東京都美術館× 東京藝術大学 「とびらプロジェクト」

お知らせ・募集

〈申込終了〉【参加者募集!】誰かとおしゃべりミュージアム

2023.11.12

美術館っておしゃべり禁止でしょ?いいえ、そんなことはないんです。誰かと静かに対話しながら鑑賞することで新しい発見がみえてくるんです。その日出会った人たちや、とびラー(アート・コミュニケータ)と一緒におしゃべりを楽しみながら、「いのちをうつす」展の作品をみてみませんか?もっと話したい!誰かと一緒にみるって楽しい!きっとそんな体験になるはずです。30分ほどの短いプログラムですのでどなたでもお気軽にご参加ください。いつもと違うアート鑑賞をあなたも味わってみませんか?

※プログラム前にくじを引いてチーム分けをします。ご友人・ご家族同士でお申し込みの場合も、別々のチームになることがあります。

 

【開催概要】

日時

(1)第1回 2023年11月24日(金)18:30〜19:05  (18:20受付開始)

(2)第2回 2023年12月15日(金)14:00~14:35  (13:50受付開始)

(3)第3回 2023年12月20日(水)14:00~14:35  (13:50受付開始)

※すべて同じ内容です。

会場東京都美術館 ギャラリーA・C 

対象|どなたでも。初対面の方と一緒に作品を鑑賞してみたい方。

定員|各回10名 ※先着順。員に達し次第、申込み受付を終了します。

参加費|無料 ※ただし「上野アーティストプロジェクト2023 いのちをうつす ―菌類、植物、動物、人間」展の観覧料が必要です。(一般500円、65歳以上300円、学生以下無料)

※身体障害者手帳をお持ちの方とその介助者の方は無料。(証明できるものをご提示ください)

※同時期開催の特別「永遠の都 ローマhttps://roma2023-24.jp/)」チケット提示にて入場無料。

参加方法|事前申込制。下記、申し込みフォームにてお申し込みください。

 

11月24日(金)18:30〜19:05 のご参加


② 12月15日(金)14:00~14:35 のご参加


② 12月20日(水)14:00~14:35 のご参加


【申込の際にお願い】
1)参加される方のお名前でお申込みください。
2)複数名での参加を希望の場合、参加希望のそれぞれ1人ずつの申込が必要です。

※小学生以下のお子様が参加される場合は、その他連絡事項欄に年齢のご記入をお願いします。
※特別に配慮が必要な方はお知らせください。
※本フォームでのお申し込みが完了すると、「返信先Eメールアドレス」宛にメールが届きます。必ずご確認ください。
※お申し込み前に「迷惑メール」などの設定を確認し、「@tobikan.jp」からのメールを受信できるようにしてください。申込受付完了の自動返信メールが届かない場合は、お申込みされたお名前と電話番号を明記のうえ、p-tobira@tobira-project.info(とびらプロジェクト)宛にメールをお送りください。
※広報や記録用に撮影を行います。ご了承ください。

 


【展覧会情報】

上野アーティストプロジェクト2023
いのちをうつす ―菌類、植物、動物、人間

会期:2023年11月16日(木)~2024年1月8日(月・祝)

会場:東京都美術館 ギャラリーA・C
観覧料:当日券 一般 500円 / 65歳以上 300円 / 学生以下無料
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料。いずれも証明できるものをご提示ください。
※同時期開催の特別「永遠の都 ローマhttps://roma2023-24.jp/)」チケット提示にて入場無料。

お問い合わせ

●メール:p-tobira@tobira-project.info(とびらプロジェクト)
●電話:03-3823-6921(東京都美術館代表電話にて「とびらプロジェクト」の担当者をお呼び出しください)

〈申込終了〉【参加者募集!】みえない人とみえる人が一緒に楽しむアート鑑賞 『みんなでみる美術館』

2023.11.11

募集用イラスト

 

「作品をともにみる」とは、どういうこと?

「誰かとともにある」とは、どういうこと?

「みんなでみる美術館」はみえない人とみえる人で一緒に作品を鑑賞するワークショップです。

みえない人とみえる人の対話を通じて、作品の魅力に気づくことができる。お互いの視点があるから作品を味わうことができ、作品を通じてお互いのことを知ることができる。
そんな豊かな鑑賞を目指し、みえない人とみえる人が一緒にアート鑑賞を楽しむ場をつくりたいと思います。

感じたことや気づいたこと、わからないことを伝えあいながら、みんなで一緒にアートを楽しんでみませんか。

 

みえない人とみえる人が一緒に楽しむアート鑑賞

『みんなでみる美術館』


日時|2023年12月16日(土)13:30〜15:30 (受付開始 13:15)
会場|東京都美術館
集合|東京都美術館 交流棟2階 アートスタディールーム
対象|視覚障害者(+介助者)、晴眼者
定員|みえない人・みえにくい人:6名(介助者各1名可)
   みえる人:6名
参加費 | 無料
※ただし、別途「上野アーティストプロジェクト2023 いのちをうつす ―菌類、植物、動物、人間」展の展覧会観覧料が必要です。一般500円、65歳以上300円、学生以下無料。
※身体障害者手帳等をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料です。当日証明できるものをご用意ください。
参加方法|事前申込制
申込締切|11月24日(金)
※応募者が多数の場合は抽選になります。抽選結果は11月末までにメールにてご連絡いたします。


みえない人・みえにくい人は、この下のリンクからお申し込みください。

フォームへの入力が難しい方は、件名を「みんなでみる美術館申し込み」とし、下記項目を
メールアドレス:p-tobira@tobira-project.infoまでご連絡ください。

【項目】
1.名前:
2.年齢:
3.アドレス:
4.応募動機:
5.当日の介助者/盲導犬の有無:
6.上野駅までの送迎が必要か不要か:
※必要な場合、JR、東京メトロ(銀座線)、東京メトロ(日比谷線)、京成線のいずれがよいか:
※当日ご連絡できるお電話番号(送迎を希望される方のみ):
7.見え方の程度(任意):
8.その他連絡事項:

 

 

みえる人(晴眼者)は、この下のリンクからお申し込みください。

 

※広報や記録用に撮影・録音を行います。ご了承ください。

キャンセル、変更のご連絡は以下までお願いします。
p-tobira@tobira-project.info

TEL : 03-3823-6921(東京都美術館 代表)

〈申込終了〉【参加者募集!】大人のOFF ~アート・建築を介して、いつもと違う体験や交流を~

2023.11.05

 

職場や家庭で日々忙しく過ごしている皆さま、

東京都美術館で日常から少し離れて「大人のOFF」を味わってみませんか?

とびラー(アート・コミュニケータ)と一緒に、アート・建築を介して、いつもと違う体験や交流ができる2日間のプログラムです。

1日目は「とびラーお薦めのアート鑑賞」、

2日目は「前川國男設計のモダニズム建築ツアー」をみんなで体験します。

このプログラムを通じて、心が豊かになる時間「大人のOFF」を一緒に楽しみましょう。

 


 

大人のOFF

~アート・建築を介して、いつもと違う体験や交流を~

日時
    STEP1 2023年11月26日(日)   10:00~12:15(受付 9:45)
    STEP2 2023年12月3日(日)     14:00~16:10(受付 13:45)

※2日間セットでの開催です。両日ともにご参加ください。

会場|東京都美術館

集合場所|東京都美術館 交流棟 2階アートスタディルーム

対象|全ての大人の皆さま(20歳以上)、STEP1・2ともに参加できる方

定員|15名(要事前申込み・先着順)員に達し次第、受付を終了します。

参加費|無料(ただし、STEP1では、別途「上野アーティストプロジェクト2023 いのちをうつす ―菌類、植物、動物、人間」の展覧会観覧料が必要です)

参加方法|申込ボタンをクリックして申込フォームにご記入ください。

 

受付

 


 

展覧会情報  (STEP1のプログラムで鑑賞します)

上野アーティストプロジェクト2023
いのちをうつす ―菌類、植物、動物、人間
会場:ギャラリーA/C
当日券 一般 500円 / 65歳以上 300円 / 学生以下無料

※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料
※いずれも証明できるものをご提示ください
※同時期開催の特別展「永遠の都ローマ展」のチケット提示にて入場無料となります。

 

[同時開催]

コレクション展「動物園にて ―東京都コレクションを中心に」
会場:ギャラリーB
入場無料

 


*広報や記録用に撮影・録音を行います。ご了承ください。
*本フォームでの申込みが完了すると「返信先Eメールアドレス」宛にメールが届きます。必ずご確認ください。受付完了のメールが届かない場合は、下記メールアドレスまたはお電話にてご連絡ください。
*特別に配慮が必要な方は、下記メールアドレスまたはお電話にてお知らせください。
●メール:p-tobira@tobira-project.info(とびらプロジェクト)
●電話:03-3823-6921(東京都美術館代表電話にて「とびらプロジェクト」の担当者をお呼び出しください)


 

2023鑑賞実践講座⑥|「ファシリテーション実践 ふりかえりの仕方(コーチング)について」

2023.10.23

 

 


 

第6回鑑賞実践講座|「ファシリテーション実践 ふりかえりの仕方(コーチング)について」

日時|2023年10月23日(月)13:00〜17:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム、スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)、ARDAコーチ5名
内容|グループ鑑賞の実践と、ふりかえりの仕方(コーチング)について

 


第6回の講座では、Visual Thinking Strategies(VTS)鑑賞のファシリテーションをふりかえって次の実践に生かしていくための「コーチング」の方法を知り、実践しました。

コーチンングのデモンストレーションをしてくれたのは、ARDA(NPO法人芸術資源開発機構)の5人のコーチのみなさん。第3回から2ヶ月ぶりの登場です。「個人的に最近ハマっていること」を紹介してもらいながら、コーチたちの日常も垣間見つつなごやかなスタートになりました。

とびラーがクリテイカルな視点を持ち、よい観察とよい振り返りを行いながら、ファシリテーションした鑑賞の場をブラッシュアップしていくことは、とても重要です。

ですが、「敬意を持って、忌憚なく、建設的に」お互いが振り返りの意見を出し合いながら解決策を見つけていくのは、実は結構難しいこと。その振り返り自体も共同構築的なまなび場としてつくっていく必要があります。

今回の講座では、そもそも「敬意を持って、忌憚なく、建設的に」行われる振り返りの場とはどんなものか、まずはそのことをグループで話し合いました。

そのあとは、グループに分かれてVTS鑑賞の実践を行い、ARDAコーチのコーチングデモンストレーションを経て、それぞれのチームがコーチ役を立てて振り返りの場づくりを実践していきました。

今後も、今日の観察と振り返りの方法をファシリテーションのブラッシュアップに活かしていってもらえたらと思います。


 

(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)

2023アクセス実践講座⑤|経済格差とこどもたちの文化的状況

2023.10.22


日時|10月22日(日)13:30〜15:30
場所|東京都美術館 講堂
講師|松見幸太郎(NPO法人 キッズドア)
テーマ|「経済格差とこどもたちの文化的状況」


 

MuseumStartあいうえの ダイバーシティ・プログラム「ミュージアム・トリップ」にて、数年にわたり連携を続けているNPO法人キッズドアの松見幸太郎さんからお話をお聞きしました。(キッズドアとの連携プログラムの様子はこちら。

 

 

プログラムで子どもたちと活動するとびラーが、キッズドアの学習支援等とつながる子どもたちの文化的状況やその社会的背景について知る貴重な機会です。

 

 

「体験格差」を生み出す貧困という社会的課題の現在を知ることで、とびラーが、アート・コミュニケータや美術館・文化施設のあらたな役割にも目を向けていく時間になりました。

 

 

今後も、MuseumStartあいうえのと様々な機関との連携の中で、とびラーが子どもたちをミュージアムでの体験へとつないでいきます。

 

(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)

2023建築実践講座④|「1階革命 ――私設公民館「喫茶ランドリー」とまちづくり」」

2023.10.14

第4回建築実践講座|「1階革命
――私設公民館「喫茶ランドリー」とまちづくり」

日時|2023年10月14日(日) 14:00~17:00
会場|東京都美術館 講堂
講師|田中元子 / 株式会社グランドレベル代表取締役

 

 

 

田中元子さんより、海外で出会った様々な事例から喫茶ランドリーを開店するまでのいきさつを伺い、

とびラーたちが東京都美術館の中に、パブリックとプライベートの交差点である「マイパブリック」を探しに出かけました。

 

マイパブリックは多種多様。私はどこで、何をしたいのか。

とびラーそれぞれが見つけてきた東京都美術館の中の「マイパブリック」を発表しました。

 

 

 

とびラーのふりかえりを抜粋します。

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・「マイパブリック」は視座が180℃ひっくり返る破壊力だった。公共をつくるのは自分一人でも始められる。そうか、フリーコーヒーは「私が」街の人に声をかける自由を得るものなのか。

 

・自分の好きな事をするのは、持続可能にする事だと、改めて気がつきました。「誰かのため」ではなくて「自分がやりたいからやる」。そういうマインドを大切にしたいです。

 

・「マイパブリック」という観点で考えること、が、だれかの居場所を作れるのかもしれないと思い、自分の思いや考えを大切にしようと思った。

ーーーーーーーーーー

(とびらプロジェクト コーディネータ 工藤阿貴)

【開催報告】障害のある方のための特別鑑賞会:「永遠の都ローマ展」

2023.10.10

日時|2023年10月10日(火)10時〜16時
展覧会|永遠の都ローマ展(会期:2023年9月16日(土)~12月10日(日))


2023年10月10日(火)、東京都美術館で現在開催中の「永遠の都ローマ展」にて「障害のある方のための特別鑑賞会」を開催しました。この鑑賞会は、障害のある方がより安心して鑑賞できるよう、特別展の休室日に事前申込制で開催しています。

当日はお天気にも恵まれ、たくさんの方が「永遠の都ローマ展」に来場し、ローマをめぐり生み出された壮大な美の歴史に触れていました。

アート・コミュニケータは受付や展示室内など、館内の様々な場所で来場者のサポートをしました。

写真とともに、当日の様子をお伝えします。


普段は混雑することもある展示室。

この日は、事前申込・定員制のため、障害のある方にも、より安全にゆったりと展覧会をご覧いただくことができます。

 

 

 

来場者のみなさんは、同行した介助者や当日会場でお迎えしているアート・コミュニケータとのお話も楽しみながら、世界的にもっとも歴史の古い美術館の一つに数えらるカピトリーノ美術館のコレクションのなかから選りすぐりの名品に目を凝らしていました。

 

 


アート・コミュニケータは、お車でお越しの方の入館時のお出迎えや、受付、エレベータやエスカレータの見守りなど、館内の様々な場所でも来館者をサポートしました。

 

 


当日を楽しみに来館していただけるように、事前の参加証を郵送する封筒のデザインにも、とびラー(アート・コミュニケータ)がひと工夫しています。今回の展覧会に合わせて「消しゴムハンコ」でデザインをした封筒のバリエーションを、展示室出口の休憩スペースにて紹介しました。

・・


次回は、2024年2月13日(火)、「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」にて開催を予定しています。

次の鑑賞会でもみなさまにお会いできるのを、アート・コミュニケータ一同楽しみにしています。

・・
(とびらプロジェクトコーディネータ 越川さくら)


「障害のある方のための特別鑑賞会」は、東京都美術館の特別展ごとに1回ずつ開催しています。
詳細、お申し込みはこちらからどうぞ:https://www.tobikan.jp/learn/accessprogram.html


2023鑑賞実践講座⑤|「ファシリテーション事前準備」

2023.10.09

 


 

第5回鑑賞実践講座|「ファシリテーション事前準備」

日時|2023年10月9日(月)13:00〜17:00
会場|東京都美術館 アートスタディルーム、スタジオ
講師|三ツ木紀英(NPO法人 芸術資源開発機構(ARDA)
内容|作品に近づく事前準備(グループ作品研究、個人作品研究「ひとりVTS」)

 


第5回の講座では、Visual Thinking Strategies鑑賞(VTS)のファシリテーションをするための事前の準備について知り、複数人のグループワークと個人ワークを通じて理解していきました。

VTS鑑賞では、まずファシリテータ自身が作品を事前によくみて、味わい、作品のテーマや魅力を掴んでおくことが重要です。事前の作品研究では、時間をかけて丁寧に作品をみながら、テーマや魅力を読み解いていきます。


まずはグループでの作品研究。

お互いの視点を聞き合い、それぞれの意見を主観的意見と客観的意見に分類し、作品から見つけられる根拠や主観的解釈を補完してマッピングしながら、作品研究シートを作成していきます。

 

つぎに、個人での作品研究です。

普段ファシリテータとして事前準備をする際は、担当する鑑賞作品をそれぞれが自分で準備する場面が増えていきます。

そのため、事前にひとりで作品の魅力やテーマに近づけるように練習することも重要になります。

こちらも、時間をかけて作品研究の練習を行いました。

これまで以上にじっくりと考える作業が続いた第5回鑑賞実践講座。

参加したとびラーやDOOR受講生・藝大生からは、講座後に「頭を使いすぎてグッタリと疲れた」という声も聞かれました。

VTS鑑賞の体験をかけがえのない時間にしていくために、どれだけ事前の準備ができるかが実際の鑑賞の鍵を握ります。ファシリテーションの事前準備、今後もしっかりと身につけていってもらえたらと思います。

 

 

 


 

(とびらプロジェクト コーディネータ 越川さくら)

【開催報告】野外彫刻を楽しむ

2023.10.07

東京都美術館の正門から美術館内に向かう広場に野外彫刻があるのをご存じですか。「あの銀色の大きな球?」そうです。それだけではありません。東京都美術館には、いつでも会える10点の野外彫刻があります。私たち、東京都美術館のアートコミュニケータ、通称「とびラー」は、日々の活動の中で「野外彫刻っておもしろいかも?」と、その魅力に気がつき始めていました。

東京都美術館の数少ない常設展示である野外彫刻を、多くの人と対話を通して鑑賞し、新たなコミュニケーションの場を作りたい。野外彫刻に関心を持っていただき、発見や楽しみを分かち合いたい。そんな思いでこの企画を始めました。

 

 

 

  1. 準備

・・

(1)徹底的に楽しむ

2023年4月のラボの立ち上げから約半年にわたる活動では、まず、自分たちが野外彫刻の魅力を徹底的に楽しむことから始めました。雨の日には、水に濡れて変わる素材の石の色や水滴の魅力、晴れの日には、光の反射、ひなたと日陰のコントラスト。新緑の背景、聞こえてくる鳥の声。季節や時間が違うことで様々な彫刻の顔が見えます。野外彫刻の足元に咲いている小さな花や、建物の色が彫刻に映る美しさも新たな発見です。近づいてみたり、離れてみたり。みんなでわいわいと話しながら、「よく見る」「感じる」「話す」「仲間の意見をよく聞く」のステップを踏むことで、一人では気がつかなかった多くの発見を共有していきました。その過程の中で、野外彫刻がどんどん愛おしく感じられて、「魅力を伝える」モチベーションが高まっていきました。

 

 

(2)作品研究

次のステップでは、それぞれの作品研究を行いました。担当を決めて、作者の人となりや、エピソード、作品の背景や素材、他にはどんな作品があるのかなど、様々な角度から参考資料を当たり、手作りのスライドなどを使って発表会を行いました。メンバーの声で印象的だったのは、「事前にみんなで自由に作品を楽しんでいたから、作者の意図や背景がすっと胸に落ちた気がする。最初に調べて、頭でっかちになって作品を鑑賞しても、この面白さは味わえなかったのではないか。」という言葉でした。仲間と自分自身が調べた情報を共有することで、作品への愛着が深まっていきました。

 

 

(3)プログラムの検討

野外彫刻への高まる愛を胸に、この面白さをどう参加者に伝えることができるか、その方法の検討が始まりました。鑑賞する作品、グループの人数、スタッフの役割分担、タイムスケジュールなど多くのことを具体的に決めていきました。

こだわり①

私たちのプログラムでは、「自分が気になる作品を担当する」ことを大事にして、ファシリテータを務めるとびラーが希望する作品を自ら案内することにしました。どの作品も魅力的ですが、とびラーそれぞれの思い入れがある作品を案内する時の熱意は、必ず参加者に伝わって、いい結果を生むのではないかという考えでした。

こだわり②

楽しい鑑賞を行うためには、参加者が安全に安心して過ごしていただくことが不可欠です。実施を予定した9月は初秋とはいえ、暑い屋外で過ごすため、熱中症予防に鑑賞の合間に空調の効いた建物で一度休むコース設定や、水分補給の声かけを行いました。また、鑑賞するふたつの作品がある東門のエリアは、大きな木に囲まれて、館内にいながらにして自然を感じられる場所なのですが、なんと蚊が多い。そのため虫よけスプレーをサポート役が携帯し、必要に応じて使えるよう準備しました。

(4)トライアルとアイスブレイク開発

プログラムの骨組みが決まると、とびラー仲間から参加者を募集して、本番さながらにトライアルを行いました。そこで寄せられた意見も反映しながらリハーサルを重ねて、安心・安全かつ、みんなで楽しめるプログラムへとブラッシュアップしていきました。

あわせて検討したのは、作品鑑賞に入る前のアイスブレイクの時間をどう過ごして、頭と心のウォーミングアップを行ったらいいだろうかということでした。ここで誕生したのが「小さな立体を作るゲーム」です。

まず、立方体、球体、円筒など、用意した様々な形の木材と石から、各自が3つ程度のパーツを選び、それらを組み合わせて立体作品を作ります。

次に、全員椅子から立ち上がり、机の周りをまわって、360度からそれぞれの作品をよく見て鑑賞しあいます。その後、気になった作品が「どのように見えるか」、そして作った本人が「どういうイメージで作ったか」を語り合うゲームは、仲間の言葉から、自分では意図していなかったことへの気づきと共感があり、トライアルでも期待以上に盛り上がりました。

作品を三次元でよく見ることの大切さ、鑑賞は自由であること、遠慮をせずに意見を声に出すことなどを体験し、グループで鑑賞するためのウォーミングアップになるという手ごたえを感じるものとなりました。

 

 

 

2.プログラムの実施

さて、いよいよ本番です。事前にホームページでお知らせし、一般応募いただいた方をお迎えして、同じ内容で2回行いました。

 

開始前に気合を入れるメンバー


野外彫刻を楽しむ

開催概要

■開催日時: 2023年9月30日(土)と10月7日(土) 14時~16時

■参加人数: (9/30) 一般参加者 13名 とびラー:13名

・・(10/7)一般参加者 14名 とびラー:17名

 

■会場:東京都美術館屋外エスプラナード及び東門、アートスタディルーム

 

■プログラム概要:参加者が4〜5名のグループに分かれ、アイスブレイクを経て、野外彫刻3作品を鑑賞する。室内に戻りグループごとのふりかえり、その後全体で鑑賞したなかでの発見や気づきを共有する。


(1)開会~アイスブレイク

冒頭ではアートスタディルームでスライドを使い、プロジェクトとプログラムの概要を説明し、みんなで野外彫刻を鑑賞するコツ「よく見る・感じる・言葉にする・よく聞く」で、自由に楽しみましょうとお伝えして、グループごとにプログラムがスタートしました。

 

まずはお互いのことを知り、発言しやすい場をつくるために自己紹介。アイスブレイク「小さな立体を作るゲーム」では、ひとつの作品をいろんな角度から鑑賞し、少し体を動かしたことで緊張もほぐれ、それぞれの自由な発想に「なるほど!」とうなずくうちに、自然と和やかな雰囲気になりました。さぁ、野外彫刻の鑑賞にわくわくしながら出発です。

アイスブレイク「小さな立体を作るゲーム」

 

(2)作品鑑賞

屋外には、正門から建物中央棟に向かう広場「エスプラナード」に大きな金属の球体や、直方体や立方体を組み合わせたもの、東口の入口近くの空間には文字が刻まれた巨石などの彫刻が展示されています。

今回は全体で7点の作品を、3つ、グループ毎に選んで順番に鑑賞していきました。大きな作品を囲んで最初は自由に、周りをぐるぐる回りながら360度から見たり、離れてみたり、近づいたりしながら自由に鑑賞します。最初は遠慮しながら発言していた参加者たちも、ファシリテータの声かけで、ひとことずつ、つぶやくように気づいたことをシェアしていきました。そのうちに改めて作品を見直しながら「本当だ!」「確かにそうですね。」「こっちから見ると面白いよ。」と、どんどん発言が活発になり、グループのなかでの気づきが増えていきました。そして、2作品目、3作品目と鑑賞を重ねるうちに、すっかり打ち解けて、自然に言葉が交わされるようになり、鑑賞が深まっていく様子がはっきりと伝わってきました。

 

鑑賞の様子

 

作品と作品の間の移動では、みんなでおしゃべりをしながら歩くのも楽しい時間でした。途中、にわか雨に降られて室内から作品を眺めたり、暑さを避けてアートラウンジで涼んだり。東口の手前にある大きなイチョウの木からは、たくさんのギンナンが落ちていて、踏まないようにそうっとつま先立ちで歩くのも、ちょっとした冒険気分でした。(2回目の開催時には、美術館の清掃の方にプログラムに合わせてギンナンをお掃除していただき、一同感激しました。)

(3)ふりかえり~閉会

約1時間の鑑賞を終えて、アートスタディルームに戻ります。参加者のみなさんの笑顔からは、充実した時間が伝わってきて、このプログラムの最大の目的であった「野外彫刻を楽しむ」ことは実現できたかなと胸が熱くなりました。

アイスブレイクと同じ、グループごとのふりかえりでは、野外彫刻の鑑賞体験で気づいたことの話に花が咲きます。特に「美術館には何度も来ていたけれど、今まで通り過ぎていた野外彫刻がこんなに面白いものと気づくことができた。」「みんなで観ることで、自分ひとりでは気づかなかったことや、考え方を知ることができて楽しかった。」などの感想は、どのグループからも聞こえてきました。

最後にとびラーから、それぞれのグループでどんな感想が出たかを発表して、全員で分かち合いました。みんなで観ること、言葉にすること、そしてそれを聞くことで得られる多くの喜びや、気づいたおもしろい疑問からは、今まで見えなかった世界の扉が開かれる機会となったことがうかがい知れました。

 

ふりかえりの様子

 

4.参加者の感想

プログラム終了後にご記入いただいたアンケートから、参加者の声を一部ご紹介します。2回で計27名の参加者全員から「大変満足」の評価をいただいた結果に驚くとともに、改めて野外彫刻には多くの人を惹きつける魅力があることを確信しました。

(アンケートから抜粋)

・いつもきちんと見てあげていなかった作品たちを正面から横から後ろから見て、常設作品だからこそ数々の楽しみ方があるんだと気づくことができました。

・他の人の意見を聞くことで、自分だけでは考えられなかった視点を得ることができた。

・長い時間の予定でしたので心配でしたが、すぐに時間がたってしまって、とても楽しかったです。

・導入の作品づくりが楽しく、作品鑑賞の助けになりました。

・とてもゆったりしたタイムスケジュールで、みなさんとの鑑賞をたっぷり楽しむことができました。

・これからは街とかにあるオブジェにも心を向けてみようかなって思いました。

・彫刻作品と認識すらしていなかったものが、とてもおもしろいものに変化するという貴重な体験をさせていただきました。

・自由に意見を言える環境だったのがとても良かった。心理的安全性がとても大切だと再認識した。

・ファシリの方が導入してくださったことが、自然でじっくりたのしめた。

・季節が美しく、彫刻が一緒にすごしてくれてる感じ、又たのしんでみたいです。

 

5.最後に

参加者のみなさんのすてきな笑顔に、改めてこんなに魅力的な彫刻たちにいつでも会えることの喜びをかみしめる場になりました。長い期間にわたって、それぞれの仲間が得意技を活かし、意見を重ねて作り上げた野外彫刻を楽しむプログラム。参加してくださったみなさんに心から感謝し、今回の一歩が、野外彫刻の魅力を知る喜びをさらに広げていくことを願っています。

どうぞみなさん、次に東京都美術館にお越しの際は、ちょっと野外彫刻の前で立ち止まってご覧ください!そこにはきっと、新しい扉があります。

(東京都美術館の野外彫刻 https://www.tobikan.jp/archives/collection.html

 

ありがとうございました!

 

 


 

執筆:11期とびラー 曽我千文

好きな野鳥のガイドをしています。対話型鑑賞には感動を分かち合う喜びのヒントがあると思い、とびラーになりました。生きとし輝けるもの全てに、それらを介した人とのつながりが生まれることを確信し、楽しくてしかたがないとびラーライフです。

 

〈申込終了〉【参加者募集!事前申込】野外彫刻を楽しむ(9/30、10/7)

2023.09.15

東京都美術館にある野外彫刻をご覧になったことがありますか。

美術館の庭を探検し、見つけた彫刻たちについて感じたこと、気づいたことをみんなで自由に話しながら、彫刻の魅力を味わう、楽しいひとときを過ごしましょう。

美術の知識や、彫刻の見かたは知らなくても大丈夫。彫刻ってこんなにおもしろいの?きっと発見がありますよ。

2時間のワークショップの中で、とびラー(アート・コミュニケータ)と一緒に作品を見ていきます。お気軽にご参加ください。


日時|

①2023年9月30日(土)14:00〜16:00 (13:45受付開始)  

②2023年10月7日(土)14:00〜16:00 (13:45受付開始) 

※①と②は同じ内容です。重複してのお申し込みはできません。

場所|東京都美術館

集合場所|東京都美術館交流棟2階アートスタディルーム

対象|16歳以上の方

定員|15名(先着順・定員に達し次第受付終了)

参加費|無料

参加方法|事前申込制。以下の専用フォームよりお申し込みください。

※特別に配慮が必要な方はお知らせください。
※小雨決行

 

①2023年9月30日(土)14:00〜16:00 (13:45受付開始)



②2023年10月7日(土)14:00〜16:00 (13:45受付開始)


※本フォームでのお申し込みが完了すると、「返信先Eメールアドレス」宛にメールが届きます。必ずご確認ください。

※お申込み前に「迷惑メール」などの設定を確認し、「@tobikan.jp」からの申込受付メールを受信できるようにしてください。申込完了の自動返信メールが届かない場合は、お申込みされたお名前と電話番号を明記のうえ、p-tobira@tobira-project.info(とびらプロジェクト)宛にメールをお送りください。

※広報や記録用に撮影・録音を行います。ご了承ください。

※定員に達し次第、申し込み受付を終了します。