんて、本当はやりたくても人前では恥ずかしいかもしれない。誰かがサクラで並ぼうか、という声もありましたが、始めてみると「やってみたい」というお客様があっという間に列を作りました。写真映えする手作りの衣装、リアルな額縁、フェルメールに扮した企画発案者(とびコー)・小野寺伸二さんの目線指導付きの撮影に、有料サービスかと思い込み「おいくらですか?」と聞く人もいたほどです。もちろん、全て無料です。とびらプロジェクトはプライスレスな活動です。
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このプロジェクトも当初は、額縁はどうする?衣装はどうする?…と「どうする?」だらけでしたが、とびコーがそれぞれの特技を生かして、ひとつひとつクリアしていきました。見てすぐに「フェルメール!」とわかる色と質感のターバンを何枚も縫った時田薫さん、額を原寸大で下書きから描き、模様をグルーガン(スティック状の樹脂を溶かして接着させるもの)で立体的に作った山近優さんをはじめ、多くのとびコーの手と汗が、オリジナルの「真珠の耳飾りの少女」を観た人もがっかりさせない“ホンモノらしさ”を作りあげたのです。
鑑賞を終え、涼しい会場から出た途端に吹き出す汗。そうだ、外はこんなに暑かった…そんな時、思わず手が出るプレゼントも用意されていました。展覧会のチラシを再利用したエコな「うちわ」です。美術館にあるチラシは色やデザインが美しいものが多く、「次はこれを観に行こう」と持ち帰ったり、印象に残った展覧会のチラシはいつまでもカタログに挟んでとっておくことがあります。そんなチラシも、残念ながら、配布期限が過ぎれば配ることはできません。とても残念です。「カワイイデザインのチラシなのに、無駄にしたくない」、そんな想いから「チラシ de うちわ」プロジェクトがスタートしました。
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何度も試作を繰り返し、形を決めるまでに長い時間をかけました。とびコーの手で1 枚1 枚心をこめて仕上げたうちわ。嬉しいことに、用意した100 枚は次々にとびコーからお客様の手に渡りました。実は、うちわをゴミにしないように回収ボックスも用意していましたが、その箱に戻されたうちわはわずか数枚でした。残暑が厳しい今年の夏、今日もどこかで小さな風を送っていることでしょう。
とびコーのアートコミュニケータ研修が始まってからおよそ4ヶ月。この日初めて、研修の合間を縫って取り組んできた企画を来館者に向けて発信しました。1時間という短い時間でしたが、お客様の「作品を鑑賞する」という当初の目的に、ささやかなサプライズとなったのではないでしょうか。お客様の笑顔や、「次回はいつやりますか?」という声に、手ごたえを感じたとびコーも多いことでしょう。うちわの配布は規模を拡大して8 月15 日のシルバーデーでも実施。別のプロジェクトの準備も進んでおり、とびコーの都美デビューはこれからも続きます。
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最後に、本日の「真珠の耳飾りの少女」です!
ご来場、ご参加ありがとうございました。
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2012.06.23
基礎講座最終回が終わった後、夕方6時から、東京都美術館内にあるレストランIVORYにて、基礎講座の打ち上げを兼ねた懇親会が催されました。全6回に渡る基礎講座も全て終了し、とびらー候補生(以下:とびコー)同士もかなり仲良くなりました。なかなか厳しい基礎講座だったと思います。みなさん大変お疲れさまでした。
以前、このブログでも紹介した「とびら楽団」のみなさんも登場しました。演奏して頂いた曲はNHKみんなのうたでおなじみの「メトロポリタン美術館」です。東京都美術館も東京メトロポリタンミュージアムなので。とびコーの時田さんがつくってくれた衣装とお揃いの青いターバンを身につけたとびら楽団の演奏は、とびらプロジェクトがはじまってからこの2ヶ月間の充実した活動を象徴しているかの様でした。
こちらの「真珠の耳飾りの少女」はマウリッツハイス美術館展の担当学芸員の大橋さん。かなり似合ってます!また、タイミングをみてとびコーさんが全員揃う会を是非開催したいですね。これからは実践講座です。みなさん頑張りましょう。(伊藤)
2012.05.26
前回の「とびラーのコミュニケーションデザインを考える」で、浮上した「とびら楽団」がついに活動を開始しました。呼びかけに答えてくれた方々は何と20名。すごい!サックスにコントラバス、ウクレレまでいます。第4回基礎講座のあと、初練習となりました。天気もよかったので、目の前の上野公園で演奏してきました。初見でみなさん演奏できるのが凄いと思いました。NHKみんなのうた「メトロポリタン美術館」が当面の課題曲です(笑)。何せ、都美は東京メトロポリンタンミュージアムですので。練習中に、犬を散歩していたお婆さんから声をかけられたり、考えてみれば、とびラー初の地域活動でした。アートコミュニケータに音楽は必要ですね。とびら楽団は、曲を演奏する人たちだけでなく、とびらプロジェクトに関わる皆さん全ての心を音楽で動かして行けるような、そんな楽団になればと願っております。さらに、こうしたエネルギーが美術館と地域や社会をつなぐ原動力になるのではと、すごく期待しています。(伊藤)