2023.11.25
第5回建築実践講座|「ワークショップメイキング・1」
日時|2023年11月25日(土)13:00〜16:00
会場|東京藝術大学 第3・4講義室
講師|峰岸優香/ 東京都美術館学芸員
東京都美術館の学芸員である峰岸より、東京都美術館の「とびラーによる建築ツアー」についてお伝えし、
「15分間のMY建築ツアー」を考えるワークを行いました。
その後、3人組になって交代でそれぞれのツアーを体験しました。
とびラーからのふりかえりを抜粋します。
ーーーーーーーーーー
・他のとびラーの「伝えたい」という気持ちが伝わり、 参加した私が、新たな発見をして、他の人に伝えたくなる気持ちを体感することに繋がった。(大変充実した時間だった。) 普段から自分だけでなく他の方の「気づき」に関心を持つことも大切だと思う。 講座内で体験したような新鮮な気持ちで、東京都美術館を発見する楽しさ、誰かに伝えることのできるわくわく感を実感しながらガイドが出来るよう今日の経験を大切にしたいと思っている。
・都美や建築に詳しい人がやっているというイメージがあったが、それよりも好きなポイントを伝えたい!という気持ちや、居心地の良さが大事なのだと改めて感じた。
ーーーーーーーーーー
講座の中で伝えたことは、「とびラーによる建築ツアー」で大切なのは、参加者が安心して参加できるということ。
今回の講座で興味を持って調べたことを語るとびラーは、みんな魅力的でした。魅力的に語られる内容は参加者を魅了します。
中には「24時間建築ツアーをやりたい!」とコメントをくれたとびラーも。
これからの「とびラーによる建築ツアー」も楽しみです。
(とびらプロジェクト コーディネータ 工藤阿貴)
2023.11.12
美術館っておしゃべり禁止でしょ?いいえ、そんなことはないんです。誰かと静かに対話しながら鑑賞することで新しい発見がみえてくるんです。その日出会った人たちや、とびラー(アート・コミュニケータ)と一緒におしゃべりを楽しみながら、「いのちをうつす」展の作品をみてみませんか?もっと話したい!誰かと一緒にみるって楽しい!きっとそんな体験になるはずです。30分ほどの短いプログラムですのでどなたでもお気軽にご参加ください。いつもと違うアート鑑賞をあなたも味わってみませんか?
※プログラム前にくじを引いてチーム分けをします。ご友人・ご家族同士でお申し込みの場合も、別々のチームになることがあります。
【開催概要】
● 日時|
(1)第1回 2023年11月24日(金)18:30〜19:05 (18:20受付開始)
(2)第2回 2023年12月15日(金)14:00~14:35 (13:50受付開始)
(3)第3回 2023年12月20日(水)14:00~14:35 (13:50受付開始)
※すべて同じ内容です。
● 会場|東京都美術館 ギャラリーA・C
● 対象|どなたでも。初対面の方と一緒に作品を鑑賞してみたい方。
● 定員|各回10名 ※先着順。定員に達し次第、申込み受付を終了します。
● 参加費|無料 ※ただし「上野アーティストプロジェクト2023 いのちをうつす ―菌類、植物、動物、人間」展の観覧料が必要です。(一般500円、65歳以上300円、学生以下無料)
※身体障害者手帳をお持ちの方とその介助者の方は無料。(証明できるものをご提示ください)
※同時期開催の特別展「永遠の都 ローマ展(https://roma2023-24.jp/)」
● 参加方法|事前申込制。下記、申し込みフォームにてお申し込みください。
① 11月24日(金)18:30〜19:05 のご参加
② 12月15日(金)14:00~14:35 のご参加

② 12月20日(水)14:00~14:35 のご参加
【申込の際にお願い】
1)参加される方のお名前でお申込みください。
2)複数名での参加を希望の場合、参加希望のそれぞれ1人ずつの申込が必要です。
※小学生以下のお子様が参加される場合は、その他連絡事項欄に年齢のご記入をお願いします。
※特別に配慮が必要な方はお知らせください。
※本フォームでのお申し込みが完了すると、「返信先Eメールアドレス」宛にメールが届きます。必ずご確認ください。
※お申し込み前に「迷惑メール」などの設定を確認し、「@tobikan.jp」からのメールを受信できるようにしてください。申込受付完了の自動返信メールが届かない場合は、お申込みされたお名前と電話番号を明記のうえ、p-tobira@tobira-project.info(とびらプロジェクト)宛にメールをお送りください。
※広報や記録用に撮影を行います。ご了承ください。
・
【展覧会情報】
上野アーティストプロジェクト2023
いのちをうつす ―菌類、植物、動物、人間
会期:2023年11月16日(木)~2024年1月8日(月・祝)
お問い合わせ
●メール:p-tobira@tobira-project.info(とびらプロジェクト)
●電話:03-3823-6921(東京都美術館代表電話にて「とびらプロジェクト」の担当者をお呼び出しください)
2023.11.11

「作品をともにみる」とは、どういうこと?
「誰かとともにある」とは、どういうこと?
「みんなでみる美術館」はみえない人とみえる人で一緒に作品を鑑賞するワークショップです。
みえない人とみえる人の対話を通じて、作品の魅力に気づくことができる。お互いの視点があるから作品を味わうことができ、作品を通じてお互いのことを知ることができる。
そんな豊かな鑑賞を目指し、みえない人とみえる人が一緒にアート鑑賞を楽しむ場をつくりたいと思います。
感じたことや気づいたこと、わからないことを伝えあいながら、みんなで一緒にアートを楽しんでみませんか。
みえない人とみえる人が一緒に楽しむアート鑑賞
『みんなでみる美術館』
日時|2023年12月16日(土)13:30〜15:30 (受付開始 13:15)
会場|東京都美術館
集合|東京都美術館 交流棟2階 アートスタディールーム
対象|視覚障害者(+介助者)、晴眼者
定員|みえない人・みえにくい人:6名(介助者各1名可)
みえる人:6名
参加費 | 無料
※ただし、別途「上野アーティストプロジェクト2023 いのちをうつす ―菌類、植物、動物、人間」展の展覧会観覧料が必要です。一般500円、65歳以上300円、学生以下無料。
※身体障害者手帳等をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料です。当日証明できるものをご用意ください。
参加方法|事前申込制
申込締切|11月24日(金)
※応募者が多数の場合は抽選になります。抽選結果は11月末までにメールにてご連絡いたします。
フォームへの入力が難しい方は、件名を「みんなでみる美術館申し込み」とし、下記項目を【項目】
1.名前:
2.年齢:
3.アドレス:
4.応募動機:
5.当日の介助者/盲導犬の有無:
6.上野駅までの送迎が必要か不要か:
※必要な場合、JR、東京メトロ(銀座線)、東京メトロ(日比谷線)、京成線のいずれがよいか:
※当日ご連絡できるお電話番号(送迎を希望される方のみ):
7.見え方の程度(任意):
8.その他連絡事項:
みえる人(晴眼者)は、この下のリンクからお申し込みください。

※広報や記録用に撮影・録音を行います。ご了承ください。
キャンセル、変更のご連絡は以下までお願いします。
p-tobira@tobira-project.info
TEL : 03-3823-6921(東京都美術館 代表)
2023.11.05
職場や家庭で日々忙しく過ごしている皆さま、
東京都美術館で日常から少し離れて「大人のOFF」を味わってみませんか?
とびラー(アート・コミュニケータ)と一緒に、アート・建築を介して、いつもと違う体験や交流ができる2日間のプログラムです。
1日目は「とびラーお薦めのアート鑑賞」、
2日目は「前川國男設計のモダニズム建築ツアー」をみんなで体験します。
このプログラムを通じて、心が豊かになる時間「大人のOFF」を一緒に楽しみましょう。
~アート・建築を介して、いつもと違う体験や交流を~
◆ 日時|
STEP1 2023年11月26日(日) 10:00~12:15(受付 9:45)
STEP2 2023年12月3日(日) 14:00~16:10(受付 13:45)
※2日間セットでの開催です。両日ともにご参加ください。
◆ 会場|東京都美術館
◆ 集合場所|東京都美術館 交流棟 2階アートスタディルーム
◆ 対象|全ての大人の皆さま(20歳以上)、STEP1・2ともに参加できる方
◆ 定員|15名(要事前申込み・先着順)※定員に達し次第、受付を終了します。
◆ 参加費|無料(ただし、STEP1では、別途「上野アーティストプロジェクト2023 いのちをうつす ―菌類、植物、動物、人間」の展覧会観覧料が必要です)
◆ 参加方法|申込ボタンをクリックして申込フォームにご記入ください。

■ 展覧会情報 ■ (STEP1のプログラムで鑑賞します)
上野アーティストプロジェクト2023
いのちをうつす ―菌類、植物、動物、人間
会場:ギャラリーA/C
当日券 一般 500円 / 65歳以上 300円 / 学生以下無料
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料
※いずれも証明できるものをご提示ください
※同時期開催の特別展「永遠の都ローマ展」のチケット提示にて入場無料となります。
[同時開催]
コレクション展「動物園にて ―東京都コレクションを中心に」
会場:ギャラリーB
入場無料
*広報や記録用に撮影・録音を行います。ご了承ください。
*本フォームでの申込みが完了すると「返信先Eメールアドレス」宛にメールが届きます。必ずご確認ください。受付完了のメールが届かない場合は、下記メールアドレスまたはお電話にてご連絡ください。
*特別に配慮が必要な方は、下記メールアドレスまたはお電話にてお知らせください。
●メール:p-tobira@tobira-project.info(とびらプロジェクト)
●電話:03-3823-6921(東京都美術館代表電話にて「とびらプロジェクト」の担当者をお呼び出しください)
2023.10.23
第6回鑑賞実践講座|「ファシリテーション実践 ふりかえりの仕方(コーチング)について」
日時|2023年10月23日(月)13:00〜17:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム、スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)、ARDAコーチ5名
内容|グループ鑑賞の実践と、ふりかえりの仕方(コーチング)について
・
第6回の講座では、Visual Thinking Strategies(VTS)鑑賞のファシリテーションをふりかえって次の実践に生かしていくための「コーチング」の方法を知り、実践しました。
・
・
コーチンングのデモンストレーションをしてくれたのは、ARDA(NPO法人芸術資源開発機構)の5人のコーチのみなさん。第3回から2ヶ月ぶりの登場です。「個人的に最近ハマっていること」を紹介してもらいながら、コーチたちの日常も垣間見つつなごやかなスタートになりました。
・
・
とびラーがクリテイカルな視点を持ち、よい観察とよい振り返りを行いながら、ファシリテーションした鑑賞の場をブラッシュアップしていくことは、とても重要です。
・
ですが、「敬意を持って、忌憚なく、建設的に」お互いが振り返りの意見を出し合いながら解決策を見つけていくのは、実は結構難しいこと。その振り返り自体も共同構築的なまなび場としてつくっていく必要があります。
・
今回の講座では、そもそも「敬意を持って、忌憚なく、建設的に」行われる振り返りの場とはどんなものか、まずはそのことをグループで話し合いました。
・
・
そのあとは、グループに分かれてVTS鑑賞の実践を行い、ARDAコーチのコーチングデモンストレーションを経て、それぞれのチームがコーチ役を立てて振り返りの場づくりを実践していきました。
・
・
今後も、今日の観察と振り返りの方法をファシリテーションのブラッシュアップに活かしていってもらえたらと思います。
・
(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)
2023.10.22

日時|10月22日(日)13:30〜15:30
場所|東京都美術館 講堂
講師|松見幸太郎(NPO法人 キッズドア)
テーマ|「経済格差とこどもたちの文化的状況」
MuseumStartあいうえの ダイバーシティ・プログラム「ミュージアム・トリップ」にて、数年にわたり連携を続けているNPO法人キッズドアの松見幸太郎さんからお話をお聞きしました。(キッズドアとの連携プログラムの様子はこちら。)

プログラムで子どもたちと活動するとびラーが、キッズドアの学習支援等とつながる子どもたちの文化的状況やその社会的背景について知る貴重な機会です。


「体験格差」を生み出す貧困という社会的課題の現在を知ることで、とびラーが、アート・コミュニケータや美術館・文化施設のあらたな役割にも目を向けていく時間になりました。


今後も、MuseumStartあいうえのと様々な機関との連携の中で、とびラーが子どもたちをミュージアムでの体験へとつないでいきます。
(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)
2023.10.14
第4回建築実践講座|「1階革命
――私設公民館「喫茶ランドリー」とまちづくり」
日時|2023年10月14日(日) 14:00~17:00
会場|東京都美術館 講堂
講師|田中元子 / 株式会社グランドレベル代表取締役
田中元子さんより、海外で出会った様々な事例から喫茶ランドリーを開店するまでのいきさつを伺い、
とびラーたちが東京都美術館の中に、パブリックとプライベートの交差点である「マイパブリック」を探しに出かけました。
マイパブリックは多種多様。私はどこで、何をしたいのか。
とびラーそれぞれが見つけてきた東京都美術館の中の「マイパブリック」を発表しました。
とびラーのふりかえりを抜粋します。
ーーーーーーーーーー
・「マイパブリック」は視座が180℃ひっくり返る破壊力だった。公共をつくるのは自分一人でも始められる。そうか、フリーコーヒーは「私が」街の人に声をかける自由を得るものなのか。
・自分の好きな事をするのは、持続可能にする事だと、改めて気がつきました。「誰かのため」ではなくて「自分がやりたいからやる」。そういうマインドを大切にしたいです。
・「マイパブリック」という観点で考えること、が、だれかの居場所を作れるのかもしれないと思い、自分の思いや考えを大切にしようと思った。
ーーーーーーーーーー
(とびらプロジェクト コーディネータ 工藤阿貴)
2023.10.10
日時|2023年10月10日(火)10時〜16時
展覧会|永遠の都ローマ展(会期:2023年9月16日(土)~12月10日(日))
・
2023年10月10日(火)、東京都美術館で現在開催中の「永遠の都ローマ展」にて「障害のある方のための特別鑑賞会」を開催しました。この鑑賞会は、障害のある方がより安心して鑑賞できるよう、特別展の休室日に事前申込制で開催しています。
・
当日はお天気にも恵まれ、たくさんの方が「永遠の都ローマ展」に来場し、ローマをめぐり生み出された壮大な美の歴史に触れていました。
アート・コミュニケータは受付や展示室内など、館内の様々な場所で来場者のサポートをしました。
写真とともに、当日の様子をお伝えします。
・
・
・
・
普段は混雑することもある展示室。
この日は、事前申込・定員制のため、障害のある方にも、より安全にゆったりと展覧会をご覧いただくことができます。
・
・
来場者のみなさんは、同行した介助者や当日会場でお迎えしているアート・コミュニケータとのお話も楽しみながら、世界的にもっとも歴史の古い美術館の一つに数えらるカピトリーノ美術館のコレクションのなかから選りすぐりの名品に目を凝らしていました。
・
・
アート・コミュニケータは、お車でお越しの方の入館時のお出迎えや、受付、エレベータやエスカレータの見守りなど、館内の様々な場所でも来館者をサポートしました。
・
・
・
・
当日を楽しみに来館していただけるように、事前の参加証を郵送する封筒のデザインにも、とびラー(アート・コミュニケータ)がひと工夫しています。今回の展覧会に合わせて「消しゴムハンコ」でデザインをした封筒のバリエーションを、展示室出口の休憩スペースにて紹介しました。
・
・
・
・・
・
次の鑑賞会でもみなさまにお会いできるのを、アート・コミュニケータ一同楽しみにしています。
2023.10.09
・
第5回鑑賞実践講座|「ファシリテーション事前準備」
日時|2023年10月9日(月)13:00〜17:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム、スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)
内容|作品に近づく事前準備(グループ作品研究、個人作品研究「ひとりVTS」)
・
・
第5回の講座では、Visual Thinking Strategies鑑賞(VTS)のファシリテーションをするための事前の準備について知り、複数人のグループワークと個人ワークを通じて理解していきました。
・
VTS鑑賞では、まずファシリテータ自身が作品を事前によくみて、味わい、作品のテーマや魅力を掴んでおくことが重要です。事前の作品研究では、時間をかけて丁寧に作品をみながら、テーマや魅力を読み解いていきます。
・
・
まずはグループでの作品研究。
・
お互いの視点を聞き合い、それぞれの意見を主観的意見と客観的意見に分類し、作品から見つけられる根拠や主観的解釈を補完してマッピングしながら、作品研究シートを作成していきます。
・
・
つぎに、個人での作品研究です。
普段ファシリテータとして事前準備をする際は、担当する鑑賞作品をそれぞれが自分で準備する場面が増えていきます。
そのため、事前にひとりで作品の魅力やテーマに近づけるように練習することも重要になります。
こちらも、時間をかけて作品研究の練習を行いました。
・
・
これまで以上にじっくりと考える作業が続いた第5回鑑賞実践講座。
参加したとびラーやDOOR受講生・藝大生からは、講座後に「頭を使いすぎてグッタリと疲れた」という声も聞かれました。
VTS鑑賞の体験をかけがえのない時間にしていくために、どれだけ事前の準備ができるかが実際の鑑賞の鍵を握ります。ファシリテーションの事前準備、今後もしっかりと身につけていってもらえたらと思います。
・
(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)
2023.10.08
執筆者:小野関亮吉
同じとびラーといっても背景は人それぞれで、持っている興味関心もさまざまです。学びたいことや実現したいことの方向性が違えば、活動内容も変わってきます。
でもせっかく同じ時期にとびラーになったのだから、一人ひとりのことをもっと知りたくなりました。そこでこんなとびラボを「この指とまれ」しました。
※この指とまれ とは?
とびラーは、新しい活動のアイデアがひらめいたら「この指とまれ!」で他のとびラーを集めてチームを作ります。はじまるときには3人以上からスタートします。

人生の中で、一度に100人以上の人たちと出会う機会がどれくらいあるでしょうか?
それも同年代や同業種ばかりではなく、むしろ共通点を見つけることが難しく思えるような多種多様な人たちと。
私は入学や入社というライフイベントからだいぶ時間が経ってしまった年代ですが、この年齢になってからこれほど多くの人たちと知り合い、ともに活動できる機会に巡り会えるとは思ってもいませんでした。さらにそのステージは、東京都美術館であり、時には東京藝術大学のキャンパスの時もあります。とびラーとしての活動が始まった頃は、地に足のつかない思いだったことを思い出します。
とびラーになるとまず、美術館やアートコミュニケーションに関する基礎知識を学べる講座を受講します。基礎講座が始まると、徐々にとびラーたちの名前と顔が一致してきて、ここに集まった人たちがどんな人なのかをもっと知りたいし、私のことも知ってほしいと思いました。
知りたいのは、経歴や職業ではない。今興味のあることや大事にしているものなどから、その人の「人となり」を感じたいと思いました。しかし、いくらとびラー同士といってもねほりはほり尋ねるわけにもいきません。そこで、自然と「人となり」を伺い知れるアイテムって何だろう?と考えて、本に注目しました。
誰の本棚にも、捨てられない本や、忘れられない本、もう一度読みたい本があるでしょう。その中からお気に入りの1冊を持ち寄って、その本と自分とのエピソードを語ってもらったら、その人自身に近づけるのではないかと考えました。
「この指とまれ」をする時のメッセージには、
「本の内容や、どんなにすばらしい本か、ということではなく、
どうしてその本を手に取ったのか?
どうしてその本を大事にしているのか?
その本からどんな影響を受けたのか?
・・・といったこと。つまり、
あなたの好きな「本の話」ではなく、本が好きな「あなたの話」をしましょう。」
というメッセージを込めました。
そして、集まったとびラーたちと、時間配分や順番の決め方、進行役や記録役などの役割分担も相談し、参加するとびラーみんなの語りに耳を傾け合う時間を設計しました。

話し合いを重ねている様子
「とびラー文庫」は、計3回開催しました。
以下は参加したとびラーたちが、お気に入りの本を片手に話してくれたことを要約し、どんな人かを一言で表したものです。この記事を読んでくださっている方々にも、とびラーがどんなにバラエティ豊かな人たちの集まりであるかを感じてもらえたら嬉しいです。
・予備校講師の本の中の言葉から勇気をもらい、人生の大きな選択をした人
・ずっと同じ作家の小説を読み続け、作品ごとのスタイルの変化も楽しんでいる人
・一人旅には必ず本を一冊持って行く人
・古典文学から当時の恋愛事情や風習に興味を持った人
・中高生向けの哲学書を読んだ時に、周囲と自分との距離感を感じたという人
・カフカの作品だけでなく、人物像や作品をとりまく様々な考察を楽しむ人
・1930年代~1950年代頃のよく眠れる小説が好きという人
・スポーツを上達したいと足掻いていた頃に出会った本が、今でも自分の支えになっている人
・大きな地図の上で、自分が行った場所の距離感やスケール感を感じている人
・歴史に詳しく、歴史考証、科学考証がしっかりされた重厚な小説が好きな人
・絵本を読んで、自分の認識や価値観に鏡を向けられたように感じた人
・音楽を聴くように文章そのものを味わっている人
・ずっと読んでいたブログが書籍化され、その作者とのつながりができた人
・道を極めた染色家の思想や哲学に感銘を受けた人
・借金まみれの作家に関わった女性たちの気持ちを想像して、自分事のように怒ったり悲しんだりしている人
・建築界を舞台にした小説の登場人物に実在の建築家を重ねて楽しんでいる人
・長く続く歴史小説シリーズの怒涛の伏線回収にたまらない快感を覚えている人
・落ち込んだ時や疲れた時に何度も読み返す本が付箋だらけになっている人
・家出願望のあった思春期に、本の中に解放感を感じた人
・受刑者の詩集から、閉ざされた状況の中でも自由な感性が開かれる喜びを感じた人
・平凡な日常の学園生活を描いたマンガにどっぷりはまってしまった人
・ある“絵描き”が楽しそうにスケッチする様子から、自分の生き方を考えさせられた人


各々持ち寄った本をプレゼンテーションしている様子
こうして改めて並べてみても、どのお話からも一人ひとりが経験してきたことの厚みを感じます。そしてエピソードを語る声色や表情は、ある人は淡々と、ある人は情感豊かで、それぞれの独特な空気が表れていました。その人の好きなものや記憶に触れることができるアイテムを媒介にして、今目の前にいる人の「人となり」を感じられる機会となりました。願わくば、全てのとびラーのお話をきいてみたい。そう思えたとびラボでした。

とびらプロジェクトでは「対話」が大切にされています。そして対話のための安心安全な場づくりについても、考える機会がたくさんあります。
この「とびラー文庫」では、一人が語り手となり、その他は聴き手となってゆっくりと話を聴き、その後に感想を言ったり質問したりする構成にしました。参加者は聴いている時間の方が随分と長いことになるのですが、皆が誰の話にも興味深く聞き入り、共感や驚きなどの反応を示していました。互いに関心を持っていることが態度にも表れており、受け入れてもらえる安心感のある場になっていたのではないかと思います。
また、「本」というモノを媒介としたことで、その人の趣味嗜好に加えて、その人がどんな経験をし、どんなことに感動してきたのかを知ることができました。ストーリーや思い出を纏う本というアイテムは、「人となり」を感じたいテーマとの相性が良く、対話を濃密にする効果があり、この場を共有したことによる親近感につなげられたました。
冒頭でも書いたように、同じとびラーでも興味関心は様々で、活動内容も人それぞれです。
とびらの活動に限らず、日常の中で自分とは考え方の違う人もいるでしょうし、意見がぶつかり合ってしまうこともあるかもしれません。しかし、間にモノを置き、モノを一緒に眺めながら互いの声に耳を傾け思いを巡らせ合うと、その人の価値観がゆっくりと自分の中に浸透してくるような感じがします。そして人と深く知り合うことは、自分とは違う感性を持つその人のことも、愛おしく感じられるようになるのだと思います。
誰かともう少し知り合いたくなった時、皆さんならどんなモノを選びますか?

執筆者:11期とびラー 小野関亮吉
普段はゲームソフトの開発現場でプロジェクトマネージャーをしています。公私共に人と関わる機会が少なくなっていることを感じ、コミュニケーションが生まれる仕組みやコミュニティ作りに関心を持つようになりました。美術館は作品を鑑賞するだけでなく、誰かかと出会える場所であることを伝えていきたいです。